畑や田んぼでの仕事中や出かけた先で
流れる雲や夕焼けの色の移り変りに目を奪われることがあります
このブログでも雲や夕焼けの様子を何度も紹介してきました
仕事に追われている中
ぼんやり空を見上げているのはむだそのもの
むだな時間を重ねてもなんの稼ぎにもならない
こう非難されてしまうのが落ちでしょうが
でもこの本は それこそ貴い時間といっています
久しぶりに痛快な本を読んだ気がします
この本には「ぼんやりすること 休むこと 懶惰(らんだ)であること
閑なこと それらを楽しむことのすばらしさ」が
串田孫一や朝永振一郎や深沢七郎や
『森の生活』のH.D.ソローや坂東玉三郎たちの言動や
ミヒャエル・エンデの『モモ』のこと
自らタヒチやニュージーランドや温泉で体験してきたこと
などから次々に紹介されています
ぼんやりしているとき こころは 開放されている
すると風も木も草も石も空も日向も小鳥も鮮やかに見えてくる
巨木に触れば何百年の命を伝えてくれる
万物の中にとけこんでいる己の小ささも見えてくる
人は自然の中のほんの小さなものに過ぎないことを自覚し
天地の姿、営みのひとつひとつにわけもなく驚き畏敬し感謝する
人はやがて「謙虚」という意味をかみしめて生きることになる …
ぼおーっとしているうちに心がからっぽになり
妙にさっぱりした気分になることがある
心が洗われると明日も明後日もよいことがたくさんあるような
そんな気分になる
新鮮な生命力の湧いてくるのを感じる
煮詰まっていた問題が不意に解けることがある
それまで思いつかなかったアイデアが浮かぶことがある
「閑を創る」ことは「文化を創る」ことだ …
近代化・都市化・過密化・高速化・遅寝化などは
たしかにまちをにぎやかにし便利にしたが
その一方では「森」を奪い 「闇」を奪い 「静謐(せいひつ)」を奪い
多様な生命の生存の拠点である「風土生命体」を奪っている
人はぼんやりできる空間、時間を失い
とめどない心の破壊という打撃を受けている …
「質の良いぼんやり時間」を約束してくれる居場所を
つくるのもまちづくりの課題でしょう
深呼吸は吸うことでなく吐くことだといいます
肺の中を空っぽにすれば自然と新鮮な空気が入ってくると
著者は天声人語を担当したジャーナリストです
気負いもなく読めてしまう新書です
辰野和夫『ぼんやりの時間』岩波新書1238 2010年3月 720円+税
流れる雲や夕焼けの色の移り変りに目を奪われることがあります
このブログでも雲や夕焼けの様子を何度も紹介してきました
仕事に追われている中
ぼんやり空を見上げているのはむだそのもの
むだな時間を重ねてもなんの稼ぎにもならない
こう非難されてしまうのが落ちでしょうが
でもこの本は それこそ貴い時間といっています
久しぶりに痛快な本を読んだ気がします
この本には「ぼんやりすること 休むこと 懶惰(らんだ)であること
閑なこと それらを楽しむことのすばらしさ」が
串田孫一や朝永振一郎や深沢七郎や
『森の生活』のH.D.ソローや坂東玉三郎たちの言動や
ミヒャエル・エンデの『モモ』のこと
自らタヒチやニュージーランドや温泉で体験してきたこと
などから次々に紹介されています
ぼんやりしているとき こころは 開放されている
すると風も木も草も石も空も日向も小鳥も鮮やかに見えてくる
巨木に触れば何百年の命を伝えてくれる
万物の中にとけこんでいる己の小ささも見えてくる
人は自然の中のほんの小さなものに過ぎないことを自覚し
天地の姿、営みのひとつひとつにわけもなく驚き畏敬し感謝する
人はやがて「謙虚」という意味をかみしめて生きることになる …
ぼおーっとしているうちに心がからっぽになり
妙にさっぱりした気分になることがある
心が洗われると明日も明後日もよいことがたくさんあるような
そんな気分になる
新鮮な生命力の湧いてくるのを感じる
煮詰まっていた問題が不意に解けることがある
それまで思いつかなかったアイデアが浮かぶことがある
「閑を創る」ことは「文化を創る」ことだ …
近代化・都市化・過密化・高速化・遅寝化などは
たしかにまちをにぎやかにし便利にしたが
その一方では「森」を奪い 「闇」を奪い 「静謐(せいひつ)」を奪い
多様な生命の生存の拠点である「風土生命体」を奪っている
人はぼんやりできる空間、時間を失い
とめどない心の破壊という打撃を受けている …
「質の良いぼんやり時間」を約束してくれる居場所を
つくるのもまちづくりの課題でしょう
深呼吸は吸うことでなく吐くことだといいます
肺の中を空っぽにすれば自然と新鮮な空気が入ってくると
著者は天声人語を担当したジャーナリストです
気負いもなく読めてしまう新書です
辰野和夫『ぼんやりの時間』岩波新書1238 2010年3月 720円+税