のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

今の間にわが世の春を楽しまん

2011年04月29日 | 春の梨畑
             

花も散りミツバチも疎開してさあ防除という時に
連日強風が吹いています
先日の竜巻を伴う雷雨のようなこともあります
近年は天候が荒くなってきているようで
だんだん農業もやりにくくなってきました

気温も低い日が多いものですから
ナシ畑の虫たちもまだおとなしいなあと見ていたのですが
さすがにこの時期になりますと
アブラムシやシャクトリムシが目立つようになりました

出芽からこの時期まで殺虫剤は使っていないのですが
致し方ありません
害虫の密度は抑えておかねばなりません

病気は予防で 害虫は姿をみてから

葉が千切れ穴開く心地また今年

2011年04月25日 | 春の梨畑
             

             

お昼過ぎ 黒雲とともに雷鳴がとどろき
風と共に小さな氷粒が降ってきました
降っている時間は短かったのですが
一瞬 あたりを白く染めました
氷の粒は大きいもので5mmぐらいでしょうか

すぐに雨が降ってきて氷をとかしていきました
風雨は1時間ほどで去り
また午前中と同じような青空が広がりました

ようやくナシの花の交配が終わって
さあ明日からでも多目的防災網を広げようかという時です

去年は4月17日の降雪の際に雹も降ったようで
ナシの実が肥大するにしたがってその傷も大きくなったものです
まだ花の時期の降雹も大きな被害が出ることを知りました

市内の一部では竜巻もあったようです
竜巻がこちらに来なかったのは幸いですが
また今年も気の重い収穫期になりそうです

曲者の入る隙ありわが大地

2011年04月24日 | 農のあれこれ
ここ数年 自家製ぼかしの材料として
野田の生産者から直接くず大豆を分けてもらっています

発酵菌が張り込みやすいように
大豆を粉砕機にざっと通している時に気がつきました
黒い小さなアサガオのようなもの(左側)と
とげとげのついたラグビーボールのような形をしたもの(右側)と
見慣れぬ種のようなものが混じっています
去年までなかったかどうかはわかりません

アサガオのような種は最近はびこっている外来種のものでしょうか
小さく固いものですから粉砕機を通してもそのままの形で出てきます
とげとげのものも外皮がたいへん固く
粉砕機を通しても少し変形するくらいのまま

どちらもあまり見かけぬものですから
外来の雑草の種でもあるのでしょう
転作して大豆を作っている田んぼでは難防除雑草になっているのでしょうねえ


災いは地震原発寒なおと

2011年04月20日 | 春の梨畑
写真一週間前の様子
ライムギが伸びてきて作業をするのに邪魔なので
いつもなら刈るところ押し倒してみました

ところがまだ成長期にあって時期が早すぎたようで
一日たったら起きだしてきました
穂がでるくらいになれば倒れたままになったのかもしれません

ライムギを押し倒した理由は
刈り取り用アタッチメントをつけるトラクターの都合で
田んぼ用に車高が高くなっているのを下げて
ナシのあとにまた田んぼ用に上げなければならないとか
刈り取るとライムギのひこばえがでてナシと養水分の競合をしてしまう
のを防ぐという話があったりとか

もうひとつ 寒さ避けにはどうだろうかと考えてのこと

裸地の場合は日中直射日光で温められますが
夜間地表熱が放射しやすいはず
ならば刈り取って枯れた草で地表を覆うのがいいのか
生きた草で地表面に空気層をつくるのがいいのか
たしか生きた草の方が冷めにくかったというデータがあったような…

というのも
少し暖かい日があったかといえば
昨日のような冬のジャケットを持ち出さなければならないような日もあって
今日も北関東では霜が降りる気温になっていました

なにしろな花の時期はいつもびくびく
そのうえ今年は地震も怖いし原発も怖い
なお寒波も怖いというわけで「災いは地震原発寒なおと」

これほどの花の咲かない春もある

2011年04月17日 | 春の梨畑
去年の今日は雪が降っていました
今年はここ数日暖かかったものですから
「新高」から「幸水」まで一気に咲きだしました

ハチたちも大活躍していますから
交配の心配はないかもしれません

             

以前 原発近くの浜通りの
生産者組合の方々が視察にいらっしゃったことがあります

あちらでも花が咲きだしたでしょうか

こんなときこんなことだから大胆に

2011年04月15日 | ネイチャースケッチ
ナシの花だけでなくアケビの花も今を盛りに咲いています

上の写真は雌花でしょうか
こんな形の実です

            

こっちが雄花?
今年も結実の秋が楽しみです


それに比べこの国は実を結ぶ方向に歩み出しているのでしょうか
原発事故拡大の不安に加え
日々伝えられるリーダーたちの言動が一層苛立ちを覚えさせているようです

そんななか
昨夜のCSでK野太郎氏が脱原発は可能という持論を展開していました
2050年までに脱原発する技術的問題はない
経済的問題もクリアできるであろうと

たとえば秋田県は県内で発電できないので
県内で生産している“あきたこまち”で稼いだ総額をほぼつかって
県外から買電しているとか
それをたとえば風力発電機を県内に千基程度つくって賄うとしたら
県内の銀行が無駄に国債を買うようなことで資金が県外流出することなく
県内に投資する対象となって
電力の自給だけでなく資金が地域内循環する仕組みができる

あとは国民がそういう選択をする政治的問題だと

MCがあなたの所属するJ民党内に
脱原発の考えを指示してくれる政治家はいるのかと問うと
私は異端児ですからという寂しい答え

たしかにこんな状況下でも
T電社長がこんなことを言い出す
九州の原発立地町長がこんなこと発表する
の言いたい放題

新潟県が節電実証実験をして目標を上回る結果を出している
ことからわかるような現状の国民感情をきちんとくみ取っていての発言なのか
『国民は超一流 政治家は…』と海外メディアに揶揄されるのもさもあらん

こんなことになってしまったのだから
被災地復興でもこれまでできなかったようなことができるのだから
地域の大勢が抜本改革をと考えているのだから
まやかしはいいかげんにして
子供たちに明るい未来を見させてください

リスクおし新しき国つくるのみ

2011年04月14日 | ネイチャースケッチ
午前10時前 ナシ畑にて分蜂塊発見
手賀沼トラストミツバチプロジェクトリーダーと連絡つかず
されば昔一度だけ養蜂業者が素手で段ボール箱に
そっくりかきとった様子をみたことを思い出し
用意してあった巣箱に直接導入せんとす

            

悲しきかな
初めての経験なれば塊の半分のみかきとれ巣箱に入れたたものの
残りは飛び散りふたたびナシの幹下側に塊をつくりて

はたして女王蜂は巣箱に鎮座せしかわからないまま
巣箱下方の出入り口を広く開け
プロジェクトリーダーより預かりし“蜜蝋”をおいて様子をみんとす

            

12時過ぎ
ナシの幹下の塊が消え蜂が盛んに巣箱を出入りしている様子なれば
これはこれは巣箱を新たな居住地として認めてもらえたのかしらんと

本日の段階では分蜂確保に成功したようだが
まだ確実なるかは不明なればしばらく観察せむ
明朝には空箱だったりして


分蜂というのは
女王蜂が後継女王蜂を育成したのち
安定した既存の居住巣とえさ場を後継女王蜂とその配下の働き蜂に譲り
リスクを承知で新天地を探しにでている姿とか

蜂は子孫繁栄のためにわが身を捨てることができるのに
人間は脱原発の新しい世界へ踏み出すこともできないのでしょうか

今年また花冷えなれど去年よりは

2011年04月13日 | 春の梨畑
今朝は霜が降りました

むかしなら防霜用練炭でも焚いて夜明けを畑で迎えたところですが
しばらく霜害を経験していないものですから
朝起きて「あっ霜だった」と
これも気候温暖化のおかげでしょうか

上の写真は「あきづき」の開花
「豊水」と比べると葯の色が淡く全体的に白っぽく見えます

            

こちらは「幸水」の蕾
あと2,3日で開きそうです

つくつくし水面たゆたう薄日かな

2011年04月10日 | 今年の米づくり
昨日の前線の雨は箱根の山を越えて来られず
北関東と房総方面の二手に分かれて過ぎて行きました
雨を待って田んぼの畔塗り作業をと予定していたのですが
空振りです

それでもナシの花が咲きだし
そちらの作業も待ったなし

カラカラに乾いた畔に水を蒔きながらの
力づくの畔塗りも見事に空振り

自然の雨にはかないません
天に逆らう非力さが身にしみました


タイトル元句 <古草にうす日たゆたうつくしかな>竜之介

勢いで開いたものの友はなく

2011年04月09日 | 春の梨畑
昨日の新高に続いて
このところ暖かい日もあったためか豊水も開花です

一気に多品種が開花すればナシは異種交配しますから
交配作業に気を使わなくてもいいのですが
まだ少し寒いんでしょうか
ハチや虫たちの姿が見えません

暖かくなるならもう少し暖かくなってほしいものです

花咲けば花摘め実着け天仰ぐ

2011年04月08日 | 春の梨畑
ここ数日の暖かさで新高ナシの花が咲き始めました
さあこれから蕾を摘んで雄蕊から花粉を取り出し交配をして
実が着いたら着いたで実を摘んでと待ったなし

作業に追われるだけでなくこの時期は人間でいえば“胎児”
ちょっとした環境の変化にも影響を受けます

去年の新高の開花はは4月4日でした
寒い雨模様の日が続いて終いには花が咲いているところに雪でした

今年も先日まで寒かったり不安定な天候傾向です
せめて天候だけでも心配の種にならないようお願いしますよ
まったく

冷やすため燃やし続ける棒もある

2011年04月07日 | わが家の時時
ナシとコメの春作業開始を待っている間
できれば気分転換に温泉でもと言いたいところですが
今年もいつものように薪つくり

敷地境の樫と杉の大木を切ったものですから
ナシの幹と合わせると例年の倍以上の薪の量となりました

こんなに薪を積んでおいてどうするのなんてこともいわれるのですが
長年積んでおくと薪も劣化して火力が落ちることはあっても
無駄になることはありません
この震災後の節電時でも薪ストーブは大活躍

              

こちらは明治42年生まれのわが家の初代が
20年ほど前に薪にして積んでおいてくれたもの

時は昭和の初め 燃料と言えば薪炭
新たに興した家には燃料となる枝葉や薪を集める山林はなく
人の目を盗むように他人の所有林からもらっていたといいます
いつか大手を振って燃し木を得たいものだと考えていたそうです

その後運よく薪炭林を入手して家の経営を二代目に譲ってからは
薪作りが初代の冬仕事となっていました
写真の薪は晩年の作品
薪の長さも太さも揃っています
腰が曲がったまま斧を振りおろしていた姿が思い浮かびます

薪作りは4代目にも手伝わせています
木材をそのまま朽ちさせるのは“もったいない”
なんでも薪にしておくのはわが家の家訓だと

使用済み燃料を別の燃料をつかって
しかも数万年という単位で管理しなければならないどこかの“棒”と違って
こっちの“棒”はいつまでたっても再生可能なんだから

コブシ咲きモモにサクラにナシ続く

2011年04月06日 | 春の梨畑
本日 東京で桜の満開宣言
ナシもあと数日で咲きだしそうです
(写真は豊水)

今年の交配事情に少し変化があります
これまで花粉の増量剤として利用してきた資材が逆効果だったことが判明
新しい資材が登場しています

もうひとつは溶液花粉の登場
去年の交配時期が悪天候で交配作業に苦労したこともあり
雨の日でも気温が低くても作業ができるという触れ込み

当地区にも業者が売り込みに来ていて
果樹組合で試験をしようということになりましたが
純花粉を使用しなければならないとか
専用の散布器具がまだないとか
今のところあまり芳しい評価はないようです

純花粉は中国からの輸入物が多いのですが
先年の輸出停止騒ぎがあって純花粉を使う生産者が少なくなっている
という話も聞きます

わが家では
多少の露があっても粗花粉であっても交配作業のできる器具
去年からつかっていますので
どうしても斜に構えた評価になってしまいます

この夏は暑いか寒いか種に聞く

2011年04月05日 | 今年の米づくり
今年も米作りが始まります
10年目を迎える消費者自身による米づくり“納得米プロジェクト”にも
8人の方に参加いただきます

先日の日曜日
いつものように比重1.13で選別されいる購入種子を
さらに比重1.17で塩水選しようとしたのですが
大部分が浮いてしまい昨年夏の猛暑を思い出しました

震災の影響で用水設備の不具合が気になるところですが
最新の情報ではどうにか補修工事が間に合うとのこと
それはそれで一安心ですが
ここにきて放射性物質汚染が現実の問題になってきました

放射性物質が降り積もった表土を耕うんしない方がいい とか
抜本的解決には表土を入れ替えるしかない とか
ヒマワリが放射性物質を吸収するっていったって
そのヒマワリの処分はどうすんの なんて
有象無象とはいわないけれど雑多な情報が飛び交っていて
評価が落ち着くまでもう少し時間がかかりそうです

食品衛生法の暫定規制値が問題になっていますが
現状の規制値を見直すことはしないという方針が出されたようです
生産者からすれば規制値を緩和してほしいと思うところですが
より厳しいレベルで規制しているのですから
過度に心配することはないですよというメッセージにはなるとも思います
もっとも
暫定規制値の意味合いをより広く伝えて行かないと
そんなメッセージも伝わりません
どうも“暫定”という言葉がイメージを悪くしている気がするのですが


最近ネット仲間から伝わってきた
放射性物質拡散予測サイト

要は自分でデータを見て判断しろということですかね