のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

ごはんを食べることは自然を守ること

2005年11月18日 | 農のあれこれ
今夜はBAOBABという名の集まりに出かけ、農業の立場から地域のまちづくりの可能性について話をしてきました。BAOBAB

柏・我孫子地域で米を自給しようとすると40%になること、わが家の試みている消費者体験型米のオーナー制度のこと、市民農園や保安林のこと、原地形としての谷津田のことなど、これまで「のらやま通信」やHPで発信してきたことを話しました。建築設計を通してまちづくりを考えている方や農業にたいへん興味を持っている街の方々が参加されていて、楽しい時間を過ごしました。

中でも「NPO農と自然の研究所」が作成した『生き物もごはんも田んぼのめぐみ』というポスターは皆はじめて見たようでした。たくさんの生き物が田んぼで産卵場所やえさ場として生まれ育っていますが、このポスターは生き物が育つために必要な田んぼの面積とそこから収穫できる米=ごはんの量に換算した対応表です。

たとえば、ごはん1杯は3000から4000粒の米粒からなり、稲株にすると約3株。3株分の田んぼの面積は0.15平米。0.15平米あれば、オタマジャクシなら35匹育っているということです。他には、赤トンボ(アキアカネ)1匹が育つにはごはん3杯分の田んぼが必要とか、メダカ1匹ならごはん83杯、ごはん1杯でミジンコ5093匹といった具合です。つまり、ごはんを食べることは自然を守ることにつながっているということを主張しているポスターになっています。

田んぼを維持していくことについては食料生産や防災の視点から言及されることが多いのですが、食卓と他の生物との共存や自然環境の創造という理念を直接結び付ける有意義なデータであろうと思います。

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4 コメント

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今まで、なぜ? (佐藤K(KAZZ Satoh))
2005-11-21 12:45:45
先日は、お忙しいところありがとうございました。



杉野さんのように「食卓と他の生物との共存や自然環境の創造という理念」から田んぼを護る話が、あまり聞かれないのでしょうか?

 それは、ぼくが、そういう場所にいないからですか?



防災面や景観面など都市計画的な話ばかり聞くのは、職業のせいでしょうか?
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ありがとうございました (mizdesign)
2005-11-21 14:28:08
 こんにちは。先日はありがとうございました。



「商品企画」から「地形をつくる?」までの一連のお話は、構想と実践の上に夢を載せるバランスがとてもよくて、たいへん勉強になりました。自分なりの回答を少しづつ考えてみます。
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はじめまして (五十嵐正人)
2005-12-05 15:39:58
はじめまして。佐藤さん、水上さんとともにBAO/BABB.を行っている五十嵐です。杉野さんの講演を楽しみにしていたのですが、出席できず、残念です。

次回(12月16日午後7時から)は、僕が「短説」という文学について話をします。よろしかったら、ご参加ください。

文学が自然の声を聴く力を取り戻すことが大切と思い、新たな文学の可能性を探っています。そんなこともあって、杉野さんのお話は、ぜひお聞きしたいと思っていたのですが。いつか、お会いできることを楽しみにしています。
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16日伺います (sugino)
2005-12-05 17:32:20
五十嵐様 コメントありがとうございます。

16日は伺う予定です。



「自然の声を聴く力を取り戻す」というのはまさに今日の農業が置かれている立場でもあろうと思います。いろいろな方とお会いすることで、農業の課題が逆に気づかされます。よろしくお願いします。
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