のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

順当に脈打ちながら春よ来い

2010年03月31日 | 今年の米づくり
ナシの剪定作業時にも嘆いていました。
立春以降、雨の日が多く、田んぼも一向に乾いてくれません。

いつもなら春の彼岸から4月初めにかけては乾燥するものです。
田んぼの中の冬草を鋤き込んだり、
畦塗り機で田んぼの畦を整えたりできるのですが、
今年は排水条件の悪い田んぼには機械が入れない状態です。

風の吹く日も多いような気がします。
29日などはみぞれも降りましたし、
昨日、今日と続けて大きな霜が降りました。

早く春がやってくると
得てしてしっぺ返しもあるもので、
お天気家業の農家は順当な季節の移り変わりを望むばかりです。

如月は風のち花冷えブルームーン

2010年03月30日 | わが家の時時
3月30日は旧暦の2月15日だそうで、
西行の
“願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ”

のまさにその頃だと、
天セイ人語でも紹介されていました。
もっとも今年は
1週間前に東京でサクラの開花宣言されてから寒気が陣取っていまして、
遅々として開花は進んでいませんが。

また、今月はひと月に2回満月となり、
2回目の今夜は“ブルームーン”と呼ばれています。
もともとは言葉の通り「青い月」を意味していたそうですが、
ひと月に2回目の満月の場合は
「めったにないめずらしいこと」の意にもなるのだそうです。

ちなみに、今年は1月と3月にブルームーンがあって
これまた珍しいことだとラジオで紹介していました。

21日だったか、発達した低気圧が北日本を通過した際に大南風が吹いて、
各地で被害が出ていましたが、
わが家でも被害が出ていたことに昨日になって気がついて
あわてて瓦屋さんに応急処置してもらいました。

50代になった今まで大風で家の瓦が飛んだというのは初めての経験です。
地形的なものと風向きからたまたまそうなったのでしょうが、
「めったにないめずらしいこと」で終わってほしいものです。

すべからく春を待つべし命なら

2010年03月28日 | 今年の納得米づくり
東京でのサクラ開花日まで順調に暖かくなっていたのに、
それからは寒い日が続いています。
今日も一日、寒い日でした。

この間、強い雨も降りまして、
しばらく田んぼに入れそうもありません。
消費者が自給用の米を自ら作ろうという納得米プロジェクトでも
今日はぼかし堆肥の散布と耕うんを予定していたのですが、
予定変更して、苗箱の床土入れと
種もみの塩水選、温湯処理、浸水という一連の処理を行いました。

種まきは4月10日頃を予定しています。
例年、1週間ぐらいで鳩胸状態にまで水を含むようになります。
2週間も前に浸水してしまうのはちょっと早いのですが、
ときたま冬並みの寒気が入ってくるかもしれません。
温度の高低の変化が少ないよう今年は大きな水槽で浸水です。

それぞれが積み重なりて壁一枚

2010年03月26日 | 農のあれこれ
昨日に続き「つくば環境フォーラム」見聞記。

身近な緑地、里山を保全管理しようと
行政などが里山ボランティア養成講座を開いても
参加者が集まらない、集まる人はリタイア世代ばかり
というような声を聞きます。

たしかにかつては農業や生活と密接な関係にあった里山ですが、
農業ブームと呼ばれる今日でも
里山保全活動を意義あるものと広く認識させるのは難しいこと。
せいぜい農作業の一部ぐらいの位置づけ。
本当は遊び空間としてたいへん面白いところなのですが。

ところが「つくば環境フォーラム」の里山活動現場に伺うと、
高く積み上げられた薪乾燥棚?がいくつも並んでいます。
ちょっと最近は見られなくなった光景に圧倒されます。

              

そこで作業していた方々も多くは現役世代のようでした。
人数もけっこういました。

なんでこうなるの?ってきいたところ、
もともとはフォーラムの活動の一部であったが、
最近、独立した活動になったとのこと。

片方に手入れの行われなくなった里山があり、
もう片方に薪ストーブ愛好家たちが薪の入手に困っている。
それらを結びつけたといいます。

つまり、ストーブ用に薪の欲しい方が自分たちで薪を作る
というシステムのようです。
雑木の切り倒しから薪割り、薪積み、そして植林、下草刈りまで、労力を提供し、
それをポイント化してポイントに応じてできた薪を配分するといいます。

機械のメンテナンス等がありますから
会費のようなものはあるのかもしれませんが、
通貨の介在しないひとつの経済システムが出来上がっているといえます。
手賀沼トラストでも真似ができそうです。

田に写る山影を待つ里の春

2010年03月25日 | 農のあれこれ
先日、わが家が関わっている市民活動団体「手賀沼トラスト」
これからのあり方を考える参考とするために
NPO法人「つくば環境フォーラム」さんを訪ねてきました。

里山の自然環境を保全しながら
人と自然の共存を目指そうというテーマはほぼ同じ。
「手賀沼トラスト」が活動を始めたのは1999年、
「つくば環境フォーラム」が法人化したのは2001年とこれもほぼ同じころ。
この間、「つくば環境フォーラム」は関係機関から助成金をいただきながら
各種事業も数多く受託するという実績をあげてきました。
森づくりや米づくり活動へのボランティア参加のメンバーの年齢層も若く、
その様子はまぶしく見えました。

             

「つくば環境フォーラム」は長年にわたって
環境ボランティア活動にかかわってきたメンバーによって設立されたこと。
つまり自然環境調査や環境教育活動に関する経験やノウハウがはじめからあって、
それを生かせる活動を継続することが目的であったこと。
そのための資金と人材を確保するために当初から法人化を前提としていたこと。
子供たち向けの環境教育事業が中心だったことにより
若い世代に活動をアピールできたこと

…などが「手賀沼トラスト」との違いでしょうか。

現状を積極的に過大評価もできませんが、
こういうストックのなかったところからはじめ
現在の状況にまで活動できているということは
「手賀沼トラスト」もそれなりに評価できるようにも思います。

いずれにせよ、
「つくば環境フォーラム」が谷津田の保全活動を進めている
「筑波山すそみの田んぼ」は沢水を田んぼに引き込んだビオトープで
筑波山を正面に望める絶好な環境でした。
田植え後や刈り入れ時などそのときどきでまた訪れたいと思いました。

いつからかソメイヨシノが彼岸咲く

2010年03月22日 | 春の梨畑
いよいよ東京で桜の開花宣言。
例年より六日早いとか。
本家のヒガンザクラの名前を奪いかねない勢いです。

3か月続いたナシの剪定作業も
本日、ようやく一通り終わらせることができました。
剪定が遅れてしまった今年の敗因は
2月以降、雨天が多かったこともありますが、
第一は開始時期が遅れてしまったこと。

晩秋から初冬にかけての作業をもっと効率よくしなければ
というのが反省です。

サクラが咲いて7日から10日でナシの花も咲き出します。
寒い日もあるようですから4月初めころになるでしょうか。

タイトル写真は生育の早い畑の幸水の花芽。
別の花ですが、3日前の19日の様子は下のようですから
ちょっと気温の高い日が続くと一気に生育が進みます。

             

豊水もこんな感じ。
上が19日、下が22日の様子。

             

             

そろそろ「りん片脱落期」といわれ、
病菌防除の薬剤散布開始。
減農薬化してからは、この時期の散布を省略してきたのですが、
昨年、黒星病の被害が広がったために
今年は復活しようと予定しています。

本来なら冬の仕事から春の仕事に気分を切り替えるのに
ちょっと息抜きが必要なんですが、
花芽を適当な数に整理しなければならない、
ナシの幹を薪にしなければならない、
防災網、防風網の補修もしなければならない、
田んぼの準備、イネの種まきもしなければならない
と、この時期の作業が目白押し…

忍び寄る桜前線恨めしく

2010年03月19日 | 春の梨畑
2月から降雨日が多いまま3月も下旬になろうとしていますが、
今日の入り陽は鮮やかな茜色でした。
気がついてナシの木によじ登って写真を撮ったのですが、
すでに半分は落ちてしまっていました。

あとで写ったものをよく見たら、上に伸びたナシの枝が…

つまり、まだ剪定が終わっていません。
お彼岸までにと宣言して自分を鼓舞していたのですが、
まだ甘かったようです。

熊本だったかで、サクラの開花記録と同じ日に開花して以降、
サクラ前線は順調に東進してきているようです。
でも、素直に東進を喜べない農家がここにいます。
例年のことながら…

虫二匹蠢いて春コブシ咲く

2010年03月14日 | ネイチャースケッチ
ブログ検索してみますと、各地でコブシが咲きだしたという報告。
わが家でも咲き始めました。

コブシの花が咲くともう冬には後戻りしないとされ、
農家の庭先にはかならずコブシの木があって
田起こしや苗代作りの準備を始めたとか。
「種まき桜」「田植え桜」「苗代桜」などの別称も。

去年は3月20日前に咲いているようですので、
やはり今年の春も早い?

それぞれのはたけスタイルいま盛ん

2010年03月13日 | 農のあれこれ
今年も手賀沼トラスト「農教室」が開講しました。
講座生も年々増えていき、今年は70名にもならんとする大所帯に。
もっとも、卒業しないでそのまま留年する生徒が多くいて、
(それほど居心地がよいということでしょう)
毎年、新人も入ってくるのですから当たり前という声も。

ともかく、世の中、農業ブームのようで、
今度は『週農本』と称する雑誌が発行されました。
週末に農業を楽しもうという本だから「週農本」だそうです。

P&Dマガジン4月号増刊 3月16日発売 ㈱かぴさまエンターテイメント 780円税込

週末農業で野菜40品目を育てよう!ということで、
定番野菜からなめこ、そばまで野菜の育て方が
イラストを中心に編集されています。
このあたりはこれまでもいろいろな情報が発信されていますので、
とくに目新しいコンセプトではないように思います。
もちろん充実した内容で、
これから試してみようかという読者には役に立つ情報でしょう。

でもこの雑誌の特筆は、
トップ企画でもある農業実践スクールでの体験報告でしょう。
山梨県にある農業生産法人が取り組んでいる週末農業スクールの様子が
くわしくレポートされています。
手賀沼トラスト農教室のこれからを考える上でも参考になりそうです。

この雑誌のもうひとつの特徴は、
農業スクールにスポットを当てたことでしょうか。

これまでの農業ブーム本というと貸し農園や田舎暮らし情報が中心で、
最近は苦労して就農しているという内容が多かったのですが、
実は、“農”がライフスタイルとして定着するためには
プロの農家とどう付き合うかということがポイントだったように思います。
農業スクールはプロの農家がサービスしていることが多く、
そこに着目して広く発信しようとする姿勢はgood。

さらに農業とのかかわり方“はたけスタイル”を9つに類型していることも
ちょっと新鮮。
9つになるかどうかの評価は別にして、

①イベントでプチ農業体験
②一坪のミニ畑から始める
③充実サポートの農園で野菜づくり  

…から始まり、就農から田舎暮らしまで“はたけスタイル”を提案しています。

実は、この項目の中に「海外で農業を学んで就農」というケースがありまして、
またまたわが家のコセガレが紹介されています。

「週末農業」なのになぜ海外研修?といじわるな質問をぶつけますと、
大人の事情がありましてという回答。
なるほど、わが家のコセガレもお世話になった
農業海外研修を業務とする社団法人が大スポンサーのようで。

風なくもゆるぎくねらせほむら立つ

2010年03月12日 | 春の梨畑
                     

                     

例によって、ナシの剪定枝の焼却風景です。

ただただ、炎の形状が面白く、火の子も飛んできれいだなって。

この冬も大きな風邪をひかなかったのは
たき火で一日の終わりに体の芯から温められていたからではないかと思えてきます。

もちろん、火の用心です。
代々、消防団員ですから。

ここまでと香りの花に春の雪

2010年03月10日 | ネイチャースケッチ
今年も玄関先の沈丁花が甘い香りを漂わせ始めました。
写真はおととい8日に撮影。

例年、もっと遅い時期に咲くのではと思っていたのですが、
以前のブログをたどっていくと、
2007年には3月4日に咲き始めています。
最近では当たり前の時期のようです。

それにしてもです。
昨夜は、ここらあたりでも一時的には3,4cmの積雪がありました。
道路はシャーベット状の氷で覆われ、
このまま降り続いたらと心配させられました。

雪国では3月の降雪量の記録を塗り替えるところもあるようですが、
一方で、高知からはソメイヨシノの開花宣言。
50年ぶりの早い開花記録だそうです。
ナシの開花も早まりそう。

夕方6時まで外で作業ができるようになりました。
剪定作業も大詰めです。

観る日でも男と女のすれ違い

2010年03月08日 | わが家の時時
ずるい男に、気はいいけど自立する女の
そんな二人の改めての旅立ちというところでしょうか。
メリル・ストリープ主演の映画『恋するベーカリー』を観てきました。

夫婦50割で観たい男とレディースデイに観たい女の
そんな二人の姿がそのままスクリーンに映されているようでした。

観ている最中、女は何回か「男はずるい」とつぶやいていました。
あそこまでひどくはないと思いつつも、男は恐縮するばかりです。

しばらくは、
子育てを終えた二人の新しい付き合い方を探しまわることになるのでしょう。

洪水に地震、寒気の慌ただし

2010年03月05日 | 春の梨畑
気温が20℃近くまで暖かくなりました。
火曜日には雪の予報があるというのにナシの芽が動いてきました。
剪定作業も急がねばなりません。
でも、来週水曜日まで傘マークです。

ハイチに続いてチリ、台湾で地震。
フランスでは暴風雨と高潮で大洪水。
北欧では今季一番の寒さで船が海氷に閉じ込められているとか。

恐竜が消えたのは巨大隕石の落下による気象変動によるという説が
確認されたといいます。
人の歴史など地球の時間からすればほんの一瞬の出来事とすれば
明日、何があっても驚くに及びません。

言わずとも唇寒し菜種梅雨

2010年03月03日 | わが家の時時
「新書大賞2010」第一位なんだそうです。
昨年一年間に刊行された1500点余りの新書の中から
書店員や書評家らが投票して、その第一位だったそうです。
ベストセラーになっていることも知りませんでした。

実は、毎朝、団子づくりをしながら聞いているラジオで
Ta田Te也さんが受け持っているコーナーがありまして、
この本を五日間?十日間?にわたって紹介していました。
面白いなあと思って聞いていると、最後の部分で
「可能性は無限にある。しかし、……………」という締め。
残念ながら後半部分が聞き取れませんでした。

もしかしたら、この本の中に聞き逃した部分があるのではないかと考え、
ネットで注文。
届くまでの2,3日の間に大賞が発表されました。
受賞したから買ったのではありませんからー。

ところが、パラパラとページをめくっても
「可能性」「無限」のようなキーワードは出てきません。
あれはなんだったろうなあ。

本の内容についてはあちこちで紹介されているでしょうけど、
要は日本人はどこかに「中心」が必要な「辺境の民」であるということ。
たとえば、日本語。
漢字が日本が入ってきたとき、
それまで使われていた表音文字を『仮名』と呼んで「暫定」の座におき、
表意文字の漢字は『真名』という正統の位置に。
「外来の高尚な理論=男性語」と「地場のベタな生活言語=女性語』を
うまく使い分け、豊かで細やかな思考、表現によって、
「余人を以ては代え難い」仕事ができるのではないかと主張しています。

この新書は珍しく「ですます」調で書かれています。
「はじめに」の最初のフレーズが「みなさん、こんにちは。」
まったく意表を突かれます。
著者はあえてこういう文体で書くことによって、挑戦しているのだと。


内田 樹 『日本辺境論』新潮新書336 740円+税

誕生日の翌日に君の独立宣言

2010年03月01日 | 今年の米づくり
ほぼ毎日、ドラム缶でナシの剪定枝を消し炭にして
畑に還元しています。
火の子が飛んで行って満月になったよう。

直売所でのお米の売れ行きが好調です。
獲れ秋からずーっとしている値下げキャンペーンに
くみしないわが家の米もつられているようですから、
値下げ効果だけではないようです。
農産物直売所「かしわで」のお米は昨年産米から
選別網の目を大きくしてこれまでより大粒のお米にしたことが
お客様の支持をいただいているのかもしれません。

先日、注文しておいた種子モミが届きました。
除草剤を使わない稲作りのサイトでも
今年はどうしようか、代かきは何回がいいのかとか、
緑肥が発芽してきたとか、
いろいろと意見交換されています。
ナシもですが、イネもそろそろ始まります。