のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

さわさわと降りくる雪や初不動

2013年01月28日 | ネイチャースケッチ
雪になるかもという予報でした
ほんとうに朝にはあたりが真っ白になっていました
昨夜は満月が煌々と光っていましたのに
成田以東はさらに大雪だったようです

先日の雪がようやく解け畑の土も乾いてきたところです
幸いお昼頃には暖かくなり雪も消えてくれました
ただでさえ、各種会合等で作業時間が削られる時節です
雨雪はもう結構ですが、まだ雪はあるでしょうねえ


タイトル元句;たわたわと降りくる鳩や初不動(山口青邨)

天は晴れ地は潤ふや鍬始(正岡子規)

2013年01月27日 | みのわプロジェクト
本来ならタイトルのような“鍬始め”なんでしょうが
現実は“鍬収め”になってしまいました

昨年春から仮開園していた「体験農園手賀の杜農園」
地主さんの意向により、このたび閉園することになりました
せめて3年は続けたいと考えていましたのに
会員の皆さまにもご迷惑をおかけしました

体験農園自体は少し離れたところにあるスタッフの所有する農地で
継続することになりましたが
市街地に隣接した農地の有効利用という目的は果たせなくなりました
もし将来、まだ活用されていないようなら
ぜひ再び家庭菜園・市民農園として再生されるよう願っております

はるばると夫の仮住おとづれて小さきばけつにしやつを洗へり(三ケ島葭子)

2013年01月25日 | 農のあれこれ
昨年秋にふくしまから土地を探しに訪ねてくれたご夫婦
新天地がみつかったと挨拶に来ていただきました

事故現場より数キロのところでナシ、キウイをつくっていた“梨親父”さん
ご両親は会津に、お二人と子供たちは只見に避難生活をしていましたが
事故後一年半を過ぎたころからようやく気持ちが整理でき
新天地でやはりナシを作りたいとその土地を探しにあちこちを歩いている中で
わが家に立ち寄っていただきました

結果的には千葉県東部の担い手のいなくなったナシ畑と縁ができ
ふくしまの技とスピリットで新天地でのナシづくりに挑戦することになりました
今はご主人が一人で先行入植?中
家族を呼び寄せる準備をしています

もともとは生産したナシ、キウイはすべて直売していたそうですが
これまでまったく縁のなかった新たな場所での商売ですから
一部は世話になった農業法人を通じた販路を想定しているのかと
栽培は良いとして販売はどうする?と伺ったところ
奥さまから「すべて私が売ります」という心強い意思表明

家族が一生に一度あるかないかの困難に直面した時
ご主人が前向きに仕事に取り組んで(このことさえなかなかできないのに)
パートナーも同じ方向を見据えて
ご主人が弱気になるところを補っている姿が伺えました
羨ましいカップルです

ナシ畑は5年更新の借地とのこと
もし返してくれと言われたらと伺うと
また探してナシを作りますという返事

お土産に会津の民芸人形“起き上がり小法師”をいただいたのですが
これにはお二人の気持ちがこめられているのでしょうねえ
梨親父ご一家に幸あれ

父母妻子串柿のごと並びけり(正岡子規)

2013年01月22日 | 梨の虫
農薬を減らしてきたことにより思いがけない害虫が増えてきたと
以前にもレポートしていますが
これもカイガラムシの一種
こうなると切除して持ち出さなければなりません

カイガラムシ防除の有効な手段はマシン油を散布して窒息させてしまうこと
マシン油は化学農薬としてカウントされず
いわゆる有機栽培認定でも使用が認められるものですが
ステレオスプレーヤーのような大型散布機械を使って散布すると
周辺の住宅や葉物野菜の畑へ飛散して悲惨な状態に
こんな場合にはむしろ化学農薬に期待したくなります

うつくしき妻あり我に光よき鍬あり我に楽し人の世(佐々木信綱)

2013年01月17日 | 農のあれこれ
ひと月前に播いたライムギがこの極寒の中で芽を出し始めました

指導農業士会等の主催による「千葉県農業者活動交換大会」
というイベントに出かけてきました
「新たな農業への挑戦」というテーマで4件の事例発表があり
その中でF市M農園さんの取り組みに興味を持ちました

大規模稲作を目指し家族経営協定の中で“稲作40ha”という目標を共有化
後継者のパートナーの役割分担も盛り込みながら
家族や経営の変化を機に協定を見直してきているといいます

規模拡大を進めるには販売力強化がカギと考え
平成20年には地元農家と米販売業者とともに有限責任事業組合を設立

さらに地域の水田を守るためには
個人に何らかの事情があっても継続していけるよう
複数人での法人経営体が必要と平成23年に
近隣の大規模農家や米販売業者と生産法人の要件を満たした株式会社も設立
M農園の経営を徐々に株式会社に移しながら一層の規模拡大を図るといいます

また平成24年には農作業委託や農地利用集積・耕作放棄地再生に取り組むため
JA青年部有志と営農集団も立ち上げ
地域貢献にまで活動の範囲を広げています

法人設立に際し近隣農家だけでなく米販売業者も巻き込んでいるのが
M農園さんのオリジナルと思いますが
それは後継者の方が就農前に卸売市場に勤務していたからでしょう

事業体としての目標を明確にし
様々な経営形態を導入しながら次世代へ継承していく
一つのモデルになると感心しました

唐突や初雪やがて初ふぶき(森鴎外)

2013年01月14日 | わが家の時時
10時ごろからのあっという間に15cmぐらい積もってしまいました
予報は雨でした
寒波と爆弾低気圧が出合ったのだそうです

朝は雨でしたのでノーマルタイヤで出かけた車が
昼ごろにはあちこちで渋滞を引き起こしていました
出かけた娘たちの帰宅を心配する夜になりそうです

わが家のサンバーバン(RR)の履いたスタッドレスはこの積雪にかなわず
ほんとうに久し振りにチェーンを持ち出しました
雪国の人たちには笑われそうです

旧年の畑に忘れしキノコかな

2013年01月12日 | 梨の病気
年が明けナシの剪定作業は本調子
この時期はいつ雪が降るかわかりません
できるときにやらねばなりません

と見上げると何かがべったりと幹に張りついています
これはもしかしてチャアナタケモドキ
萎縮病と呼ばれるナシの病気の原因といわれているキノコです

ここにもあったか…

夏の姿は白いのですが
冬はこんなになるんでしょうねえ

とにかく切除しなければなりませぬ


タイトル元歌:安井小洒「旧年の畑に忘れし手鍬かな」

思いより考え示せ次世代人

2013年01月09日 | 農のあれこれ
今年の柏市広報1月1日 号新春特別企画は≪柏の農業≫
こういう晴れの舞台に農業を取り上げていただくのはありがたいことです
表紙を飾ったのが上の写真
屈託のない若者たちの笑顔からは元気をもらえそうです

2面3面にはフードコミュニケーターのMさんの進行で
「柏の農業 未来のために」と題した若手農業者の座談会の様子
Mさんが盛んに柏の農業に期待していると話をむけているのに
少し消極的な発言が多くて残念
せっかくの舞台なのですか
もっとこうしたいとかこうなりたいとか発信してほしかったし
聞きたくもありました
農家のこせがれらしく恥ずかしがりやのところがでてしまったようです


1月8日の朝日新聞夕刊の文化面は示唆に富む紙面でした

作家の古井由吉 さんが
「常套句をほぐして思考の流れに乗る表現ができるよう
それぞれの職業のなかで言葉を鍛えておくべきでないか」
と話されていましたし
やはり作家の池澤夏樹さんは
「SNSが一人一人が発言することを容易にしたが
それは≪思い≫であって≪考え≫でないことが多い
システムが≪思い≫を増殖させて≪考え≫を排除するゲームに熱中する
結果 すべてが軽くなる
言葉かコンクリートより軽くなっていいのだろうか」
と書いています

期せずして言葉の重さに関する内容でした
編集者が意図を持って紙面を構成したのかもしれません

文字数の限られたTwitterや「いいね」ポチッで意思を表現ができるというのは
本当に軽い
「聞く力」が昨年のベストセラーになっていました
いま発信することばかり一生懸命になっていますが
幅広く受信して じっくり思索するということが大事のような気がします
自戒をこめて

生業は草の種なり家業なら浅き夢見じ酔いもせず

2013年01月03日 | 農のあれこれ
この正月 家族経営会議なるものを開催しました
要は今年の経営方針はどうするかどうしたいかの
表の経営者・影の経営者・後継者の三者の話し合い

日頃一緒にいる時間は多いのですからいつでも話せるし
実際のところ単発的に思いをぶつけ合うこともあるのですが
一応 農業者年金に加入するために
「家族経営協定」なるものを結んでおりますので
正月ぐらいきちんとした時間を持とうというわけでして…

わが家はどこへ向かうのか
ナシ・コメの二本柱は現状維持だが
場合によっては拡大の可能性も想定しておくこと
加工場をリニューアルしたことで農産加工を新たな経営の柱にすること
家族経営を基本とするが法人化も検討すること
後継者はなによりライフパートナー兼ビジネスパートナーを早く決めること

新たな展開としては法人化も検討するということがポイントでしょうか

現在の経営責任者が就農する際には
環境問題へのひとつの取り組みとして
生活と経営を両立できる家族経営が理想という思いがあったのですが
あれから30年
当時も課題とされた状況がさらに深化しています
農業内部では市場流通の瓦解から担い手不足に土地余り
外部からは高齢者障害者も含めた就業の場として期待されてきました

農産物の流通もグローバル化し
事業として生き残るために農業が大規模経営になるのは否定できません
食糧生産が企業的経営になれば売れるものしか生産しなくなります
消費者は選択の幅の狭い食べ物で満足するか(させられるか)
満足できないならば自ら食べ物を作らねばなりません
あるいは食べたい物を作ってくれるよう生産者と提携しなければなりません
前者は家庭菜園・市民農園であり後者は契約栽培とかTeikeiでしょう

わが家の経営はこの30年ほどの間に市場出荷から直売に移行してきました
“わが家の応援団”づくりを目標にいろいろと試行し
ナシのお客様から年賀状をいただけるまでの関係を築いてきました
このわが家流の提携スタイルを維持継続していくことが大前提ですが
「色は匂へど 散りぬるを 我が世誰ぞ、常ならむ」
「創業(そうぎょう)は易(やす)く守成(しゅせい)は難(かた)し」です
時流に合わせて姿を変えていくことが必要です
そのひとつの模索が「法人化」です


ここ数年の状況からこんな考えになりつつあったのですが
なお一層想いを強くしたのはこの新書でした

永田照喜治 
『それでも食料自給率100%は可能だ 天才農業研究者ノシナリオ』
小学館101新書

日本ほど食糧自給に適した国はないし
農業用ロボットを使ってでも農業人口はもっと減ったほうがよい
いまは大規模農業ができるチャンスである
失業中の若者たちを農業にまわせば雇用問題が解決するなどというのは
農業を知らない人間の考えること


自分で育てることで農作物への判断力を養う
食文化の教育を義務教育ですべき
求める人に届ける流通を構築しなければならない
採りたての野菜や果物がおいしいのはそれが生きているから
それが体の中で生きる力として働いてくれる
家庭菜園は日本の文化になる
これからの農業は市民が中心にならなければならない
市民農園ならぬ「貴族農園」が日本の食糧自給率を上げる


「農業のあり方を考えることは
自分がどんなものを食べて生きていきたいかを考えること」
という最後のメッセージは
わが家からの発信でも使わせていただこうと思います

おらが組 元日 国立 ☆三つ

2013年01月01日 | 柏レイソル
2009年元日は競技場にいました
今年はテレビの前にいました
こうして元日のテレビをわくわくしながらみられるというのは
たいへん幸せなことです

前回は胸に一つの星でしたが
今回は昨シーズンJリーグ優勝の星も加わっているはずです
その経験の差があったからか安心してみていられました
これでACLへの最後のキップを得て
今年もより多くのゲームを楽しみにできます
選手たちには昨年以上に働いてもらわなければなりません

穏やかな暖かい元日でした
ミツバチも久し振りに巣のまわりを飛び回っていました
蜜源があってもなくても働いてるようです

わが家も加工場がリニューアルしました
融資分を還さねばなりません
昨年働けなかった分も挽回しなければなりません
さあ今年も働きましょう
よいとまけのうたのごとく動ける限りこつこつと