のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

七つの子お前らに罪はないけれど

2010年05月29日 | 夏の梨畑
先日の雨の降った日、機械小屋を整理していましたら
出てきました、出てきました。
七つの子ならぬ8匹の生まれたての子ネズミ。
たびたび大きな親ネズミがうろちょろ目ざわりでしたので、
致し方ありません。懲らしめてやりました。

話は変わって、ナシの株元の雑草をはぎ取っていると、
いくつもの穴がみつかります。
モグラの穴なのかネズミの穴なのか。
地中を風通し良くする点ではよいのかもしれませんが、
もしかしたらと思えることがあります。

もしかしたら、
このことがモンパ菌を元気づけることになっていないのか。

苗木を植え付ける際には十分な水を与えて空洞がないようにするとか、
モンパ菌を抑えるために株元を湿らせる点滴のようなものをしたらどうか、
というような話を聞いたことがあります。
確か嫌気性といわれるモンパ菌ですが、
いろいろありまして実は好気性でもあるのではという仮説のうえでの話です。

摘果作業等が一段落して雨でも降ったら
株元を勢いのついた水で洗ってやろうかと考えています。

あっ、
雨が降ったら元肥用のボカシづくりをしなければならないんでしたっけ。
やればやるほど百姓暇なし、ですわ。

黒雲のもとに我ありホトトギス

2010年05月27日 | ネイチャースケッチ
季節に似合わぬ寒気が入ってきているとかで一日、不安定な天候でした。
時折、黒い雲が西から東へ流れていて
あちこちに雨を降らせていたようです。

幸い、当地では大きな雨もなく、
ナシの摘果と新梢管理の作業をしていると、
上空ではホトトギスとサシバ?の二重奏。

比較的低いところを羽をばたばたさせながら
あたりに響く声をあげてホトトギスが飛びまわれば、
そのはるか上空をキーキーっとほとんど羽を動かさずに
猛禽類がゆうぜんと黒い雲のしたを流していました。

今年もホトトギスが渡ってきてくれました。
今後三カ月の長期予報によると、低温で雨の日が多いという内容。
せめて園内を明るくして
お天道様の恵みを無駄にしないようにしましょう。

写真は黒い雲を背景にした夕方の手賀沼大橋の様子。
漆黒の闇の中の希望へのはかけ橋って感じ?

気づくまで待てぬ新世紀農業

2010年05月25日 | 農のあれこれ
キューバの近年の有機農業を紹介してきた著者の最新版。
いま先進国で盛んな有機農業は限界がありますよ、
真に持続可能な農業は発展途上国で試みられている
アグロエコロジーではないですかという
問題提起の志がぷんぷん漂ってきます。

アグロエコロジーとは、
農薬や化学肥料を使わない自然と調和した農業のこと。

いわゆる有機農業と何が違うかといえば、
いま先進国で行われている有機農業は
空からバイオ農薬を飛行機で散布する大規模モノカルチャー栽培であったり、
低賃金労働者を酷使することでコストダウン化を図った
従来の工業的農業とあまりかわらない農業形態であったり、
世界中から有機質を集めて機械で大量に散布していたりする
石油エネルギーを前提とした農業になっています。

それに対し開発途上国のアグロエコロジーとは、たとえばSRI農法
System of Rice Intesificationの略で、訳せば「超稲作技術」。

まだ苗が小さいうちに、田植えすること。
苗は間隔をあけて粗植すること。
水田は水分を保ちつつ、湛水しないこと
それに、稲わらや豆科植物や低木のチップやらのバイオマスを使って
10aあたり1000kgの収量がえられることもあるといいます

アグロエコロジーは現場を大切にして
実践を理論と統合させようとしているといいます。
農業教育も専門学校で実践を体験し、
さらに研鑽を深めたい学生が大学で理論を深める制度が
必要ではないかとも書かれています。
長野県農業大学校で教鞭をとっている方らしい主張です。

わが家の後継者君を農業者大学校へ勧めたのも同じ考え方からです。
その理念を実践するはずだった農業者大学校が世の中に受け入れられずに
先日の「事業仕分け」で廃止方針が出されたのは残念なことです。

「ネットで情報世界を旅し、鍬を手にして耕そう」
これが新世紀の農業の姿かもしれません。

吉田太郎 『地球を救う新世紀農業 アグロエコロジー計画』2010年3月
ちくまプリマー新書133 780円+税 

テントウも黄色に染まる若葉雨

2010年05月23日 | 梨の虫
4月が寒かったためか出現が遅れていたアブラムシも
新葉に取り付くようになってようやく
テントウムシもナシの葉にみられるようになりました。

雨も多いせいか、今年も黒星病には悩まれそうです。
着果しないと困ると花芽を多く残して
葉が混んでしまって殺菌剤が届かないためかもしれません。

ギャラリーに野菜果実の並ぶ朝

2010年05月21日 | わが家の時時
学生時代からの友人がオーナーのギャラリーがオープンしました。
東京駅八重洲南口を出てまっすぐ3ブロック目の一角に
そのギャラリーモーツァルトはあります。

学生時代に民俗学者の宮本常一氏や
文化人類学者の川喜多二郎氏に師事したことのある彼らしく
「文化のクライマックス」がキーワードのギャラリーといいます。

特に学生時代に調査に入ったアイヌ文化に関することを発信したいと
第1回企画展は「アイヌとモダン」と名付けたK澤珠美さんの作品の展示販売。
K澤さんはアイヌの伝統的な文様を現代風にアレンジした刺繍や染色を使って
多方面で活躍されています。
自然を模写したことから始まったであろうアイヌの文様が今風に洗練され、
新鮮なイメージを抱きました。

             

K澤さんのご家族は北海道・二風谷で農業をしながら
二風谷の環境やアイヌの文化を守り継承しようと
NPO法人を運営してナショナルトラスト運動に取り組んでいるとか。
所違えど志は同じ、実績はまったく違うのですが、
身近に感じられて応援したくなりました。

そのうちわが家のナシもギャラリーに並べようと彼は言ってくれています。
いつか「遺物」になるまえに
京橋のビジネス街でわが家のナシをお披露目できるかもしれません。

子と並び雨風過ごす喜びよ

2010年05月20日 | 今年の米づくり
今年もペットボトル稲に挑戦です。

去年も挑戦したのですが、
陽のあたるところに放置しておいたら湯だってしまい、全部失敗。
たまたま田んぼの端に残っていたひょろひょろした苗に植え替えて
今度は室内で見守ってきたのが、写真の右側ペットボトルの稲。

一年以上生き延びている稲の2月15日の様子こちら
12月14日の様子はこちら

今年はテーブルの上で稲の生育するのをみながら
ご飯を食べられるでしょうか。

つじつまが合って今年も田植え日和

2010年05月19日 | 今年の米づくり
今年の稲苗のことも記録しておかねばなりますまい。

4月10日の播種直後、寒気に見舞われて発芽が1週間遅れましたが
40日近くになってようやくここまで育ちました。

             

見た目は例年と変わらないようにみえますが、根張りがよくありません。
苗床に水を張ったプール育苗ですと苗箱の中に根が充満するのですが、
今年は苗を持ち上げると千切れるものも。
苗もいくぶんよわよわしい感じもします。

もっとも種もみの薄蒔きに取り組んで10年近くなりますが
当初はもっとがっしりした苗ができてちょっと自慢でしたのに
最近はなんだかなあって感じ。

慣れて感動しなくなったのか、作業に手抜きがあるのか。
それとも種もみに変化があるのでしょうか。

わが家は購入籾を使っていますが、
数年前の県内産の籾は比重1.17で選別すると大半が浮いてしまいました。
(比重1.13以上のものが種もみとして流通しています)
今年は業者さんの都合で他県産の籾でしたが、
同じように塩水選して温湯処理して播種してプール育苗して
こういう状況です。

でも田植えは終わりました。
あとは田んぼで天候に負けないよう元気に育ってもらいたいものです。

電柱を目指すも揺れる苗五線

2010年05月18日 | 今年の米づくり
田植え作業には悪天候の大南風の吹く中、
がんばってしまいました。
朝10時過ぎから夕方5時過ぎまでに105a分の苗移植。
スタッフだけでなく5条植えのわが家の老機械もがんばりました。

というのも、前日、一枚の田んぼを終えたところで動けなくなりました。
そういえば作業中、足元付近から時々異常音がしていました。
田んぼから上がったところでスタックしたのは不幸中の幸いでした。
駆動系シャフトのジョイント部分が摩耗して破損したようです。
機械の耐久性は単純な年数では図られませんが、
15年以上使用していますので、あちこちガタがくるのは致しかないところ。

半日以上の予定していた作業を挽回すべくがんばってしまいましたが、
またどこか壊れるよと機械屋さんのご忠告。
同じくらいの新型を購入するとなると250万円前後。
実質年間使用二日のわが家の経営規模や現在の米価ではとてもとても。
だましだまし老体に鞭打っていくしかありますまい。

考えようによっては、機械が故障するのも悪くありません。
どこが壊れてどういう状況になるのか、
どういう機械の構造になっているのかを知る機会になりますから。

いつかまた会えたらいいね空仰ぐ

2010年05月17日 | ネイチャースケッチ
昨夜からあちこちで話題になっている天文ショーにいっちょかみ。

童話の挿絵にありそうとか、靴メーカーのマークそっくりとか、
三日月と宵の明星の清々しい天文ショーでした。
今夜はもう、明星がどこかに移動していました。

どのくらいの確率でこのような配置になるのか、
つぎに同じような配置になるのはいつになるのかは
本当の天文ファンにお聞きください。

昨日は旧暦の4月3日。
月名 三日月。
東京の日の出は04時35分。日の入は18時40分。
いくら早起きしてもなかなか日の出に立ち会えません。
夕方は19時近くまで野外で作業ができるようになりました。

七十二候「竹笋生ず」の初日。「笋」は「筍」の異字体。
「ちくじゅんしょうず」あるいは「たけのこしょうず」と読むようです。
二十四節気「立夏」の末候。
当地ではすっかりタケノコも出そろっていますが、
梅雨前のさわやかな日はいつまで続くのでしょうか。

ふなの子も田んぼで泳ぐ夏は来ぬ

2010年05月16日 | 今年の米づくり
当世田んぼ「いきものがたり」その3です。

寒さで発芽が遅れていたイネ苗も
つじつまをあわせるかのように丈を伸ばし、
来てみれば去年と変わらない時期に代かき、田植えになりそうです。

今年は暦との関係からいつもとは逆に、
納得米プロジェクト田んぼの方から今日、田植え。
わが家分は昨日、今日で代かき。

湿度の少ないさわやかな五月晴れ。
ふなっこ、どじょっこも春を過ぎて夏が来たかと思ったか、
ふなっこが揚水ポンプを潜り抜け、
何キロもの長い長いパイプの中を泳ぎ継いで
わが家の田んぼの水口でばちゃばちゃとしておりました。



子供の頃はよく沼でフナ釣りをしていましたが、
本当に久しぶりのご対面です。
ん? フナってこんな色でしたっけ?
もう少し濃い色だったような…
フナではないのかしらん?

もしかしたら暗い用水パイプの中でしばらくいて
体の色が落ちたのでしょうか。
それとも卵の時期に揚水され用水施設内で育って
生まれて初めてお日様の元に出てきたってこと?

排水路側に魚道でも作って
ドジョウやフナが泳いでいる田んぼにできればいいのですが。

アヒルの子水面の下は大忙し

2010年05月15日 | ネイチャースケッチ
近頃田んぼの「いきものがたり」、その2です。

今日はわが家分の田んぼで代かき。
そのディーゼルエンジンの音にまぎれて
白鳥の親子が川を一列になって遡上していきました。

この春は、5羽以上の子供が生まれたようです。
この春に何羽が孵ったのかはわかりません。
これから何羽の白鳥が育つのかもわかりません。
上空には二羽のカラスが飛んでいました。

子供を挟んでその前後を体の大きな親がしっかり守っています。
前がオスなのかメスなのかはわかりません。
本当は二羽の大きな白鳥が親なのかどうかもわかりません。

確かなのは、手賀沼で白鳥が子育てしているということ。
しかも、人間を恐れていないということ。
でも、それがよいことなのか、わかりません。

新月に実り占う甲羅干し

2010年05月14日 | 今年の納得米づくり
納得米プロジェクトのメンバーが代かき中に
大きなスッポンを捕まえました。
料理してしまうかの相談までしたそうです。
連絡をもらった時、
待て待て、このムラでは神の使いであるぞと示唆。

この田んぼは、この地域を治めていた城主の館の下にあたり、
今は埋め立てられてしまった池に隣接していました。
元城主の氏神は亀に乗った姿であらわされていて
その池にはいっぱいカメがいたのかもしれません。

そういえば、このムラでは浦島太郎よろしく、
昔からカメを粗末に扱っていなかったような気がします。

罰に当たらないよう、丁重に扱ってもらいました。
新月の日に見つかったことにご利益があるとよいように考えて。

黒い雲雷鳴遠くを確かめる

2010年05月13日 | 夏の梨畑
昨日の午後のことです。
ナシ畑にいると北から東の方へ黒い雲を伴う積乱雲が流れていきます。
雷鳴も聞こえるようです。
こっちに来るなと念じつつ摘果作業をしていました。

夜、ネット上で調べてみたら、
栃木県南部から土浦を経て成田方面に豪雨が移動していったようです。
今朝のラジオでは
その方面の聴取者から降雹の報告があったと伝えていました。
被害に会った方々にお見舞い申し上げます。

連休中の上天気からまた不安定な天候に変わっていますが、
そんな中でも結実したナシの幼果は日々大きくなっています。

今年は噴射型の交配器を使いましたが、
その結果はどうだろうと思いながら摘果をしていると、
いつもよりコロコロとした実が多いような、
つまり十分な花粉量をうけて授粉ができている気がします。
どうやら交配器の効果はあったようです。

ただ、去年と比べると
一花交配の成果は薄められたかもしれません。
梵天で一つの花だけにうまく交配できると、
実一つだけが大きくて、そのほかは小さい実ばかりになりますが、
噴射型ですと、大量の(梵天に比べて)花粉が一つの花に向けられ飛ばされ、
当然ながら周りの花にも花粉が飛ぶのでしょう、
周辺の実もコロコロ大きくなる傾向があるようです(写真上)。

どちらが良いのかは意見の分かれるところかもしれませんが、
現段階では噴射型交配器は好意的に受け止めています。

満月でなくても散布虫ぶらり

2010年05月12日 | 梨の虫
去年のこの時期のナシの防除、満月に農薬散布したようです。

今年も先日、殺虫剤の微生物農薬を散布したところ、
きっちり効いているようです。
シャクトリムシが元気なく、しわしわになっています。
散布したのが満月ではありませんでしたが。

それにしても、ここでようやく少し見られるようになりましたが、
今年もアブラムシの出現が遅れています。
以前なら5月中旬にもなると新梢の先端にはびっしりついていて、
幼い葉を波打たせてしまうのですが、
今年はきれいな葉が展開しています。

今年は気温が低いからと思われますが、
暖かかった去年も同じような傾向でした。
たしか7月になってでてきたような…。

5月下旬に散布する殺虫剤がアブラムシの特効薬で
その効果が切れるころに出てくるということでもあるのでしょうか。

雨んなかツバメにせかされ草を刈る

2010年05月11日 | 今年の米づくり
一日、小雨が降っていましたので、ナシの摘果作業は一休み。
ならばということで、田んぼの畦草刈りをしていました。

みずみずしい若草は適度に硬くて柔らかい。
気持ちよく刈り払い作業が進むと
草の中に隠れていた小さな虫が追い出されてきます。
それを狙ってどこからかツバメが集まってきました。

群れて飛びまわる様は
もっと虫を追い出してと後ろからせかされるようです。

周りの田んぼは田植えがほぼ終わり、
残る田んぼは数えるほどになっています。
わが家の田んぼは代かきもまだです。
苗の生育を待って今週末あたりからでしょうか。