のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

種あれば組み替えずとも信得らる

2011年10月31日 | 農のあれこれ
国内トップ種苗メーカーT社を紹介するTV番組を見ました

「一粒万倍」を経営理念として江戸期から続くT社
目先の得よりお客の信頼を得るのを優先することで
後々利益は万倍になって帰ってくるという教えとか
世界中の原種の種子を保存していて
遺伝子組み換えに頼らない品種改良をこれからも続けていく
と社長が話していました

たまたま先週 国内二位種苗メーカーのS社の育種開発農場へ
農業委員会の視察研修で訪れました

世界中に育種農場を持っているのは
交配時に不必要な花粉が混じらないようにするために
広大な面積が必要ということなど目からウロコ

耐病性品種の開発をしているというので
有機栽培に向いた種子の開発をしてとお願いすると
まったく想定していなかった様子
在来品種は在来品種でいいのですが
より容易に有機栽培ができたらもっと広がるでしょうに

納豆と乳酸酵母で土元気

2011年10月28日 | 梨の土づくり
9月末に隣町で“いーM菌”を使った栽培方法で実績を上げている農家に
話を聞きにいきました

作物が根から吸収できるのは無機のチッソだけ
と思われていたそれまでの学説がひるがえり
作物の根が有機物を吸収するという研究成果が発表され
有機栽培の新たなステージがはじまったこと

それまで異端児扱いされていた
“いーM菌”団体が土壌学会と和解していたこと

嫌気性菌とばかり思っていた“いーM菌”のなかには
実は好気性菌も含まれていたこと
たしかに「有用微生物群」と称していて
「嫌気性」とは謳っていません

微生物農法の有効性はある程度確信を持てたのですが
種菌を購入し培養する装置が数十万円かかること

ボカシ肥料をつくる時に密閉容器が必要なこと

などからいまひとつ乗り切れなかったのですが
帰り際に“いーM菌”だけでなく
いろいろな微生物農法が提案されているからというアドバイス

そういえば最近雑誌などで
納豆菌・乳酸菌・酵母菌による「えひめAI」なるパワー菌液が注目されいます

種菌はそれぞれ納豆・ヨーグルト・ドライイーストを使って
砂糖液で培養するという手作りが可能とか
原材料が食品でしかも安価
作り方も簡単のようです

さっそく500mlのペットボトルで試してみました
テキストよりも時間はかかりましたが
温度が足りなかったのでしょう
ナシのくずの入ったタンクに投入してみたら
発酵がどんどん進んでいる感じ

今年はこの菌を使ったボカシを作ったり
薄めて作物に散布してみたりしてみましょうか

タケノコとアスパラ足して割る2タケ

2011年10月25日 | 農のあれこれ
マコモダケをおすそ分けしてもらいました

中華食材として有名ですが
淡白な味で食感はタケノコとアスパラの間って感じで
炒め物でも天ぷらでも炊き込みご飯でもなんでも
どんな料理にも合うようです

試しに作っている知人によると
初めての今年は肥料分が少なかったようで
そのうえ雑草を抑えるひまもなく生育が悪かったといいます

直売所でも反応はいまいちとか

新商品の開発には失敗がつき物です

蟷螂や色失せてなお命継ぐ

2011年10月23日 | ネイチャースケッチ
            

この時期 ナシ畑の網を納める作業をしていると
よくカマキリを見かけます

エサを得んがため
卵を産むエネルギーを得んがため
網が被っていたり腐れた果実があったりするナシ畑は
ちょうど適しているのでしょう

            

            

玄関先でも一匹のカマキリが最後の力を振り絞るように
白く泡だった卵塊を産み付けていました
しばらく動かないものですから
死してなお子らを守っていたのかと感動したのですが
いつの間にか姿が見られなくなりました

ムシだって命をつなぐことに命をかけています
ヒトである我々もまた命の鎖を断つわけにはいきません



医師のカマ田みのるさんが
被災後の新たな哲学を編み直さねばならないと語っていました
正解の○に近い△を探すしかないといいます
被ばくリスクを知り自分で決めるしかないといいます
(10月3日のアサ日新聞夕刊)



哲学者の内山タカシさんは
働きかけ働きかけられる関係を再創造しなければならないといいます
(『文明の災禍』新潮新書437 2011.9)

危険か危険でないかは判断できるかどうかであって
判断できないものは有害か無害化に関わらず危険なのである
となれば
放射性物質については論理的に「風評被害」はないと考えた方がよい
低線量だから大丈夫とも
このレベル以下でも危険だと言いきることもできない
影響の出方には個人差があるから
結論は「とりあえず影響はありません」でしかない
原発事故は
人間的な怒りや誇りや善意が通用していた時間を停止させ破壊した…

過去の人たちがつくりだした文化や文明、技術などを受け継ぎながら
自分たちの作り出したものを未来の人たちに手渡そうとしてきた
人々の営みが過去の時間と未来の時間をつないできたが
原発事故は生きている人の未来の時間を破壊し
汚染地域の未来の時間を丸ごと破壊してしまった…

自分は何のためにいきているのか
他者から働きかけられていない自分を感じた時
人間は自分の存在に不安の抱く(存在の自己諒解)…

風土とは自然の時間蓄積と人間の時間蓄積によって生まれたもの
そこには自然があり 他者としての人々や死者がいて
歴史や文化が作られている
その内部では働きかけられ働きかける世界が展開している…

復興とは「関係の再創造」である
確かな生は確かな関係とともにある…



長崎の友人はこれまでの放射能汚染問題に対して相当怒っています
彼からのメールを引用させてもらいます

被爆地に生まれ育ち、被爆者を両親に持つ私に言わせれば、
福島の花火や松の木や、転校してきた小学生が放射能汚染で怖いというのなら
広島・長崎には来るな!です
何の防御も、制御も、拡散防止も、除染もされなかった被爆地で
その翌日から今日まで人は生きています


彼らはどのように魂の次元での折り合いをつけてきたのでしょうか

これからも女手頼りの野良仕事

2011年10月20日 | 農のあれこれ
農業機械を操作したいという手賀沼トラストの仲間たちと
県の農業大学校の農業機械体験研修に出かけてきました

何をいまさらトラクター運転の体験?という声も出てきそうですが
プロとして機械操作を教える場面も少なからずあって
そういえば自己流だったなあと反省
一度 基礎から教えてもらおうかというわけです

当日の一日研修の参加者は10名でうち6名は女性

女性5人は佐倉・八街あたりの農家の若い奥さん方のグループ
みなさん 大規模経営なんだけどこれまでの機械操作は旦那さん任せ
これからは旦那さんの仕事をいくらかでも補えればと
いう思いで参加したそうです
エライ!

もっと感心したのはもう一人の女性
新規就農希望なのだがご多分にもれず
なかなか貸してもらえる農地が見つからない
そこでまず機械操作を覚えて
農機を使える担い手となって農家の信頼を獲得して
その後に農地をお借りしたいというお考えとか
エライ!エライ!エライ!のエライ3つ
そこまで考え 覚悟を決めているなら
なにか支援でもしてやろうかという気にもなります

青い鳥求めて晩秋彷徨えり

2011年10月17日 | 農のあれこれ
今朝のNHKテレビ「あさイチ」は意欲的な企画でした

「ふだんの食生活で本当はどれだけ摂取していのるか」を
全国5地点(札幌、福島、東京、大阪、広島)で
一般家庭の1週間の食事に含まれる放射性物質を分析していました
東京で産地を気にしている家庭や気にしない家庭
大阪や札幌で地元産を中心に食べている家庭
福島の農家や福島の地元産を食べている家庭など7家庭

出てきた結果は
気にしてもしなくても福島でも大阪でも大差はありませんでした
微量な線量がそれぞれの家庭の食事から計測されていました
福島の農家を応援しようと積極的に地場産を選んでいるお宅の食事からは
数字が出ませんでした

一週間のサンプル調査だろとか
農産物以外の食材は問題ないのかとか
それでもやっぱり気にするとか
はたまたマスメディアの情報操作ではないかとか
いろいろ感想はあるでしょうが
ここから二つの仮説がたてられそうです

一つは環境汚染が広がっているのか流通で広がっているのかはともかく
全国どこでも同じようなリスクがあるかもしれないということ

もうひとつは
福島の農産物は環境汚染に比べ度合いが低いのかもしれないということ

二つ目は土壌汚染の数値が高いところのコメも
ほとんどが暫定基準値内であったことからも推定できるかもしれません
その理由として福島県内の土壌は粘土質が多く
放射性物質は粘土質に吸着されやすく作物に移行しにくいといわれています

先日のNHKテレビ
サイエンスZERO シリーズ原発事故(2)農産物の汚染を見極めろでも
それを検証する研究成果を紹介していました

このことから類推すると農産物の汚染度合いは
環境汚染よりも土質の方が影響を与えるのではないかということ
言いかえれば環境汚染が低くても
土質によっては農産物汚染が比較的高いこともあるということ
回遊性のある魚と違って農産物は産地がはっきりしていて
区別がつきやすいといわれていましたがますます混乱しそう

でもさきほどの一つ目の仮説から
もしリスクがあっても低いレベルのものといえるかもしれません

あれっ 「すぐに影響はありません」と同じ結論になってしまった???


農産物汚染について最近わかってきたことのもう一つ

果樹の放射性物質の移行係数は低いといわれてきましたが
果実の汚染度合いが比較的高いということ
「サイエンスゼロ」でも取り上げられいて
その原因として樹皮の隙間などに降り積もった放射性物質が
影響を与えているのではないかという話でした
その対策として粗皮はぎが有効という事例も紹介されていました


事態は刻々動いているうえ
不安が増したり思考停止に促されるような方向に
向かっているような気がします
ここは農地除染などを積極的に取り組む姿勢をみてもらうことで
生産者としての信頼を維持することが大事だと思うのですが

これはどうあれはいかがか商談会

2011年10月16日 | 農のあれこれ
雨が降り出すよという予報の土曜日
幕張メッセで開かれていた「国際農業資材EXPO」という
展示会に出かけてきました

オープン時に駐車場に入るまでに30分もかかってしまいました
同じ会場で行われている「国際フラワーEXPO」「国際ガーデンEXPO」
「国際イクシテリアEXPO」「国際道工具・作業用品EXPO」
もこんなに人気があるのかと思ったのですが
隣会場でなにかのホビーショー?が行われていて
道理でお子さん連れの姿も見えると納得

3日間の開催で来場予定者は2万人というイベントですが
これまでの似たような展示会と比べても
人込みは少ないかなって感じ
もっとも実質的な商談の場としていて関係者以外は
原則お断りという性格からこの程度なのかもしれません

気になった展示品の一つは
太陽電池の下でも農業が可能な太陽光発電モジュール
円筒形のモジュールで発電効率を高めるとともに
モジュールの間に隙間があいていて雨風も光も通すことで
農業生産と電力エネルギー生産を同時に実現しているといいます
遊休農地や耕作放棄地だけでない農地の重層的な土地利用が可能になるというのは
目からうろこでした

もっと軽いものではキャップ(帽子)のつばの先端にLEDがついていて
夜間の行動や作業に使えるというもの
いわばヘッドランプ代わり
画期的とは思ったのですが
どういう場面で使えるのかイメージできず購入はしてきませんでした

もうひとつ 忘れちゃいけないのは
通気性はあるのに防水性もある不織布でできた農作業用カッパ
なにしろ試供品のサンプルをいただいてきましたから
軽くて安価だけど年中使うものになるとかえって高価になりそうです

「国際」と銘打つこともあって韓国や台湾からきた業者ブースもありました
フラワーexpoには南米コロンビアからも出店していました

エクステリアやガーデンコーナーが人気が少なかったのは
業界の現状を反映しているのかちょっと気になりました

十六夜の月や甘露の滴りぬ

2011年10月12日 | 梨の品種
10月のわが家のいち押しのナシ『王秋』です
まだ店頭でも馴染みがないので毎年PRしています

形状がラグビーボールのようで果皮の色もきれいとはいえませんが
果肉は晩生種としてはさくさくときめ細かく
甘味と酸味を持ち合わせた果汁はまさに『10月の豊水』
完熟すると洋ナシのような感触になって
一つの品種で二つの美味しさを楽しめるともいわれます

(慈梨×二十世紀)と新雪を掛け合わせてできた品種

形状と追熟したときの美味しさは中国ナシ「慈梨」の性質
果肉のきめ細かさと酸味は「二十世紀」ゆずり
晩生で保存がきくのは「新雪」ならでは
それぞれのご先祖の良いところ取りの品種です

ひと月以上も常温保存が可能で
お歳暮代わりにご利用いただいているお客さまもいらっしゃいます

やるべきかやらないべきか孫子知る

2011年10月10日 | 梨の土づくり
ふくしま県内の農産物への放射能汚染度合いが
想定よりも低いというようなことが伝わってきています
県内の広い地域の土壌が粘土質であることがその理由のようです

放射性物質は粘土土壌に吸着され
農作物へ放射性物質が移行しにくくすることは
事故当初からいわれていました
それも多孔質の2対1型モンモリロナイトが効果的といわれています

そこで2対1型モンモリロナイト系粘土鉱物の土壌改良剤を購入しました
が……
購入してはみたものの はてさてどうしたものか
ちょっと躊躇してしまいました

粘土鉱物を積極的に散布し放射性物質を土に吸着させれば
農産物には移行しにくくなり
商品として流通させることは容易になるでしょう

しかし そこで暮らすあるいは仕事をする人間にとっては
身近に放射性物質が存在することには変わりなく
リスクが高まる可能性があります

つまり経済をとるのか生活をとるのかの選択になるのではないか
と一瞬心をよぎりました

では粘土鉱物を散布しなければ生活の質が向上するかといえば
全面的な除染を施さなければ事態は変わらない
これまでに明らかになっている程度の汚染度合いでは
そういうことはまず不可能だろう
ならば経営を安定させることを優先すべきでないか

という思いめぐらした結果 散布することに納得
この選択の良し悪しは「神のみぞ知る」ではなく
時間がたって孫子の代になってわかるのかもしれません

ああ まったく余計な心配でくたびれること

あんな子に育てた親と気付かされ

2011年10月08日 | わが家の時時
学生団体のつくる食をテーマとするフリーペーパーです
創刊号はわが家の姉娘が編集長をしています

表紙の女の子はわが娘とは違います
こんなに美人ではありません 性格はわるくないのですが

創刊準備号までは団体代表もしていたそうですが
もう次のことがやりたくて代表を変わってもらったそうです
編集長も創刊号だけで変わってもらうそうです

まったく飛んでいる娘なので何をやりだすのか
はらはらでもあり楽しみでもあります

新高の収穫が遅れています

2011年10月05日 | 梨の出荷
いつもならとっくに届いているころなのに
今年は10月になっても注文したナシが届かない
というお叱りの電話をいただいております

7月に注文して10月まで待っていただいている
気の長いお客様でもそろそろ待つのも限界のことと
お詫び申し上げます

申し訳ありません

中には先だっての台風でみんな落ちちゃっているのではと
心配くださる方もいらっしゃいます
ご心配いただき恐れ入ります
でも写真に写っているようにまだしっかり樹上にあります

ここにきて一気に寒くなっているのですが
今年は熟期が遅れているようです
7月下旬と8月下旬に涼しくなってその後暑い日が続くという
イレギュラーな天候の推移で
ナシの木も調子が狂っちゃったようです

新高は完熟させないと美味しくないので
もう少し様子を見させてください
次の品種 「王秋」もたくさん実をつけています

             

日もすがらサギに馳走を振る舞えり

2011年10月04日 | 今年の米づくり
ナシの収穫作業が忙しくないので雨が降る前にと
田んぼに米ぬかを散布して粗起こし作業
いつものようにサギがトラクターにまとわりついて
トラクターに驚いたカエルが飛び出てくるのを待っていました

その前に一工夫
稲の切り株と廃わらをハンマーモアで叩き砕いておくと
一回分のロータリーがけを省けるほど田面に稲わらが残りません
トラクターが二度田んぼを走るのは変わりませんが
モアの方が早く走れるしエンジン回転も上げずに燃料も食いません

ところで
玄米から放射能を検出されなかったとはいえ
米ぬかを田んぼに散布してよいものか迷いました

放射性物質(セシウム)が土壌中からイネに吸収された場合
わらに73% もみ殻7% 白米7% で ぬか10%と言われています 
稲わらをそのまま田んぼに還元するのだから
ぬかぐらいなら大きな差はないだろうとはいえ
わざわざ汚染されたぬかを田んぼに入れることもあるまいとも思います

でも
ぬかを散布したのは10aあたりせいぜい60kg程度
10aあたり8俵の米が収穫できたとして
その一割がぬかとしたら 60kg×8俵×0.1=48kg ですから
おおよそ吸収される前の状態に戻ったという計算

まったく
こんなことを気にしなくてもよい時に戻りたい



この土地に根付いていいか考える

2011年10月03日 | 今年の米づくり
柏市内の米からはセシウムが検出されなかったので販売できるという
千葉県のお墨付きを頂いていた今年度産米ですが
ナシと同様
わが家のコメについても独自に放射能検査にかけていました
検査機関が混んでいたようでようやく「検出せず」という結果が出てきました

柏市が独自に行っている市内産農産物の放射性物質の簡易検査結果をみても
ごく一部の品目を除いて「検出せず」の汚染レベル
これから原発事故がどのように推移するかはわかりませんが
現状のままでいくとすると これからも
市内農産物については「検出せず」のまま流通にのせられそうです

ひと安心する一方で
先日文科省が公表した地図に示された「放射性物質の蓄積状況」をみると
わが家のあるあたりは
チェルノブイリ事故で指定された「汚染区域」とほぼ同レベルの汚染状況で
このままでいいのだろうかと考え込まざるを得ません

ここで収穫できる農産物が吸収するのは最低限であるものの
この土地には植物が吸収され得ない放射性物質が存在するということです
“ただちに健康に影響はない”ということは
我々や今の子供たちには
目に見える健康被害が出る可能性は低いのかもしれません

しかし その先はどうなんでしょう
長い間分解されない放射能物質の影響が
世代を越えて体内に蓄積していくことはないのでしょうか
孫 ひ孫の代になった時
なんら問題ないといえるのでしょうか

人類がいまだ経験したことにない事態で誰もわからない
というのが真実でしょう

農家としてこのままこの土地で暮らしていっていいのか
いまこの土地で暮らすことを選択して
子孫たちの健康に責任が持てるのか
今すぐでなくとも10年単位ぐらいのスケールで
転居も考えた方がいいのではないか

世界中どこへいっても程度の差はあれ
放射能汚染されていることには変わりないかもしれません
しかし
農家には「後のことは次の世代で考えろ」なんて思考停止はできません
土地と家と墓と屋号を引き継いでいくことが最重要視されてきました
引き継がないでいいのであれば好き勝手なことをすればいい
引き継いでいくからこそ現世代は子孫たちに責任があるのです

江戸時代の“国変え”させられた武家たちは
何を考えていたのだろうと思います
満蒙開拓者やブラジル移民
紀伊山中の十津川村から北海道の新十津川村に移住した人たちは
何を考えていたのだろうと思います
そして今 フクシマの人たちは何を考えているのだろうと
他人事でなく思います

もしこれからわが家が新天地を求めるとしたら……
……
手賀沼と同じ淡水湖のある近江の国がいいかなあ