のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

自分は自分が好きだといえるどんなときでも一生懸命

2012年06月26日 | ネイチャースケッチ
この春にキャッチしたニホンミツバチが順調に増殖中です

初めの巣箱にもう一段増やそうと巣箱を持ち上げたところをパチリ
ワンサカワンサカというかゴニョゴニョというか
とにかく一途に子孫繁栄のための営みをしているという印象です


この間から夏目漱石の「自己本位」という言葉が気にかかっています
どんな意味だろうかと安易に「教えて!goo」で検索したところ
ベストアンサーのひとつに次のような記述がありました

『どんな状況に置かれても“自分は自分が好きだ!”
といえる自分になることではないでしょうか?
腐った自分もがんばっている自分も何もない自分もすべて素晴らしい好きだ!
といえるのです
自分が幼いころ学歴の何もない母が漏らしたことがあります
「人間はなぁ どんなときでも一生懸命やるのが人間の本当の姿だよ」』

どんなときでも一生懸命やらなければならないのはハチだけではないようです

消費者のこころをつかめノラガールヒールの代わりに長靴履いて

2012年06月24日 | 農のあれこれ
6月24日日曜日 柏駅前で柏市産農産物のキャンペーン行動が行われました

2月に続いて2回目
無主物の風評払しょくという意味合いもあるのですが
今回は市内の飲食店5店も出店
地産地消 農商連携キャンペーンへの取り組みでもありました

いつまでもお祭り騒ぎだけでは参加者が消耗するだけという批判もあります

たとえば 市民からも出資を募って新聞一面に意見広告を出すとか…
費用が一千万円ぐらいかかるらしいのですが
そのこと自体が運動になるし
一人1万円 一千人のサポーターを集めることはできるのではと
推してくれる友人もいます

あるいは 二つの直売所の出品手数料を1%値上げして
それを元金に直売所で使える地域通貨の仕組みを考えるとか…

まあ突拍子もないことを考え何もしないよりは
いつものお祭り騒ぎでも良しとしなければなりません

それでもこれまでにない新しい企画がありました
美少女図鑑のモデルさんたちが繰り出して
新鮮野菜ジュースを販売してくれました

            

農業キャンペーンにギャル?と当初は違和感もありましたが
意を決してイベント終了間際にモデルさん3人に突撃インタビュー

うちに長身でイケメンの息子がいるんだけど どう?
「ここに連れて来てください」
農業に対するイメージってどんなふう?
「上向きだよね」
「シュウゴの生活よりいいかも」
シュウゴって?
「週に五日働くこと」
「サラリーマンだって不安定だしね」

これまでの農業・農家に対するイメージがどの程度なのかはわかりませんが
赤マル急上昇中のようです
“農業にギャル” ありです 印象がすっかり変わりました

マネージャーの方とも話ができました
もともとこの『美少女図鑑』は美容業界が仕掛けているフリーペーパーで
お店やクリエイターの宣伝と女の子たちの目立ちたい欲望をうまくマッチしているようです
柏地区の事務所にも毎日一人ぐらいのペースでモデルに応募があるといいます
各地のイベントの賑やかしにもモデルを派遣していて
彼女たちの強力な武器はその美貌・スタイルだけでなくSNSを通じた集客力とか
友人やモデル志望の取り巻きたちがいっぱいいるのだそうです

そうだ 彼女たちを呼んで農業青年の“婚活”イベントを仕掛けよう
そのためにはハイヒールの長靴が必要かも
ん? それってブーツじゃん



懲りない人の「成長教」熱冷めぬ使用済み燃料のごと

2012年06月21日 | 農のあれこれ
今日は夏至
上の写真はその前最後の夕焼け

これからは昼の時間が少しずつ短くなるいわば放物線の頂点
でもこんな自然の摂理を忘れて
いつまでも昼間が続いてほしいと思う人たちがいます
死を忌み嫌い生を謳歌し資源を蕩尽することに夢中になっている
わたしたちがそうかもしれません
原発再稼働も消費税増税もそんな私たちを反映しているのでしょう

ものがあふれ欲しいものを手に入れているはずなのに
なぜか満足できない

『続・悩む力』の著者は
安定した収入、伴侶と家族、健康、老後のたくわえといった既存の幸福像が
いまや瓦解していると問題提起し
夏目漱石やマックス・ウエーバーの思想からこれからの道を読み解こうとしています

             

ああ なるほどそうだよねえ

では こんな世の中でわが家が農家としてどう引き継いでいったらいいのか
いえ もうこんな課題設定そのものが意味を持たないのかもしれません

まわりの農家をみても
後継者がいない
後継者がいてもその伴侶は農作業にはノウタッチ
後継者家族と別居は当たり前
家族経営の形は崩壊寸前です

それ以前に 第一 これからどんな農業をしたらいいのか

食糧生産が目的なら誰のために何をつくるのか
富が偏在しそれにともない食料も偏在しています
ごく一部の富裕層向けなら高いレベルでの差別化が求められます
世界中の貧困層へ食糧供給したいなら低価格は覚悟しなければなりません
どちらも険しい道です


20日夜のBSふじのプライムニュースは興味深い内容でした

“所属しない”働き方と題して
3人のノマドワーカーたちが自分たちの生活と考え方を披露していました
そうだよねえ リセットの時代だよね

その中の一人がこれからの世の中のキーワードとして
『悩む力』を意識してか
夏目漱石の“自己本位”という言葉を紹介していました


これまではこうやってきたと若い農業後継者たちに先輩面するだけでなく
新しい時代に適応した農業のあり方を模索していかねばなりません

最近話題になっている雑誌に『孫の力』があります
奇しくも『…の力』というタイトルです
若い世代のエネルギーに期待しましょう

宴もたけなわ中締めの風の鳴る葉千切り飛ばしトマト這わせる

2012年06月20日 | みのわプロジェクト
タイトル写真は落とされたクリの花
盛りを過ぎてやや衰えかけた時でした まさに「たけなわ」

体験農園手賀の杜農園も夏野菜の最盛期がさあこれからという時に台風襲来


台風4号襲来前 6月19日
              

襲来後 6月20日

              

40年の埃の下からよみがえる80年前の意地と心意気

2012年06月16日 | わが家の時時
6月11日よりわが家の農産物加工場のリフォーム工事が始まりました

10年前 道の駅直売所オープンにあわせて
かつて台所兼食堂だったところが小さな菓子加工室となり
その後 だんご製造機械などを導入して充実を図ってきました
子育て期も終了して さあ 女の自立充実期
これまでの菓子製造と新たなジャム・ソース製造の本格的な設備の整った
小規模な農産物加工場へ借金をしての投資です

工事業者が入る前の数日間は
加工資材の引越しやら積り積もった家財道具の整理に追われました

             

             

             

             

今回はかつての台所兼食堂だった部屋だけでなく
一時 三夫婦四世代が居間として使っていたところも対象
ここ40年ほどの間の生活空間をリフォームします

生活様式の変化に伴いリフォームにリフォームを重ね
ついには既存の建物はそのままに新たな家屋を建ててしまい
調度品を処分しないままいつの間にか埃がたまっていく
敷地に余裕のある農家にはよくあることですが
わが家はまさにそれ

今となってはゴミになってしまった身の回りの品々を処分することは
思い出の大きさに比例してエネルギーのいることです

かつての風呂の更衣室あたりに埋もれていた引き戸が出てきました

                

子ども時代から見慣れていた木製の引き戸です
高度成長期まえの昭和あるいは戦前の匂いがぷんぷん漂ってきます
もしかしたら80年前 わが家の創成期
はじめて家を建てたときからのものかもしれません

まだ使える もったいないと数度のリフォームを潜り抜けてきましたが
今回はこうして写真に残すだけにして処分してしまいました

明治生まれのわが家の初代曾祖母は
安物買いの銭失いといって良いもののほうが結果として得だよ
とよく話していました
じいさんばあさんも新宅だからとまわりからばかにされまいと
踏ん張って良い建具を注文したんだろうなあ
処分してしまって良かったのかなあと後悔のような
つい感傷的になってしまいました

誰のため何のためにどうなりたいか熱く説くよそ者がいてばか者動く

2012年06月06日 | 農のあれこれ
先日の千葉での会合で地域活性プロデューサーFさんの話を聞きました
「まちづくりはひとづくり」をキーワードに
住民参加型の自立型地域活性を実践されてきた方です

まちを良くしたいという願いは誰も同じ
みな懸命だが成果はそう簡単に上がらない
だから行政が怠慢だ 住民が協力しないからだと内部分裂がおきる
責任を押しつけ合っている状況はどこの地域でも大差ない
「よそもの」は原点にいつも戻って考え動こうと時には憎まれ役も買って出て
地元の実働部隊となる「わかもの」と
変わり者扱いされながらもアイデアを打ち出す「ばかもの」と
の三位一体で走り続けるのだといいます

Fさんの立場は“ティーチング”でなく“コーチング”
地域の人材を次の4種に定義してまちづくりをコーディネート

①コントローラー(支配型 いわゆる仕切り屋)
②プロモーター(アイデア型)
③アナライザー(分析型 たとえば学者とか役人)
④サポーター(補助型)

なるほど あの人はコントローラーだとかあの人はアナライザーだとか
すぐに旧知の人たちの顔が浮かびました
面白い視点です

「子どもたちのためにまじめに考える大人になりたい」という言葉が心に残りました

静岡県三ケ日の熱血集団「SM@pe」スマッペとか
(ちなみにスマッペとは「ステキみっかび発信プロジェクト」の頭文字から)
成田空援隊成田ソラガールの話を聞くと
これはぜひとも無主物風評で元気の出ないかしわでも仕掛けていただきたいと
熱く思うのでありました

写真は5日の夕焼け

小満も病は樹から芳志散る気分も枝葉も萎縮するばかり

2012年06月03日 | 梨の病気
ナシの開花からひと月半

幼果の生育も「今のところは順調だ、よかった」とちょっと満足する
小満の時節を迎えているはずですが
今年はちょっと頭が痛い

             

まず花の交配作業中から発芽したばかりの葉が茶変し目立っていました
ナシ疫病と呼ばれる病気で枝が枯れて行く病気です
県の研究機関から先日多発注意報が出されました

             

「ナシ疫病菌」は土壌中に生息していて
強い降雨で跳ね上げられたり風で舞い上げられて
ナシ枝葉にたどり着くと考えられています

わが家は草生栽培をし緑肥としてライムギを導入していて
4月中旬には刈り倒し全面にムギワラが敷かれるような状態にして
泥が跳ねあがらないようにしているのですが
それでも例年よりも多発しています
             
             

もうひとつは「黒星病」
これもだらだらとなかなか止まりません
昔は難防除病でした
ここ10数年は新薬剤の登場でうまく抑えられていましたが
最近またよく見かけるようになりました
薬剤の抵抗性が着いているのかもしれません
近くの仲間の畑では爆発的に発生してしまったと嘆いていました

これも5月に雷雨が多かったということの影響でしょうねえ

さらにタイトル下の写真のような症状もあちこちに見られます
「ナシ萎縮病」と呼ばれる症状です
春先の展葉が遅れ展葉しても葉は波打っています
ひどくなると実の収穫量だけでなく樹勢も弱まってしまいます

             

しばらく萎縮病の原因がわからなかったのですが
昨年秋に千葉県の研究機関がその病原菌を特定しました
そしてその病原菌の子実体がナシの幹にへばりついた白っぽいキノコ
ここから胞子が飛散し次々伝染していくという厄介者です

雨が多いと次から次へと問題がわき上がってきます
悩むのは生きてる証拠ということで折り合い付けましょうかね

郷に入れば郷に従え眼には眼をダニにはダニという殺虫剤

2012年06月01日 | 夏の梨畑
このナシの枝に吊るされている袋
殺虫剤です
捕食性天敵 ミヤコカブリダニ剤といいます

ミヤコカブリダニというダニは害虫であるハダニ類を捕食します
この袋の中に養殖されたミヤコカブリダニが閉じ込められていて
気温が上がったりして環境が整ったところで
袋から出てきて害するハダニを駆逐するという代物です

小さな「増殖施設」とも言えるパック内で守られているため
ミヤコカブリダニは少しずつ数週間かけて放出口から出てきて
作物上の餌(花粉、害虫他)不足や薬剤などの散布
摘葉・摘芯作業による天敵の施設外への持ち出し
などの影響を受けにくく安定した定着性を示すといわれます

まだ果樹類には正式に登録されてなく
メーカーから無償で提供されて
その実効性を実証すべく試験的に今年設置しています

でも6月になっても上着が必要なくらい寒いとハダニの害も見えなくて
この試験 はっきりとした結果出せないかも