のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

百分の二に泣くものありガマガエル

2010年02月28日 | ネイチャースケッチ
2月は全国的に日照不足とか。
この夏は北日本で冷夏という予測もあるようで。
順当が一番いいのですが、今日も小雨模様。午前中にはみぞれも。
明日は暖かいといいますが、出かける用事が…
今日は出かける用事がなく仕事ができるのにうまく合わないものです。

旧の一月十五日の満月です。
その満月の光に反応してか、
池の中からグォグォっていう泣き声が聞こえます。

暗いのでなかなか見つけられなかったのですが、
ガマガエルが一匹、水面に浮かんでいました。
冬眠から覚めて
どこにいるかわからないパートナーを呼んでいるのでしょうか。

悔しくて泣く子は育つ梅や咲く

2010年02月26日 | ネイチャースケッチ
遠いバンクーバーでも暖かい日が続いて雪不足だそうで、
こちらでも大雪で車が立ち往生というニュースがあってひと月もしないうちに
4月、5月並の気温になって、2月の気温の最高記録をつくったとか。
長期予報の通り、平らに均したら暖かい冬のようです。

わが家の玄関前の紅梅も一気に満開となって、
沈丁花も花が膨らんできたような…

わが家の河津桜も可憐な花を見せています。
昨日からの春一番で大きなダイダイがぼたぼたと落ちています。

立春以降、降水もあって、
畑のホウレンソウの生育に出荷が間に合わないと
野菜農家が焦っていました。
ナシの花も早まるかもしれません。
まだ、剪定作業は残っています。

U-45(アンダー45)

2010年02月24日 | 農のあれこれ
農産物直売所「かしわで」では今年の農繁期を迎える前に
会員農家や出入り業者、従業員など300名近くが集い、
交流会が開かれました。

昨年一年間の事業実績の一つとして
『U-45(アンダー45)』という45歳以下の農家を集めて
何かをしかける組織を発足したと報告されました。
会員農家240軒のうち45歳以下の従業者が70名ほどいるそうで、
単なる「研究会」にはしたくないとリーダーは話していました。

今回の運営委員の一人として乾杯の音頭をとることになり、
先人達が切り開いてくれた広くて平坦な豊かな農地があって、
隣人としての何十万人ものお客様、消費者のみなさんがいて、
そして「かしわで」という財産がありながら
農業はもうからないなどと愚痴をいっていたら
日本中の農家から笑い物になるとあいさつ。

U-45のメンバーのうち、
どれだけの若者がカチンときて発奮してくれたでしょうか。

亀に乗り鳥をお伴の北斗神

2010年02月22日 | わが家の時時
集落内に妙見社という社があります。
中世千葉氏の一族の相馬氏の、
そのまた一族が山城を構えていたといわれ、
その氏神であったそうです。
小字は「中城」。まさに城中です。

妙見社は北斗信仰とも結びつきが強いといわれ、
当地のご神体は「相馬北斗大神」。
上の写真右奥の掛け軸にご神体が描かれていますが、
その足元にはカメ。
神様がカメに乗って、鳥に導かれて当地に降臨したとか。
神の使いである鳥をしん粉餅で成形し、
鳥木<とりぼく>に飾って「オビシャ行事」を行うのが「鳥オビシャ」。

その祭礼は毎年、2月22日に行われていますが、
今年は“来当<らいとう>”として招待され、出席してきました。
“来当”とは次の当番の意味。
来年は当番長として祭礼を取り仕切ることになるので、
ただ飲み食いするお客のままではいられません。
祭礼の意味を先輩や神官に伺ったところによると…

             

オビシャ(お備社)というのは、弓矢で的を射ることによって
その年の吉凶や農作物の豊凶作を占う祭りのことだそうで、
新年に行われる場合には、
邪気を祓い五穀豊穣や無病息災等を祈念する祭にもなっているといわれます。

祭礼のなかで「箭弓の儀」というのがあって、
鬼と書かれた紙を弓矢で射抜きました。
めでたし、めでたし。

              

しん粉餅を食紅で色づけ練り合わせ、鋏や櫛で
鳥の形をつくっていくのですが、
本来は、家々でつくった“オビシャ鳥”を持ち寄って
祭礼がおこなわれていたそうで、
色とりどりの鳥のほか、ツル、カメ、羽を広げたウグイスや、
チャボやキンギョのような変わり種もつくられていたそうです。
時には品評会のようなことも行われ、景品もでたとか。
わが家でも明治生まれの曾祖母が元気な時には作っていて
子供たちの楽しみでした。

             

現在は、地区の老人会が地元の小学校に出向き、
半日、“オビシャ鳥”作りを指導しています。
近在では市内の二地区に市外の一地区でしか残っていない民俗行事のようで、
ぜひとも子供たちにも引き継ぎたいものです。

実は、今日の祭礼が朝のNHKのローカルニュースで紹介されたそうで、
それを頼りに10名ほどの方々が見物にいらっしゃいました。
仕掛け方によっては地域づくりの柱になるかもしれません。

道の駅しょうなんのロビーに
隣集落の有志がつくった鳥木が飾られています。
しばらくはあるでしょうから、興味ある方はどうぞ。

             

             

近頃は 改・換・混・転・変・乱 流行りなり

2010年02月21日 | 農のあれこれ
もう少しで年度末です。
農業関係の役職も改選時を迎えるのがいくつあります。
役職はできればごめん被りたいものですが、
広域団体の役職には名誉職的なものもあって
いろいろ駆け引きがあったりするのはどこも同じようなもの。

ところが、最近、ちょっと風向きが変わってきているかもしれません。

農協やら共済組合やら土地改良区やらの理事さんといえば経営者。
大きなお金を動かし、大きな組織を動かし、場合によっては議員さんへ。
ところが、だからでしょう。
例の“仕分け”によって国からの補助金が大幅にカットされ、
経営者が名誉職ではいられなくなりそうだというのです。

土地改良区というのは水田の基盤整備を行い、
その後の用水や施設メンテナンスを担います。
「農業土木」という日本独自の?学会・業界を象徴する団体です。

当地の基盤整備は40年前に行われ、
そろそろ施設が老朽化して再整備という時期でした。
40年前には山林だった地下に導水管を敷設したのに
その後、構造物が建ってしまったり、
谷津の多くが遊休地化したりといった環境の変化はもちろんですが、
整備費を負担するだけの「体力」を農家が持ち合わせているかというのが、
最大の課題。
さらに国からの補助金がカットされるとなると、こりゃもうお先、真っ暗。
年末には農家への営農意向アンケートが複数、回ってくるなど、大騒ぎです。

共済組合も国からの補助金がカットされ、掛け金が上昇。
加入者も減少して、組織も合理化の最中。
天災などによる農業被害を互いに助け合おうという組織ですが、
掛け金の負担が相対的に大きくなってきたというのも
ひとつの要因のようです。

まさに戦後農政転換の真っただ中。
これからどんな仕組みができあがるのか、楽しみ?苦しみ?

今わかる蛍の光窓の雪

2010年02月18日 | 農のあれこれ
今年、何度目かの雪化粧。
そろそろ春の足音が聞こえてきそうです。

かつての勤務先の同僚が定年前に仕事を辞め、
この春から大学に学生として籍を置くといいます。
彼の場合は子育ても終わり、
実家の農業を引き継ぐために農業を学び直そうという羨ましい境遇の身。

友人の奥さんも大学院に社会人入学して
博士課程にも進みたいらしいという話を聞いたばかりです。
少子化が進む中で「お客様」の欲しい大学側の事情もあるでしょうが、
いくつになっても学ぶよろこびはあるものです。
我もいつかそういう身になりたいものです。

子供たちよ。学ぶべき時にもっと学びなさい。
後でわかることだから。

実らずにゆっくり再び春迎え

2010年02月15日 | 農のあれこれ
前回12月14日にレポートしたペットボトル稲。
寒中を無事越えて、再び春を迎えています。
でもさすがに勢いはなくなっているようで、
葉色も多少ぼやけてきました。

一本の茎から出てくる葉の数は決まっているはずなのに
年が明けても新しい葉がでています。
穂の出てくる気配はありません。
このまま生きのびていくのでしょうか。

スローに生きてもいいのかなと思わせてくれます。

切り返す熱気に煙る肥杜氏

2010年02月14日 | 今年の納得米づくり
1週間前に積み込んだ田んぼ用の有機質ぼかし。
麹菌などの菌類がどんどん働いている証拠で60℃近くにまで上がって数日、
空気と水分を均一に行き渡らせるための切り返し作業。
すごい湯気です。

「さか(酒)とうじ」ではなくて「こえ(肥)とうじ」の顔は紅潮して
5歳は若返りました。

縮められ手に金握る春の宵

2010年02月13日 | 冬の梨畑
もしかしたら以前にも紹介していたかもしれません。
剪定用具の一つです。
道具箱の下の方から持ち出してきました。
久々の登場です。
「ハンドナイフ」といいます。

             
輪になった部分を薬指にはめ、

             
握ったところで、誘引ひもを手の外側で切ります。
これが、想定されている使い方と思います。

ひもを切る際に薬指に相当の負荷がかかります。
使っているうちに指が痛くなって、
結局使わなくなってお箱入りになっていました。

ところが、ナシ仲間の先輩との話のなかで、
中指にはめて使っている、
こんな便利な道具を使わない手はないとまで言われてしまいました。
なるほど中指か、気がつかなかったと持ち出したのはよかったのですが…

             

             

             

確かにひもを切る際の輪をはめた指への負荷は少ないようですが、
刃の位置が親指側になってしまい、
枝をはさみで切る際に掌で固いものと固いものがかちあってうまくありません。
そういえば、先輩は中指用にオリジナルのものを作ってもらっているといっていました。
話は最後まで聞くものです。

剪定・誘引の際のハンドナイフを使わない場合の手順としては、
①枝先をはさみで切り
②はさみをケースに戻し
③枝を誘引して棚に縛り付け
④はさみでひもを切り
⑤はさみをケースに戻す
となります。

ハンドナイフを使うと、④、⑤の作業が「ハンドナイフで切る」だけになり、
一工程を省くことができます。
この間、はさみをケースに出し入れするために
右腕を上げ下げすることになりますので、
一工程以上の省力となります。

先輩のところではパートさんも
ハンドナイフを使いこなしているといいますので、
もう一度、チャレンジしてみましょうか。

雪舞えど布団の中で汗をかき

2010年02月12日 | 今年の納得米づくり
             

夏日直前の日があったかと思えば、
一転、雪が舞い指先がかじかむ日が続いていますが、
ここだけは湯気が立ち上っているかのような雰囲気です。
先の日曜日7日に積みん込んだ有機質ぼかしが順調に熱を上げ、
55℃にもなろうとしています。

今年の納得米プロジェクト用の元肥です。
消費者自らが自給用のコメ作りに取り組む納得米プロジェクト。
8年目の今年は昨年のメンバーに新人一人が加わり、
総勢9名が50aの田んぼで取り組むことになりました。

栽培方法は基本的には変わらず。
いろいろな抑草方法を使いながらも
最後は手取りも覚悟する除草剤も使わないコメ作り。
深水を続けてきた結果、波で削られ畦が頼りなくなったことから
今年は基盤整備からの作業です。

ぼかし材料も例年と変わらず、
身の回りのもみがら、ぬか、くず大豆、オカラといった有機質中心のもの。
配合割合は次の通り。

もみがら 10 Kg  
おから  15  
ぬか   20         
くず米  15         
くず大豆 30         
シリカ   4.5         
魚粉    4          
カニがら  3  

これを10回撹拌して、総量は1015㎏。

積み込みは、今年はコンパネの枠は使わず、
コンクリート床に広げてムシロを覆っています。
ムシロは蒸気で濡れてきました。
そろそろ切り返しです。

服脱がす陽に負けまいと春の南風(ハエ)

2010年02月09日 | 冬の梨畑
写真は5日の夕焼けで、話のテーマとは関係ありません。

先週末、冷たい強い西風が風じんを引き起こすほどでしたが、
二日後の今日には気温が20℃にもなって、まるで初夏。
まったく天候の気まぐれに付き合っていくのも大変です。

昨日の段階では今日は小雨模様というし、
しばらく傘マークの週間予報ですが、本当に雨降る?
先日、雪が降ったものの、冬に入ってけっこう乾燥しています。

というのも、剪定作業中、ナシの枝が折れやすいのです。
誘引したその時点では大丈夫なんですが、
翌日には折れている…
昨日など、育成中の苗木の主枝を2本も折ってしまい、
凹んでいました。
ただでさえ、根域の小さな苗木です。
もっと暖かくなって根が活動し始めたら水を吸い上げて
ナシの樹も柔軟性を回復してくれるはずです。

この調子で2月も乾燥状態が続くと、
芽出し用にナシ畑にも潅水しなければならないかもしれません。

花粉症の子にしたくなかったら

2010年02月08日 | 農のあれこれ
今朝のラジオでやっていた話です。

子供の花粉症の発症事例を調べたら
発症割合の低いグループが見つかったそうです。
それは「農家の子」。
田舎の子でもサラリーマンのお子さんとは
明らかに違う傾向がみられたそうです。

理由として推定できることは
日常、家族が土や作物を扱っていて、結果として
家の中に様々な菌類を持ち込まれているからではないか。

だからといって、皆が農家になれるわけではないので
子供が小さいうちから戸外で遊ばせることが大事ということでした。

たしかにわが家の3人の子は今のところ発症していません。
昔はそうそう花粉症というようなものが見られなかったのは
全体が農村社会だったからかもしれませんね。

(写真はテーマとまったく関係のない高圧鉄塔を下から見上げたところ)

団子やも五種も作れば半人前

2010年02月06日 | アグリママ
機械を導入しての団子づくりも4か月になろうとしています。
春を迎え、草団子はいよいよシーズン入りで
元手を取り返すためにもひと稼ぎもふた稼ぎもしなければなりません。

しばらくあんこの草団子(写真左上)と
みたらしの白団子(写真右上)の2種類でしたが、
徐々に種類を増やしてきました。

まず、きな粉の白団子(写真右中)。
続いてごまだれの白団子(写真右下)。
そして昨日からはきな粉の草団子(写真左中)。

実は、このほかにも白団子を醤油だれをつけて焼いたものに
ノリをかけたものとカツオ節をかけたものは試作済み。
いつでも出荷できる段階です。
また、知人からの要望で醤油だれの玄米団子も試していて
これも商品化できそうです。

醤油だれの団子が商品化されれば
甘辛両方の系統の団子を揃えることができ、
より強固なラインナップを形成できます。
問題は、直売所で確保できる販売スペースと
団子づくりにかけられる時間。

販売スペースの方は売れ筋商品ですから常時出荷できれば
問題解決ですから、
要はどれだけ団子づくりに時間をかけられるかですね。

春立ちぬ最低気温引っ提げて

2010年02月04日 | 冬の梨畑
今朝は都内でも零下の気温になったようで、
この冬初めて、布団の中で寒くて目が覚めました。
日中も風はなかったものの春の陽は弱く、
寒い一日でした(写真は夕焼けの様子)。

ようやく梨畑五園地あるうちのひとつで剪定作業が終わりました。
同時並行してあちこちやってありますので、
全体の4割ぐらいは終わったでしょうか。

今年からは後継者君も半人前にも剪定作業をしてくれていますので、
本来ならもっと早く進んでいてもいいのですが、
毎朝、団子づくりをしていますので
作業開始が9時過ぎ、下手をすると10時近くになってからの状態。
雪が降ったり突然の来客があったりの中で
まあまあ予定通りに進んでいるのはありがたいことです。

あとひと月あまり、3月10日ごろを目途に、
遅くともお彼岸までに、東京で桜が咲きだすまでに
剪定作業を終わらせたいものです。


雪降れば暖からしいこの冬も

2010年02月03日 | ネイチャースケッチ
立春を前に1日の晩の雨から変わった雪は
翌朝、あたりを白く覆っていました(写真は2日朝、6時24分)。

この程度の数センチメートルの積雪なら翌日のお日様で
すぐに溶けて消えてしまうだろうと期待していたのですが、
2日も、そして3日の今日も上天気というわけにはいかず、
まだ、畑には白いものが残っています。

このような畑で剪定作業をしていると
体の芯から冷えてきます。

雪が降るから今年の冬は寒いかというと、
気象予報士の方がよくいわれますが、
「関東の雪は暖冬だから降る」のだそうで、
全体の傾向としてはやはり暖かい冬のようです。
軽バンにもスタッドレスタイヤを用意しましょうかねえ。

最初の桜の開花予想が発表されましたが、
東京では3月20日過ぎ。
今年もまた3月中にナシも咲きだすのでしょうか。