のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

豊水査定会

2005年08月31日 | 今年の梨づくり
幸水の季節が終わり、これから豊水が始まります。

今夕、出荷組合で豊水の査定会が催されました。わが家の属する出荷組合は共同の選果場はなく、個々の家で選果、箱詰めし、集荷場に集められ、出荷されます。収穫時の色合いや形状のランク分けを組合として共有するために、品種毎の出荷前に確認作業が行われます。各人の目合わせというわけです。

直売だけで生計を営む農家の場合、このような確認は必要ないかもしれません。自分の判断が基準ですから。しかし、すぐに想像できるように独り合点になりがちで、収入の多くを直売に頼るわが家でもこの査定会は大事な行事と考えています。

今年の豊水は糖度も玉伸びも例年同様に期待できそうです。ただ、豊水にとってはかならずしも理想的な天候ではなかったようで、一昨年ほどではないにしろ「うるみ果(みつ症状)」が見られるようですし、表面の色まわりよりも果肉の方が先行して熟しているような気がします。
秋の彼岸前まで豊水の収穫が続きます。これらのことに留意しながらナシの品質には十分注意して出荷します。よろしくお願いします。


幸水はほぼ終了しました

2005年08月30日 | 今年の梨づくり
8月上旬から始まった「幸水」の収穫がほぼ終了しました。ありがとうございました。

収穫開始が昨年より大幅に遅れ、皆様にご迷惑をおかけしました。しかし、8月20日前後に収穫の最盛期を迎えるのは本来の「幸水」の姿です。ここ数年、早くから収穫できていたので、「幸水」は旧盆に間に合うというイメージができてしまったようです。
技術的には、成長を促進させるホルモン剤等を使用することで旧盆前に収穫することは可能です。そういう需要のあることも承知しております。市場出荷の場合には不可欠な技術になっています。

しかし、わが家ではあえて使用せず、ナシを時期に間に合わせるのでなく、お客様にナシの熟すのを待っていただいております。その方がより自然な美味しさに出会えるのではないかと考えています。
今後ともわが家のナシづくり方針にご理解をいただき、ご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。

台風11号襲来

2005年08月26日 | わが家の時時
最近の台風は関東地方が好きらしく、またまた台風11号がやってきました。直撃型のこれまでと同様あまり強風が吹かず、今朝現在、大した被害は見られません。台風の進路の東側に当たる地域では被害はでたようですが。被害といえば、宅配業者ののぼりの支柱が折られた程度でしょうか。

ナシは大丈夫です。落とされていません。イネはもしかしたら倒されているかもしれませんが。

農業体験の受け入れ

2005年08月20日 | わが家の時時
わが家の長女の通う学校の夏休みの宿題の一つが農業あるいは福祉、教育分野での職業体験。長女は道の駅しょうなんの農産物直売所で二日お世話になりました。

その代わりということではないのですが、長女の友人がわが家で農業体験することに。ちょうど幸水の最盛期で、収穫から箱詰めまで手伝ってもらいました。友人宅にきたので半分遊び気分だったかもしれませんが、わが家に遊んでもらっている余裕無し。すぐさまばたばたの渦の中に巻き込まれ、いい汗をかいていました。農家の生活を実感できたかな。

これが選果機

2005年08月16日 | 今年の梨づくり
ナシの実の重量を計る計量器の部分(人の前)と、いくつもの皿がチェーンに取り付けられて回転する配膳器?の部分から構成されています(回転寿司をイメージしてください)。計量器上の皿に果実を乗せると瞬時に計量され、移動してきた皿に移されます。回転している皿に乗った果実は指定されたところで台の上に落とされます。台の上では重量別に分類されています。あとは転がってきた実を箱の中のパックに詰めるだけです。形状や色彩によるチェックは人の眼で行なわれます。

選果機導入以前は、いろいろなパックを前に並べて、一つ一つの実を手に持ってあっちかこっちかと大きさ毎に分類していました。それでも慣れてくると、実を持った瞬間にどの大きさかを判断できるようになりました。短時間では人の手で分類する方が早いかもしれませんが、なにしろ長時間ですから機械にはかないません。停電したり機械が故障したりしたら手で分類をしなければならないのですが、はたして今さらできるか、便利さに慣れて退化してしまいました。

今日の発送

2005年08月15日 | 今年の梨づくり
ツクツクボウシの初鳴きを耳にしました。先日の雨でナシの樹も秋を感じたようで、ようやく収穫量も増え、本格的に発送もできるようになりました。

本日は7月22日前後にご注文をいただいた分を発送しました。明日はさらに増えると思われます。ご注文いただいている皆様、もう少しお待ち下さい。

これが収穫台車

2005年08月14日 | 今年の梨づくり
ナシの収穫には一人ひとりの台車を使います。この写真の台車はオリジナル改造車。元の台車は20kgコンテナを上段と下段に二つ乗せて収穫するものでした。一輪車やリヤカーを製造するメーカーにナシ農家が要望して作られたそうです。軽量にできていて、両手でナシをもぎながらお腹で台車を押していくなんて芸当もできてしまいます。ところが、メインのコンテナが一つなので、収穫の最盛期になるとすぐにコンテナがいっぱいになって能率が悪い。

そこで第一の改造、上段に木枠を付けて二つのコンテナを乗せられるようにしました。すると今度は、バランスが悪くなって地面のわずかな凹凸で転倒したり、荷重に耐え切れず車輪が歪んだり。当然ですよね、そういう使い方は想定していなのですから。車輪を交換しようとすると、特注のようなものだから結構高い。一輪車のタイヤなんて600円ぐらいなのに・・・

そこで第二の改造。納得米づくりの一人、金属加工の匠にお願いして、車輪を一輪車用のタイヤに、ついでに車軸も間隔を広げました。おかげで前後だけでなく左右方向も安定度が増し、地面の凸凹も大きなタイヤで吸収して作業能率も向上しました。製造メーカー様、このアイデアはいかが。

以前はかごを首から下げて収穫し、トレーラーのコンテナに移し替えていました。収穫期は実の重さで棚が下がっています。ただでさえ前屈みの格好で収穫するのですが、首から重いものを下げるといよいよ腰に負担がかかります。収穫台車はナシ農家の救世主です。

害獣現る?

2005年08月13日 | 今年の梨づくり
 ナシの収穫中に下半分が何ものかにかじられた跡のある実を見つけました。棚上でです。鳥のくちばしの跡とは違います。ウサギの歯の跡でもありません。ウサギが樹に登るとも思えませんが。タヌキかもしれませんが、棚の下にある実の下側を食べるというのは枝にぶら下がっての仕業。タヌキがそれほど身軽とも思えません。ということは、ハクビシンか・・・。近くにブドウ畑がハクビシンで全滅したといううわさを聞き、不安に感じていました。対策といっても何も思い付きません。
 山里ではサルやイノシシ、シカになどの野生動物よる農産物被害が問題化していますが、都市近郊でも行く場所を失った動物が限られた場所に集まってきて、被害を及ぼすことになるのでしょうか。

これが収穫鋏

2005年08月12日 | 今年の梨づくり
 これが収穫はさみです。はさみの刃の部分が下側に弧を描くようにふくらんでいます。ナシの軸がついている凹みにちょうど合うようになっています。軸を切った時に、残った軸が実の肩よりも出ないようになり、他の実を傷つけません。果樹農家以外ではあまり見る機会のないはさみだと思います。

農地を次世代に引き継ぐために

2005年08月09日 | わが家の時時
 今日は千葉県の農林水産部の関係者の方々に、「柏みらい農場」視察の後にお立ち寄りいただきました。
 「柏みらい農場」は柏市北部の利根川右岸、田中調整池地区において100ha規模の新たな農地開発を始めた農業法人で、今年は田畑を数ヘクタールづつ農地化したと聞きました。畑ではジャガイモを作付けし、収穫には北海道から大型の収穫機械を借りてきたそうです。社長のSさんは大規模稲作農家で、企業的経営で食料供給と農地の活用を目ざそうとしている方。
 それに対してわが家は家族では農地管理に手がまわらないものだから、なんとか消費者の方々を巻き込んで農地を活用できないかと模索している専業農家。
 Sさんもわが家も、アプローチの方法は違っても、豊かな農地を次世代に引き継ぎたいという思いは同じと考えているのですが。