のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

雨蛙飛び込む側に田主住む

2006年07月31日 | 今年の米づくり
田んぼの水の様子を見に畦を歩いていくと、カエルが驚いて田んぼの中に飛び込みます。それもほぼ決まった方向、つまりコナギに覆われたわが家の田んぼの方に。

「田主」とはタニシの語源にあたるそうです。「田螺長者」という民話もあります。タニシは水の精霊の化身で、さまざまな難題を解決して、最後は長者の娘と結婚するという話です。それだけこの貝がなにか大きな力を持っていると考えられていたのかもしれません。

無除草剤・有機肥料4年目の田んぼで、タニシ以上に多く見られるのが写真のモロアラ貝(モノアラ貝?)。ゴロゴロいます。姫モロアラ貝はホタルのエサになるそうです。NPO農と自然の研究所の試算によると、姫モロアラ貝一匹生息する場所で、ご飯一杯分の米がとれるそうです。この試算なら今年も豊作?

生き物を養う土の一千日も大事だなあと、…

色色を柔らかく包み夏の市

2006年07月30日 | アグリママ
我孫子市内のマンションでの月に一度の朝市に自家用野菜を持って行きました。

左からジャガイモ、カボチャ、ニンジン、それにウリ、ナス、シシトウを入れた箱。花は普段から道の駅に出荷しているもの。

朝市は見せる(魅せる?)ことも大事。これは欧州で多くの朝市を見てきた有機野菜農家N氏の助言。だから野菜を入れる器も木製のリンゴ箱を利用しています(花はプラスチックのままですが)。木製とか竹製のかごとか、自然素材に入れた方がよいというアドバイスでした。農作業の現場ではプラスチック製のコンテナが大手を振ってブイブイいわせておりますが、お客様とあれこれ情報交換するには柔らかい舞台装置が必要かもしれません。

本当は個々の野菜もビニール袋に詰めず、ばらのままが良かったのでしょうが、カボチャは一個まるまるでは売れません。半分の大きさでもだめ。いろいろレシピを提案しても、せいぜい1/4個の大きさまで。一回分の食材です。確実に食生活のスタイルが変わっていきていることを再認識させられました。


今日、梅雨が明けたようですが、東風が吹いて薄手のTシャツ一枚では涼しいくらいの気温。それでも不足していた日照が戻ってくれれば、ナシもイネも喜んでくれるでしょう。そのうちに少しずつ暑くなってもらえれば…

北の夏思うまでなくイモチ斑

2006年07月29日 | 今年の米づくり
収穫前というのに、暗いテーマが続きます。これも現実と考え、お付き合いください。「お付き合い、文化放送」 あっ、別にラジオの文化放送の回し者ではありません。


東北地方では低温と日照不足から農作物の成育に対する注意報が出されたり、対策がとられたりしていると報道されていました。特にイネのイモチ病が問題となっているようです。

そういわれれば、こちらでも水路の土手に生えたカヤ類の葉が除草剤をかけたような感じで枯れこみが入っていました。畦の雑草にもイモチらしい病班が出ています。指導機関の専門家もイネの下葉のほうに病班がみられると指摘していました。

写真は梨畑の中の雑草にみられた病班。

葉イモチが穂に移るとコメの収量に影響を与えるといわれます。

夏の田んぼに農薬を空中散布するのはイモチ病とカメムシ対策ですが、今年はたまたまどちらも発生しています。イモチ病などはもっと寒い地方の課題で、このあたりでは農薬を散布しなくとも問題ないのではと思っていたのですが、必ずしもそうともいえないのかもしれません。

カメムシも、山林に隣接した田んぼの中にはあの匂いが漂っているところもあります。白米にしたときに色のついたコメが混じっていることが問題となれば、「やはり農薬は必要」という声が大きくなりそうです。

草に負け気力も萎えた無除草剤失敗の種だけ集まりつ

2006年07月28日 | 今年の米づくり
隣の田んぼではそろそろ出穂期を迎えようとしている時期の、わが家の無除草剤4年目の田んぼの様子。条間、株間はコナギで埋め尽くされています。稲の分けつも生長も雑草の繁茂に影響を受けているようです。

          

昨年までも多少の雑草はありましたが、ここまで繁茂することなく、なんとか収穫までたどり着けました。今年は株間除草機も導入し、万全を期して臨んだはずでしたが、結果がこれです。

いくつかの原因が考えられます。昨年までの雑草の種が蓄積された…、除草機を入れるタイミングを逸した…、手取りし切れなかった…。一番の原因は元肥に使った肥料を自家製せずに手抜きし、購入したもので代替したことか…。

というのは、20aの約半分の部分では、これでも昨年並みにある程度は雑草の繁茂を抑えられています。以前もレポートしていますが、トロトロした土の部分ではあまり雑草が生えていないのです。トロトロした土なら、当然、除草機の効果も上がります。

土作りに十分配慮して、はじめの年から雑草は生えさせないようにして、もちろん最後は手取りの覚悟と要員を備えて取り組むなら、継続してやっていけるかもしれません。

納得米メンバーの管理している36aの田んぼは今年も問題なく無除草剤で米作りができています。機械除草の後、2回も手取り作業に入り、その時点では雑草を駆逐しています。

近年、荒らした田んぼが広まり、除草剤を使っている田んぼでも雑草が生えるようになったといわれます。荒らした田んぼで雑草が種を持ち、その種が水利に乗ってさらに多くの田んぼに広がっているのではないかとさえいわれはじめています。わが家のこの田んぼがコナギの種の提供元になるかもしれません。そういえば、わが家の20aの田んぼも、水口側でコナギが繁茂しています。もしかしたらコナギの種が用水で運ばれてきた?

最近、イネ科以外の雑草を選択的に枯らす、上から噴霧する「後期除草剤」が流通しています。それを使ってしまおうかと考えたのですが、手取りに入った日々のことを思って決断できませんでした。そのうちに農薬の使用基準の収穫前日数50日が過ぎていました。

今は収穫量が減ってもいいから(当然減るのですが)、せめて稲刈り作業に支障がないくらいにしかコナギが繁茂しないことを祈るだけです。来年は除草剤を使わさせてください。

烈火のごと思いあふるる青果実

2006年07月27日 | 今年の梨づくり
梨の「幸水」では果実の生長が著しくなる7月に、果実表面と果肉部の生長度合いのバランスを崩して?写真のように果実が破裂することがよくありますが、今年は「豊水」でもけっこう見られます。ザクロかバラの花という感じですが、こういう症状を「裂果(れっか)」と呼びます。

これまでもまったくなかったわけではありませんが、豊水が裂果する多くは果実表面に黒星病の病斑があって、そこから破裂するというパターンでした。今年の場合、病斑がなくとも割れていて、実をつけすぎた樹勢の弱い枝の小さな実が裂果しているようにみえます。もしかすると、見えない病斑があるのかもしれませんが。

恵まれぬ天候にもかかわらず欲をかいた姿と皮肉ることもできますが、ここはそれ、そんなに自虐せず、梨の木が自らの体力に合わせて果実の数を制限した生理現象と梨の木を褒め称えることにしましょう。

凹凸も障りを越えた記憶なり

2006年07月26日 | 今年の梨づくり
通常「選果」というと、収穫してきた実をクラス別に区分することを意味しますが、収穫前に最終的に摘果をすることを「樹上選果」と呼びます。つまり、樹上についている段階で商品にならない果実を選別し、収穫時の選果の手間を省こうというわけです。

例年は歪に生長した実や成育の遅れた実を摘み落とすのですが、今年は写真のような実もときどき見かけます。早い時期にカメムシに吸汁され、そのまま生長した実です。成長期の障害にもくじけず、運命をそのまま受け入れ自らの役目を果たそうとした姿ともいえます。

凹んだ部分は食べても繊維分だけになっていておいしくないのですが、そのほかの正常に生長した部分は普通に食べられます。しかし、樹上に残ったほかの実がより成長する可能性があると判断し、今のうちに摘み落とすことになります。

ここまで育って捨てるのはもったいないと思うよりも、いままで何度も梨畑に入っていても見落としてきたわが身を省みるべきですね。

夏菌糸深山のごとざわざわし

2006年07月25日 | 今年の梨づくり
今年何度目かの梨畑の中のキノコの話題。

毎日雨模様で、気温も5月並みとくれば、カビやキノコの菌糸もまさに好条件。薄青い傘をもったキノコが出ていました。はじめて見ました。もういいかげん、暑さと乾燥でこういう菌糸が一時お休みしてくれるような気候になってもらいたいものですが、まだ1週間は続きそうとか。

やはり梨が食べたいと思ってもらえるような天候にならなければ、実がそれなりに育っていても、ねえ、困ったものです。

マーキングしても届かぬ蚊帳の中

2006年07月23日 | 今年の梨づくり
もう少しで収穫というのに一部の梨畑でカメムシを見るようになってしまいました。カメムシ下方の水滴はカメムシから出てきたもの。もしかしたらマーキング用の液体でしょうか。ヘコキムシなのに小便もするとはこれいかに。

これまでの被害なら摘果すればよかったのですが、これからの被害は実害に。殺虫剤をたびたび撒くわけにもいきませんし…。でもこの畑ってカメムシ対策用の防災網だったはずと見上げてみると、まだまだあちこちにいました、いました。

        

ということは、目の細かい防災網はそれなりに「蚊帳」の役割はしているようです。ではなぜ実や葉の周りを飛び回るカメムシがいるのかと、網を見回ってみると破れて穴になっているところがあります。どうやらここが天国への入り口だったようです。殺虫剤を撒く代わりに、網の穴をふさいでもう少し様子をみることにしました。

実を生らし葉を茂らせしDNA米タンパクも記憶するかも

2006年07月21日 | わが家の時時
ふたたび木工の達人Sさんの登場です。

前年の冬の剪定時に切り出した梨の幹から
家族の人数分のお椀を作ってくれました。

十分に用材を乾燥させ、
刃物をひとつひとつ当てて形を整え、
何度も塗った漆の毒気が消えたところで
「さあどうぞ、普段使いで」と渡されましたが、
梨の木でつくったお椀ですから
もったいなくてまだ使えていません。

ときどき和菓子でも盛り付けて
代々引き継ぐ家宝にしましょうか。

緑陰の丸太ベンチで夏を待つ

2006年07月20日 | 今年の梨づくり
今年の冬から春にかけてTさんとSさんが切り出した樫を薪にしてくれました。すべて薪にするのはもったいないと、一部は木工材料に。簡易製材機も組み立て、さらに一部は用材に。そのひとつの作品が写真の木製ベンチです。

木陰のベンチに座って、ナシ畑を渡ってきたそよ風で涼をとる。そんなことをイメージして設置してみましたが、土用の入りというのに20℃ちょっとしか気温がありません。先週末には30度以上もあったのに。

この7月中旬、一日の最高気温が30度以上ないと、豊水のみつ症が出る危険性が高まるといわれています。前半はなんとか基準をクリアしたかもしれませんが、後半が問題です。昨日なんて長袖シャツが欲しくなるような気温。

一度南下した梅雨前線が再び北上し、まだ1週間は雨模様が続くそうです。野菜農家も水が溜まって畑に入れないとか、ネギが溶けてしまうとか嘆いていました。山陰や北陸、長野のように集中豪雨で被害がでないだけ良かったと思い、あとは天を見上げてオロオロするだけです。

排気ガス吸いつ育てし環境に優しい米はわが身に厳し

2006年07月19日 | 今年の米づくり
「農薬が漂う環境で必死に無農薬栽培をし、
 除草機を押そうものなら、
 2サイクルエンジンの排気ガスに胸が悪くなり、
 こんな事をしていて本当に健康にいいのだろうか?
 と思ってしまいます。」

最近寄せられた、無除草剤稲作仲間Tさんからのメールの一部です。

回りの田んぼで撒かれた農薬の漂う中、
一日中腰をかがめて草取りをしていての実感でしょう。

夕方、ようやく雨が止んだので田んぼの畦草を刈ってきました。
もちろん、背負い式の動力刈り払い機でです。
2サイクルエンジンの煙が目にしみます。

これで刈り払い作業は3回目か4回目か。
隣や向かいの田んぼの畦は茶色に変色しています。
除草剤散布が1回で済むのなら
その方が作業者の体には優しいかも

草刈し野百合一株やまにおう

2006年07月17日 | ネイチャースケッチ
小さい頃、カブトムシを採りに雑木林に入っていくと、あちこちでヤマユリの強い香りが漂っていたものですが、最近はごく一部の屋敷に隣接した雑木林に大事にとってあるものぐらいになってしまいました。

山野草を自宅の庭に持ち帰ってもそうそううまく育つことはなく、ヤマユリもやはり木々のあいだに咲いているのが趣があると思います。どうしてもという方がいらっしゃるなら花が終わって、種子ができるのを待って、それを蒔いて見てはどうでしょうか。

とどろきて湯気上がるほど地は焼けぬ

2006年07月15日 | 今年の梨づくり
一昨日から連日の真夏日となりました。午後にはあちこちで雷鳴がなり、昨日などは千葉県北西部に洪水警報が出たほどの雷雨になりました。これほど急に気温が上がると、何かをする気にもなりませんし、何もしなくと汗が滴り落ちます。こんな日でも実は部屋の中で扇風機にあたっているよりも、ナシの木の下にいてかすかな風を感じる方が涼しかったりするのですが…

本日、今年のナシご案内のダイレクトメールを発送しました。毎年、早めに用意しなければと思っているのですが、いつも問い合わせが数件入ってからとなってしまいます。お待たせしました。

昨年のお客様宛てにメール便で出しました。もし、届かないような場合や新たにご入用な場合があればお問い合わせください。至急、発送します。

今夜、梅雨前線が南下しているようです。明日からまた梅雨模様なのでしょうか。

青空に日の照る方を探す顔

2006年07月13日 | ネイチャースケッチ
梅雨前線が新潟から東北南部あたりにまで北上し、午前中、久々に青空が覗きました。天気図では梅雨明けの気配ですが、まだ雨が降るようです。

庭のヒマワリも日の照る方に花を回したいのでしょうが、お日様が久しぶりなのでまだ背をむけたままです。でも本当は首を回すということはないようですが。