のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

連休に入りようやく水開き

2010年04月30日 | 今年の米づくり
おととしは播種後2週間の26日
去年は播種後十日の22日
今年は播種後20日後の本日、30日。

「海開き」ならぬ、イネの苗床に水を張る「水開き」。
ほんとうに「ようやく」といった感じです。
まわりではあちこちで代かきがはじまり、
田植えも行われているのですから。

これまで覆っていた保温シートを外し(写真左側)、
今度は雀除けにナシ畑で使ったお古の防災網で覆って(写真右側)、
これからは直接太陽の光を受けながら苗は育っていきます。

天候の方もようやく落ち着きだし、
この大型連休は初夏らしい晴天が続くようです。
入れ込んだ水も調整している間にすぐに温まってきました。
遅れていた生育も追い付いてしまうかもしれません。

花散らし虫蹴散らして寒さ往く

2010年04月26日 | 春の梨畑
三日続けて晴天となりました。
ようやく寒気の襲来も収まったようです。

2週間前に当地に導入された交配用のハチも
昨夜、東北方面に移動していきました。
前半は雨と寒さで巣箱の中ばかりで
活躍できたのは数日だったかもしれません。

わが家では地場のハチや虫頼りですが、
養蜂業者のハチの移動を待って農薬散布しています。

交配中、小さなシャクトリムシを見るくらいで
アブラムシなどの害虫は寒さでまだ出て来ていないのですが、
雨が続いたものですから病菌の飛散が心配です。
散布機(スピードスプレーヤー/SS)の車体には
花弁が積み重なって真っ白になりました。

違うから今年もどきどき苗づくり

2010年04月24日 | 今年の米づくり
イネを播種して2週間。
ようやくここまで伸びてきました。

去年は播種十日で1.5葉になってプール化しています
おととしは2週間でプール化しているようです。

今年の苗は徒長しないで
ずんぐりとした良い苗という評判ですが、
このままの生育では、わが家の田植えは遅れそうです。

顔を見ぬ娘の顔さぞや麗しき

2010年04月23日 | 春の梨畑
今年のナシの交配作業で気のついたこと。
主に「幸水」についてですが。

なんとなく作業がしにくいのです。
初めのころは寒さで花弁が傷んでいるせいかと思ったのですが、
それだけではないようです。
どうも花が上を向いて咲いていないようなんです。

いつもだと、ぴんと軸を伸ばし、花弁も思い切り広げ、
さあ虫たちもどんどんいらっしゃいとフェロモンをぷんぷんさせていて
花粉をつける狙いも大きいのですが、
今年はいつ雨が降ってきても大丈夫とばかりに下向き加減。
中には、写真のように小さな花弁でめしべを隠しているようなものも
(中央下方の二つの花)。

今年は花粉を吹きつけていましたので、まあなんとかやりましたが、
梵天で作業していたらさらにイライラは増していたかもしれません。

雨の多い年の梅の花は下向きに咲くということを聞いたことがありますが、
これも自己防衛作用の一つなんでしょうねえ。

萌黄色のさがり廻して大関取

2010年04月21日 | ネイチャースケッチ
今日は夏日を記録したところもあるようですが、
明日からはまた低温と霜に関する気象情報が出されるような
不安定な天候が続いています。

ナシの交配は新高、豊水が終わり、幸水も終盤に入っています。
このところの晴天で、どうにか幸水の交配は恵まれたようです。

後は、開花の遅い畑の幸水の一年生の枝、長果枝が残っています。
次に晴れる日曜日まで持ってもらえますかどうか。

             

いつものクヌギも幼葉が出て、
つぼみがぶらぶらと垂れ下がっています。
これだけの大木になるとちょっとやそこらの気候変動には
びくともしないような風格を感じさせます。

実になって帰ってこいよと穀雨吹く

2010年04月20日 | 春の梨畑
今年のナシの交配作業には「新兵器」が登場しています。

いつもは「梵天」と呼ぶ棒の先の綿毛ボールに花粉をからませ、
花のめしべに擦りつけていました。
交配作業というとこういう光景が繰り返し映像として流されていますので
イメージできる方が多いと思います。

今回のこの「新兵器」は
下の黒いゴム製のポンプで空気を上の筒の中に吹き込むことで
白いカプセル状の筒の中に入れた赤い石松子で増量した花粉が
細い管の先から飛び出るという仕組みです。

実は特別「新兵器」というわけではなく
ケースに入れられたまま、20年以上前からわが家に一つだけありました。
花粉が大量に必要ということが嫌われお蔵入りになっていたものです。

花粉を吹きつけるため、水に濡れていたり風が多少あっても
交配作業ができると雑誌に紹介されていたものですから、
そういえばと思い出し、道具箱の奥の方から引っ張り出してきました。
作業する人数分が必要と新たに注文しましたら、
かつてのものとまったく同じデザインのケースに入れられ納品された時には
この間、まったく改良されていないんだと笑ってしまいました。

一口に「交配作業」「授粉作業」といっても
開花後3日以内の15℃以上の気温の晴れた午前中が最適とか、
交配後、2時間以内に降雨があると影響があるとかいわれ、
適切な作業期間というと限られています。
わが家では「幸水」を中心とした交配作業ですので、
作業ができたのはここのところの2日半。
今日は午後から小雨が降ってきたものですから、
今日の分はどうかなあってところ。

せっかく交配作業をしても
今年は雪が降ったり、霜が降りるような天候で
花自体が障害を受けている可能性があります。
受粉されたかどうかは少し立たないと分かりません。
変形果というのも受粉が十分にできていなかったことが原因です。
“試験”の結果が出るのは3~4ヶ月後。

十と十で二十足す十で三十?

2010年04月18日 | 春の梨畑
風そのものはまだ冷たいものの、ようやく良い天気になりました。
土着のミツバチや虫もここぞとばかりに飛び回っていました。

一匹、二匹ではなく、10匹、20匹…
まさに「十と十で二十足す十で三十?」

                         

                          

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色気なく花見と雪見のできる朝

2010年04月17日 | 春の梨畑
連日、ナシ畑のレポートで恐縮です。

             

雨だ、寒いといっていて、とどのつまりは雪の朝でした。
遅い時期の降雪記録だそうです。
41年ぶりというので、1969年の天気を調べてみたら…

69年4月17日の東京での最低気温 1℃、最高気温 8.4℃
10年4月17日の柏 での最低気温 1℃、最高気温 9 ℃、天気 みぞれ

ところが、それまでの最高気温をみてみると、
69年4月15日の東京での最高気温 27.2℃
69年4月14日の東京での最高気温 24.6℃
69年4月13日の東京での最高気温 24.4℃

10℃以下が続いている今年とは状況が違うようです。

ちなみに69年の夏はどうだったか。
8月8日に最高気温が35.8℃になっていますが、
太陽の見ない日が8月に十日ありました。

アイスランドの火山噴火の影響がどうなるか、
ほんとうに気になるのはこれからかもしれません。

               

先のことより、近々の課題はナシの交配です。
この雨や寒さの影響はまだわかりません。
まずは明日、春らしい天気になるようですので、
今季はじめて交配作業をする予定です。

咲き続き見るのは楽し農夫泣く

2010年04月15日 | 春の梨畑
今日も一日小雨が降り続きました。
気温も寒く、筑波山山頂では雪になったとか。
桜の花もまだ残っているようなところもあって
まだ花見ができると喜ばれている方もいらっしゃるでしょうが…

去年の開花時期と比べてみますと、

東京での桜の開花、 09年 3月21日、 10年 3月22日
東京での桜の満開、 09年 4月 2日、 10年 4月 1日

「新高」の開花、  09年 4月 4日、 10年 4月 4日
「新高」の満開、  09年 4月 8日、 10年 4月12日

「豊水」の開花、  09年 4月 7日、 10年 4月 8日
「豊水」の満開、  09年 4月10日、 10年 4月15日

「幸水」の開花、  09年 4月 9日、 10年 4月12日
「幸水」の満開、  09年 4月13日、 10年 4月 日?

(あくまでもわが家での観測値です)

去年の冬も暖かい日があってお彼岸には桜が咲きだしましたが、
開花後は寒い日もあって満開が10日後。
例年より長い期間、お花見が楽しめました。
今年も同じような状況でした。

花の早い晩生の「新高」の開花したのもたまたま去年と同じ日。
ところが…

中生の「豊水」の開花あたりから遅れ始め、
花の遅い早生の「幸水」にいたっては去年の満開時にようやく開花。
去年は開花から満開まで3日、4日であったのに対し、
今年は1週間かかっています。
積算温度で開花していきますので、それだけ気温が低いということ。

去年は4月に入ると連日、好天気が続き、
一気にいろいろな品種の花が咲きだして交配も心配していませんでした。
今年は寒いうえに雨天続き…

             

「こんな天候、果樹農家は心配ではないですか」

日テレの夕方の報道番組から取材依頼がありました。
当たり前のことを聞いて来なさんなとさんざん粘ってお断りしたのですが、
雨だから、ま、いいか、これも経験と思い直して、お受けしました。
その様子は今日の『News every』の中で17時10分ごろに放映されました。

寒い中、花は時間がかかりながらも咲きそろい、
畑の棚上を白く彩っているけど、
雨粒に打たれ、花がうなだれている姿は悲しい…

そんな内容でした。
これに対して不満は申すまい。
出来上がったストーリーに沿った内容に編集されるのは常ですから。

でも、農家の立ち場として言いたかったのは
「寒い、異常だ、なんてそんなに大騒ぎなさんな」ということ。

店先の野菜が高値になって困っているのは街の人で、
野菜が値上がって喜んでいる農家もいるんですから。
事実、農産物直売所にはたくさんのお客さんがいらしていて
出荷した野菜は連日、完売で大喜び…

って、こういう状況は一部の話であって、心配は心配。
でも、いつもはお天道様に助けられていることを知っていますので
「まあ、お天道様もこういうこともあろうな。
もし、だめだったら、また来年だ」
くらいの気持ちでいるのではないでしょうか。

「たいへんだ、たいへんだ」って大騒ぎすることによる風評被害、
たとえば「今年の果物は不作だって」
みたいな噂がたつことの方が心配です。

たしかに今年は交配が難しい状況ですが、
これまでに好条件の日もありました。これからもあるでしょう。
少ない着果数であったら先にいっての摘果作業も楽になります。
実も大きくなるでしょう。
なるようになる、いいこともある、ってなもんです。

現段階でいえることは、「幸水」の収穫期が遅れるということ。
去年は8月5日でしたが、今年は10日過ぎでしょうか。
ご了承ください。

つぼみ摘む指先黒く寒じかむ

2010年04月13日 | 春の梨畑
昨日の雨の中で気の早い「幸水」が咲き始めました。
「豊水」はけっこう開いてきました。
「新高」は今盛り。

今日の午前中は暖かく、ハエやハチが飛びまわっていました。
少しは交配できたでしょうか。

寒い日が多いものですから、開花はゆっくり。
おかげで余計なつぼみを摘み落とす作業が例年以上にできています。
まだ遅霜の心配もあるものですから
ほんとうに摘みとってしまっていいのかという思いを持ちながら。

15、16、17日と強い寒気が流れ込んでくるという予報。
次の日曜日以降は春の暖かさが復活するようで、
その時まで花が持ってくれれば交配に期待できるのですが。
今年もまた一喜一憂の春の天候です。

団子刺しつぼみ摘むもの種まくもの大気清浄明らかに潔し

2010年04月10日 | 今年の納得米づくり
遅霜の心配された昨日の朝も雲が出てきて幸運にもセーフ。
雨だ、寒いと騒いでいても、花があるうちに穏やかな日もあって、
今年も農家の愚痴もとり越し苦労に終わるのだ―…
なんて、冗談も口に上るような一日でした。
清明なる日とまではいえませんでしたが。

今日はほんとに「お忙氏」でした。

夜明けと同時にミツバチ導入前のナシに薬剤散布、
花見客を当て込んだ団子づくり、
納得米プロジェクトメンバーのお手伝いをいただいたイネの種まき
幸水の授粉用に開花直前の豊水のつぼみ摘み(写真上)、
その上に、手賀沼トラスト農教室2年生向けの客員講師。
みんなそれぞれ、待ったなし。
というか、欲張りなんでしょうねえ。

農教室では、農家からの防除と土づくりの話をして、
かんたんなロープワークの実習に。
南京結びもやい結びと巻き結びの3種類を実演。
これだけ知っていれば農作業はokって力説しましたが、
実は他には使いこなしていないわけです、ハイ。

心配がひとつかたちに霜の朝

2010年04月08日 | 春の梨畑
いえ、まだ幸いなことに“かたち”にはなっていません。
昨夜から今朝にかけて「霜注意報」が出ていて、
気温が4℃という予報だったものですから、
こんなタイトルを用意していました。
今朝は霜が下りなかったようです。

ちょっと暖かい日があって開きだした花にも虫が飛んでいて
よしよしと思ったら、翌日は雨。
そのまた翌日は冬の上着を持ち出すほどの寒さ。

それでもナシの開花は進み、「新高」はほぼ満開状態、
「豊水」も早い畑で開きだしました(写真)。

夕方、東風が強くなりました。
明日の朝は今朝よりも霜の可能性は高いでしょう。
冷気がたまるようなところの横の防風網の裾を上げておきました。
少しでも冷気がナシ畑の外に逃げていくように。

みんなのちからつながって農へスイッチ

2010年04月05日 | 農のあれこれ
『いなかスイッチ』という雑誌です。
スキマスイッチという音楽ユニットとは関係がないようです。

スイッチというと“切り替え装置”。
いなかの方向へ“切り替え”、スイッチ、オン!
ぐらいの思いのつまったタイトルなのでしょうか。
「人と人、都会と田舎をつなぐ田舎暮らし応援マガジン」と
サブタイトルがあります。

3月13日に紹介した『週農本』と同じ編集部によるもので、
あちらが臨時号、こちらが“本家”筋にあたります。
もともとは本家筋のこちらの雑誌に
わが家で少しお世話している新規就農者の方々を紹介していただこうと
知人の方に間を取り持ってもらいました。

ちなみにこのIさん、
巻末の「いなか新聞」で手賀沼トラスト」のことを紹介する
連続エッセイを掲載中です。
ぜひ、ごらんあれ。

さて、最新号のVOL.9 2010年春号の特集は「みんなのちから」。
地元に就農したお二人の女性、ナオミさんとぶっちーさんも
「出身でない土地で地域の人とのつながりのなかで就農している」
と紹介されています。
彼らの地元密着の活動の一部にわが家も位置づけられていて、
ついでに、わが家の営業までさせていただいて
はい、恐縮しております。

彼らは二人で「わがやのやおやさん 風の色」という名で野菜を販売。
地元スーパーマーケットの地場産コーナーのほか、
近隣の注文なら直接お届けしています。
風の色の活動を紹介しているぶっちーさんのブログはこちら


農家以外から新規に就農したいと希望する理由には
いろいろあると思います。
彼らも家族の健康であったり、
作物を育てることへの興味であったりしたようです。

なかには、人は自然の摂理の中で生きるべきだ、
だから農薬や化学肥料をつかった農業は認めないと言わんばかりの
“原理主義者”の方もいらっしゃるかもしれません。

そういう方々には、たとえばこんな反論ができるかもしれません。

「無農薬の野菜や米を求めるなんざ~、思い上がりだよ。
あなた方は蚊が出たらキンチョースプレー、
ダニが湧いたらバルサンゼット、
タンスには亭主元気で留守がいいのゴン、吊るしているでしょうが…
全部ピレスロイド系の殺虫剤ですよ。
農家が使えば農薬なんです。

豊かで快適な暮らしのために身近に農薬を撒いておきながら、
農家には使わないで米や野菜を作れというのは、
おかしいんじゃないの?
勝手なときには使っておきながら、
てめーが口に入れるものには使うなってか。
地球的規模から観たら人間のおごり、エゴではないですか。」
(除草剤を使わない稲作りネットワークの重鎮Aさんの言葉)

もちろん、化学物質過敏症の方もいらっしゃることはわかってはいるのですが、
現場の人間からすればこういうことも言いたくなる場合もあります。

先ほどの“原理主義者”と近代農業の従順な農家が
お隣同志になったらお互いに悲劇です。

新農地法では、新規に就農する方を応援する一方で、
就農する場合には地域との協調を条件としています。
ナオミさんとぶっちーさんの二人は、女性らしい感覚で
うまく地域と「つながり」を作り上げている事例かもしれません。

農業の現場では、田んぼや畑の環境をまわりの農家と共有しています。
19世紀の森の中の生活ならいざ知らず、
植物工場のような施設農業を除けば、農業は一人ではできません。
地域の“葛藤”を“お互い様”の精神で解決する仕組みが
村社会のいろいろなしがらみとして映るかもしれません。
でも、このあたりを理解できないと、
田舎暮らしや農業の楽しみが苦痛になってしまいます。

虫もなく咲きだした花あした霜?

2010年04月04日 | 春の梨畑
今日も一日寒かったのに
とうとうナシの新高が咲きだしてしまいました。
せめてこれからは遅霜がありませんように。

井戸水に浸していたイネの種籾もそろそろ鳩胸状態で
いつでも種まきができるようになったのですが、
露地で育苗するわが家では余りに早い種まきは危険。
ということで、ちょっと浸水もストップ。
いろいろと気を使わせてくれる寒い春です。

サンシュユ・レンギョウ・ボケ・モクレン

2010年04月03日 | 農のあれこれ
               

大きな風と雨に見舞われた一日、
福島市にある花見山まで日帰って?きました。
幸い、現地に到着した時には雨もあがり、
遠く吾妻小富士に雪うさぎが望めるような
穏やかな天候となりました。

花見山というのは、写真家の故あきやま庄太郎氏が「福島に桃源郷あり」と
毎年訪れたことから広く知られるようになった花の名所。

福島市観光協会のパンフレットによると
「山の頂に立ち、辺りを見まわすと、
遠方には残雪の吾妻連峰の美しい景色が見られ、
周辺の花木農家が栽培している色とりどりの花々のコントラストによる、
まさに桃源郷と呼ぶにふさわしい美しい風景が広がっています」

上の写真はまさにその様子を写し取ったものですが、
残念ながら当日のものではありません。
ガイドボランティアさんの撮影したものを拝借しました。
当日はまだサクラもモモも開花していなく、
ウメのほかサンシュユとかレンギョウといった黄色い花が咲いていました。

               

この花見山の特筆すべきことは、ここが公的機関によって
一般公開・提供されているのではないということでしょうか。
50年ほど前に一軒の花木農家が私有地の花木畑を開放したことからはじまり、
今では周辺の花木農家の協力も得て、
4月のシーズン中には海外からも含めて何十万もの観光客を集めているといいます。
シーズン中はJR福島駅からシャトルバスが運行され、
広場には地元物産店が並ぶそうです。

現地に出向いて、もうひとつ、感心したこと。
「きれいな花を皆さんに楽しんでもらいたい」と私有地を開放した農家の心意気に
応えたいと一般市民の方が花見山のガイドボランティアとなって
観光にきたお客様をお迎えしているのですが、
それがとてもフレンドリー、親切で好意的。
みんなで120名あまりいるとか。

             

花見山の中を歩いてみると、たしかに花木畑。
幹の途中で切られたところから新しい枝が無造作に出ています。
出荷直後の花木は枝が裸の状態になっています。

             

             

いい枝ぶりの花のつぼみのうちに切り取ったものが出荷されるわけで、
花見山でお客さんが愛でるのは、言ってみれば「残り物」の花。
でも別の見方からすれば、毎年新しい枝に咲いた花を愛でることができます。
もしかしたら、剪定をしない古木に咲いた花よりも
鮮やかで生命力あふれる花が見られるのがここの魅力の一つかもしれません。

花見山に登ってきたと地元の作業をしている人と話したら、
「山の上から遠くを眺めるのもいいけど、
山を目指して歩いて行くところがもっといいのよ」って
花見山の楽しみ方も教えてもらいました。

農業を営みながらの地域づくり、環境づくり。
羨ましい先進事例です。
例年、4月10前後が見どころのようです。