のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

ヒマワリの咲いて証しか種の起源

2013年06月30日 | ネイチャースケッチ
昨年秋に搾油用のヒマワリの種子の残さをナシ畑の中に捨てていました
思いがけず4月になるとあちこちで芽生えだしたものですから
そのうち何本かは下草刈りの対象から外し、成長を見守ってきました

すると、早いものは6月中旬から咲きはじめ
そろそろ咲きそろいそうな感じです

                

中には2mを超える背丈になるものもあります
1mぐらいの背丈で花をつけるものもありま
花びらの一重のものも二重のものもあります
見た目、いろいろな品種の花のようにみえます

                
                

たしか、去年は皆ほぼそろった背丈で同じ花だったと思うのですが
F!の種子だからそれぞれ先祖がえりしたのでしょうか
遺伝子組み換え種とF!種の違いは勉強不足でよくわかりませんが

タチナガハ、春りん蔵にキラリボシ

2013年06月23日 | 農のあれこれ
「タチナガハ」は大豆、「春りん蔵」はヒマワリ
「キラリボシ」は菜の花の品種名
有機稲作の技術開発に実績のある民間稲作研究所
福島原発事故以降に取り組んでいる植物による除染事業
『グリーンオイルプロジェクト』で採用している品種です

NPO手賀沼トラストの栃木有機農業視察先の2件目は民間稲作研究所でした
昨年、ヒマワリから食用油を抽出するプロジェクトに失敗しているものですから
雷雨等があり十分な時間がなかったのですが
ヒマワリ種子の収穫・調整作業の様子をうかがってきました

ヒマワリの種子の収穫は汎用コンバインで行うとのこと
その後、風選や揺動型の選別機でゴミを排除
さらに循環式の乾燥機で8パーセントまで乾燥させます
(この点が、昨年のわれわれの失敗時と大きく違うところです)
乾燥度を上げた方が搾油がうまくいくそうです

グリーンオイルプロジェクトの品種は『春りん蔵』で
われわれの取組んだのはそれよりも花が大きくて硬い『ハイオレイック』
種子を融通してくれたNPOバイオライフの助言によれば
機械によりも手作業の方がよい油がとれるとのこと
汎用コンバインでも収穫できるとはいっていましたが

種子の大きさがもっと小さい菜の花は収穫・調整はもっとたいへんそう
据え置き型の風を送る乾燥機と特殊な袋でやはり乾燥していました
大豆用の乾燥機でしょうか

ヒマワリにしろ菜の花にしろ
栽培面積を増やそうとすれば作業の機械化は必然
まだまだ経験が必要です

雷と草にはおもねずさからわず

2013年06月22日 | 農のあれこれ
雷雲の塊に3度見舞われる午後となった夏至の日に
NPO手賀沼トラストの農教室研修で栃木県の有機稲作の現場を見てきました

一件目は野木町のTさん
ちょうど田植えの真っ最中で
これから植えようとする田んぼに田植え機を置いたまま説明をいただきました
5月の連休ごろに田植えをしたまわりのイネは分けつを終え
中干しになろうかという時期の田植えです

Tさんの稲作りは有機栽培に取り組んで30年
アイガモ稲作やレンゲ稲作などいろいろな試行錯誤を経て
現在の雑草と共生する独自の方法にたどりついたそうです

秋から春にかけては耕さず、冬の雑草の繁茂するのを待ちます
スズメノテッポウなどが十分育った4月になって水を入れ、最初の代かき
この春草をすき込むことによって緑肥に
「冬水たんぼ」ならぬ「春草たんぼ」と呼ばれる所以です

一回目の代かき後は水を張ったまま夏の水生雑草の芽の出るのを待ちます
出そろったかなという頃あいに二回目の代かき
また水を入れたまま雑草の芽の出すのを待ちます
さらに雑草の芽が出てから三回目の代かき

3回も代かきをすると地表近くにある雑草の種はほぼ芽を出しつくします
そもそも6月になると雑草の種は時期的に芽を出そうとしなくなるそうです
秋までに次の種を作るまで成育できないと分かっているかのようだといいます

6月の声を聞く頃から田植えを開始
苗はポットで50日(!)ほどかけて十分に育成します
慣行栽培の2倍の期間です
イネは苗の状態で成育していますから
田植えが遅くなっても稲刈りも同じように遅れるということはありません

大きな苗を育てることは害虫や病気に負けないようにするための基本
50日も育苗期間を待てるのはポット苗だからこそです
ポット苗はたこ坪状に培土が区切られた中に種を2粒づつ落とし
覆土してから苗代用の田んぼに設置します
育苗中の肥料は基本的には苗代田んぼの土の方にあって
ポットの底にあいた穴から根をだして成育します
Tさんは苗代田んぼには米ぬかを播いているだけだそうです

箱一面に培土の敷かれたところに種を播くマット苗は
培土に肥料分が含まれていて
イネの根がそれを求めて互いに絡み合います
田植え時には絡み合った根を掻き取っていきますので
根が傷みます
ポット苗は根傷みが最低限で済みイネの活着がよいといわれます
マット苗の箱の中には限られた肥料分しかありませんし
苗密度が混んでいますから
あるところまで成育したら苗の成長は限界に達し“老化苗”に
それに対しポット苗は苗と苗の間隔は広いし
育苗中の肥料分は苗代田んぼの中に根をのばせばいいので
十分に苗が成長するまで待つことができます
多くの有機稲作農家がポット苗を採用している理由です

              

と、ポット苗の長所はあるのですが、欠点もいくつか
ポット苗を機械で植えるにはそれ専用の田植え機が必要
もちろん苗箱も播種機も専用となります
慣行栽培から乗り換えるには相応の再投資が必要になります
用水を自由に使える苗代田んぼも必要です
用水の通水が始まる4月中旬以降に播種をすれば対応できますが
Tさんの場合は自家用の田んぼの井戸があるので
育苗中も稲刈りが遅くなった周りの慣行栽培のリズムに合わせなくともよいとのこと

Tさんは害虫、とくにカメムシ対策に田んぼまわりの雑草はそのまま繁茂させ
カエルやクモが生息できる環境を維持していました
イネ科の雑草を残してエサを用意することで
カメムシが田んぼのイネに手を出さないようにしているとのこと
田んぼまわりはひと月に一度ぐらいの間隔で定期的に草刈りを行わねばならず
不安定な場所での作業ですからけっこうな重労働です
それが省けるなら願ってもないことですが
問題は周辺田んぼとの協調
有機圃場ではどこでも問題となります
雑草の種が飛ぶ、害虫発生の元となると周辺農家からのクレームが出ることも
この点、Tさんは10ha近くの稲作経営ということですが
何箇所かにわかれていてもそれぞれがある程度まとまった田んぼを管理しています

すべての田んぼが自家所有地というわけでなく
年数をかけて借用して管理地をまとめてきたようです
兼業化が進み田んぼを借りやすくなったとはいえ
家族も含め周辺から独自な稲作技術を認めてもらうまでは
大変な努力をされたのであろうと推測します

                

田植えを終えたらあとは収穫を待つだけ
3回もの代かきで地表付近の雑草の種を駆逐し
緑肥とした春草が分解するときに発生する有機酸が発芽した雑草の芽を焼きます
さらにこんなふうに水面をウキグサが覆うようになれば
雑草対策は完成
田植え後は一切田んぼには入らないそうです
かえって田んぼ中を歩いたら
土の下の方から草の種が表に出てきて芽を出させることになります

ふつうは田植えをしてから
やれ除草剤だ、やれ草刈りだ、やれ追肥だといろいろな仕事があるのですが
Tさんは田植えでおしまい
あとは水を常時張っておくだけ
なくなったら水を入れるだけ
田植え時も含めて田んぼから水を外にまったく流さないとか
田んぼの肥料分を流出させないうえに周辺の水路を汚染することもない
まったく小コスト、小ダメージの稲作です

できた米はすべて年間契約の“生消提携”
価格も有機米としての流通
肥料は精米したときに発生する米ぬかだけ
農薬費もかかりません
燃料費は慣行栽培と変わりません
井戸ポンプを回す電気量がかさむといいますが
普通でも用水費を負担していますから余計にかかることもないでしょう

販売提携先は近在の方が多いといいます
直接受け取りに来てくれる場合も多いので運送費もかからないとか
一昨年の原発事故の際もキャンセル等の影響も少なかったそうです

自宅前の条件のよい田んぼで思い通りな稲作ができる
面白くてしょうがないだろうなあと羨ましいほどのTさんでした

空からも眺めてみよとホトトギス

2013年06月18日 | アグリママ
久し振りのUP
しいて言えば体力と気力が減退しているだけですが…

今年も先日からホトトギスが右へ左へと声を響かせて飛んでいます
季節を感じさせてくれるありがたいことです

先週の火曜日、一日雨模様という天気予報に促されて
「国際食品工業展」というイベントに出かけてきました
タイトル通り、
“食品製造プロセスのあらゆる分野を網羅した
アジア最大級の「食」の総合トレードショー”
わが家のようなマイクロ級食品加工事業所に参考となるような展示はほんのごく一部で
ほとんどは大手食品メーカーが導入するような食品製造機械が並んでいますが
それも最近流行りのTV番組のような社会科見学のノリで楽しめました

今年の特徴としては過去最大の723社が出展

原料処理、食品製造、包装・充填、計測、衛生対策、物流など
食品製造プロセスの分野がある中で
自動車などの産業用ロボットメーカーから
「省エネ・省コスト」「安全・衛生」「品質向上・鮮度保持」などの課題に対する
ロボット投入が数多く提案されていました

また、少子化の進展や世界規模の流通といったグローバル化に向けて
国際規格認証基準に対応した装置も提案されていました

通常展示以外に各種セミナー、フォーラムも企画されていましたが
そのひとつに「農林水産物の6次産業化に向けての取り組み」と題するシンポジウムも
国策で進めている事業ですから当然、大手メーカーも黙ってみているわけではありません
浮ついた気分で取り組んでいるとあっという間に大波にのまれてしまいそうです

こんな怖い顔した枝があるものか

2013年06月05日 | 梨の虫
今年も一つのナシ畑でハダニの天敵試験をしています
去年も試験をしたのですがうまく天敵が働いてくれず失敗しました

天敵試験ですから殺虫剤の使用が制限されます
正直なもので他の畑では消えた害虫が残っています

たとえば5,6cmはありそうなシャクトリムシ
顔をよくみるとずいぶん怖い顔をしています
外敵の気配を感じたのでしょう
枝の一部になったつもりでピーンと体を硬直させています



後ろ足?でしっかり枝をつかんでいて
引き離そうとすると結局はギロチン状態



他にもこんな毛虫たちも大活躍
いえ、そんな大発生しているわけではありません
たまたま見かけるから写真でも撮っておこうというわけでして

煮詰めればジャム・ソースになるトマトあり

2013年06月02日 | アグリママ
わが家の農産加工所のソース製造加工 部門がようやく始動です
といっても、まだ試作段階。
加工品に興味を示したトマト農家からトマトを提供してもらい
まずはケチャップを何種類か作り、試食してもらっています
反応は上々
近いうちに商品化できそうです

レシピ通りに試作してみたらちょっと甘口に
それだけ生食用トマトは糖度が高いということでしょう
加工用トマトから作るメーカーのケチャップとは
一味違うものになりそう

トマトの他にトマトケチャップが店頭に並んでいたら
それはもう一つの地域の特産品の誕生です