のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

低温圧搾生搾り地あぶらヒマワリ油

2015年01月31日 | グリーンオイルプロジェクト
昨年花を咲かせたヒマワリからとれた地あぶらができました

一昨年から取り組んでいる我孫子市のNPO手賀沼トラストに加え
昨年は柏市のあけぼの山公園事業としても取り組んでもらい
わが家分も合わせて30aぐらいの畑から
100kg弱の上々の「地あぶら」ができました

大手メーカーのサラダ油は溶剤をつかって油分を抽出し
その後の精製過程でビタミンやミネラルなどの有効成分が失われています
「地あぶら」はコ-ルドプレス(低温圧搾・生搾り)ですから
油分以外の有効成分もたっぷり
味、香りともに残っています
悪玉コレステロール値を上昇させるトランス脂肪酸も“ゼロ”です

ヒマワリ油はオリーブ油と同様
からだに有害なリノール酸が少なくオレイン酸がいっぱい
ビタミンEはオリーブ油の数倍もたっぷり含まれています

原料となるヒマワリはもちろん無農薬栽培
食用油の国内自給率は3程%程度しかありません
製造過程の見える地元の「地あぶら」を
輸入品のオリーブ油の代わりに使ってみてください



このヒマワリ油はすぎのファーム農産加工所「かしわかあさん」の
ドレッシング原料などに利用するほか
数量限定で道の駅直売所で販売する予定で準備中です

無理をせずの積み重ねが壁破る

2015年01月30日 | 農のあれこれ
平成25年度の農林水産祭天皇杯を受賞したコメ農家
龍ヶ崎市の横田農場を見学する機会がありました

受賞理由は三つ
一つ目は「効率的な大規模経営」
約100ヘクタールに及ぶ広大な田んぼを
多品種生産やITを活用することで農作業を効率化
田植え機、コンバインそれぞれ一台だけで栽培しているとは!

二つ目は「つくり手の顔が見える直接販売」
生産しているお米の9割をスーパーや飲食店
ホームページなどを通じて直接販売するルートを確立しています
早くからブランディングに取り組み
コンセプトからHP、パッケージまで
一貫したイメージが感じられます

3つ目は「米粉製品づくりや地域貢献活動」
米粉100%スイーツの開発・販売や
農業体験「田んぼの学校」の運営などが評価されたようです
米粉料理講習会ではわが家の母と同窓でした



特筆すべきはやはり一番目の効率的経営でしょう
大規模化する過程でついつい気持ちも大きくなって過剰投資してしまいがちですが
横田さんは無理に農地集積してこなかったそうです
その結果、栽培地が自宅前の2km×3kmの範囲内に収まり
機械の移動も少なく効率的に作業ができているようです

今後さらに周辺水田の利用集積が予想されるため
今年、米乾燥機をそろえたライスセンターを建設したのですが
機械の数は最小限に抑え
将来の再投資の余裕を残したつくりになっていました



一年間、米を直売するための玄米の貯蔵施設はと聞くと
すべて外部の倉庫に委託するので自前のものはない
貯蔵量が減っていけばそれだけ委託料も減額できるといいます
たしかに、もし全量自ら貯蔵したら
満杯なのは収穫期の一時期だけ
あとは空気を納める倉庫が増えていくだけ
空いた倉庫を生かそうとして余計なことを始めてしまうのが落ちです
わが家の経営でも肝に銘じておきたい考え方です

さらにわが家に欠けている点は二つ目のブランディングかもしれません
ナシを栽培し、コメを栽培し、そのうえ加工まで手を広げていて
“すぎの梨園”“すぎのファーム”“かしわかあさん”と名称もいくつも抱えていて
お宅は何屋さん?って聞かれることもあるとかないとか
数年先の世代交代を機にブランドの再構築が
最大の経営課題と再認識する機会となりました

年始め不動に阿弥陀に観音に

2015年01月28日 | ネイチャースケッチ
今日は初不動
あちこちのお不動さんからは太鼓の音が響いているのでしょう

そろそろ寒の季節も峠を越し
昨日は4月並の気温になるほど
ロウバイの花びらも少し照りが弱くなったような

今年も良い年になりたく
いろいろな仏様にお願いしましたが
お互い譲り合っていただけますよう

芸術と技術の間の光の国

2015年01月25日 | 散歩漫歩
夫婦で久しぶりに都心に出ることがあり
昼は日本橋たいめいけんで食べようということになりました
食後に、同じく日本橋でたまたま開催中の
フェルメール展の入場割引券をいただいたものですから
ずいぶん昔に戻った気分で美術鑑賞デートと洒落こみました
http://www.re-create.gallery/vermeer2015/

なんの予備知識もなく入ったものですから
展覧会のタイトルに生物学者の福岡伸一さんの名が
なぜついているのかわかりませんでした
フェルメールの全37作品が展示しあるそうです
なのに、内部に監視員はいないようですし
カメラ撮りも可能とあります
なかに入って説明文を読んで初めて
「リ-クリエイト」と銘打ってあることを理解しました

最新のデジタル技術とプリンティング技術によって
フェルメール全作品を「リ・クリエ イト」する試み
──描かれた当時の色彩と筆致をとりもどす──
それを一堂に展示して彼の全生涯を福岡伸一さん流に再体験する
ということのようです
印刷物だから息が吹きかかるほど近くで鑑賞しても
写真をバシバシ撮っても良かったのです
まじまじと見てもとても印刷物とは見えませんでしたが

福岡さんの解釈によると
フェルメールは芸術家というよりも
世界をあるがままに記述しようとしたフォトグラファーであり
科学者的なマインドの持ち主であったといいます

とは言え、フェルメールの代表作のひとつ
「真珠の耳飾の少女(青いターバンの少女)」の前に立つと
やはり、その瞳に何か自分が見透かされているような気分になるというのは
立派な芸術作品になっているのだと思います

見ている人を見ているのではないというなら
何を見ているのかといえば
その答えは実物が展示されている美術館にあるといいます
彼女の視線の先の対面の壁には
「デルフトの眺望」という風景画がかけられているのだそうですが
街の朝の様子を眺めて彼女は何を思っているのでしょう
またまた考えさせられます

日本橋で二つの絵の関係性を体験できるよう展示されています



野良仕事やめよかままか細雪

2015年01月21日 | ネイチャースケッチ
最高気温が未明に観測されたとかで寒い一日でした
朝から小雪が舞い落ちて
畑をうっすらと白くさせていました
と…、白くなっていない畑もあります
この違いはなぜか

地熱が高い畑は雪が溶けてしまう?
いや、しばらく作付けしていないような畑の方が白くない
微生物が活発に働いているようには思えません
よく耕されている畑がうっすらと積もっています
地表が乾燥しているのかもしれません

うっすら雪も小雨に変わってすぐに消えてしまいました
午後3時ごろにも淡雪が降ってきましたが
もう少しもう少しと思っているうちに
結局、仕事を上がるタイミングを失って
小雨ふるなか夕方まで剪定作業を続けてしまいました
まあ、風邪をひかねばよしとしましょう

お天気の中期予報が出されて暖かい日が続くようです
やはり去年と同じような傾向となるようです
気温が上がり雨雪も多くなるということ
剪定作業も急がねばなりません

霜柱朝日に折れて地を均す

2015年01月18日 | 農のあれこれ
久しぶりに大きな霜柱をみました
パワーショベルの活躍中の開墾地です
地表を掘り返し、水を含んだ柔らかい土が出てきたからでしょう

オペレーターをお願いした方が日曜日を返上して作業してくれています
篠や雑木の根のはびこった表土を1m近くかき集め深土を表に出しています
整地も含めてもう四、五日で終わらせてもらえるようです
助かります
いい畑になるはずです



農業関係の新聞を見ていましたら
日本の土地利用型作物の生産性が停滞していて
世界各国との間で格差が広がっているという記事に目が留まりました
「面積は小さいながらも高い技術力と集約的な栽培管理で
高い収量を保持する日本農業」
というイメージがひるがえされる研究成果があったという記事です

水稲は東南アジアやエジプトで単収を増加させている中で収量増加率が低位に推移
小麦の単収は欧州諸国より低く、中国よりも増加率が少ない
大豆は80年代以降、収量水準が変わらない
……
その理由として
アジア諸国や南米では経済成長に伴い農業への資本投下を拡充し
高温や日射量の多さなど有利な気象条件が生かされるようになったのではないか
一方、日本は“世界でも特異的に”
農地面積も労働力が減少し、農業投資、生産資材の投入も減少傾向にある
増産意欲が働く構造になっていない
……
また、日本の食料自給率の低下要因が質的に変化していると指摘
90年代までは米からパンに変わったなど「消費構造の変化」だったが
2000年以降は「国内の供給力の低下」にあったといいます


国内の食料は消費量が減少し供給量が上回っているから
農産物価格が低迷していると思っていました
ところがこう指摘されると
増産意欲も技術向上意欲もなくなっているのかも
と現場でしばしば思い当たることがあります
こういう現場では、当然、後継者が育つはずはありません

やっぱり農政が問題なんじゃない?

大小よりメーカーで異なる操縦術

2015年01月15日 | 農のあれこれ
耕作放棄地解消プロジェクト、第二章
抜根と表土の天地返し作業のために
大きなパワーショベルをレンタルしました

わが家のパワーショベルと比べてみると
耳かきと御玉杓子ほどの差
それもそのはず、わが家の機械は自重量1t
かたや自重量20t、バケット容量0.7㎥
2tダンプカーの荷台をたった三すくいでいっぱいにしてしまうのですから
これほど大きなパワーショベルとなると使う現場も限られるようで
より小型のものよりレンタル料金は安くなるのだとか

操縦術は大きくとも小さくとも同じというのも面白いのですが
かつてはメーカーによってレバー操作が違っていました
今はメーカー出荷時には統一されたJIS方式になっています
ところがわが家のパワーショベルはコマツパターンとよばれているもの
はじめに覚えたパターンがそれだったから
どちらも一長一短があるようで
要するに慣れの問題のようです


《我が行く天地万象凍てし中》高浜虚子

2015年01月11日 | 冬の梨畑
夕方5時まで畑で作業できるほど日が延びてきました
朝はまだ遅くまで暗いですが

12月10日に播種したライ麦が
ようやく発芽してきました
正月には出てくれると思っていたのですが
今年は気温を積算するとひと月かかったということでしょう

隣の畑でほうれん草を収穫していた人が
この間は午後になっても鎌を入れるとザクザク霜があったのに
今日はない
気温は変わらないようだけど
と話していました
それだけ乾燥も進んでいるんでしょうねえ

凍空を光で隈取る東銀座

2015年01月09日 | わが家の時時
毎年恒例の学生時代の友人たちとの新年会
歌舞伎を見てきたわけではありません
地下鉄を利用しただけです

還暦を前に組織の役職を上り詰めるもの
健康を害するもの
孫との交わりを嬉しそうに話すもの
仕事を終えた後のことは考えられない
いまはただ休みたいと呟くもの

35年あまりの時の大きさを感じさせてくれます

和の国に風土の語句のなかりせば

2015年01月06日 | 農のあれこれ
最近、テロワールという言葉を見かけるようになりました

フランス語で「土地」の意 の
「テール(terre)」から派生した言葉で
本来はワインの味わいの決め手になる
ぶどう畑のある土地の性質を意味するようです
一般には、その土地から産出される作物に影響を与える
土壌、地勢、気候、人的 要因などにより
総合的に形成される地域特性ぐらいの意味とか

風土ではだめかしらん
ちょっとかっこよく表すと
テロワールということになるのでしょうが
天道虫をladybird beetleと言われてもねぇ

暖かさを感じてか薪ストーブの近くで
冬の天道虫がじっとしていました
冬眠しているはずなんですが


鳥を見て翼を作ったような象

2015年01月05日 | 農のあれこれ
ようやく耕作放棄地の開墾作業の前半が終わりました
地表の樹木や草を持ち出し
あとは抜根、天地返し、整地と機械任せの作業となりますが
時間も費用も想定していた倍もかかりそうです
地主さんの理解をいただいて
新しくできた畑を長くお借りしなければなりません

耕作放棄のままでは農地とは認められず
税金も雑種地扱いになるということは
理解いただけますでしょうか
農地として管理しているだけで
地主さんには利益があるということです
10年、20年、できれば30年といった期間お借りして
ナシ畑にでもしたいと考えています

これまでも先輩たちから話しに聞いてはいたのですが
自ら40年あまりのナシ栽培の経験をしてきて
ナシの樹と栽培棚等の施設の寿命は同じということを
実感してきました
ナシ畑の一部を全面的に改植するためには
栽培面積の他に
苗木を育成するような生産の上がらない畑が必要で
所有地ギリギリで栽培、経営しているような小農には
なかなかできないことだ思っていました

今回、近接地で遊休農地をお借りできるようなチャンスを得ました
チャレンジをしてチャーミングな事業経営にしたいと思います

開墾作業前半を通じて感じたことのもうひとつ
パワーシャベルはなんてエライんだろうということ
穴を掘るだけでなくものを抱えて運べるんです

いやいやそんなことはわかりきったことというなかれ
わが家でも伐採した太いナシの幹や根を運び出すときに
大活躍していましたので
その能力はよーくわかっていますが
それにしても、です
手や他の機械ではとても面倒になりそうなものでも
まるで象のように腕?鼻?で抱えて運搬します
今回は写真のように小枝や細かな根の部分をぎゅっとまとめて
持ち出すことができました
イバラのような手袋していても嫌われるようなものでも、です

パワーシャベルを発明した人は凄いなあと思っていたのですが
今回の経験から最初から穴を掘るという作業を想定していた機械ではなく
当初は象のように鼻でものを抱えて運ぶことから発想したのではないか
そんなことを思いながら作業していました




楮三ツ又なら役に立つものを

2015年01月03日 | ネイチャースケッチ
まだ耕作放棄地の始末がついてなく
ナシの剪定作業に本格的に入れていません
んなもんですから
正月の三日というのにガーガーと重機を動かしてました

ここは4、5年前まではきれいな畑でした
ところが茅が繁茂し3、4mに伸びた雑木が
あちこちで草刈り作業を邪魔してました
その雑木の根を掘り出そうとして
株の部分を引き抜いたところが上の写真

重機の腕を上げても上げてもまだ根を引いてきます
短期間にどうしてこんなに成長したり増えていくのだろうと
思っていましたらフジの様に地表面に根をどんどん張り
適当なところから木の芽を伸ばしていたのでした
その名を調べる技を持たないのでわかりませんが
その樹皮は剥きやすく簡単には引きちぎれません
和紙でもできそうな感じです

同じ雑木のようなものでも
コウゾやミツマタなら実や花を楽しめるのですが
この雑木はどうしたらいいのでしょうか

もう凍らない溶けることがないから

2015年01月02日 | ネイチャースケッチ
TVの正月時代劇で吉原からの手紙の一節を紹介していました

「あなたを思い出すことはない。だってずっと忘れないから」

わが連れ合いにもそう思ってもらいたいものですが
庭先のミニ田んぼの氷も一日溶けることはありませんでした
今年も去年と同じように正月寒波に見舞われています

するってーと、立春を迎えると暖かくなって
また大雪ですかい!?
なんてこったい