のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

蹴飛ばした湯タンポ探す早春暁

2015年02月28日 | 冬の梨畑
最近は雨、西風、春日が順に日替わりで変わる
早春らしいお天気が続いています
お陰で週休2日が実現
冬仕事が停滞しているのですが
積雪でできないよりはありがたい

三月は暖かい日が多くなるという予報
桜の開花予想も早まるかもというコメントも

例年のことだけど
お尻がだんだんムズムズしてきます

都市は「かせぎ」の場、農村は「つとめ」の場

2015年02月25日 | 農のあれこれ
タイトル写真
表現したいのは遠景の瀟洒な洋風住宅ではありません
手前のホウレンソウ畑でもありません
間に挟まれた緑色の畑
わが家のナシ畑より少し早く播かれたライムギです
地権者から管理を依頼され、とりあえず表土保護のために緑肥を播きました

近くの見慣れた風景でもこう写真に切り取ってみると
なかなか捨てたもんじゃないと思えてきます


「100万haの水田を畑地に大転換すれば
農村は15兆円の穀物産業を創造できる」
そんな書評に惹かれて
『スマート・テロワール 農村消滅論からの大転換』(松尾雅彦 学芸出版社 2014年12月)
という本を取り寄せました
著者は、契約栽培で市場価格の30%オフを実現したカルビー元社長
リタイア後はNPO法人「日本で最も美しい村」連合副会長
こんな実体験にもとづく食料・農業・農村論のようです


届いたばかりなのでパラパラと眺めた中から少し引用してみます

余っている水田を畑地に転換し、生産物を域内の工場で加工すれば
味はもちろん、価格も、輸入原料によるナショナルブランドに負けない
域内の消費者に新鮮なうちに届け
最高の状態で提供するとともに流通コストを抑える
大切なことは高級品ではなく、日常食品でシェアを確保してこそ
量のメリットも得られること
そうしてこそ一部ではなく全体の復活につながる

農村では地域社会のなかでの「つとめ」が活力を生み出す
農業のミッションは、地域住民の食の安全と健康に貢献すること
地域の消費生活に貢献できるものが、都市でも競争優位を生み出す
その前に農業は自然の営みのなかで適応しなければ生きていけない
農村では環境に働きかけて、さまざまな価値を引き出すことができる


農村の現状から余剰農地をどう生かそうかと考え
大豆や菜種、ヒマワリなどの穀物を中心とした原材料生産に注目してきたのですが
食品産業からの原材料の国内生産が有利であるという主張は
百万の援軍を得た気分です

先日、農機具屋さんにトラクタロータリーにつける播種機の情報を打診したところ
メーカーから最近、引き合いが多くなっているがなぜだろうという話を聞いたそうです
みんな、考えることは同じようです


それにしてもまたまた“テロワール”です
先月も別のところで目にしました
これからのキーワードなんでしょうねえ

湘南二宮オリーブオイルに座間ヒマワリ焼酎

2015年02月23日 | 農のあれこれ
沈丁花のつぼみも膨らんできたような今日この頃ですが
先日、農業新聞をみてましたら
神奈川県座間市ではヒマワリの種からサイダーや焼酎を
つくっているという記事がありました
遊休農地にヒマワリ50万本以上の花を咲かせ
「かながわ花の名所100選」のひとつにもなっているとか

ヒマワリ油じゃないんだと思っていたら別の日には
二宮町でオリーブを計画的に増やして特産品化しているという記事

二宮町のサイトで確認したら
人口28,000人の町ながらしっかりとブランドづくりをしています
「健康増進(アンチエイジング)のまち」ですって
商工会ががんばっているのかもしれませんが
わが地元はどうなんでしょうねえ








絶妙な距離が感性を磨かせる

2015年02月22日 | まちづくり
春一番が吹くとか吹かないとか
そんな喧騒はお構いなくわが家のカワヅザクラも開き始めました
2005年に苗木を伊豆河津で買ってきましたからもう10年です

三寒四温というか、春だか冬だかわからないような時期に咲き出うすカワヅザクラですが
「都市と地方の緩衝地帯にクリエイティブクラスが集う」という雑誌記事を見つけました
(あえら15.2.23)

鎌倉の瀟洒な住宅街の詫びた日本家屋に
立ち上げて10年に満たないIT企業が本社をおいています
茶室と多目的の畳の和室で会議やプレゼンテーションを行い
鎌倉駅近くのビルのオフィスで実作業をしています
他にもクラウドファンディングやウェブ制作、システム開発などの
ベンチャー企業が鎌倉に集まってきていて
IT系の起業家たちが“この街を愛する人をITで全力支援”を合言葉に
有限責任事業組合「カマコンバレー」を立ち上げ
さまざまなアクションが生まれているとか

なぜ鎌倉かと聞くと
起業したてくらいの規模の会社は
自分たちが面白いと思うものを磨くことで生き残っていける
東京目線のマーケティングでは勝てない
東京から微妙に断絶されている鎌倉の立地がいいといいます

海があり、山があり、由緒ある神社仏閣があり、通好みの飲食店もある
必要なら都心まで一時間で行ける
狭い場所にすべてをもっている
突出したものは一つもないが多様性と調和に結びついている
そんな「鎌倉効果」があるなら
同じ都市と地方の「緩衝地帯」の柏には
有数の商業集積とスマートタウンに広大な農地、水面があります
歴史だって中世以降の集落がまだ息づいています
柏にも条件さえ整えればクリエイティブクラスが来てくれるのではないでしょうか

はしり、さかり、なごり

2015年02月19日 | かしわかあさん
今日は二十四節季のいうところの水温む<雨水>
リスペクトしまして写真を選びましたが
別の話題

今夜のTVで山形のジヤム-ソース類製造業
「セゾン ファクトリー」の仕事ぶりが紹介されていました
その名のとおり、旬の果物を素材に
最高に美味しい加工品を世の中に提供している会社です
番組でも五千円近いイチゴジャムの
ストーリーが描かれていました

美味しい商品を作るには素材も
一番美味しいものを選ばねばならない
季節の果物には
<はしり><さかり><なごり>というのがあって
たとえばドレッシングには
<はしり>のフレッシュな味が適しているし
ジヤムには<なごり>の熟した味が適している
作り手の思いが商品のストーリーとして
リスペクトされなければならない
そんな内容でした

<はしり><さかり>ということばはよく使われますが
旬を表すのに<なごり>という
ことばを使うのは新鮮でした

加工業に携わるものとして
「どんな素材でも美味しいものを作ります」
というのと
「美味しい素材をそのまま生かします」
というのとの
どちらを基本姿勢として取り組むのか
またひとつ、宿題をもらったようです

愚者は経験から学び賢者は歴史から学ぶ

2015年02月17日 | 冬の梨畑
タイトルは誰の言葉だったのか
ラジオで紹介されていました
たしか、今話題のパリのトーマス先生も歴史に学べっていっていたような…

去年の2月は雪に悩まされました
今朝も雪が降ってきたので今年もまたか
と思うのは、やはり愚者の発想なんでしょうねえ
うっすらと雪化粧したと思ったら
30分もしないうちに消えてしまいました

梨の剪定も後半
こういう枝はこうすれば誘引できるなんてことは
ある程度、経験すればわかってきます
それを客観的に整理し、理解してもらうのは
別の問題です
愚者は経験を伝えることもできないようです

デザイナー、ライター、農場カメラマン

2015年02月15日 | まちづくり
14日、金丸弘美さんの講演会が市、公社,JA、道の駅の共催で行われました
会場は道の駅近くのJA支店会議室
眼下に手賀沼と水田が広がります
金丸さんは開口一番、サイクリングにいいところですね

講演タイトルは
地域資源を活用した「売れる商品づくり」と販路開拓について

全国の事例だけでなく、海外の事例を含めて
地域資源の活用のポイントを示唆してくれました

儲かっているところは女性向けの商品化をしている
そのためにデザイナーやライター、栄養士などの専門家を抱え
センスあるデザインコードで環境づくり、情報発信をしている
地元の女性スタッフを
戦場カメラマンならぬ農場カメラマンとして現場から情報発信するよう
抱えているところもある
これからの時代は環境や健康がポイントになる
手賀沼周辺にはぴったりなテーマ

先日の東大まちづくり大学院での演習でも指摘されたことです
参加者はなにか気づけたでしょうか

講演会後、現在市内で進められようとしている四つのプロジェクトを当事者が紹介し
金丸さんからアドバイスをもらうという貴重な機会となりました
終了後は農業法人が作る米粉パンを食べながら交流会に

この交流会もフリーな団らん、意見交換会ではなく、専門家Sさんのリードで
「手賀沼に10年後に起こる問題とは何か」とか
「手賀沼への社会の追い風とは何か」など、六つのテーマに
ひとり一人の思いを紙に書いて、それを整理してみようという
“ワーク”の試みが行われました
時間がなく各人の思いを出したままにしたために“ワークショップ”ではないとか

それを一時的に分類したのが上の写真
これが整理できたらその内容を道の駅のホールにでも掲げて
道の駅来訪者からも同じテーマについて意見を寄せてもらおうか
なんてアイデアも膨らみました

参加人数がもうすこしあったほうが良かったですが
手賀沼周辺まちづくりへの仕掛けのキックオフパーティとしては
上々でした

積極的もったいない主義

2015年02月14日 | 農のあれこれ
グズ大豆があれば片道一時間かかっても受け取りに行く
米ぬかがあれば在庫があってもいつでも飛んで行く
これを積極的もったいない主義という
かどうかは置いておきまして……

積極的なんとか主義というのが流行りのようですが
ロックグループ子供バンドのメンバーで俳優のうじきつよしさんが
おおたけまことのラジオ番組で話していたことが
いたく感じ入りましたので紹介します
ポッドキャストで一週間配信されています
http://podcast.joqr.co.jp/podcast_qr/main/main150213.mp3

彼の父親は職業軍人で
陸軍中隊長としてベトナムで敗戦を迎えます
B級戦犯として五年間フランス軍の捕虜に
帰国してから三年間巣鴨で留置されていたそうです
無口で厳格な父親に若い頃反発してロックの道に入ったが
後になって二人でベトナムの勾留先へ旅をしたとき
武器を持ったら撃ちたくなる
撃ったら悲しむ人がいる
そういう愚行を繰り返してきたのが人間の歴史だ
と教えられたそうです

ロッカーはアウトローだから面白いのに
あまりにアウト過ぎてまともになってしまった
と照れながら話してくれたのが次のようなこと

誰も頼んでいないのに今の日本は岐路に立たされている
70年間、平和に繁栄してきた歴史上あり得なかったいいくに
そういうギフトをもらったのに簡単に手放すのか
グレーな状況があってもうまくつじつまを合わせて
恒久的なものにできるチャンスを与えられている
普通に戦争のできる国は誰にでもできる
父がいうように歴史がそれを証明している
そうならないように工夫するのが
政治家だったり学者だったりの専門家じゃないの


そうだよねえ もったいないよねえ
畑を荒らすことは誰にでもできる
農業者という専門家としては
これからも畑を荒らさないようにしなければなりません


追伸

ポッドキャストでは配信されていませんが
番組で流された「マンモスの歌」という新曲も
今時珍しい、聞いたあとスッキリする曲でした

ふるとしに春たちける日よめる

2015年02月12日 | ネイチャースケッチ
まだまだ朝は大きな霜が降りて寒いのですが
日中の陽の光はすでに春のもの
夕方も5時半ぐらいまで野良仕事ができるようになりました
暖かくなるとナシの剪定作業が気ぜわしくなります

日の入りの時間はどうかと暦のサイトをみましたら5時17分
下弦の月の旧暦の12月24日とか

ん? 立春が過ぎているのにまだ旧暦は12月?

旧暦の新年が必ずしも立春とは限らず
こういうのを「年内立春」というのだそうです
その誤差は最大プラスマイナス半月もあって
「年内立春」もよくあることのようです


『年の内に 春は来にけり 
ひととせを こぞとや言はむ 今年とや言はむ』(在原元方)

<かしわスケープ> ステイタスとなる風景

2015年02月11日 | まちづくり


野田市内で出会った光景です。
谷津に面した明るいクヌギ林が春の光でほっこりしていました
こんなところでコウノトリが飛んでいるのかもしらんと
そんな想像をさせてくれます


先日、東大まちづくり大学院(社会人向けの修士課程)の講座で
柏市の将来空間像を提案するという演習結果 を聴く機会がありました
昨年12月に市内を見学し、それからひと月あまりの期間で
四つの班構成で学生さんたちがまとめてくれました
さすがに社会人な上に試験を受けて入学し
授業料を払って勉強している皆さんです
短期間で情報を収集、分析して
柏市の将来を考える論点を整理してくれています


その中からいくつか

首都圏居住の自然志向の若者をターゲットに農業を外観から変える
柏農業地帯のランドスケープを変える

産学連携農業イノベーション…研究シーズとコラボレーションを図る
(植物工場、太陽光発電、…)

食、環境、産業を切り口にしたコミュニケーションツールとしての農

クリエイティブ人材が集まるステイタスとなる風景

世代をつなぐ空間とコンテンツとしてのファーマーズマーケット

“柏デビュー”…トライアンドエラーができる環境・風土

“ミズベリング”…利根川・手賀沼の水辺空間をいい感じに

遊休農地の再生プロセスを市民に開放して
“経験価値”“共感価値”“共創価値”を創造


「生産して販売する」という仕組みだけでない若い人らしい観点もみられました
これからは農業も“現場”周辺の環境、景観からのイメージづくりが課題かもしれません

一露もこぼさぬ菜っ葉の氷かな

2015年02月10日 | 農のあれこれ
お寒うございます
今朝は都心でも零下になったようで
今季の最低気温だとか

寒いのは気温だけでなく
世界のあちこちで戦闘が起こり
もはや第三次世界大戦に入ったという人もいるようです
日本の農業もJA全中のしばりが弱められ
TPP合意の中で生き残りの戦線に加わらざるをえない状況です

ではその足元はというと
農家といっても半分は農産物の売上高ゼロの農地権利者
残りの半分は兼業で自作地を耕すのが精一杯
将来も飯米程度は自作するかもしれませんが……
その残りの多くの農業従事者はすでに還暦を越えて後継者もいない
将来の担い手としては……

人びとが国産農産物を食べたいと思うのを待つより早く
きっと輸入食料が不安定になって
身近な農地の価値を見直すことになるだろうと
では
担い手のいなくなった農地をそれまで誰が管理している?
しっかりとしたビジネスモデルを持った新規就農者も結構農業参入する企業も結構
それが嫌なら、自分たちで組合とか法人化とか
場合によっては農地保全公社のようなものの可能性も考えたい

これまでのように
一露もこぼさぬ護送船団でというわけには行きませぬ
これからはこれまでの延長上にはありませぬ
もっと緊張感をもって挑みたいものです


タイトル元句 <一露もこぼさぬ菊の氷かな> 芭蕉

手賀沼周辺まちづくり講演会2月14日

2015年02月05日 | まちづくり
2月14日土曜日午後2時より、東葛ふたば農協東部支店会議室(柏市箕輪)にて
食環境ジャーナリスト・食総合プロデューサーの金丸弘美さんの講演会が行われます

テーマは「手賀沼周辺のまちづくり」
講演会ののち、現在進行中の4つの農業関連プロジェクトを当事者が紹介し
その内容について金丸さんからコメントをもらうという企画です

進行中のプロジェクトはつぎの4つ

①道の駅周辺農業拠点整備(柏市)
②農家レストラン計画((株)沼輪)
➂農家レストラン計画(農産物直売所かしわで)
④農産物収穫体験事業(手賀沼周辺協議会)

終了後、懇親会も予定されています
会費(お茶代)500円は当日事務局へお願いします

興味のある方はどなたもさんかできますが
事前申し込みが必要です
申し込み先は柏市農政課
連絡いただければ代行して申し込みます

耕作放棄地解消最終作業

2015年02月04日 | わが家の時時
年末から年始にかけて取り組んでいた耕作放棄地解消作業
重機による作業も終えました
再び明日は雪になるとかで
ならば再び湿気る前にとはじめてトラクターを入れてみました



ほぼ平坦にはなりましたが
表面に篠や藤の根が残っており
何か作付けするまでには何度かトラクターが入っては
根や木屑を持ち出すという作業を繰り返さねば
ならないようです


春やこし年や行けんや薄氷

2015年02月03日 | ネイチャースケッチ
先週、雪になるか雨になるかと騒いでいた翌朝の光景です
畑の水溜まりの薄氷に風の紋様ができていました



新年を迎え
いよいよ天候も移り変わりが早まるようで
明後日はまた雪になるか雨になるか
前回よりも寒気が南下しているとか
雪は降っても積もりませんように


タイトル元句 <春やこし年や行けん小晦日>芭蕉

健康博覧会3月11日〜13日東京ビッグサイト

2015年02月02日 | ちゃちゃちゃビレッジ
東京国際展示場(ビッグサイト)で3月11日から13日まで
「健康博覧会2015」というイベントが開催されます
国内最大級の健康産業ビジネストレードショウという触れ込みです
この商談展に農業生産法人ちゃちゃちゃビレッジが出展します
わが家の「かしわかあさん」も協賛しています
出展申し込みが遅れたために案内パンフレットには
ちゃちゃちゃビレッジの名が記載されていませんが

ちゃちゃちゃビレッジは障がい者の就農支援を模索している農業法人です
障がい者を雇用している一般企業に向けて
農産加工品の生産製造過程で雇用障がい者が関わる活動の場を提供し
企業のオリジナルギフト商品を開発しようというビジネスモデルを提案します

「ちゃちゃちゃビレッジ」で農作業をして
「かしわかあさん」で加工して
企業にギフト商品としてお返しをしますというわけです

わが家の「かしわかあさん」の最大の売りは
小ロットのジャムやドレッシングなどの農産加工品を製造できるということ
自前の直売所を持つ農家向けに小ロットの農産加工品を製造受託していたことから
企業のオリジナルギフトもできるのではないかという発想です

いきなりの全国デビューですが
チャンスがあればチャレンジしようという
「ちゃちゃちゃビレッジ」の命名そのままな挑戦です
3月の商談会というのも準備不足なうえに
なにゆえ「健康博覧会」なのかという疑念も禁じえませんが
9月のギフトショーが本命
どこまで通用するのか何事も経験です

無料招待券(入場券)がありますので
興味を持たれた方はご連絡ください