のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

今度こそ長居を願う大家かな

2013年04月26日 | ネイチャースケッチ
そもそもは一昨年の春にナシ畑で分蜂塊を捕まえた縁から
仲間たちの好意によりニホンミツバチを飼うことになり
いろいろと仲間たちが面倒をみてくれるおかげで一年半
なんとかこの冬までは“間借り人達”は姿を見せていました

ところが、居住環境があまりにも劣悪だったためか
ある日、大家のまぶたに一刺し見舞うような事態がおこり
いつの間にか、姿が見えなくなっていました

                 

春直前に巣箱を開けてみると、蜜もほとんど残っていない状態
越冬用の蓄えを使いはたして女王一族は新天地を求めて旅に出た模様
ハチを「飼っている」なんてとてもいえない
ただ巣箱を置いているままの名ばかり「養蜂家」の実態が露呈される始末に

それでも仲間たちが根気よくハチを呼ぶといわれる「キンリョウヘン」を持参してくれ
待つこと数日
偵察にきているような数匹のハチがみられるようになり
一昨日あたりから盛んにミツバチが巣箱に出入りしています
どうやら、ふたたび間借り人が決まったようです
今度こそ長居をしてもらって
少しでも家賃(ハチミツ)を入れていただけたらと期待する大家です

寒くとも子供の起きる時になり

2013年04月22日 | 今年の米づくり
先日の雨は雪になるのではないか
今朝も霜になるのではないかと心配しましたが
どちらも無事に過ぎました

先週、播種したイネの苗床のシートを恐る恐るめくってみたら
なんとまあ、しっかり芽を出しています

寒い日が続いていたので
まだ芽を出していないだろうと半分期待していたのですが
なにしろわが家の苗床は露地にシート一枚被せてあるだけです
芽を出さなくても心配
芽を出したらそれが寒さに当たらないかさらに心配

でも人工的な環境のビニールハウスの中ではなくて芽を出しているのですから
外気の変化にも耐えうる苗に育つはずです
苗たちよ、健やかに育て

畑にはあけびという名で出ています

2013年04月20日 | 春の梨畑
ナシ畑の角に自生しているアケビが花を咲かせています

地味な紫色でなんとなく夜の雰囲気を醸し出ていますが
ナシ屋にとってもアケビを好物とする害虫を連想させるもので
嫌われ者でした
それは「アケビコノハ」という夜蛾で
多目的防災網を設置していなかった時代は
防蛾灯という黄色い色の電球を夜間つけたり
夜蛾獲りと称して収穫期の夜の畑を見回ったものです

防災網を広げるようになってからほとんど見られなくなって
グロテスクなあの幼虫も数年に一度見るか見ないかという程度

毎年のように蔓を切っても蔓が伸びてきます
すごい繁殖力です
防災網の中ならアケビを育ててもいいかもと思って
数本、制御しながら伸ばしています
アケビの実が商品にできればいいのですが
それよりアケビの苗木が商品にできればなおいいですね

くぬぎの嗤う新自由主義的に

2013年04月18日 | ネイチャースケッチ
定点観測している一本のくぬぎの大木
十日前はこんな感じでした

                

いままさに花が満開

                

でも、毎年、たくさんの実をつけてはいるけれど
次の世代が育ってきません
ドングリが落ちて芽を出しても親くぬぎの影に日を遮られ
大きくなれないようです

寡占状態にある枝葉ももて甘し気味
多様でない植生は社会構造のいく末を暗示しているかのようです

わが家でもボタン一つでレタス採れ

2013年04月17日 | 農のあれこれ
電気屋さんの店頭に熱帯魚の入る水槽のようなものがありました
中をよく見ると淡い緑色したレタスが生えていました

商品説明パネルを探すと「水耕栽培器」とあります
なんと!植物工場の家庭版!
レストランなどの小規模事業所向けに商品化したのは聞いていましたが
ここまで来たかという感想です

養液を含むスポンジに種まきしてから収穫まで約1ヶ月
野菜の育成に最適な温度、照度、時間が自動でコントロールされます
その間の電気代は一日わずか9.5円
種子と液体肥料、栽培スポンジは三回分セットで用意されているようです
高級感のあるデザインでインテリアとして楽しめると謳っています

さすがに実用性は自信がないようで
“親子でいっしょに学ぼう”という食育器具の位置付け
電気を食べるようなものと批判することはできますが
簡単に無農薬の野菜を食べたいというニーズがあることも確か

店頭に設置して約ひと月
残念ながらまだ販売実績はないとか
広く受け入れられるのにはまだちょっと早かったかな

稲暦今日は田んぼの入社式

2013年04月15日 | 今年の米づくり
先日の13日がこのブログ開設して記念すべき3000日目だそうで
思えば遠くへ来たものです

ナシの早い春に振り回されているうちに稲暦も始まっていまして
今日は種まきの日
12年目に入った?体験型の米のオーナー制度「納得米プロジェクト」
の会員の皆さんにお手伝いいただいて460枚余りの苗箱に種を蒔きました

苗床に溝を、たね種を落とし、水を撒いて、覆土するという
一連の作業を小型にプラント化した播種機で行います
播種作業そのものは2時間半ぐらいで終わるのですが
何しろ一年でたった一日使う機械です
調整で一時間以上かかってしまいました

いつもなら一週間から10日ぐらいのところ
今年は種籾の浸水期間が二週間もかかりました
積算で100度ほどで籾は水を吸収し、胚芽が膨らんだ状態、鳩胸状態になるのですが
寒い夏を予感させます

井戸替えの備えあれど憂いあり

2013年04月14日 | わが家の時時
「井戸替え」というと単純に井戸を交換する意味かと思ったら
「晒井 さらしい」= 井戸の水を汲み上げ干すという立派な夏の季語のようですが

新しい井戸のポンプをパイプのなかに設置する前に見せてもらいました
この円柱状のものがそれで
これで50メートルもの地下から水を汲み上げるのか…
ん? 揚水管は30メートル分しか用意してないけど? と伺うと
井戸の底までポンプを下ろさなくとも
地圧でもって水脈から水が押し上げられているそうで
砂の混じらないきれいなうわ水を汲み上げるのだとか

ポンプに接続された黒いコードはポンプにの電源だそうで
井戸のパイプの中に水の通る鉄管とこのコードが吊り下げるとのこと

さあ、これで古いポンプがいつ止まっても水に困ることはないでしょう
二つの井戸の深さがことなりますので
もし地殻変動で片方の水脈が枯れても大丈夫
あとはこの搾井費用をどう生み出すか
頭の痛い問題が残っています
備えあれど憂いあり

藤波の影なす海の底清みしづく石をも珠とそわが見る(大伴家持)

2013年04月13日 | わが家の時時
わが家の地下39mのところから掘り出した石です
角がとれた石ですから川底だったのか礫海岸だったのか
地下46mのところからは貝殻が出てきました

              


ここ数年、既存の井戸ポンプの具合が悪く
ポンプ屋さんと交換の打ち合わせをしていましたら
いっそのこと新規に大きな井戸を掘りますかということになりまして
ここの早い春に大慌てしていたときに急きょ新しい井戸を掘っていました
もちろん井戸屋さんが掘ったのですが

              

せっかくなら搾井作業の様子を見たいと思っていたのですが
まだ残っていたナシの剪定作業に時間をとられているうちに
たった3日で55mまで掘って水脈にたどり着いていました

井戸屋さんは地下28m付近から1m掘り進むごとに
そこの土を取り置いた土の見本を作って水脈を探したそうです

              

右列の上から下へ、続いて中の列の下から上へ、さらに左列の上から下へ
と並べてあります

              

これが28m付近の土、まだ茶色い色が残っています
粘土でしょうか

そこから39m付近で礫層が出ています
ここの40m前後にも水脈はあったそうですが
さらに大きな水脈を目指します
そして46m付近で貝殻層が出てきます
さらに掘り進むと黒っぽい砂層になりました
これが55m付近の砂

              

井戸屋さんは経験知からこの砂を見て
大きなポンプでくみ上げても枯れない水脈にあたったと判断したようです
水の透明度を見たり、匂いを嗅いだり、口に含んだりして
少しカルシウム分が多いかもしれないけれど生活に十分な水とお墨付き
まさに職人技です

わが家は火山灰でできた下総台地の高台にありますが
地下深くの様子をみると、かつては海だったようです
関東平野の地質的成り立ちに思いを馳せ、広大な時空間の中で遊んでいると
TPPがなんだ株価がなんだという気になってきます

春疾風乙女の訪ふ声吹きさらわれ(中村草田男)

2013年04月08日 | 春の梨畑
              
              

久し振りのupです

梨の花も桜同様、例年より十日も早く開きはじめ
2度の爆弾低気圧やらに見舞われている間に花の盛りを過ぎています
この春は梅もコブシも桜も色々な花が短期間に咲きそろい
北国の春のようだという声も聞きましたが
ナシも例外にもれないようで
たびたびの冷気でぐずぐずしているのかと思いきや
あっという間に開花期が終わるという印象です

問題は交配です
大雨やら南風やら西風やらで花は相当痛めつけられています
昨日の寒冷前線通過時には少し南側で降雹もあったと聞きます
花が早く咲いている割にはムシたちの動きがまだ鈍いようです
決して良い条件とはいえませんが
各品種、一日ぐらいは好天があったようですので
なんとかなるでしょう

木々の春は急いでいるのですが
それに比べて草の春は遅いような
いつもならナシの交配時には腰の高さにまで伸びるライムギが
今年はせいぜいひざ丈

木々たちがあわてて子孫を残そうとしているのには
それなりの理由があるのでしょう
今年の天候も油断なりません