のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

樹に浮かぶきのこクラウド梅雨に咲く

2013年05月31日 | 梨の病気
また今年も出現してしまいました
それも2本もです

                 

一本は昨年キノコが出現した幹の部分を切り落とした樹で
残した幹に再びキノコが出ていました
キノコ部を除去しても菌は樹体に回っているということでしょう
つまり、キノコが出現した樹は抜かねばならないということ

春先の開花・展葉・着果の時期には問題のないように見えた樹も
幼果を成長させねばならないこの時期に来て
樹勢を落とす樹体がいくつか見られます

軽い症状なら実をすべて落とし勢いをつけて
様子をみようということにするのですが
一度、樹勢の落ちた樹が回復することはたいへんまれで
(十二分に面倒をみれば違うのでしょうが)
結局、抜いてしまうことになります

30年も稼いできてくれた樹です
充分、稼いでくれたともいえますし
もう少し頑張ってという気持にもなります
結局は先手を打って改植するのが得策なんでしょうが


それにしても今日は先日の梅雨入り宣言が間違いだったような梅雨の晴れ間
週間予報をみても雨マークは日曜日だけ
もしかして勇み足?
しかも梅雨明けは早そうというアナウンスもあって…
なんてったって一言一言に一喜一憂なんですから



後日談

県試験場の研究者にキノコの画像をみてもらったところ
萎縮症原因菌のキノコではなさそう。
木質腐朽菌であることには違いなく
樹体の終焉期であることは確か。

それなら改植の準備しながら様子をみるということに。
悪性菌でなかったことは一安心ということでしょうか


一言に一喜一憂梅雨の入り

2013年05月29日 | ネイチャースケッチ
平年よりも10日も早く梅雨入りしてしまいました
アジサイが開花するのが間に合いません

                  

経験的にいえば
早く梅雨入りした分、早く梅雨が明けるというわけではなく
どちらかというと梅雨明けは遅くなるとか
しかも雨量の多い梅雨という予報もあるようで…

え!? この前は暑い夏になるって言っていたじゃないの

って、予報は予報ですから実際はどうなるかはわからないのですが
そんな一言一言に一喜一憂する野良の民です

タイトル写真はクリの花
ちょうど満開?

傷あれど草木は繁り月も満つ

2013年05月25日 | 夏の梨畑
今日は満月だそうで
大きな太陽が田んぼの水面に影を映しながら沈んで行きましたとさ
って、この夕日の写真は23日のもの

春の仕事が一段落してなんとなく気分的に緩んでいるのですが
それまで家と畑・田んぼの往復ばかりでまわりの声を聞く余裕がなかった分
あちこちからいろいろなことが聞こえてきます

静岡の知り合いのお茶農家は今年の遅霜には苦労したそうです
霜に焼かれて変色した新葉を一枚一枚摘みとって
それから刈り取ったとか

県内のナシも内陸部の白井や鎌ヶ谷、花の早い市川などでは
実の付き方が悪かったり、実の表面に傷がついたり
一つ一つ傷を確認しながら摘果しているものだから
作業が遅れているという声も聞きました

わが家は県内産地では北の方に位置しますが
手賀沼が近くにあって内陸ほど冷気が溜まるようなことがなく
大きな被害にはなっていません
それでも花の早い「新高」の一部の実の表面に
これまでみたことのないような古傷があってなんだろうということになったのですが
ああ、これが霜の害なんだろうって

遅霜で花が“焼かれ”、実がつかないことを心配したことはありましたが
ついた実の表面が霜で“焼かれ”るなんて初めての経験です

                 

                 

                 

虫に虫の理なれば清々し

2013年05月23日 | 梨の虫
連休の頃の不安定な天候から一転、初夏らしい日が続いています
田植えも遅い方がよかったという声も聞こえてきます

最近、ようやくナシの摘果作業中、
葉の上の方からパラパラと黒いものが落ちて来るようになりました
寒い時期には姿を見せなかったアブラムシが日を追うごとに増えてきます
そうなると、少し遅れてこういうオレンジ色した虫の卵を
あちこちで見かけるようになります
アブラムシの天敵、テントウムシの卵です

                

こちらはヒラタアブの幼虫
これもアブラムシの天敵

天敵が出現してきたとはいえ
彼らの活躍を待つことができずに殺虫剤を散布することになります
アブラムシにはネオニコチノイド系の薬剤が特効薬なんですが
特にミツバチなどの昆虫の世界に異変がおきているのではないかと
ここのところ評判が悪いものですから
代替薬剤がないか探しているのですが
害虫に応じてピンポイントで環境に優しい薬剤を選ぶと剤数が増えていき
汎用性の広い薬剤はそれはそれで問題があるということで
なかなか困った問題です

梨下に満つ麦と大豆と向日葵と

2013年05月21日 | 夏の梨畑
夏(なつ)は「熱(ねつ)」の季節だそうで
二十四節季でいえば立夏の次が今日あたりからの小満 (しょうまん)
陽気がよくなり、草木などの生物が次第に生長して生い茂るという意味とか

梨畑の緑肥ライムギの二番穂が出て背も伸びてきたので
草刈りをしようと下草をみると
4月初めに畑の有機質の足しにと散布したくず大豆が芽を出しています

                  

こちらは昨年秋、搾油用に種を採取して
その残さを畑にばらまいていたヒマワリが背を伸ばしています

                  

梨棚の下にヒマワリが咲いているというのも趣があるかも
ということで何本かは刈り取らないことにしましょう

生けるもの生けるものを食べ子も育つ

2013年05月19日 | 今年の納得米づくり
自らの食べるコメは自らが作りたいというわが家の納得米プロジェクト
2名の新会員も加わり、12年目の今年も無事に進んでいます

2年前からは除草剤も使い、慣行栽培ですが
トラクターでの耕うん、代かきに、田植え機での田植え作業と
自ら機械を操作しての米づくり

特に田植え後は苗の列として作業の結果が残るものですから
水面が見えなくなるまでのひと月の我慢なんですが
名人との技術の差は歴然としているのでなかなか厄介です

プロであっても、毎年、2・3日しか田植えをしない小規模農家は
毎年上手く植えられるか気になるもの
ましてやプロジェクトメンバーは10年の経験があるとはいえ
一年に数十分だけの機械操作ですから
操作イメージを思い出したころにはもう終わってしまいます

プロジェクト田んぼ
例年、はっきりとこれは素人が植えたなと思える田んぼだったのですが、
今年はどうしてどうしてなかなかの出来栄えです

この辺りでも田植え体験と銘打って
まちの人たちが田んぼに大勢繰り出して
にぎやかな田んぼが見られるようになりました
一時のブームでなく生きとし生けるものの当たり前の姿になってほしいものです

あれこれとやりたき多き卯月かな

2013年05月18日 | ネイチャースケッチ
代かき、田植えで一週間ほど手に着かなかったナシの摘果作業
いよいよ佳境、最後の追い込みといった気分なんですが
ふと、横をみるとキウイフルーツの花が満開です

大きな実にするためには交配が大事と聞いてはいるのですが
とてもとても手が回りません
実がついてからの摘果作業でなんとか辻褄合わせすることになりそうです

わがまちは孫へパス繋ぐサッカーチーム

2013年05月12日 | わが家の時時
5月11日、柏市まちづくり公社移行記念イベントと銘打って
「多様な主体の連携で取り組むまちづくり」と題するシンポジウムが 開かれました

行政や市民、事業者だけでなく大学を交えた柏市らしい取り組みを
公社がさらに推し進める受け皿になろうというもくろみですが
具体的な姿はこれから歩きながら考えようって感じです

基調講演、シンポジウムのなかでの発言で気になったことをいくつか

Iさんの基調講演
まちづくりは映画づくりと同じ「チーム力」(篠原修先生談とか)
そこでのポイントはチーム内の信頼関係
同床異夢のままではいくらエネルギーを費やしても結果がでてきません

Tさん
中心市街地の再開発では住民と権利者と企業家の意向調整が必要だが
もうひとつの視点が重要ではないか
たとえばそれは“未来の住民の視点”なのか、“普遍性の視点”なのか
“環境の視点”なのか

なるほど、農業問題も同じ
消費者の視点、土地所有者の視点、農業生産者の視点だけでなく
第四の視点、たとえば“農地保全”の視点から
「公」か誰かが代弁しなければならないのではないか

Sさん
まちづくりチームをサッカーチームになぞらえて
FWやMFやDFやGKと一応、役割分担はできているけど
FWが得点を上げるのを待つのではなく
時にはMFがFWを追い抜いてゴールを決めてもいいし
DFだってセットプレーから得点することもある
そんなチームでありたい

サッカーチーム論、いいですね
パスは子や孫につなげていきたいものです

体力の衰えを知る咳続く

2013年05月09日 | 今年の米づくり
レジリエンス(復活力・復元力)”が世界の新しい目標になるようですが
このところの気温の急激なアップダウンにもてあそばれ
もうひと月も軽い咳が続いています

今年のイネ苗もそんな感じ
なかなか成長できません
この辺りでは田植えも大方済んでいますが
いずれも背丈が短く、植えられてからもなかなか勢いがでてきません

わが家も背丈が伸びないので田植えの日程を延期しました
でもよくよく考えると播種が4月15日ですから
まだ育苗25日
薄播きですから30日~35日あってもいい
あと一週間。じっくり、がまんがまん

連休をテントで彩る道の駅

2013年05月06日 | 散歩漫歩
                  

いまや農繁期真っただ中のこの時期
かつては田植えに入る前に体を休め、心を解きほぐすひとときだったようで
たとえば“でっさま”の練り歩く行事などが行われています
今年も好天気に恵まれて、昨日、無事に結願祭がとり行われたようです

わが家のあるムラではもうひとつ、この時期の民間信仰行事がありまして
古峰ケ原講の代参
今回、代参の当番に当たりまして祈祷を受けたお札をあずかってきました

古峰ケ原(こぶがはら)講とは栃木県鹿沼市の山中にある古峰神社の講中で
神社のHPによると全国で2万の講中、200万の講員がいて
春秋の年に2回、代参が行われているそうです

厄除けの他、とくに火伏せの御利益があって
わがムラでもある家が火事になった時
お札を張ってあった柱のところで沈火したという言い伝えがあるとか

代参とは
講員の中から毎年、いく人か選出し(くじ引きです)
講中の代表で古峯神社に参拝
御祈祷の御札を受けて、参拝に当らなかった講員に御札を授与すること
その代表で参拝する人のこと
毎年交替で全講員が代参人となります

春秋の代参が恒例ですが
5月、6月になると東京方面から代参が多くなり
1年のうちで最もにぎわうのは東北方面からの秋から冬だそうで
そのまま南下して都内見物や伊豆方面にまで足を延ばすとか

そういえば、江戸期のお伊勢参りは
時には松山の道後温泉まででかけて安芸の宮島にお参り
帰りは京都に立ち寄って長野の善光寺にもお参りして
最後は伊香保温泉で汗を流す
そんな行程もあったとか

代参はなかなか各地を旅することができない時代に
仲間たちから餞別をもらって仕事を休んで大手を振って旅に出て
窮屈なムラを出て大いに羽根を伸ばす機会だったのでしょう

しかも、くじ引きで代参人を選ぶということは
気の合う仲間たちと旅するのでなく
それまで縁の薄かったムラ人と旅することで互いに理解しあい
そのことがその後のムラ運営にも活かされるという
仕掛けがあったのではないでしょうか

古峰神社はもともと日光全山の僧防たちの修行の場だったそうですから
祭神の御利益のほかに、こんな実利もありますよと
山伏たちが各地を説いてまわって講中を増やしていったように思います

とはいえ、連休中の農繁期に代参に出かけるのが面倒だとか
講中そのものが今のライフスタイルに合わなくなったためか
わがムラの今回の講中を組織する際に講員は半減し
次回は存続そのものが難しいのではと噂される事態です

以前はわがムラにも大山講や三峰講、出羽講などがあったようですが
すでに解散しています

古峰神社では祈祷神符(お札)を郵送する「郵便祈祷」も行っているそうですので
もし講中が続いたとしても今回が最後の代参になるかもしれません

6日は4連休の最終日
交通量はいくぶん少なくなるかと思ってでかけたのですが
たしかに高速道路での渋滞にはあいませんでしたが
途中の道の駅はどこもテントの出店もあって大賑わい
明日からふたたび農繁期に突入です

やり投げは優しい人が苦手です

2013年05月03日 | 春の梨畑
なぜかといえば“重い槍”を持っているから

最近、“おもいやり算”なるものが流布されています
「+けあう」「-うける」「声を×」「いた÷」
ACジャパンのキャンペーンですが、誰がかんがえているのでしょう
上手い!


“重い槍”を持っているわけではないのですが
春の農作業が遅れています
特にナシの摘果作業

暦通りなら例年と大差ないのですが
なにしろ今年は花が早く、寒い4月だったとはいえ
ナシの実はどんどん大きくなっています

写真は極早生の「愛甘水」
いつもなら真っ先に積果して、次の品種に移っているものですから
こんなに大きくなってから実をよおーく見るのは初めて?

幼果はリンゴのようなきれいな赤い色がさしていたんだと改めて感心
大きくなるとちょっと暗い色具合になるんですけどね

寒さにも風にも負けじそろり行く

2013年05月01日 | 今年の米づくり
今年のイネ苗づくり、育苗床をプール化して一週間たちました
ビニールハウスの中でなく露地での育苗ですから天候に左右され
今年はイマイチ順調とはいえない状況

霜の降りた寒い朝もありました
冬のような西風が一日吹いていた日もありました
まわりの田んぼでは田植えが進んでいますが
そろりそろりと参りましょう