のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

雷さまも連れてお出でよ夏乙女

2014年07月31日 | 梨の出荷
開花が平年並みだったからナシの収穫は
8月5日ぐらいからかななんていう予想に反して
27日の前線通過でいくらか冷気を運んで来たためか
(一雨欲しかったのですが)幸水が色づき始めました
それだけ成育期間が短くなるのですから
はじめに色づきはじめるナシの肥大は今一つ
でも大丈夫です
まだ青い実は大きくなっていますから

ナシの前のわが家の楽しみは自家用の桃
黄桃の「つきあかり」に続いて白桃の「なつおとめ」が収穫期を迎えています
ハクビシン?に狙われたので捕獲器を設置しても
餌をとられるだけ
でも樹上の実の被害が減ったのは捕獲器設置効果?
その代わりカブトムシがわんさわんさと桃にしがみついています

こりゃハクビシン以上の被害だということで
総採りすることにしました
肉質はすこし固いものもありますが、糖度は充分
桃の産地では固い桃が当たり前だそうで
柏で固い桃をたべられるのも乙ということで


葡萄畑を見下ろして飲むワインはさらに茜を増して

2014年07月29日 | 散歩漫歩
今回の夫婦旅のひとつの目的地は
たまむらとよおさんの始めたヴィラデスト
軽井沢と上田の間の丘陵にあるファームカフェ
正確にはヴィラデストガーデンファームアンドワイナリー

「ブドウ畑の風景を見ながら
そのブドウからつくられたワインを飲む
そんな田園のリゾートを
信州の自宅の庭先に作りました
多くの人々の共感を得られればと願っています」
こんなメッセージに共感して多くのお客さんが訪れていました

1992年に栽培を始めて2014年には6ヘクタールを越え
さらに地元の役所の紹介で遊休農地を解消して
近々10ヘクタール規模の経営になるとか
栽培面積の拡大に合わせてワイン醸造の研修所もつくって
千曲川沿いの一帯をワインバレーにしようという
構想もあると聞きました
先々にはカフェレストランだけでなく宿泊施設も整備して
心置きなくワインを楽しんでもらおうという計画もあるそうです

『里山ビジネス』という新書で紹介されていて
興味を持って出かけてみたのですが
想像以上にビジネスとして成功しているようです

なぜこんな不便でなにもないところへ人が訪れるのか
実は高速道路ICから車で10分ですから
そんな不便ではないのですが
近くの観光地に来たついでに立ち寄るようなところではない
わざわざ訪れることを目的にしなければならないところ

どこかに書いてあったかもしれませんが
要はそこに切った張ったような嘘がないからでしょう
オーナーが本気になって楽しんでいる様子が本物だからでしょう
この後立ち寄ったやぎゅうひろしさんの八ヶ岳倶楽部も
観光地にあるという立地を除けば
オーナーのライフスタイルに共感できるものがあるというのが
共通点でしょう

農業も単に農産物を栽培するだけでなく
加工、販売を加えた6次産業化
さらにグリーンツーリズムという観光機能も
求められる時代です
観光とは文字通り『光り』を観ること
そこにキラリと光るなにかがないとお騒がせで終わってしまいます
さてさて、わが家の農業、柏市の農業はいかに




キャベツ畑の真ん中でつまへの愛を叫ぶ

2014年07月27日 | 散歩漫歩
この夏の夫婦突貫旅行三日目
向かうは長野県東御市のワイナリー
吾妻渓谷をどんどんさかのぼり
鳥居峠を越えて菅平口を経て千曲川沿いの丘陵へというルート

学生時代、サークルの夏合宿かなにかで菅平へ向かったとき
この鳥居峠を通ったはずですが
有名な嬬恋村のキャベツ畑を実感してことはなかったような
そこで、嬬恋村でちょいと寄り道
「つまごいパノラマライン」というルートへ



国道だけ走っていただけではみられなかった光景が
広がっていました
高原すべてがキャベツで埋め尽くされています
ヤマトタケルが昔、わが妻の恋しいことよ
と詠んだ故事から命名された地名にちなんで
愛妻の丘という見晴らし台がありまして
若いカップルが和んでいましたが
まあ、叫んだらいいんじゃない

われわれには、夏秋の半年で1年分を稼ぐ畑
しかも百馬力レベルの大型トラクタを買えるだけの稼ぎを得る畑だよねー
理想的農業のひとつの形だよね
と、日常的感想しかでませんでした

学生時代の頃からも高原キャベツで有名な嬬恋村
キャベツをとう消費地に運ぶかが課題でした
吾妻渓谷を下って渋川に出るルートは狭く時間がかかるので
鳥居峠を越えて国道18号経由で東京へ大型トラックが走った
と聞いていました
八ツ場ダム関連で渋川ルートも整備されつつあるですが
いまもまだ、鳥居峠は大型トラック街道なんでしょうねえ


積み上げた思いと技は伝わるか

2014年07月25日 | 散歩漫歩
群馬県の秘境、野反湖までの道沿いでみた光景です
見事な薪の壁です
薪を販売しているプロなのか薪が生活の必需品のやま人なのか



家庭用の薪を作っているにしては立派な薪小屋です
小屋の中央で薪を割り入口以外の三方に薪を積み上げています
屋根から明かりも取り入れ薪づくりが雨の日の仕事になっているようです
しかし、薪を販売しているプロにしては動力薪割り機のような
機械が見当たりません
斧一本が立てかけてあるだけでした
よく考えれば、斧一本でこれだけの薪を割る労力と技には頭が下がります

わが家の曽祖父は昭和初期に新しい家を興したとき
たきぎを拾う山林を持っていませんでした
だから子孫がたきぎで困らないよう
晩年は薪づくりに精を出し小屋一杯の薪を残してくれました
亡くなって20年余りたちますが
まだ薪小屋の隅に曽祖父が割った薪が残っているかもしれません

薪は一年で乾燥するものばかりではありません
そう考えると、今年はこの山を積む
次の冬にはこの薪の山を燃やすというような
ローテーションがあるのかもしれません

きっとかつて木こりのような仕事をしていた方の仕事でしょう
はたして20年後にも同じように薪が積み上げられているか

ひるがえってわが家は、薪づくりの継承者を自負する
60前の「父」が動けるうちは薪を積み上げていきますよ
今年は春にできなかったものだから
梅雨を越して今頃薪割りしているぐらいですから
薪の質としては劣化しているのですがね

手賀沼トラストのヒマワリ迷路始まりました

2014年07月24日 | グリーンオイルプロジェクト
過去2年、試験的に取り組んできたヒマワリオイルプロジェクト
今年はNPO手賀沼トラストの正式な事業として取り組んでいます
柏市に近い我孫子市の手賀沼に面した畑
約10aをお借りして栽培しています

5月下旬に播種して二か月
現在、花盛りです



花を楽しみ、油を搾るだけでなく
花の最盛期のこの時期、迷路としても楽しもうと
本日24日から27日までヒマワリ畑を無料公開しています

二日前に新聞の地方版で紹介されたこともあり
初日は暑い気温で交通の便の悪い場所であったにもかかわらず
予想以上の方においでいただきました

受け受けしていただき迷路を通り抜けられた方には
関連グループの芋ほり園でサツマイモ一株をプレゼント
10月になっての話ですが

新聞報道では迷路イベントのみの紹介だったのが残念
本来の目的は食用の地あぶらづくりの紹介が抜けていました
その時期になったらまた紹介してもらいましょう

害獣対策もしなければ

2014年07月23日 | 梨の出荷
梅雨も平年並みに明け、ナシの生育も順調
収穫まであと10日?と心待ちにしているこの時期
自家消費用に育てている極早生の「愛甘水」とモモの「つきあかり」を
できたかなあなんて色を見ながら試して採りして試食するのが楽しみ

ところがそれを横取りするやつがいます





熟しているのがよくわかると感心ばかりしてはいられません
毎年、少しは被害がありましたが
おいしいモモを見つけられたのかもしれません

ネコを飼い始めてからネズミが少なくなりました
害獣駆除対策にイヌでも飼いますか
夜通しラジオを鳴らしておくという作戦もやってみましたが
効果のあったのは一日だけ
あとは捕獲おりを設置するしか…
ああ、めんど

ファックスの表裏、ご確認ください

2014年07月21日 | 梨の出荷
今年もわが家のナシをご愛顧いただきましてありがとうございます
DM発送後、連日、ご注文をいただいております

その多くはFAXによるものですが
残念なことに毎年白紙が送られてくることがあります
上段に発信元が記載されていれば
こちらから問い合わせできるのですが
それもないとどうすることもできません


7月18日 18時20分 ごろにFAX送信されたお客様

白紙のまま送られてきています
再度、ご連絡ください

休日が休日にならぬ貧乏性

2014年07月20日 | 散歩漫歩
台風粉砕農繁期直前二人旅二日目
案の定、台風一過の上天気
千葉のほうはまだ雨が残っていたようですが

骨休めに来たのだからと午前中は温泉に入ったり布団にもぐったりでしたが
お昼でも食べにでるかと車に乗ったのが運のつき
こんな夏のいい天気
そうそう遊びに来れるわけでない
せっかくだから(そう、この「せっかくだから」というのが曲者です)
山のほうにでも出かけてみるかということになって
昔、子供たちとキャンプに出かけていた当時気になっていた野反湖へドライブ

野反湖は新潟県との県境にあるダム湖
群馬県にあって水は日本海へ流れ出ています
尾瀬と同じです
勝手なイメージですがムーミン谷ってこんな感じというような天井界でした
湖畔でキャンプして周りの山々を巡る…いいですねえ
そんな日がはたして来るのか





四万温泉から野反湖に向かう途中で見つけたのが花の駅『花楽の里』
「山盛りの花盛り」をキャッチに
高低差50メートルの斜面に季節折々の花を咲かせて楽しんでもらおうという施設

道の駅みたいですねと施設の売店の方に声をかけると
道の駅は野反湖へ登る集落にあってあちらは農協が運営しているとのこと
確かに道の駅売店の奥2/3は日用品のAコープ風
近所の人らしき方が肉、魚を買いに来ていました
で、こちらは中之条町が設置していますとのこと
ここは、もともとは旧六合(くに)村
中之条町に合併?吸収?されたときのお土産施設?

レストハウスの中では一流講師を招いたドライフラワーアレンジメント体験ができたり
その周辺の沿道には10,000本もの花桃の苗木を植えて『花桃街道』を作ろうとしていたりと
コンセプトはしっかりしています

中之条町の中心市街地のそのまた中心部には
ふるさと交流センター「つむじ」という施設ができていました
横丁と呼ぶフードコートあり足湯ありカフェありのちょっとした都市近郊のモール街風

中之条町も頑張っています


地の麦をおいしく食べてむらおこし

2014年07月18日 | 散歩漫歩
足利市内をココファームに向けて走っていたら
「大麦工房ロア」の看板が見えました
そういえば、農産加工の成功事例としてよく取り上げられる
この会社も足利でした

お菓子屋で修行していた代表者が
故郷の特産「麦」をつかってお菓子ができないかと
かんがえたのが始まり
中でも大麦は知れば知るほど
「健康」と「食文化・食育」にとって素晴らしい素材
地元の協力農家との契約栽培も広がり
フロンティア企業、名誉総裁賞、農工商連携88選をはじめ
数々の賞を受賞しています

毎年5月に行われる「麦秋ウォーキング」も
顧客と生産者を結ぶ人気イベントになっているようです
地域・顧客・従業員が密着し
愛され続ける企業のモデルケースとしての
「おもてなし経営企業選」にも表彰されています

お菓子から機能性食品、化粧品まで
工場に隣接したカフェは大麦のテーマパークでした

あかねさす照山ならむぶどう棚

2014年07月17日 | 散歩漫歩
7月上旬、大型で勢力の強い台風が日本列島縦断に向かっていました
どうせ野良仕事はできないだろう
台風対策は後継者君に任せればいい
去年から今年にかけて加工場の立ち上げや後継者君の結婚で
出かける余裕がなかったと言い訳して
ナシの収穫・出荷前の気分転換に温泉へでかけてきました
台風は九州西方海上でぐずぐずしていたので
勢力は弱まるだろうという読みもありましたが

のんびりするのが目的
しかも、いつものようにでかける直前になっての計画です
以前にも訪れたことのある群馬県四万温泉へ

温泉で体が温まったら布団の中で読もうと
数冊の本をカバンに詰めていたのですが
直行しても早く着きすぎるからと
ドライブがてら寄り道をしようと考えたところから
少し今回の旅の意味合いが変わってしまったのかもしれません

関越道に入らずに東北道を北上
足利のココ・ファーム・ワイナリー
知的障がい者たちのつくるブドウ畑ということで広く知られています
㈱ちゃちゃちゃビレッジでもナシを作りたいという希望があるのですが
ナシづくり農家としては懐疑的
障がい者たちが果物を生産している現場を
一度見てみたいと思っていました

ブドウ畑のその急斜面にびっくり
30度以上の傾斜はありそうです
「施設概要」に“山の斜面を使って移動の訓練をしたい”という
ねらいが書いてありました
それにしても…


急斜面のブドウ畑を眺めながらのカフェで
開墾当時の労苦や毎年の栽培作業の厳しさが
思い浮かべばいいのですが
旅の途中、ワインは飲めませんので
レーズンソースと合わせてお土産に



本日、DMを発送しました

2014年07月14日 | 梨の出荷
本日、ヤマトメール便にてナシ発送のDMをお送りしました

今年も例年と大きな変更はございませんが
害虫、病気の被害が思いのほか大きそうなので
品種構成の多品種化を進めていることもあり
ご希望の品種を用意することが難しくなるかもしれません
場合によったら発送時期に収穫できる複数の品巣を詰め合わせることも
それはそれで楽しいかもと生産者側の立場では思っています

写真はわが家の裏にある「ダイダイ」
右上の小さな青い実は今年の実
中央のオレンジ(だいだい)色の実は一昨年の実
左奥のすこし黄色みの帯びた実は昨年の実
毎年の代々の実が同時に成っていることから「ダイダイ」

わが家とともに末永くお付きあいいただけますよう
本年もよろしくお願いいたします

これからは天に任せて昼寝…にはならない

2014年07月08日 | 今年の梨づくり
もうひと月で収穫
これまで何度も畑の中を見回り
育つべき実は育つよう、不要な実は摘み落としてきました
これでおしまいと確認のために見回ると…
最後の見直しで見つかる不都合

カメムシの仕業です
深い凹みですから、最近の襲来ではないでしょう
この前見た時にはまだこれほど凸凹していなかったので
気づかなかったのかもしれません

カメムシの天敵はいないようです
殺虫剤で抑えることになるのですが
襲来しているときに散布しなければ
『襲来」ですからいつも畑の中にいるわけではない
そうそうタイミングよく散布できるわけでもない
結局、散布回数を増やしてしまうことになる…

農薬を使いたくなければ物理的に防げばよい
多目的防災網をカメムシの入れない網目にすればよい
ということで
10年ぐらい前は細かい目の高価な網を設置していたのですが
カメムシがあまり発生しなくなってからは
安い網でいいやということになって…

ああ、やっぱり「忘れたころにカメムシはやってくる」


体内も土中も彼らの住み処

2014年07月05日 | 梨の土づくり
成長したクズ大豆を抜いて見ると
しめしめ立派な菌の玉
畑の中でも土作りが進んでいる証拠

有用菌はどこにでもいるようですがー
それらを使いこなしたいと思って30年
まだまだ試行錯誤の繰り返し

ここ10年近く取り組んでいるのが有機質の「ぼかし」



処分してといただいた古米を粉にして
糠とクズ大豆と籾殻燻炭とカニガラ少々と水分40%分の水を混ぜて
積みおくこと一週間
ああら不思議、何もしていないのに52℃まで温度が上がってきました



空気中の有用菌がエサである有機質に飛び付いて
どんどん活動している証拠

積極的なチッソ肥料分等の供給にはならないけれど
この「ぼかし」を畑の中に入れると
また有用菌のエサであり住み処となって
くれるといいですなあ




いつだって世界は君を待っている

2014年07月02日 | 今年の梨づくり
小さなカマキリが姿を見せています
卵からかえってここまで育つまでにも
きっと色々なことがあったでしょうけど
秋に次の世代を残すまでぜひがんばってほしい

交配からふた月余り
収穫はじめまでもうひと月の「なつしずく」はこんな感じ



まだ三月もある「王秋」はこんな感じ



栗の「ぽろたん」も負けじとこんな感じ