のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

若人よ君に託す畑がある

2014年12月31日 | 農のあれこれ
耕作放棄地の開墾作業が予想以上に手間取って
いつの間にか冬休みになっていました

農家の知人には3人の男の子がいるのですが
なぜか中学生の3番目の子だけが農業に興味があるようです
夕方、友人宅をたずねると
その子が薪と思われるスギ木片ににカンナをかけています
何しているのと聞くと、なんかかっこいいからという答え
これは期待がもてます

開墾地にまだクリの大木が残っていましたので
切り倒しにおいでよと声をかけました
チェーンソウで切り込みを入れて
最後の倒すところだけのこぎりをひいてもらいました



木が倒れた後はお約束のひとときの“樹上生活”
高い枝の上から彼は何を見ているのでしょうか

君に託したい畑はいっぱいある


「ほぼ毎日ブロガー」を目指したのですが
「ときどきブロガー」になってしまいました
一年間、お付き合いいただきありがとうございました








































































放棄地解消ならぬまるで開墾

2014年12月18日 | 農のあれこれ
耕作放棄されていた畑を元の状態にして
貸していただこうとしているのですが
放棄畑解消というよりも山林の開墾の様相

直径50cmはありそうな名もわからぬ雑木を倒し
枝に絡み付いた藤蔓を枝ごとチェーンソウで切り刻み
小枝のミンチはまとめてパワーシャベルで抱えて
周囲に持ち出し
太い幹もパワーシャベルで抱えて持ち出し
ときどき薪になりそうなクヌギだけ取り置くという
生来の貧乏性が余計な作業を増やしています



何十年も放棄されていた畑を借りなくとも
もっと条件のいい畑はいくらでもあるだろうに
という声もありますが…

理由の一つは
既存のわが家のナシ畑を守るために
周辺の環境も自ら管理したいということ
いや、しなければならないということ
近接地に廃棄物処理場ができて、その排煙で
農業ができなくなった友人がいます
2haもまとまって屋敷畑があったのにです

ちょっとカッコいいこというと
後継者君(四代目)に開墾のようなことを体験させたかったこと

わが家のナシ畑の半分は山林を開墾したところ
最初は三代目が高校生のころ
二代目が普通畑作からナシ作りに業態を変えようと
奮闘していました
初代もまだ元気で木を伐りせっせと薪にしていました
三代目も休みになれば当然手伝うことになり
そのときに木の伐り方や薪の作り方などの基本を
覚えた気がします

その後も10年ぐらいまえにナシ畑を拡張しようと
山林を切り開いたことがあります
そのときは三代目が主体でやっていました
初代は新たに家を興し農家になるのに
木を伐り根を堀り出したそうです
(当時はパワーシャベルなんてありません)
こう考えると
わが家は代々農地造成の土木事業をしてきています

もっとカッコいいこというと、いま
農地流動化といって中核農家に農地を集積しようという
政策が進められています
農家として生き残るためには不可欠な政策のひとつですが
農業への企業参入の開放と連係しますと
ひとつ間違うと農家から農地を取り上げ
企業、大資本、場合によっては海外資本が保有することに
刀狩りならぬ農地狩り
命をつなぐ場の喪失、なんてことにもなりかねません

50aもまとまった平坦な農地です
実際、不動産屋さんらしいひとが
この農地を見に来ていたそうです
守るか取られるか、競走です

まあ、そんなカッコいいこといったって
どうやって農地を守るの?ってことがついて回るのですが
手間がかかってはお金がかかります
できるだけ少ない資本投下で最大の成果をあげたい
いま考えられることは
景観作物か機械化の進んだ穀物生産か

景観作物に補助金でも出してもらえませんかねえ
いま農地に復元しているところは
ゴルフ場に隣接しているので
春と秋に彩りある空間をつくるから
ゴルフ場からいくらか協力金を期待できないでしょうか

最近、元気な農家が大豆やソバなどを刈り取る
汎用コンバインを購入して畑で穀物生産に取り組もうとしています
大豆なら豆腐屋さんとか、ソバなら蕎麦屋さんとか
菜種油、ヒマワリ油なら一般消費者の皆さんも
買い支えてくれるような風潮や仕組みができると
理想的なんですが


美味しかな地元油座地の油

2014年12月16日 | グリーンオイルプロジェクト
今年の地あぶらプロジェクトは色々なところに仕掛けて
わが家を含めて約30aの畑で5つの事業者が取り組みました

うち一つの事業者は単独で搾油を依頼
残りの4者が合同で搾油にお願いした種子重量は237kg(写真左側半分の紙袋)
このうちひとつの事業者の採取したヒマワリ種子の保存状態が芳しくなく
保存中に一部、カビが生えた模様で、その分の搾油は断念
ああ、もったいない
乾燥に気をつけてといたのに…



搾油を委託した油座(搾油所)は茨城県にあるNPOバイオライフで
取手市に搾油所があります
搾油機はドイツ製だそうで圧搾方式
ぐりぐりと圧力をかけて絞り出して正面から絞りかすが出てきます
文字通り“油粕”でこれはこれで畑の肥料になります



搾り出た油にはまだ不純物も含まれているので濾過・沈殿させます
プラスチックケースを使った濾過装置はNPOの手作り
時間をかけて濾紙で精製します



透き通った黄金色の油になったところで瓶詰めします
その際にも目の細かい網目で不純物を取り除きます



用意されている瓶は100cc、200cc、500cc
特別、要望がなければ200cc瓶がお勧めのようですが
回りに配るには100cc瓶が手軽
天ぷら用に使うには500ccぐらいは欲しい
では、広く購入してもらうにはどのくらいの容量がいいのかしらん
このほかにも要望に応じますし、
瓶の持ち込みも承っているいるそうです

種子の採取は9月下旬なのに搾油は12月なのはなぜなのか
空気中の湿気が油の品質に影響するそうで
西風が吹き出したころから搾油がはじまります

通常、油量は種子重量の約1/4を想定しているということですが
今年の我々の油はの1/3ぐらいにはなりそうという中間報告
種子の選別を厳密にしたから?
増えた油はどの瓶にいれてもらいましょうか

ついでがついでを呼んで大事に

2014年12月12日 | 農のあれこれ
放置されたナシ畑をお借りすることになり
草刈り作業に着手したと以前、報告しましたが
2月までにナシの抜根まで終えないと
耕作放棄地解消に関する補助金は対象外

周辺にもまだ放置された畑があって
ナシ棚のないところなら大きな機械が入れます
今年は周りの約60aだけ農地に回復しましょうということに

ところが、そこは五年だけじゃなくもう20年も
もしかすると30年も耕作放棄されていたところ
雑木はあるし、篠竹も繁茂しています
とてもわが家の草刈り機ハンマーモアでは歯が立ちません
そこで、知り合いのライスセンターへ草刈り専用機を依頼
比較的草の少ないところはあっという間にきれいになるのですが
奥に行けば行くほど進みかたが鈍ります
とうとう途中で「これ以上進めません」と謝られてしまいました

人海戦術で手作業で刈り払うかとも思いましたが
待てよと以前もお世話になった重機リース屋さんに
パワーシャベルの腕の先にハンマーモアを付けた機械はあるかと尋ねると
調整してのちほど連絡するという返事
年内に使えればというお願いでしたが
明日から使えますとのこと



機械はお借りしたからには
時間がかかればその分、費用がかさみます
取るものも取らずというか
ナシ畑の後始末は後継者君に任せて
なにしろ4mも背丈がありそうな篠竹の塊です
夜明けから夕方まで重機の上に座ってます

せっかくこんな機械を借りたのだから
ついでにこっちもそっちもと荒れ果てた畑を
きれいにするからとお借りすることになって
合計面積は70aくらいになっていそうです
これだけの畑、どうしましょう
新規のナシ畑にしたいほどですが
借地では難しいでしょうねえ

草を刈ったら大きな雑木は抜根して
さらに大型パワーシャベルで天地返ししないと
とても畑にはなりません

ついでだからと始めたことが大仕事になってしまいましたが
一面のヒマワリ畑とか菜の花畑にしたら
大勢人が見に来てくれるでしょうか
そんな夢見て作業しています

浮わついた円も気温も急降下

2014年12月07日 | 冬の梨畑
暖冬で参ったなあなんてのほほんとしていましたら
日本中を包む寒気団
全国的には大雪のようですが
こちらは連日の大霜です
それでも昨夜はパラパラとあられのようなものが降りました

ナシ畑の後始末もまだ済んでなく
これからライ麦の種を蒔かなければなりません
二週間前に播種したライ麦はもう2.3cmに伸びていますが
これから蒔くとなると発芽は遅れるでしょうねえ

早期成園大苗育成装置?

2014年12月05日 | 晩秋の梨畑
先日から建築現場の足場パイプと
ビニールハウス用の支柱パイプを使って
梨の大苗を育成するための支柱づくりをしていました



老木園の改植、新品種の導入が
ナシ産地の課題となっていて
各地で幹を隣の幹に接いでいくジョイント栽培法やら
植物工場並の栽培環境を整えた根域制限栽培法などが
提案されています

一応、わが家でもジョイント方式を試みるという方針で
それ用の大苗育成施設を準備しました
これまでも大苗を育成することは行われてきましたが
これまでと違うポイントは次の二点

一つは、苗育成後に移植する際に
根痛みを最小限にするために
布製のポットを使用すること



もう一つは、まだ未整備ですが、散水装置を設けること
育苗中、適度な肥料分と十分な水分が重要ということは
体験的にも知っていました
蛇口にタイマーを着けて自動的に散水する装置も整えます

支柱の高さは約3m
本当は5mもあれば理想ですが
多目的防災網の下で育成しようとするとこれが限度
布製ポットの直径は30cm
市販の育苗培土を用意しました
防寒対策として籾殻で表面を覆ってあります

これがうまくいけば育苗が億劫にならず
どんどん栽培面積も増やせるかも
土地が用意できればですけど

今年また師走の風が葉を散らす

2014年12月03日 | 晩秋の梨畑
去年も11月までは暖かい日が続いていたのに
12月になったとたんに寒波がやって来て
1月いっぱい寒い日が続きました

今年も12月の声を聞いたとたんに冬将軍到来
北日本では平野部でも雪が積もっているようです

ナシの葉も北風に吹き飛ばされ落葉完了
さあ一年の垢を落としてリセットです

暖冬と言われていたけれど
また今年も立春になったら
冬型が崩れ大雪になるのでしょうか
寒くてもいいから良い天気が続いてほしいのが農家です

甘くてもいいじゃないのおみかんなら

2014年12月02日 | ネイチャースケッチ
解釈変更でいいじゃないのお
ダメよ~ダメダメ
って、世相を反映した流行語が発表されましたが
みかんの糖度なら高くてもいいじゃないのおでいいじゃないのお

わが家の庭先にあるみかんが
今年は特に甘いというか味が濃い
ためしに計ってみるとなんと13.9
いやいや道理で

なぜだろうと思い返すに
春にナシ畑用に用意した自家製ボカシ肥料を施してありました

みかんづくりのプロなら当然の数値かもしれませんが
趣味の庭先果樹ならよろこんだっていいじゃないのお