のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

多目的防災網罹災

2007年02月28日 | わが家の時時
ナシ畑には雹や鳥、その他の災害からナシを守るために「多目的防災網」という施設があります。収穫後からは開花時までは網をまとめて、棚の幹線に沿って束ねています。

先週21日、その束ねてあった網の一部が火災にあってしまいました。

           

畑の近くで紙を燃やしていたそうです。気がついたら燃えていて、消火に手間取っているうちに10m近くも延焼してしまったようです。

           

これまでも隣接地で枝葉を燃していて、焼けた葉が飛んでいって網に穴をあけるというようなことは経験しています。しかし、今回のように延焼していくというのは始めての経験ですし、聞いたこともありませんでした。こういうこともあるのだというとんだ災難でした。

連れてきて飯を喰する女猫哉(一茶)

2007年02月26日 | わが家の時時
写真はネコはネコでも「ウミネコ」。

福島県いわきへの旅の二日目、小名浜港内をめぐる遊覧船に乗ってきました。港に巣ついた野鳥たちはすっかり学習しているらしく、船に客が乗ると周辺を飛び回ります。何かえさをもらえると知っているのです。

船内の売店でも「エビせん」が好物などと宣伝するものですから、お客たちは競ってエビせんを空に向かって投げます。するとウミネコたちも水面に浮いたせんべいを奪い合い、指先で持ち突き出したエビせんには上空から滑空してきて嘴でくわえとっていきます。投げ上げたエビせんを空中でうまく捕らえるウミネコもいます。

でもこういう光景は若いカップルや親子連れなら絵になるのですが、ちょっと疲れ始めているオヤジたちが集団で楽しんでいるというのも、周りからみればいかがなものか。エビせんを指で持って、飛んできたウミネコをつかまえようとして嘴でつっつかれる輩がでてくる始末です。本人たちはすっかり童心に戻っていたのですが。

花の山東西南北の人(一茶)

2007年02月25日 | わが家の時時
ここでいう「花」とは当然、サクラを意味するのですが、写真の花はウメ。地区の同世代の友人たちとのいわきへの旅の途中、水戸の偕楽園を歩いてきました。七分咲きといったウメの植えられた丘に数万人?の行楽客が集まっていました。出店が軒を並べ、水戸徳川家の別荘であった好文亭に入場するために長蛇の行列ができていました。

最近はあまり見ることのなくなったセルロイドのお面を商う出店やウメの苗木を扱う植木屋さん、最近流行っているアイスクリーム屋さんなどをからかい歩くのがウメを愛でるよりも楽しいのは仕方ありますまい。されど梨農家の性、どのように農薬散布はするのだろうかとか、枝の切り口が黒くなっているのは何を塗ってあるのだろうかと話題にしてしまいます。

老杉の最後に吐き出す黄煙は

2007年02月24日 | わが家の時時
わが家の裏山で長い間、北風の楯となっていた杉の木を伐採しました。道路と家屋にはさまれた杉木立でしたが、10m以上もある大木です。道路には電線が走っています。普通の農家よりはチェーンソウを使うことが多いので、場所さえ余裕があるなら自分でやるのですが、これはちょっと手に負えないと専門家にお願いしました。

クレーン車を2台持ち込み、あっという間に20本以上倒していきました。いえ、釣り上げていきました。道路が傾斜していてクレーンを作業姿勢に調整するまでに時間がかかり、それがなければもっと作業が進んだといいます。まさに「段取り半分」です。

せっかくの裏山の杉木立です。しかし、もう老木でした。数本はすっかり枯れていました。残りの木々も枝葉がはげ上がり、幹にもキノコが生えているものもありました。数年前の台風の際には強風で倒れ、電力会社のお世話になりました。下の道は通学路になっています。事故が起きてからでは手後れです。

チェーンソウが当てられた杉からは花粉が吹き出してきました。これが最後とばかりの量であたりを黄色の煙りで包んでいました。切り倒した幹は残念ながら建築用材にもならず、半分は枯れ込んでいたのでチップ用材にもならないかもしれません。でも、長年、わが家を守ってくれました。木々に感謝です。

信じる者は必ず儲かる

2007年02月22日 | 今年の納得米づくり
とは、奈良県の信貴山神社の標語?ですが、微生物も活動できる環境さえ用意すればきちんと働いてくれます。

納得米プロジェクト用の有機質を土曜日に積み込みました。月曜日には40℃ぐらいに発熱し、木曜日の今日には50℃を越えてきました。順調に発酵しているようです。有機質を被ったむしろの上で野良猫が居眠りをしています。いい匂いのする床暖房になっています。

名月や膳に這よる子があらば(一茶)

2007年02月20日 | 農のあれこれ
季節はずれですが、子がいればこその名月だといっています。

農業振興センターセミナー生と指導農業士の交流研修会という企画で、若い農業後継者たちと話をする機会がありました。つい先日まで近頃の若い者は…と言われていたのですが、今では逆の立場になっていることに愕然とします。

印象に残ったことは、皆さん、素直でいい子なんだなあということ。自己紹介かわりに就農のきっかけを聞いていったのですが、ほとんどが「農家の長男だから」という答え。建前上そう言っているだけなのかわかりませんが、親の期待通りに大きくなったという感じ。そこできつい一言。「親と同じことをやればいいと考えたらだめだと思うよ」

農家の後継者にとって、親というのは最初は社長でも師匠でもあります。しかし、最強で最後のライバルでもあるでしょう。少しずつ切り崩していって、いつかは乗り越えたいもの。少なくともその心意気だけはもっていたいもの。実際に実務の経験を積んでいけば、自然に沸き起こる心意気かもしれませんが…

後継者たちの挑戦を受け止めるためにも、親たちはもう一度、ふんどしを引き締めて農業に取り組まねばなりません。挑発的なことを言って、自ら奮い立たせることができるのも後継者がいるからですから。

日ゝのくそだらけ也花の山(一茶)

2007年02月19日 | ネイチャースケッチ
花の山も実はくそだらけだったという句ですが、わが家のナシ畑の外のちょっとした日向の草の上に腰掛けようとしたら、まさにくそだらけ。あちらにもこちらにも古いのから新しいのまで、野うさぎのウンチが転がっておりました。

野うさぎも決まった場所で排泄するようですが、なぜその場所が選ばれたのかはわかりません。あたりを見通せる場所が安全ということでしょうか。それとも、広々としたところで星空を見上げながらするのが気持ちよいからでしょうか。

いずれにせよ、まだ野ウサギが生息している自然豊かな場所と喜ぶべきでしょう。まだ、わが家のナシの出荷箱に野うさぎが登場していても嘘ではないみたいです。

大名は濡れ〔て〕通るを炬燵哉(一茶)

2007年02月18日 | 農のあれこれ
お上の「大名」は雨に濡れて通るけど、下々のおいらたちは「炬燵」に入って見物しているよ。やあい、やあい。というような意味のようです。銀座、浅草という繁華街の交通を規制して、21世紀の大名行列が雨の中通っていました。

久しぶりの本格的な雨でした。最近は少し降ったなと思うような雨でも、畑から土が流れ出すようなことがあります。表面だけしか耕していない、浸透性の悪い畑ということでしょう。

と、よその畑を批評している場合ではありません。わが家のナシ畑でも水溜りができています。この部分は畑への入り口で、いつも車両が通って土を固めてしまうところです。でもよくみると、敷いてある石のすぐ脇は水溜りはありません。むしろより固く踏みつけられている場所なんですが…

種明かしをすると、昨年秋、このあたりに穴を掘り、炭を埋め込んでいます。水溜りの見える場所には埋めていませんでした。これをみると、土壌改良剤としての炭の効果がでているようです。


水分40%

2007年02月17日 | 今年の納得米づくり
今年のわが家の納得米プロジェクト(納得した方法で自分でつくった米を食べたいプロジェクト)参加者は7名。うち2名が新たな参加者。昨日、今日と元肥用のぼかしづくりをしました。

集めた材料を周囲に配置して攪拌機を中央に置き、積み込む場所への作業の流れを検討。昨年までは発酵途中の切り替えし作業を省くため20kgコンテナに小分けして発酵させていたのですが、今年は原点に戻り平積み方式にしましたので、配置をちょっと試行錯誤。

うまく発酵させるには水分40%ぐらいが適当といいます。毎年、集まる材料が違いますので、これもまた各材料の配分を決まるまでちょっと試行錯誤。オカラの割合が多いと水っぽいし、籾殻が多いとパサパサ。あれが多い、これが足りないとやっているとしまいには攪拌機から有機質が溢れてきます。

水分40%を体感してもらうことが、最初の新人研修です。といっても経験者でもこんなものかなぐらいの目安しかありませんので、毎年、うまく熱が上がるまでヒヤヒヤものです。

         

これは養豚柵ではありません。今年は約60a分の元肥を用意しました。積み上げたら1.5m×1.5m×1mもの容積になりました。

大豆粉砕、小米粉砕

2007年02月16日 | 今年の納得米づくり
今年の納得米プロジェクトの実質的作業がスタートです。明日、元肥用の発行肥料を積み込むために、今日は材料の準備です。くず大豆と籾摺り機で撥ねられた小米を粉砕機で粉砕しました(写真は大豆の様子)。

今年の元肥用の材料としては他にオカラ、カニガラ、籾殻などを用意しています。わが家の除草剤を使わない米作りでは、NPO民間稲作研究所の稲葉さんの資料をテキストにしてきました。ところが、最新刊『無農薬有機のイネつくり』農文協2007.1では、元肥用の材料としてくず大豆の代わりにくずムギが採用されていて、他にも何点か修正されています。

大豆というと窒素肥料(窒素成分5.9%)ですが、コムギ(窒素成分1.8%)になるとデンプンが72.2%とか。そのデンプンが一部麦芽糖に変化し、酵母菌を繁殖しやすくするといいます。田植え後の抑草用の有機質では従来どおり、くず大豆を推奨していますので、窒素成分は他でも十分供給できるとの判断だったのでしょう。

また、稲葉さんは現段階で到達した有機農業のあるべき姿として、ムギ―ダイズ―イネの二年三作の輪作体系を提案しています。そこで出てくるくずムギの始末のことも考慮して、ムギの利用法を考えた結果でもあるかもしれません。

いずれにせよ、今年はくずムギは入手できません。来年は心当たりのところへ声をかけてみましょう。

ばゝが餅爺が桜咲きにけり(一茶)

2007年02月15日 | わが家の時時
「ばゝが餅爺が桜」とは老婆の食欲、老爺の風流。そういう対比の句のようです。

風流かどうかわかりませんが、手賀沼森友会という森林ボランティアグループがあります。我が家の杉林でチェーンソウの操作実習が企画されました。といってもいろいろと都合がありまして、集まった実習生はわが家の父を含めて3人。

ナシを栽培しているとチェーンソウの出番も多く、これまでに何台かチェーンソウを使いつぶしてきました。危険な作業ながら幸い怪我もせずに経験だけは積んできましたが、きちんと操作方法を教えてもらったのははじめてです。

切り倒す方向の受け口は側面からみて2/3切り込むこと、切り口は水平に入れること、目立ての力は縦方向2に対して横方向8など、再確認したり気付かせられたり。

この杉林は伐採して開墾しようかと考えております。大木でもなく、平地林なので初心者の実習地としては最適と、講師の先生に気に入られました。近々、同じような講習会を受け入れることになるかもしれません。

あかぎれを知らぬ幸せ知る喜び

2007年02月14日 | わが家の時時
例年になく早い時期の春一番が各地で突風の被害を出し、大雨になったところもあるようです。ところが当地では風はともかく、たいした降雨にはなりませんでした。気象庁の気象レーダーを見ていると、どうも雨が箱根の山を越えられないようです。

温暖な気温に加え、東京周辺ではこのところ、異常なほどの乾燥状態と伝えられています。湿度十数パーセントとか。今日の雨ぐらいでは取り戻せそうもありません。

わが家の父の指先をみれば、乾燥状態もわかるというもの。この冬はあかぎれが治ってはでき、治ってはでき。いまどき絆創膏のお世話になっています。あかぎれを知らない生活は幸せです。でも、あかぎれをつくってでも楽しい仕事もあります。

あかぎれができてしまうのは体質もありますし、油分を吸い取ってしまう革手袋を使用していることも原因の一つですが、適当に雨も降ってほしいものです。冬の雨量も少なく、雪も降らないとなれば、次に心配なのは水不足。これから春の芽だしの時期には水分が必要ですから。

猫の恋打切棒(ぶっきらぼう)に別れけり(一茶)

2007年02月13日 | ネイチャースケッチ
「そろそろ猫の恋の季節ですね」と女性の気象予報士が解説して、ラジオのパーソナリティから「何を言いたいの」って突っ込まれていました。

わが家の庭のネコヤナギは小さな花を咲かせています。

先日10日に春雷があったかと思えば、明日は春の嵐、春一番になるかもしれないとか。まだ2月の半ばですから、そんなに駆け足で春にならなくともよいのですが…

橙の代々によるだいだい色

2007年02月12日 | ネイチャースケッチ
わが家の裏庭に橙の木があり、一年中、実を生らせています。時には同時期に3世代の実が生っていることがあります。代々、実が切れ目なく生るということで縁起がよいとされ、正月飾りに使われます。わが家の場合は、食卓のガラス越しにいつも眺めています。良い縁起を呼び込みたいものです。