のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

日の下の不二の子なるぞ倒るまで

2009年12月31日 | わが家の時時
強い季節風が吹き続きました。
身の回りをきれいにするには適しませんでしたが、
歳神さまを気持ちよくお迎えするために一日を使いました。

夕焼けがきれいだなと西に目をやると、
下の方に黒い三角形の影がみえます。
わが家からも富士山(たぶん)がみえるのかと、
すこし厳かな気持ちになりました。

そういえば、わが家のこの一年は万事が無事の一年でした。
子供たちも育ち、みな健康で、一生懸命稼ぎ、
なぜかメディアにも取り上げられることが続きました。

そうそうこういう年が続くわけがないと思いながらも
また来年もお願いしますと。

差があるもないのも気がかり地力試験

2009年12月30日 | 梨の土づくり
6基のプランターにパンジーが植えられています。

これは後継者君が県の農林振興センターの
新規就農者向けに催しているセミナーに参加していて、
そのセミナー研究用の土壌試験の様子です。

春に積み込んだ剪定枝のチップ堆肥の効果を見てみよう
という試験のようです。
まだ積み込んでから半年にしかならず、途中の切り返しの回数も少ないため、
チップ堆肥としてはまだ未熟の類に入るでしょう。
なんらかの悪影響がでるのではと心配しています。

左側3基と右側3基のプランターには
それぞれナシ畑の土と開墾地の赤土が入っています。
開墾地の赤土はほとんど肥料分がないと思われます。

3基のプランターのうち、
それぞれチップ堆肥が容積の1/2と1/4、
それにまったく入れていないものが1基づつになっています。

植え付けて2週間。まだパンジーは生きています。
が、葉の色に少し差が出てきたようです。
植え付け時にパンジーの根を同じ長さで切りそろえていますので、
新たに伸張長さでその土壌の肥沃度が図れるといいます。

この結果は興味ありますが、それから何が言えるのか。
どういう仮説があってそれをどう検証しようとしているのか。
いまひとつ、気がかりですねえ、この実験。

田からなら使いこなせよ殻俵

2009年12月29日 | 梨の土づくり
昨年来の肥料等の価格高騰の影響か、
農業雑誌の特集記事の影響か、
この秋冬、それまで厄介者扱いされていたモミガラの
引き合いがすこーし出てきたような気がします。

もっとも、
わが家の周辺でモミガラ、モミガラと騒いでいるものですから、
知り合いとの間でちょっとでもモミガラが話題に登るようになると
こりゃたいへん。
ブームになって欲しいときになくなってしまうかもしれない
なんて思えてくるだけかもしれません。

そんなわけで、来年はわが家からでたモミガラを袋詰めし、
暇なときにモミガラ堆肥なるものを作ってみようか
なんて考えていました。

ところが、先日、未熟なモミガラは根っこの病気である
モンパ病を広めるというような話を聞きました。
はたして、どうなんでしょう。

崩す日に積みし日のこと思わんや

2009年12月26日 | わが家の時時
写真は先日積み上げたナシの薪。

15年前にわが家のひい爺さんがなくなった際に
「木小屋いっぱいの薪を残して旅立ちました」と
喪中挨拶を書いたことを思い出しました。

その薪の一部は15年たってもまだ残っています。
風呂に、ストーブにとどんどん使っても、
毎年、毎年、次々に新しい薪が作られますから、
いつも木小屋は薪がいっぱい詰まっています。

来年はナシ以外に切り倒さねばならないカシの大木があり、
また、薪にしなければ申し訳ありますまい。
今年積んだ薪が使われる日はいつになるか、
積んだ人が使えるとは限りません。

朱に明けてイチゴを染めて朱に暮るる

2009年12月22日 | ネイチャースケッチ
             

上の写真、6時30分。下の写真、17時03分。

冬至ということで、いわゆる折り返し点。
明日からひとつの新しい一年が始まるのですが、
知り合いのイチゴ園では出荷の真っ最中で大忙しのようです。

でも、わが家はまだ前作の後始末中。
昨年の剪定時に切り倒したナシの幹を刻んで薪作り。
チェーンソウが具合悪かったり、
余計な仕事が入ったりで、…

剪定を早く始めても、途中で中だるみになって、
結局終わるのはいつもと同じという声を慰めに、
限られた時間でやってしまうぞと納得させています。          

鎌切の発つとき逃し日向ぼこ

2009年12月21日 | ネイチャースケッチ
先日の地球温暖化防止条約締約国会議(COP15)が
具体的な成果を上げられなかったのは
世界のあちこちが異常寒波に見舞われている時期だから
という話がまことしやかに流れているようです。

今日も一日強い西風が吹きすさびました。
日中でも日陰では霜柱が溶けていませんでした。

そんなみんな凍えるなか、
季節外れの老螳螂が一匹、日だまりに這い出していました。

穏やかな順当な季節の移り変わりでないことに
虫たちも戸惑っているのでしょうか。

風神と飲む酒ほどよし上機嫌

2009年12月19日 | わが家の時時
今日も冷たい西風が吹いていました。
冬将軍が風神も連れてきているようです。

金沢に住む友人からお酒が送られてきました。
毎年、ナシのお返し代わりのお歳暮に送ってきてくれます。
今年は「常きげん」というブランドで
「風神」という名をつけられたお酒です。

「常きげん」ってどいう意味なんだろう、
「上機嫌」と違うのかしらん、
というわけで醸造元のサイトを覗いてみると…

八重菊や酒もほどよし常きげん 

というS酒造4代目の一句がありました。
そこからブランド名を取ったということです。
それ以上の解説はありませんでした。
句の意味することから「上機嫌」と解釈してもよいようですが、
“常”という文字が引っ掛かります。

「酒造りのこだわり」というページに
“杜氏一代、酒屋一代”という言葉がありました。

杜氏が造り上げたこだわりの味、
酒屋としての酒造りへのこだわりというのは、
そう簡単に次の世代へ渡せるものではないのだと、
酒造りの難しさを表す言葉だそうです。

1819年創業の酒屋さん。
300年にもなろうとする歴史の重さを感じさせる言葉です。
ここに“常”という文字を使った心意気というものがあるのかも
なんて、深読みしてしまいました。

わが家でいえば、“ナシ一代、コメ一代”か。
いえいえ、そんな悠長なことはいっていられません。
毎年毎年が勝負、“ナシ一年、コメ一年”です。

わが家も後継者育成期。
次の世代へ“こだわり”を引き継がねばなりますまい。

年輪に君と僕の足跡を見る

2009年12月17日 | 晩秋の梨畑
本格的な寒気が入ってきて北国では大雪というニュースが
伝わってきて、冷たい西風が吹いているのですが、
まだ晩秋の話題です。

落葉処理、元肥施用と合わせて植え替え作業もしています。

今年も具合の悪い樹が出てしまいました。
モンパ菌という菌が根部に罹患して発症する病気で、
根が枯れていき、しまいには樹全体が枯れてしまいます。
菌の活動を抑制する薬剤もあるのですが、
対症療法的処置にしかならず、根本治療とはいきません。

結局のところ、新しい苗木と交換するしかありません。
植えかえても菌には勝てないことも多いのですが、
あきらめるわけにもいきません。

15年も育ててきた樹を切るのは忍びないのですが、
生産力がなくなれば仕方ありません。
幹を切り倒してその断面をみれば、
枯れ込みが入っていたり、穴があいていたり、
年輪はナシの樹の成長記録でもあるのですが、
それを管理してきた人間の履歴書でもあるのです。

「薪を作るんじゃなくて実を作るのだ」とは
栽培技術の未熟な農家への嫌味の一つですが、
枯れ込んだり穴のあいた薪を作っているようでは
そのレベルにも到達していないということ。

日が長くなる前に日の入り遅れ

2009年12月15日 | ネイチャースケッチ
              

北東北では大雪注意報が出されているようです。
今日は一日、冷たい空気でした。

上の写真は今朝の朝焼け。時間は6時49分。
下の写真は13日の朝焼け。時間は6時33分。

東京での日の出時間は13日は6時42分、15日は6時43分。
まだ日の出時間は遅くなっています。
ちなみに、東京で最も遅く日の明けるのは
年の明けた1月1日から13日頃の6時51分。

それでは日の入りはどうかと調べてみたら、
もっとも早く日の入りしていたのが
11月29日から12月12日頃の16時28分。
13日からは16時29分になっています。

どうりで遅くまで外仕事ができるようになった
というのは嘘ですが、
冬至を前に日の入りは遅くなっているようです。
それでも日の出もまだ遅くなっているので
日中の時間は12月22日まで短くなっていくということ。

長い短い、早い遅いと話がこんがらかってしまいますが、
とにかくこれからは夕方が遅くなる。
いよいよ新年度の農作業の始まりです。
でもまだ前年度の後片付けが終わっていましぇーん。

世が世なら花の咲かない稲になり

2009年12月14日 | 今年の米づくり
ペットボトルに植えた稲。
11月2日にもレポートしましたが、12月中旬になっても元気です。

家の中においてありますので比較的暖かいのでしょうが、
まだ花も咲きません。
季節のない世の中に迷い込んでしまっているのかもしれません。
こうなりゃ、いつまで生き残るのか、見届けなければなりますまい。


先日、お米の食味に影響を与える要因で
影響の大きさの順番を教えてもらいました。

①品種、②産地、③気候、④栽培方法、⑤乾燥、⑥貯蔵、
⑦搗精(とうせい=精米)、⑧浸漬(しんせき=水に浸すこと)、
⑨炊飯、⑩蒸らし

③ぐらいまでは品種特性や自然環境に左右されます。
④⑤は生産者の責任、⑥⑦はお米屋さんの責任?
⑧⑨⑩は家庭での食べ方の問題。

お米が美味しいかどうかはご飯の炊き方にもよるということはいえます。
しかしながら、当然、ご家庭よりもお米屋さん、
お米屋さんよりも農家の方が、お米の食味に対する責任が大きい。
身の引き締まる思いです。

朽ち葉色ひと雨ごとに青くなり

2009年12月13日 | ネイチャースケッチ
             

上は12日、下は5日のもの。
定点観測?しているクヌギもすっかり葉を落としました。

去年の12日はこんな様子

2006年も18日になって落葉したという記事があります。

今年の晩秋は本当に雨の日が多い。
葉を落とすのは木枯らしばかりではないようです。
水曜日には雪かもという予報です。

プライドを守らんがための雨の中

2009年12月11日 | 冬の梨畑
千葉県北西部を東葛飾地域と呼びます。
そこのナシ屋さんに呼びかけての剪定検討会が
冷たい雨のなか開催されました。

この地域のナシ産地というと、
市川、松戸、鎌ヶ谷、船橋、流山、
それにもちろん柏などの果樹組合がありまして、
若手を中心に100人以上の方が集まったようです。

こんな天気ですから、当然、中止かと思っていたのですが、
主催者から中止の連絡がない。
どうせ雨だから外の仕事はできないからとはいえ、
この寒さです。つい、億劫になります。
が、会場に着いてびっくり。
こんなに若い後継者がいるのかと。

主催者あいさつの中で、
ナシ作りで全国をリードする千葉県。
その千葉県をリードする東葛飾地域という自負心を持って
ナシ作りに取り組んでほしいとのこと。

いやいや、こんな天気でもこんなに集まるのなら
心意気だけはあるかもしらん。

なにはあれいつものように冬支度

2009年12月10日 | ネイチャースケッチ
もう冬になるのだろうけどまだ葉が落ちないと思っていましたら、
いつの間にか、ナシの葉は落ち切りました。
木枯らしも降霜もそれほどでもないのですが、
雨が多いのが葉を落とさせたのでしょうか。

この雨の多いことが農作業にはけっこう大きな問題です。
もちろん野外作業ができず、仕事が残ってしまう…
土が水分を含んでしまって機械が畑に入れない…
枯草、落ち葉が燃やせない…

いつも肥料用にくず大豆を分けていただいている農家も
田んぼの転作で大豆を作っていますので
収穫ができないと嘆いていました。

去年もやはり秋から冬にかけて降雨の日が多くて困りました。
この冬も暖かい日が多いという予報がありました。
これからはこんな秋冬を迎えることを前提に
作業の計画を立てなければならないのかもしれません。