のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

自立と人間力

2005年11月24日 | 農のあれこれ
昨日の記事に対する田原さんの「消費生活を変える”痛み”に耐えられるよう、農業側から何らかの解決案を提案してもらえないか」というコメントに刺激されて、続けて二つの「提言」を紹介。

11月19日付け朝日新聞朝刊オピニオン欄「私の視点 ウイークエンド」で、農業に関してお二方から提言がありました。

ひとつは新農政にからめて、これまでの「過保護」「補助金漬け」の農業から市場主義に転換し、生産者が自立することで誇りを持てるようになるという、米穀販売会社社長からの提言です。ここまではよくある話ですが、最後の次の段落が気になりました。

「農業の命題は、食料の安定供給と国土保全にある。たとえ市場で外米が半分以上を占めることを容認した結果、田んぼがつぶれ国土が荒れたとしても農業と切り離して国土保全の予算を組めばいいのではないか。そこから真の農業の姿が見え、消費者との連帯感は強まるだろう。」

もうひとつは、農村都市交流誌『増刊現代農業』の編集主幹の提言。「ニート」や「フリーター」といった若者たちに「労働による自己形成」の実感を失わせたのは誰かというような批判にエネルギーを割く前に、問題は「自分が何をしてどんなふうに生きていきたいのか」だと農山村に向かった若者たちの「人間力」に学ばなければならないという主張です。

市場原理と、自然とともに生きる祖父母世代の知恵と技に感動する若者たちの人間力という二つの主張は一見異なる立場のようですが、根本のところではつながっているように思えます。

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