のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

悲しみに別れ涙に別れ来し心のくまを木枯のふく(前田夕暮)

2008年11月30日 | わが家の時時
午前中は穏やかな小春日和でしたが、
午後には木枯らしが吹くような晩秋、初冬らしい天候。

毎年、11月第4日曜日は手賀沼トラストの「そばを食べる会」。
今年は8月に急逝された前代表のHGさんを偲ぶ会も兼ねていました。

自宅の屋敷や裏山、田畑を市民に開放し、
この10年、さまざまな活動を率いてきました。
手賀沼とその周辺の環境を次の世代に引き継ごうとした
HGさんの遺志を形あるものにするのが残されたものの役目。

これから手賀沼トラストの正念場を迎えようとしています。

世の中もさびしくなりぬ三の酉(正岡子規)

2008年11月29日 | わが家の時時
我が家の母が友人たちと会うついでに
新宿・花園神社の酉の市に出かけてきました。

酉の市というのは
古くは収穫を祝い感謝する農具市から始まったといわれ、
浅草の鷲(おおとり)神社の祭礼が有名。
開運・商売繁盛の神として信仰されています。

参道には熊手を売る露店が数十件も並び、
多くの人で賑わっていました。
今年は三の酉まであって、
三の酉がある年は火事が多いとされますが、
その意味は祭りが続いて気がゆるむので
気をつけなさいという戒めだという説もあるようです。

我が家も商売繁盛を祈念し、手軽な熊手を購入しましたから
来年は繁盛、繁盛
のはず。

人をさす草もへたへた枯れにけり(一茶)

2008年11月24日 | 今年の米づくり
午後から雨というので
ようやく乾いてきた田んぼを始末しようと
ひこばえの伸びた稲株をモアという草刈り機で粉砕しました。

写真の後部、薄緑色の部分。
濃い緑の部分はひこばえの残っている田んぼ。

稲株や藁は分解すれば土に有機質を供給する資材になるのですが、
未分解のままですと、稲の生育にはむしろ弊害。
稲刈り直後に耕せればモアの出番などないのですが、
今年の秋は雨の日が多く、
まだ水のたまっている田んぼがあるほどです。

幸いわが家の田んぼはトラクターが入れるくらいには乾燥し、
有機質の分解を早めるために昨年からこんなことを始めました。
これで来春までの耕す作業のうち1回は省けます。

と、あたりを見回すと、
夏の間、隆盛を誇っていた土手の雑草が枯れ、
田んぼはいろいろな色で縁どられていました。
タイトル写真の草はムラサキ色が入っているようです。



こちらは黄金色?



こちらは白銀色?

みんな「アースカラー」ってやつですか。

哀しくも、をかしくもなく、おのづから涙の湧くも、はかなしや、冬(土岐善麿)

2008年11月23日 | 農のあれこれ
携帯電話をおしりのポケットに入れたまま
座ってしまったために液晶が破損し、
修理費は5,000円という知らせを受けたと思ったら、
今度はチェーンソウです。

先日は
千葉からの帰りに電車の網棚に忘れものをして、
幸い見つかったものですから
船橋駅まで受け取りに行くという失態までやらかしました。
こんなこと生涯で初めてです。
悪いことが続きます。

このチェ-ンソウは直前まで動いていましたが、
突然、まったくエンジンがかからなくなりました。
始動の操作音も軽くなったような…

農機具やさんに診てもらっていたら
写真のような状態で戻ってきました。
なんとなく集骨トレイに乗って戻ってきたような…

エンジンの心臓部シリンダーの上部が破損していて
修理不能とのこと。
原因はクエスチョン。わからず。
しいていえば金属疲労。寿命。
それだけ使ってきたということでしょう。

購入して10年ぐらいはたっていたでしょうか。
毎年のように具合の悪くなったナシの老木を切り倒し、
薪にしてきました。
数年前にナシの枯れ込み部を削除する用にハンディタイプ、
続いて屋敷周辺の樫の大木の処理用に大型チェーンソウを購入するまで
この一台で樹木の解体作業を担ってきました。

よく働いたという気もしますし、
このぐらいで壊れてしまうのかという気もしますし、
まあ、壊れてしまったものは仕方ありません。
チビとデカの2台でなんとかするしかありませんが、
使い勝手のいいちょうど良い大きさのチェーンソウもほしくなるのは
時間の問題かもしれません。

無花果の果はもちぎられ広き葉のひとつ落ちひとつおち秋はふけにけり(田波御泊)

2008年11月22日 | 農のあれこれ
家人が知人からイチジクの剪定枝をもらってきました。
挿し木して苗木になるというのですが…

たしかに
イチジク畑になりそうな土地は水田を転作すればありそうです。
鮮度が課題の青果物は直売所向けです。
イチジクの機能性が注目され、
近くの直売所では今のところ供給不足の状況です。
鳥害避けの防災網を設置する棚資材はナシ用が流用できます。

新作物として導入する条件はそろっているようですが、
イチジクの収穫期は8~9月。
収穫作業は毎日。最盛期は一日に二回?
8~9月といえばナシもコメも農繁期…
体がいくつあっても足りません。

新嘗祭子を抱きてよき父といはれ(加藤楸邨)

2008年11月18日 | 農のあれこれ
この土日は農産物直売所「かしわで」の収穫祭でした。

通常よりも特価になった野菜・米を求め
多くのお客様においでいただきました。
安価で卵のつかみどりできるサービスや
搗きたても餅を提供するコーナーでは
商品がなくなるまで長い行列が切れませんでした。

今年のサービス企画のひとつは
野菜ソムリエによる野菜のミニ講座と
ミニクッキングショーでした。

黒いエプロンとパンツで勢ぞろいした
野菜ソムリエの皆さんの姿はたいへん目を引くものでしたが、
残念ながら、お客さんはクッキングショーに注目するより
行列に並ぶ方が優先されてしまったようです。

でも、生産者と消費者を有機的に結び付けてくれる
野菜ソムリエのコーディネーター役は大切。
これからの活躍に期待します。

七五三子よりも母の美しく(吉屋信子)

2008年11月15日 | 晩秋の梨畑
ようやくナシ畑も晩秋の様相を呈してきました。
苗木畑の上棚張り、ついでに網上げも終え、
ぼかし肥施肥の作業に入りました。

ぼかし肥はホーディガーという機械で
掘った穴に入れ込んでいくのですが、
掘り返した土を埋め戻すのに草が邪魔にならないよう
穴を掘る部分だけモアで雑草をきれいにします。

元肥の次は落葉処理、ライ麦播種、
落葉が遅れる場合には剪定も並行してと作業が続きます。

竹伐って日向つくりぬ冬構(長谷川かな女)

2008年11月11日 | 晩秋の梨畑
今年は思い切ってナシの樹を更新しています。
萎縮病にかかったような古い樹を切り倒し、
苗木が成長する場所を開けています。

細かな枝葉は焼却し、太い幹は薪にしているのですが、
今年もけっこうな量です。
ここ数年、屋敷まわりの樫の樹を切り倒してきましたので
薪を積んでおく場所もなくなってしまいました。
写真はまだ2/3ほどの量です。
これだけの太い幹はどうしましょう。

雑誌を見ていましたら
リンゴ農家がリンゴの剪定?幹を薪にして販売しているといいます。

なるほど…
一年も置いておけば薪として利用できるようになります。
どなたかご入用の方はいらっしゃいますか。

すぐに使えるような薪にしてからなら
機械代と手間賃はほしいですが、
切り刻む以前のこのままお持ちになるなら無償でも結構です。

すつぽりと蒲団をかぶり、足をちぢめ、舌を出してみぬ、誰ともなしに。(石川啄木)

2008年11月10日 | 晩秋の梨畑
新植の苗木畑に棚を張るために地面を
掘り返していましたらこんなもんが出てきました。

若根にもモンパ宿りぬ…
もともと菌があったのか、そとから入ったのか。

山林を開墾した畑です。
隣接して、はじめからナシ畑にしたところでも
モンパ病があちらこちらに出ています。
この土地にもともとあったともいえます。

また、この場所では畑にする前に剪定枝を焼いたり、
モンパ菌に罹患した株元を焼却したりしていました。
その時に病原菌が入ったともいえます。

モンパ菌には舌を出されているようですが、
これからも付き合っていかねばなりません。

立冬やとも枯れしたる藪からし(臼田亜浪)

2008年11月09日 | 晩秋の梨畑
今年も立冬が過ぎたというのに南海上には停滞前線。
前線をたどっていくとその先には台風…
木枯らしが吹くわけでもなく、
小春日和になるでもなく、すっきりしない日が続いています。

昨日は付き合いのある農機具店で機械展示会が行われ、
にぎやかしに出かけてきました。
店では景気が悪いところで人出を心配していましたが、
朝から小雨模様の天候にも恵まれたか、
お客さんも思った以上に多いようでした。

すぐに導入やら更新しなければならない農機具が
あるわけでもないのですが、
(田植え機が整備担当者から「もうだめだ」とはいわれているのですが)
その時のために最新情報を入手しておく良い機会です。
各メーカーの担当者も来ていますので、
利用者側から改善要望や質問を受けたり、
新開発の機械を持ち込んでユーザーの反応を見る機会にもなっています。

今、気になっている農機具は剪定枝粉砕機。

ナシの剪定枝の焼却問題。
その一つの解決策が粉砕機で処理してたい肥にしようというもの。
我が家周辺ではまだ焼却が大きな問題にはなっていないのですが、
それも時間の問題かもしれません。

そこで先日、粉砕機を借りて少しチップにしてみましたところ、
剪定枝の移動の手間が省けるので
機械があるとちょっといいかもと思い始めていました。

展示会にもあるメーカーの粉砕機が出展されていましたが、
稼働デモの準備はされていませんでした。
昨年、組合仲間のIさんが展示機を導入していたと聞いて、
さっそくIさんにお願いして
実際に処理している様子を見せてもらってきました。

先日借りたものとIさんの最新機の2台が
粉砕処理したチップを比較したのがタイトル写真。

左側がKA社のフリーハンマーによる粉砕チップ。
処理してから1週間以上たっています。
「ハンマーによって粉砕されたチップは、繊維状に粉砕されているため、チップ自体にクラックが多く微生物の進入が早く、良質の有機質堆肥を生産できます。
また、繊維が絡み合う為、通気が良く保水性が高い為糸状菌・球菌などの好気性菌がチップを分解する微生物の繁殖を助ける効果があります。 」という説明があります。

右側はKY社のチッパーナイフとシュレッダーナイフによる
2段階方式による粉砕チップ。
こちらは昨日、Iさん宅で処理しました。

右側のKY社の方が細かチップになっていますが、
Iさんによると
ブルーベリー畑のマルチング材(敷き詰める材料)として
使いたいのだが、発酵・分解が早すぎるとのこと。

チップが細かくなるのは結構なのですが、
ガソリンエンジンの稼働音と粉砕音が合わさって
想像以上に騒音。
KA社の粉砕機はトラクター搭載型で
ハンマーによる粉砕音はうるさいのですが、
エンジン音は大きなディーゼルエンジンが低回転で動いているので
それほど気にならない。
ならば、トラクター搭載型で細かなチップになって比較的安価なもの
と数社のカタログを探したのですが、適当なものが見当たりません。

そこで思い出したのが国の研究機関が粉砕機を開発中というニュース。
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)
生物系特定産業技術研究支援センター(生研センター) という
研究センターの新しい粉砕機が実用化するまで待つことにしましょうか。


平凡なる花咲きでて幾鉢か菊つちかひし妻は笑へる(半田良平)

2008年11月06日 | アグリママ
我が家の祖母の目下の生きがいは花づくり。
路地に季節の花を育て、道の駅直売所へ出荷して、
今日は売れた、売れないと一喜一憂して
日々を忙しく動き回っています。

直売所周辺には墓地・霊園がいくつか立地していて
そのお供え用の花束需要があるようです。
なかでも農家のつくる安価で新鮮な花束が好まれ、
出荷する農家も年々増えてきました。

菊の盛りの今頃は直売所入り口の花束売り場は
菊の花で埋まっています。
菊はもともと日持ちがしますし、
お客さまの庭にも咲いていることも多いですし、
当然、出荷した花束は売れ残ります。

いい加減にしたらという家人の声も聞かずに、
ダリアは売れるのよと今朝もまた花束の出荷です。