のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

十六夜快楽もたらす星近し

2010年09月30日 | わが家の時時
9月25日、台風の襲来の影響が心配された夜でした。
台風は朝のうちに東海上を走り抜け、
夜の手賀沼の水面には満月をすこし過ぎた居待月が写っていました。

この晩、湖上談義と称して
手賀沼でまちづくりを考えようという有志が月見会を催しました。
夜間に、沼に舟を出してまわりを眺めるという経験ははじめて。
福祉施設や病院が並ぶ湖南側がイメージ以上に明るかったのが印象的。

            

その場では話題にできなかったのですが、
月の右側に見えた明るい星が気になりました。
あとで調べたら、どうやら木星だったようです。
9月22日に「衝の位置」になっていたとか。

「衝の位置」とは
地球より外側にある惑星が太陽と正反対のある位置のことで、
地球に最接近していて太陽の光をまともに受けていることから
もっとも観測しやすい好機とか。

木星といえば平原綾香のデビュー曲。
そして、その原曲がホルストの組曲『惑星』の第4曲目。
タイトルは「木星、快楽をもたらすもの」

月だけでなく木星も愛でれば良かった湖上談義。
うまくおさまったところでお開きということに……

日照りにも雨にも負けず香り立つ

2010年09月26日 | 梨の品種
これが本年の最重量か。1600グラム。

ブログを振り返ってみると2007年に1410グラムという記録がありました。
新高で1500グラム。
今年はその記録を上回っています。
でも昨年の「晩三吉」は1700グラムという記録がありますので、
過去最大というわけではないようです。

もしかしたら「かおり」は今年のような日照りを好むのかもしれません。
とても甘いと評判も上々。

積極的にPRしていないこともあって
少しですが、この品種には余裕があります。

こせがれの独り立ちする中の秋

2010年09月23日 | わが家の時時
今週の土曜日25日の夕方、わが家の後継者君が六本木農園に登場。

六本木農園は農業支援NPO「農家のこせがれネットワーク」が展開する
実験レストラン。
住宅展示場があるように農場の展示場があってもいい。
そんなレストランなんだそうです。

お店の売りは、もちろん全国の農場から届いた自慢の野菜や米、果物。
それに毎週のように開かれる「農家live」。
生産者自らが来園者(お客様)に直接話しかけてファンになってもらおうという場。

わが家が「秋の生産者」にご指名いただいたそうで
その第一弾としてナシとコメの生産者として農家liveするといいます。

六本木に出かけるようなことがあれば、ぜひごひいきに。

この秋はただ終わらぬ暑さかな

2010年09月22日 | わが家の時時
春の寒さと夏の猛暑で今年のナシは不作。
ナシばかりではありませんのであきらめてはいるのですが、
中でも象徴的なのは「豊水」と「新高」。

「豊水」は花の盛りの時期に降雪。
交配が十分になされなく、変形果がたくさんできました。
そのうえ果実の肥大期の7月8月の少雨により小玉傾向。
晴天続きで糖度は乗ったのですが…

そして「新高」。この品種は暑さに弱い品種。
今年の猛暑は影響が大きかったようです。
まだ熟期前というのに日焼けで真っ黒になった実とか
オシリの方から割れてきてしまった実がごろごろ(写真上)。

これも品種特性のひとつと納得はしているのですが、
一個7,800gにもなる大きな実で糖度も14,5度はありそう。
ただ畑に捨ててしまうのはなんとももったいない。

できれば
こういう特徴を生かせるような食材に使ってもらえればいいのですが。
たとえば、焼き肉店がオリジナルの焼き肉のたれをつくるとか。
近在で、どこかそういうお店はありませんでしょうか。
コラボ企画の提案も歓迎します。
ただ、毎年、大量に食材用のナシができるわけではありませんので、
プロジェクトが軌道に乗るかは運しだいのところも。

                   

そこで、わが家の後継者君がまずは酢を作ってみようと進言。
「やってみなはれ」というわけで、
500リットルのタンクに切り刻んだナシの実を詰め込んで嫌気発酵させる予定。
雑誌に紹介されていた植物エキスづくりですが、
うまくいくかどうかは二の次。
チャレンジしてみようという気持ちが大事です。


      

水菓子に腹押しつけて涼をとる

2010年09月20日 | ネイチャースケッチ
この夏は記録的な猛暑でしたが、
ナシの収穫中、ナシの実をつかもうと手を伸ばした際に
何度もアマガエルを捕まえそうになりました。

いつもは葉影の枝の上にいたりするのですが、
今年はナシの実におなかをぴったりつけて涼をとっている感じ。

でも涼しくなってもナシの実の上にいるってことは
そんなことはないのかもしれません。

梨九月色と香りの揃い踏み

2010年09月19日 | 梨の品種
豊水が盛り後半を迎えています。
そろそろ新高が気になるところですが、
いやいや、その前にお忘れじゃありませんかと、
個性の強いナシたちが自己主張しています。

写真で上の黄緑したナシ、「かおり」です。
黄色く熟するとフワッといたフルーティな香りが辺りに漂います。
収穫期直前に自然落下してしまうために
品種として未完成だと品種登録されていないものですから
いつからか「幻の」といわれてきました。
でも最近は「幻の」という形容詞をつけるのもはばかれるような
よく知られたナシになりました。
近在では隣の鎌ヶ谷市のナシ生産者ががんばって売りだしています。

時計周りに、「かおり」の右隣は「新高」。
これから出てくる大きなナシです。
今年のような暑い夏は苦手で、
日焼けや裂果でずいぶんとロスが出ます。
韓国のナシ生産の九割方はこの品種で、
キムチや焼き肉といった食材の一部でこのナシが使われているそうです。
生食用に出荷できない新高が加工原料として利用されるのも
悪い話ではないと思います。

「新高」の下、同じような色をしたナシ、「南水」です。
黒糖のような独特な甘みを持ったナシで、
比較的保存性も良いことから
高級スーパーマーケットなどでも見かけることがあります。
長野県で開発され、当然、長野県が主産地です。

その左隣、ちょっと汚い感じの黄色いナシ、「二十世紀」です。
積極的に栽培しているわけではないのですが、
中間台木に二十世紀を使っている幹から出てきた枝を残していましたら
この実が5,6個育ちました。
試食しましたら、しっかりとした果肉と酸味はまさに「二十世紀」でした。

その左上、「あきづき」です。
現在、業界そろって売り出し中のナシです。
店頭でも見られるようになりましたでしょうか。
赤ナシで形は丸くて扁平、収穫期も近い。
一見、「南水」と見分けがつきませんが、
表皮をむけば「南水」は多少黄色がかっているのに対し、
「あきづき」は白い。
甘みも「南水」は強烈な個性ですが、「あきづき」は上品な甘さ。
お彼岸需要の切り札となるでしょうか。

栗もまた充ちることなく秋迎え

2010年09月18日 | ネイチャースケッチ
クリの新品種「ぽろたん」が収穫されています。

昨年は大きいなあ、世話無しだなあ、美味しいなあと
手放しで褒め称えたのですが、
2年目の今年はあれっ、こんなだっけって感じ。
世話無しは同じだけど、小粒だし、甘みもないし…

              

どうも今年はクリの評判がいま一つのようです。
やはり夏の乾燥と猛暑が響いているのかもしれません。
自然落下しているのですが、充実も悪いし、
完熟する前に落ちてしまうというような感じです。

              

それでも、渋皮がぽろっと剥けるという最大の特徴は健在です。
外皮に包丁で切れ目を入れて、電子レンジで2分。
するとこんな具合。

手前のクリのようにきれいに剥けるにはどうしたらいいのかはまだ未解明。
大きく切れ目を入れればいいかというのが、現段階の仮説。

いち日でひと月戻る彼岸前

2010年09月17日 | 梨の出荷
昨日早朝からの雨はまた大きいものでした。
先週の台風時と同じくらいの雨量の感じです。

気温も昨日と今日とではひと月も違ってしまったそうで。
そういえば今月最終週にはもう冷気が入ってくるとか。

猛暑と冷夏は紙一重。
異常な気候の変動は気流のほんの少しのブレで起こると
TVで解説されていました。

もう少し穏やか季節の移り変わりであってほしいものです。


豊水収穫の盛りに入っております。
昨年と比べ、出荷が大幅に遅れています。
お待ちのお客様にはご心配をおかけしております。

「あきづき」も明日あたりから収穫してみます。

コナギ知る納得の米の遠き道

2010年09月12日 | 今年の納得米づくり
消費者自身による無除草剤稲作、納得米プロジェクトの稲刈りでした。

毎年、雑草との戦いでしたが、
今年はどうも雑草の勢いがついてきた感じです。
コンバインがコナギも刈り取ってきます。

排水側では水漏れ、給水側では湧水と水管理の難しい田んぼで、
土にトロトロ層ができなかったことが抑草に失敗した原因でしょう。

さて、来年は…

遅い雪日照りも忘れ米光る

2010年09月11日 | 今年の米づくり
わが家の2010年産米ができあがりました。
籾すりしてでてきた玄米は
寒い春も日照りの夏も忘れさせてくれます。

タイトル写真は籾すり機から出てきた玄米を
黒色の検査皿にとったところ。

             

良く見るとまだ選別をしていないので細かな破片も混在していますが、
きれいな米に見えます。
同じ米を今度は白色の皿に置き換えてみますと、あれあれ。

             

拡大してみると未熟米もいっぱい。
カメムシの被害粒もみられるようです。

この玄米を1.85mmの目の網で選別したものがこちら。

             

細粒や破片の姿はなくなり、大粒の玄米が並んでいます。
害虫被害粒や未熟粒は比較的に小さいので
大きな目の網で選ると分別できます。
わが家の調整作業はここまでですが、
もちろんここまで調整できていればすべて「一等米」。

             

それでも白色の検査皿に置き換えると
すこし変色した米粒がまだ残っています。
これを分別するためには…

実は色彩選別機という機械があります。
レーザー光線を一粒一粒にあてて、
異常があればコンプレッサーで圧縮された空気で吹き飛ばす。
そんな構造ですからたいへん高価な機械でしたが、
ここ数年で比較的廉価なものがでてきました。
廉価といっても数百万円の機材。
消費低迷、米価低迷のなかで導入できるのか。
だからこそ導入すべきなのか。


わが家のコシヒカリは農産物直売所「かしわで」で10月ごろより
お求めいただけます。
庭先ではいつでもどうぞ。

明日やれることを今日やる野良仕事

2010年09月09日 | 今年の米づくり
昨日は台風9号の直撃を受けました。
といっても雨台風でしたので、ナシは大喜び。
ひと月分の雨が一日に降った感じです。
これでしばらく、毎夕の散水準備作業から解放されました。

問題は田んぼです。
一夜明けたら地割れしたところに水がたまっています。
前夜の予報では雨は午後からというのが大方でした。
よし、残り30aを午前中に仕上げて稲刈りも一段落と算段をしていたのですが、
朝、ネットを立ち上げて降雨レーダーをみると
すぐそこまでもう降っています。

あきらめるか、強行突破するか。
部分的に倒伏している田んぼが残っています。
強い雨に打たれてさらに倒伏が広がった光景が思い浮かびました。
強行突破です。
すぐ近くまで降っていても、その雨雲がこちらに来るとは限りません。

朝6時から稲刈り開始。
普通なら朝露を心配してこんな時間には始めませんが、
今回は特別です。
この夏の日照りでイネはカラカラ。
台風に吹き込む風も吹いています。

まさかこんな時間に稲刈りをするなんて
なんとあきらめが悪いと思われているだろうなあと
道行く車を気にしながら稲刈りをしていますと、
遠くでも1、2台のコンバインが動き出しました。
同じことを考える農家もいるようです。

朝7時ごろ、約半分を終えたあたりからポツリポツリと降ってきました。
朝5時から始めればよかったのか。
あとの祭りです。
大粒の雨になったらいつでも撤収できるよう心構えもしながら
それでもここまできたらやり続けなければならませぬぬぬぬ。

イネの葉に雨粒がつくようになってきました。
刈り取られた稲穂に手をやると、まだ大丈夫です。
籾が手につくようなことはありません。
機械も唸るようなことはありません。
もっと湿気たイネを刈った時のことを思えば、まだ刈れる。
そう自分を納得させて作業続行です。

シラサギが朝食をとりにコンバインの周りに集まってきました。
その様子を写真に収めようという初老の男性が車でやってきて
なんの挨拶もなしに望遠レンズで撮り始めました。
むむむむ。こっちの焦っている様子がわからないのかああああ。
こっちにも肖像権というのがあるんだああああ。
でも、こんなのに関わりを持つのも時間の浪費です。

怒鳴りつけたい気持ちが焦る気持ちを紛らわせたのか
朝8時には稲刈り終了。
遠くに見られる一台のコンバインはまだ作業をしていました。
お先に失礼、です。
作業場の屋根の下に籾バッグとコンバインと置いて
ほっとしたところで大粒の雨が降ってきました。
間に合いました。
わが家の作業の終わるのを待ってくれました。
でも、本当はもう一時間、待ってくれたらよかったのですが。

一夜明け、田んぼに大雨の影響を見に行くと、
残っているイネは大雨の割にはそれほど倒伏はしていません。
今年のイネは茎がもろくなっているように思えたのですが、
それほど実りもないということなのか。
倒伏している田んぼは収量があるのか。
結果的には台風の影響は少なく、
小雨の中、無理して稲刈りをしなくてもよかったかもしれません。

でも百姓根性というのは、ただ座して天命を待つのではなく、
最善を尽くした後に天命を待つということだろうと思います。
いつも全速力で走っているということかもしれませんが、
結果はどうあれ、やるべきことはやっているという満足感からか
精神的には疲れを感じることなく、
朝が来ればまた野良に出かけていけます。

冷害に日照りもあると知る秋

2010年09月05日 | 今年の米づくり
まだ猛暑が続いています。まだ続くという予報です。
ナシへ散水を続けている間に田んぼが干上がってきました。

給水が止まってから2週間。
例年ならこの間に数回、降水があって
ようやく色づいてきたかなというあたりですが、
今年は暗渠を抜くまでもなく地面が大きくひび割れてきました。

数日前までまだ青いかなと見ていたのですが、
日に日に緑があせて行くような黄ばみ方。

大規模に稲作をしている知人に聞くと
いま、大急ぎで稲刈りを進めているとのこと。
降雨を心配してのことでなく、このままではイネが枯れてしまうとのこと。

心配事が裏付けされた形で
あわてて午後から稲刈りに出かけました。

乾燥器計測で20%弱の水分。初めての経験です。
熱を使うと胴割れが心配という助言もあって通風乾燥していますが、
さて、15%になるまで何時間かかるのでしょうか。