のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

品種には品種それぞれ意地があり

2013年07月29日 | 梨の品種

本格的な幸水の出荷前に早生種のお披露目です
本日、道の駅直売所に出荷しました

ごく早生の「愛甘水」は愛知県の農家が交配育成した赤梨系品種
果肉は少々粗いものの糖度が高く、幸水よりも早く熟すのが最大の特徴
難点は果肉の変色が早いこと
それさえ目をつむってもらえれれば
本場愛知県ではハウス栽培で6月中に出荷しているとか
誰よりも早くナシを食べたい方にはお勧め

10年くらい前に苗木を購入し、試しに育成していたのですが
なんとなくよい印象が得られず興味を失せている間に
次々と樹の具合が悪くなり、最後の一本だけが残っています
大きくなって樹に力がついてきたのか、よい実も収穫できるようになり
最近、再評価しています


「なつしずく」はわが家期待の青梨系早生品種
外観のきれいな青梨で、肉質はち密でやわらか、糖度は12%程度
ほんのり風味のあるすがすがしげな甘さは猛暑を優しくしてくれるかも
旧盆のお供え用にも幸水と色違いでそろえたら祭壇もにぎやかになるのでは
そんな期待も膨らみます

幸水より1週間程度早く熟すということで導入したのですが
薬剤処理した促成幸水とほぼ同時期に重なって
生産者の間での評判はいまひとつ
上品な姿と食感を消費者の方々にどこまで受け入れてもらえるか
苗木が育って収量が増えてくるこれからが正念場です


幸水前に経済性のある早生種はあるのか
各地の試験場でも開発・育成中で、新しい品種がいくつも提案されています
直売を主体とする県内のナシ農家には
ナシ以外のブルーベリーやイチジク、プラム等を試みている農家もあります
わが家もナシの新品種や昨日のようなモモの可能性を模索していくことになりそうです


幸水の予約受け付けは終了しました

2013年07月28日 | 梨の品種

本年もたいへん多くのナシ発送のご注文をいただきありがとうございます

たいへん恐縮ですが
「幸水」の予約件数が想定件数を超えたため、予約の受付を終了しております
現在は幸水がなくなった場合に
次の品種の「秋麗」あるいは「豊水」に変更されるかもしれない
という条件付きでお受けすることになります

他の品種につきましてはまだ発送予約をお受けしております

幸水がないからというわけではないのですが
今年初めてモモを収穫しています
品種名は「つきあかり」といいます

モモというと「あかつき」に代表される大きな白い果肉のモモが思い浮かびますが
みずみずしく軟らかい果肉であるもののなんとなくぼんやりとした印象
子供の頃、庭先に一本のモモの木があって
虫食いだらけでしたが、しっかりした甘いモモにはなかなか出逢いません
ならば自分で作りしかないというわけで
ナシ畑の端に2本のモモの苗木を植えました

「つきあかり」の果肉は黄色で溶質、糖度は14%前後とカタログにはあります
果重は200g程度の小ぶりなモモですが
黄肉桃特有の香りが楽しめます
昔食べたのもこんな感じだったような

                 

苗木を植えたのは3年前
“モモクリ三年”とはよくいったもの
3年目にはわが家で食べきれないくらいの実をならせてくれました
「つきあかり」が品種登録されたのが平成22年ですから、その年に購入
どこよりも早く、というかまだ市場流通するまえの
生産者ならではのぜいたくな一品です

道の駅直売所を通じて皆さまにおすそわけと少量出荷したのですが
店頭に並ぶ前に売れ切れたようです
そんなに地場産モモがめずらしいならモモ農家にもなろうかしらん


曇天に嵐を呼ぶか黒テント

2013年07月27日 | ネイチャースケッチ

昨年、農産物加工場を整えたついでに建物のまわりにコンクリートを打ったものですから
日射は跳ねかえるは熱は蓄えるはで猛暑の夏はたまらんということで
建物のまわりに農業用の遮光ネットを張りました

風情からいえばヨシズを張り巡らしたりゴーヤのような日陰をつくる植物の棚なんでしょうが
なにせ、軽量、簡単、安価

ところが皮肉なことに、遮光ネットを張り巡らせたころから猛暑は落ち着き、昔の夏に
陽がささないから極端に暑くならない
遮光率90%ではかえってうす暗い感じ
そのありがたみを実感できるのはまだ

全国のあちこちで集中豪雨やゲリラ豪雨で被害がでていますが
少なくともわが家周辺は土ぼこりが舞っています
畑の土をロータリーでかき混ぜてもパフパフした状態
おかげで夏の雑草は耕すだけで消えていますが
やはり雨が欲しい

今日も千葉県北東部には午前中から雷雲がかかったままで動かない
午後になって雷電の空中を切り裂く音が近づいてきましたが
しばらくは音と風だけ
諦めたころになってようやくわが家周辺でも豪雨がありました
これだけの雨量、本当に久しぶりです

              

ハダニの害がみられたナシ畑があったのですが
ハダニは水に弱い
今日の豪雨で殺ダニ剤を散布せずに済んだかな


さもあらん猛暑一転寒い夏

2013年07月24日 | ネイチャースケッチ

                    

               

写真は20日の夕焼け
こんなさわやかな夕焼けは秋だろうとつっこみを入れたくなるところですが
猛暑のときは見られなかったカブトムシは最近一気に出没しているようです
アブラゼミもようやく鳴き出しました

このところ夏らしくないぐずついた天候で変だなと思っていましたら
北海道・東北の太平洋側に低温警戒注意報が出されたとか
北陸・東北はまだ梅雨明けされてなく大雨の被害もでています
関東以南もしばらくは戻り梅雨だそうで
猛暑一転寒い夏の様相か

それで思い出すのが2003年の夏
旧盆中、大雨が降り20度前後の気温
長袖シャツを引っ張り出してとぼとぼと濡れそぼってナシを収穫していました
それでも9月になると夏がぶり返し
9月13日にその夏の最高気温、東京で34℃を記録しています

天候が順調に推移しないとナシの収穫期も読めませんが
少なくとも幸水は近々、収穫が始まります


困りごとカラス払いに水散布

2013年07月19日 | 夏の梨畑
ナシの収穫間近のこの時期
実の肥大の心配やら作業場の準備やらで結構気忙しくなるものです。
それだけで済まないのが畑の現実です。

ひとつはカラスの襲来です。
ナシ畑は基本的には防災網で覆われていますので問題がないようですが
ズル賢いカラスがいまして
小さな網の穴から入り込み美味しそうな実から試食しています



中には芯の部分だけ残してきれいに食べることもあるのですが
だいたいはついばみ散らかすって感じで
気がつかないでいると相当な被害となります

あるときなど午前中、被害果を落とし
網の補修を残したまま昼食に帰り
午後畑に来ると新しい食害果があったほど
完全にナメられています

賢い奴らですから
水糸を張ったりオモチャのカラスをぶら下げたりしても
効果はありません
仲間を捕まえ見えるようにさらしておくのがテキメン
賢いからこその対策ですが
ほんとうはしたくないのですが


もうひとつは水不足対策
今年は空梅雨で終わってしまいました
夜間の気温を下げて暑さから解放してやろうと夜間に散水しています
夕方から真夜中まで6時間程度、順繰りに散水していきます
ホースの移動も面倒ですし夜中に水を止めに出なければならないのも煩わしい

水が足りていないのか
実の肥大が遅れているという声が聞こえてきます


ナシ直売のDMを発送しました

2013年07月18日 | 今年の梨づくり
昨年のお客様へは数日のうちにDMがお手元に届くと思います
新規にナシの宅配等をご検討されている方にも
連絡をいただけましたらDMをお送りします
よろしくご検討ください

猛暑日が続いていたのに15日に前線が南下してきて天候が一転
気温が30度近くあってもこれくらいの暑さなら許すって感じ
早くも秋がきたようです
体がついていけないだけでなくナシも戸惑っているようです

その年の最高気温を記録して相対的に涼しくなって秋を感じたら
ナシ(幸水)は実を熟し始めます
さらに暑さが続いてもう少し実の肥大を期待していたのですが
今年は例年より小ぶりになるかもしれません
まだ作業場の準備も畑の草刈りも終わっていないのにどうしましょ

イネも早生種は穂を出し始めたようです

                


ナシを愛する人に贈る甘露かな

2013年07月16日 | 梨の品種
ナシ直売のDMができるまえに早くも今年産のナシが収穫されました
極早生の「愛甘水 あいかんすい」です

早い時期に収穫できるというのが最大の特徴で
果肉が少し粗いものの今年は特に甘い
糖度13度にもなっていました

一本しかないのであちこち配って終りになってしまいます
早生といわれるもう一品種の
「なつしずく」がこのくらいの時期に収穫できるといいのですが

ゆるキャラの中はさぞかし暑かろう

2013年07月08日 | 農のあれこれ
鎌ヶ谷市の農家を訪ねたら市の公認キャラクター“かまたん”が来ていました
“くまもん”の成功事例もあってあちこちでキャラクターづくりが盛ん

柏市では地区キャラクターはいますが
市全体を代表するゆるキャラクターはまだいません
柏レイソルのキャラクター“レイくん”がいるので
それでよしとするのか
新たに作ろうという声も大きくなっていないようです

ゆるキャラを集めて批評しあうならまだしも
まちの花や鳥が制定されていたりするのですから
タウンイメージをゆるキャラに任せようという魂胆はどんなもんでしょ

我々を歓迎して“かまたん”が愛想を振りまいていたものですから
調子に乗って抱きつこうとしたら
ある種の危険を感じたのか、彼?彼女?は一瞬ひるみました
やはり“かまたん”は彼女だったのかも

長い夏覚悟せよと水の呼ぶ

2013年07月06日 | ネイチャースケッチ
あっという間に梅雨が明けてしまいました
入梅も早かったのですがあけるのも早い
ゲリラ豪雨ばかりで隣は降ってもこっちは降らない
そんな雨が多かった感じです
梅雨らしい天気は1週間ぐらいでしたか

これからナシの実が肥大しようとしているのに
雨量が足りているのか
やれるだけの潅水をするしかないでしょうねえ

暑い夏も堪えますが、長い夏はさらに堪えます

写真はウキグサ
庭先にこの春に設置したミニ田んぼに湧いてきたウキグサです

                   

既存の田んぼとは全く隔離されています
畑の土を入れたのですが
どこから種が飛んでくるのでしょうか

今年のヒマワリ油も危ないです

2013年07月03日 | グリーンオイルプロジェクト
昨年の雪辱とばかりに今年も搾油用のヒマワリの種をまきました
今年の新しい種子を入手できなかったので
昨年の残りの種で再挑戦です

                 

品種は「ハイオレイック」と「春りん蔵」の2種類
「春りん蔵」は三日目ぐらいには芽を出してきて
ぞっくりと芽を出しているのですが
「ハイオレイック」は一週間してもパラパラ
極端に発芽率が悪くなっています
これもまたF1由来の特徴?

毎年の繰り返しこそ難しい

2013年07月01日 | 梨の土づくり
夕方、ヒグラシの初鳴きを聞きました
去年は7月4日でした
ヒグラシが早く鳴き出すと梅雨が早く上がるという浅はかな仮説があるのですが、
はたしてどうなりますか

農作業というのは毎年同じことを繰り返していればいいようなイメージですが
実はその同じことを繰り返すことが難しい
毎年、天候も違うし、タイミングが合わない時もあるし
第一、こちらの体力・気力も違うし

そんな言い訳をしつつ
今年もナシの元肥え用に有機質ぼかしを準備しています
今年の原材料は次の通り
数値は攪拌一回分の重量

魚粉…20kg
カニガラ…10kg
海藻粉…10kg
米ぬか…10kgぐらい
もみ殻くん炭…5kgぐらい(袋半分)
くず米…少々
ヒマワリ油粕…少々
ナシエキス含む水…12kg

                 

今年の特徴は海藻粉を混ぜ入れたことでしょうか
いつも混ぜ合わせるくず大豆は在庫量が多くなっていましたので
春先に10aあたり100kgを表面散布しています
ヒマワリ油粕は搾油した搾りかすを頂いてきていました

想定外はナシエキスです
去年はうまく発酵させることができました
今年はこんな感じ

                 
                 

ナシの実の形がそっくり残ってしまっています
発酵液を使うと実を切り刻まなくとも分解してしまうということを
どこかで聞いてきたものですからやってみました
去年と同じように「えひめAI」という発酵液を入れたのですが
その発酵液自体がうまくいっていなかったのか
とにかく失敗しました

今年も米袋200袋を用意すべくただいま発酵中です