のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

繕いて夜の始まる蜘蛛の糸

2007年07月30日 | ネイチャースケッチ
夕方、オニグモ?が玄関先で大きな巣を張っていました。小さい頃、どのように糸を張っていくのかを蚊をはらいながらよく眺めていたものです。

小学校だったか中学校だったか、夏休みの自由研究(当時はそういう名前だったか)で蜘蛛を対象にしたことも思い出します。たしかどこかに『クモの研究』というタイトルの児童書も大事に取ってあったはずです。

竹ざおの先に針金で輪をつくり、あちこちの蜘蛛の巣を絡めとって捕獲網にして、蝉を捕まえる、なんて遊び、今も伝承されているのでしょうか。

        


ギャオスばかり勢いづく土用かな

2007年07月29日 | 今年の米づくり
田んぼのギャオスことオモダカが繁茂している田んぼが、今年もあちらこちらに見られます。ある程度以上広まってしまうと手の施しようがなく、あきらめの気持ちがわいてきます。一年、作を休んで、除草剤を全面散布するくらいしか手がないかもと思わせるようなところもあります。

今、田んぼの雑草で問題になっているのは、このオモダカと線香のような形をしたクログワイ。どちらも難防除雑草です。除草剤を使っていても生えてくるのです。どの除草剤が効くかというのが、農家の挨拶代わり。農薬メーカーも手をこまねいているわけではなく、新薬を研究しているのですが、でも結果として、先日報告したような薬害?を引き起こす事態も。

どこかで薬と雑草・病菌、害虫のいたちごっこを絶たないと、引き返せないほどの化学成分が農地に蓄積という危惧を訴える方もいます。実際に、長年、畑の除草剤を散布し続けてきたところではコケ以外に何も生えないという話も聞いています。

ただ、だから農薬はだめなんだ、農薬絶対拒否!というふうに短絡的に捉えられてしまうのも困ったことになります。身の周りからさえ余分な化学物質がなくなればよいという自己中心的な考えも困ったものです。

科学的、技術的な解決方法を探るのはもちろん、どのように農薬などの化学物質と共存していくのかというような社会システムの開発も大切な課題であろうと思います。生産者も雑草抑制をただ除草剤に頼るのでなく、他の方法にチャレンジする姿勢が求められています。

なんとなく電力需要と原発開発の議論と似た話ですが、便利さを手に入れた人間が替わりに背負う十字架のようなものかもしれません。

選果機を動かしてみる土用掃き

2007年07月28日 | 梨の出荷
良い天気となったものですから、作業場の床に水を流して清掃、乾いてから選果機を設置。蛍光灯の傘の埃を払い、ローラーの回りを確認。梨の収穫期の初めと最後に行う儀式のようなもの。作業場の雰囲気が一変すると、いよいよという感じになります。

収穫はじめまで、あと1週間でしょうか、十日でしょうか。

写真は、まだ朝露残る稲にとまっていたベニシジミ?熱帯夜でのどが渇いていたのかもしれません。

うどんげ陽炎稲妻水の月

2007年07月27日 | 梨の虫
写真はクサカゲロウの卵だろうと思います。「うどんげの花」という別名もあるとか。「うどんげ」とはインドの想像上の植物で、三千年に一度その花の咲くときは転輪聖王が出現するといいます。

吉兆とも凶兆ともいわれるそうですが、いずれにせよ捕らえがたいもの。梅雨が明けたのか、明けないのか。暑い夏になるのか、ならないのか。今年の夏を象徴しているようです。

この夏のまじ情けない困ったちゃん

2007年07月26日 | 梨の病気
「困ったちゃん」などとふざけていては深刻さは伝わらないかもしれませんが、写真はモンパ菌による罹患樹と思われます。枝先の新梢の伸びを見れば、春までは普通に成長していたことがわかります。

夏になって、乾燥が進んだためなのか、樹勢が急激になくなり、しまいには葉を落としてしまっています。苗木より育てて、さあこれから実をつけて働いてもらおうというような若い樹に多いようです。この夏は何本もこんな感じになっています。

モンパ菌は根部にはびこって枯らします。効果のある殺菌剤はあるのですが、当然、処置された部分だけに効果があるもの。毎年、根域に注入し続けても、その外側に菌が残っていて気を抜くとすぐに罹患してしまいます。畑の土をすべて入れ替えれば、根本的な解決になるのかもしれませんが、無理な話です。

殺菌剤を使わない方法で菌の働きを抑える方法があるという情報があり、確かなのかどうか、見てくることができたならその様子を報告します。

        

困ったちゃん、その2。

わが家の田んぼの一枚の角の部分の様子です。角の畦に沿ってV字型に稲の生育が阻害されています。去年は普通に育っていた部分です。肥料を忘れていたわけではありません。

要因として考えられることは水田除草剤。この田んぼはタブレット状のものを投げ込む除草剤を使いました。投げ込むとすぐに水に溶け、水面を広がります。そのときに、風で角に寄せられて除草剤成分が稲に障害を与えたのではないかと考えられます。

去年も同じ除草剤を使っていたのですが、こういうことはありませんでした。同じ除草剤でも今年は3成分から4成分へ強化されています。難防除雑草対策として成分数を4成分にしている除草剤も多く出回っているのですが、使い方が難しくなっているようです。来年は粒剤の除草剤を使うことにします。

7月24日9時40分ごろファックスされたお客様 (最新ブログは次ページ)

2007年07月24日 | 梨の出荷
今年も梨のご注文をたくさんいただいておりまして、厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。

ご注文内容の誤認を防ぐため、注文書を郵送していただくか、ファックス送信をお願いしておりますが、なかにはうまくファックス送信されない場合があります。

7月24日9時40分ごろに送信いただいた注文書は真っ黒になっていました(写真)。リストの6件のうち5件に○がついています。送信元の番号は記載されていません。注文書上部に大きく「よろしくお願いします」と書かれているのはどうにか読み取れますが、そのほかは不明です。

わが家のファックスの通信管理リポートでも送信元がわかりませんでした。わが家から問い合わせることができません。送信されたお客様は、当然、確実に届いたと思われているでしょうし、わが家では確認することも梨を発送することもできません。

どなたか心当たりのお客様はいらっしゃらないでしょうか。

たまたま、このブログを見てくださるようでしたなら、ご連絡ください。

トンボばかり高みで笑う晩夏光

2007年07月24日 | ネイチャースケッチ
昨日は大暑とは名ばかりの日でしたが、今日は東京でも13日ぶりの青空。夏休みはこうではなくては。

西日本は梅雨明けしたそうですが、関東はまだとか。この予報もはずれてもらいたいものです。トンボもまだほんとうの元気がでないようで…

        

タイトルの元句は「富士ばかり高みで笑う雪解哉」(一茶)

霧降りぬラニーニャ嗤う夏休み

2007年07月21日 | 夏の梨畑
地元の県の農業指導機関から低温情報が流れてきました。

7月8日から18日の最高気温の平均は24.4℃。平年の27.5℃を大きく下回っているといいます。7月の積算日照時間も平年の38%(我孫子市のアメダスデータ)。確かに涼しい日が続いていますが、実感としてはこれほどとは思っていませんでした。

         

今日も午前中は霧雨模様。まだ近くでウグイスやホトトギスの鳴くのが聞こえます。ラニーニャで暑い夏になるといったのはいつでしたっけ。

この低温で問題となるのは豊水ナシ。この時期に低温に見舞われると、みつ症が多発することが知られています。みつ症とは果肉の細胞壁が破れ、透き通ったような状態になる生理現象で、商品には適さない実になってしまいます。各部分の成長のバランスが阻害されるというのは、幸水の裂果と同じような現象でしょう。

平成15年にもみつ症は多発したのですが、そのときの平均気温が24.5℃。今年はさらに低い温度になっています。最悪の場合には半分以上が重症果になるという予測もできるそうです。春から暖かく、順調に生育してきたかのようですが、やはり暖冬の年は冷夏になるのでしょうか。

それでも、ナシは大きくなっています。定点観測してきた実も横径が80mmを超えてきました。一日1mmの成長です。こういう年は幸水や新高が豊作になってくれるのかも。

虫ありて食めば緑も夏羽織

2007年07月19日 | 夏の梨畑
このひと月ほど、ナシ畑で殺虫剤を抜いてきました。

一時は新梢にアブラムシがびっしり付いていましたが、いつの間にか消えていました。天敵であるテントウムシの幼虫もたくさん出てきましたし、梢が緑化してアブラムシにとって旨みがなくなったからかもしれません。

作業のあいた畑などでは、クモもいたるところに細い糸で網を張り巡らせていて、向かう方向に手をかざしながらでないと動けないほどです。

益虫ばかりではありません。

畑によってはハマキムシが大発生しています。ハマキムシ対象の性フェロモン剤を設置してあるというのに…です。ハマキムシというのは蛾の幼虫が葉を重ねて巣をつくり、場合によっては果実の表面を食害する害虫です。メスのフェロモンを人工的に合成し、交尾阻害して幼虫を増やさないようにするというのが性フェロモン剤という環境に優しい「生物農薬」。効果のでる環境が限られているようです。

樹上選果作業をしていると、ときどきチクッて手の甲あたりに痛みを感じることがあります。そのうちに赤く腫れることもあります。毒棘を持ったケムシでもいたのでしょう。

上の写真もドクガの一種、イラガの仲間(クロシタアオイラガ?)でしょう。幼虫の通った部分はほんとうに皮一枚にしていくのですから、まったく見事なものだと変なところで感心してしまいます。

やはり、来年はこの間にも殺虫剤を入れましょうかねえ。


梅雨寒に濡れし実選る二十日前

2007年07月17日 | 夏の梨畑
冷たい東風(やませ)が入り込んだということで、肌寒い一日でした。そしてまた、台風だ、地震だと騒がしくしている間に、幸水ナシの収穫までひと月を切りました。

ナシ畑をまわっていると、破裂したように割れた実が見られます。裂果と呼んでます。幸水ナシでは、毎年、いくらかは見られるのですが、今年は近年になく多い。例年には見られない豊水ナシでもありました。この時期に実を摘むのは摘果とはいわず、樹上選果といいます。収穫時の作業を楽にする大事な作業です。

裂果は果皮と果肉の成長バランスが崩れておこる生理現象でしょうが、いろいろな要素がからんで結果として樹勢が悪くなっているといえるようです。

今年はどうかと考えますに、春からの乾燥状態が大きく影響しているのではないでしょうか。早く開花したものですから暦の上では生育もよく、つい欲がでて着果数も多くしてしまったことからも、樹勢を弱めてしまったのかもしれません。

いずれにせよ、実を大きくし、美味しくもしてくれるよう、早く梅雨が明け、暑い夏がきてくれることを願うこのごろです。

はたた神明日はわが身の火事おやじ

2007年07月16日 | わが家の時時
九州から東北まで太平洋岸に浸水や土砂崩れの災害を招いた台風4号がようやく去っていったと安心していたら、今度はまた日本海側で地震です。過疎地域にだけ、どうしてこうも天災が続くのか。ただでさえ経済的に疲弊しているというのに、いかにも不公平でしょう。願いたくはないものの、いつか首都圏でもと心配になります。

          

台風一過の澄んだ空気の中に筑波山がはっきりと見えました。「はるかな富士よ、筑波は間近…」おっとこれは、わが母校(高校)の校歌でした。わが家の近くからもどちらの名峰も覗うことができます。

筑波山の上には変わった雲が南東から北西へ…。もしかして地震雲だった?

大風も大雨も知らぬ栗ひとつ

2007年07月15日 | わが家の時時
7月に日本を襲った台風としては過去最大級といわれ、九州や千葉でも房総半島の方で被害を出した台風4号が過ぎていきました。

数日前から沖縄や九州での大風、大雨の様子が映像で届けられ、いろいろな情報でも気をつけてとおふれが出され、これは大変だと身構えていた一日でした。ちょっと強い東風が吹いて、庭のトウモロコシがなぎ倒されました。さあこれからかと思っていましたが、すぐに収まり、もう房総沖を過ぎていってしまったといいます。これから吹き返し風が強まるかもしれませんが。

被害を受けられた地域、方々にはたいへんに恐縮ですが、わが家は無事です。

台風が過ぎてから庭に出てみると、青い栗の幼果が落ちていました。