のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

網の始末

2005年10月31日 | 今年の梨づくり
10年ほどナシ畑を被ってきた多目的防災網を交換するために廃棄作業をしています。

畑全体を被うためには何枚かの網に分かれているのですが、大きな畑ですとひとまとまりの網が8m×100mぐらいになります。棚の上にあげる際にはナシ仲間のお手伝いを願うのですが、下ろす時は切り刻んでまとめた時に抱えられるくらいにします。

廃棄網はかつては剪定枝といっしょに焼却していましたが、今は定期的に組合でまとめて処分事業所へ持ち込んでいます。もちろん費用がかかります。

購入する時に費用がかかり、毎年の棚上での開閉でも手間がかかり、処分する時にも費用がかかる防災網。消耗品のようなものですから経費負担も大きいものです。主に雹害対策の「保険」とはいえ、できれば省略したいものです。



またまたキノコ

2005年10月30日 | 今年の梨づくり
今年の10月は雨降りの日が多く農作業の後始末が遅れています。今は仕方ないかなんてのんびり構えていられるのですが、きっと後でしっぺ返しがあるものです。

雨が多いためか、これまで見られなかったナシ畑でもキノコがみられます。10月10日に報告したキノコとも違う種類のようです。

キノコはこうじ菌や乳酸菌で分解できない有機物を分解し、地力の本質を形成する物質リグノタンパクをつくるといわれています。リグノタンパクは非常に壊れにくい貯蔵庫のようなもので作物健全生育に一番大事な真性腐植酸を保ち、植物の必要な時に潤沢に供給する役割をするそうです。永年にわたり土壌環境の浄化と肥沃化物質として働くといいます。また、キノコは死物寄生菌で、活物寄生菌である農作物に被害を与える病害を抑制する拮抗作用が働くともいわれます。(『現代農業』2005年9月号P60)

こんないいことがあるといわれているものですから、キノコを見つけるとつい写真に撮ってしまいます。

ナシは大事な隠し味

2005年10月28日 | わが家の時時
NHKBSで放送されてきた韓国ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」が昨夜で終わりました。わが家の母が夏に放送された前半の総集編でナシを料理に使っている場面をたまたま見たのがきっかけでそれからハマってしまい、ナシ出荷の最盛期でも木曜夜10時には夫婦でテレビの前に座っていました。

陰謀うずまく宮廷で料理女官、女医としてひたむきに生きる女性チャングムのサクセスストーリー。韓国版「おしん」という評も。ドラマ前半は料理対決、後半は医術と、健康志向に同調したこともヒットした要因か。韓国では50%近い視聴率を記録したとか。そのストーリー展開もさることながら、わが家の父は登場する韓国の女優さんたちのきれいなことに目を奪われていました。

韓国料理には果物が欠かせないようで、冷麺にはナシが添えられ、ナシの自然の甘味がキムチの味をまろやかにしてくるそうです。ナシには肉のタンパク質を柔らかにしてくれる働きがあって焼肉のタレにも使われています。韓国では一年中料理の材料に使うためナシを冷凍保存しているとか。日本でもナシを料理に使ってもらえると、消費量も伸びるのでしょうが。

こんどはチャングム役のイ・ヨンエ主演の韓国映画『親切なクムジャさん』(11月12日より)を見るんだと、わが家の母は騒いでおります。哀しい宿命、涙、復讐、美しい主人公、・・・これって韓流映画の王道? 次に見るのは『ALWAYS 三丁目の夕日』じゃなかったっけ。


すっぱいミカンはいかが

2005年10月25日 | ネイチャースケッチ
わが家に1本だけ温州みかんの木があります。霜除けの竹をかぶせるくらいで何の世話もなく、毎年、いっぱいの実を着けてくれます。もちろん年によってはカイガラムシやカメムシの被害もありますが、自家用にするには何の問題もありません。無農薬、無肥料のみかんです。

近所で庭先の10a以上の畑にみかんの木を植えているうちがあって、近所や知り合いに配り切れないほど収穫できているそうです。埼玉県でも水田の転作でミカンを植え、もぎ取り園になっているというニュースも聞きました。わが家も冬の小遣い稼ぎにみかんでも植えてみましょうか。

昔のような酸っぱくてちょっと甘いみかんはお好きですか。無農薬無肥料栽培ですよー。甘くなるように研究はしますから。

ハヤトウリの収穫

2005年10月23日 | わが家の時時
ハヤトウリという野菜はご存知でしょうか。つる性の植物で10m四方にも広がり、次から次へと実を生らせていきます。「センナリウリ」という別名もあながち的外れでないように思えるほどです。

中国では佛手瓜(fe shou gua )と呼ばれ 縁起物として贈り物によく使われているそうです。大正時代に鹿児島に伝わり、薩摩隼人からハヤトウリと名づけられたそうです。ぱりぱりとしたその歯ごたえに特徴があり、多くは漬物として食べられているようです。

実の中にたった一つの種があって、実ごと土のなかに埋めるだけで、あとは何の世話もいりません。作り方の簡単な野菜ですが成長力の強い野菜ですから、広い場所、しかも棚がないと手に余ってしまうでしょう。

わが家では数年前から育てています。木陰になる梨棚に這わせてもどんどん伸びて、どんどん実をつけます。梨農家の利点を生かして、道の駅直売所ではちょっと稼がせてもらっています。

アジア学院記事

2005年10月21日 | わが家の時時
本日10月21日の朝日新聞夕刊一面でわが家の長男が研修中のアジア学院が紹介されています(ニッポン人脈記「世界の貧しさと闘う」⑤)。

「命を支える食べ物を自分たちで生み出す。人と人が、人と自然が共に生きる意味を学んでほしい」「大切なものを大切にする。あたりまえだ。大切なものは何か。いのちと食べ物だ。あたりまえに生きる道を学ぼう」・・・創設者高見敏弘さんの言葉には響くものを感じます。

長男の研修レポートがわが家のHP「桜ヶ丘通信」で月に2回更新されています「あたりまえの生活!アジア学院に集う人たちは、今日も早朝から畑で汗をかく。」という記事の結語がぴったりの生活の様子が思い浮かんできます。

指導農業士認証

2005年10月21日 | わが家の時時
本日、県庁で副知事より千葉県指導農業士認証状をいただいてきました。指導農業士って何という方が多いと思いますが、農業後継者育成のために世話を焼く農家を県が任命する制度のようです。毎年、県下から20名づつ選ばれていて、今年で29回目、580名の農家が終身認証されています。わが家の父の認証番号は561。

これまでも農林振興センターの後継者育成セミナーの視察を受け入れたり、県農業大学校学生の農家研修を受け入れてきましたのでやることは変わらないのですが、これからは遠慮なく県が依頼できるということ?

以前、わが家で条件の良い農地交換の話が出た時に、曾祖父母が「あそこの土地はぜったい人手に渡してはならない」とかたくなに反対したそうです。若い時の自分達がやせていた土地を豊かな土にするのにどれだけの労力をつぎ込んできたかをわかって欲しかったようです。農業をしていると農家の財産は「土地」ではなくそこの「土」だなあと思うことがしばしばあります。それを生かすのが現役のわれわれであり、それをまた次の世代が引き継いでいってもらいたいと考えるのは至極当然に思えてきます。

血の結びつきの有無に関わらず後継者がいるかどうかは、現役世代のやる気に影響します。農家のやる気が萎えてしまうのが農業最大の危機です。後継者育成に興味をもつのは、単にある程度年を重ねると若い人に教えたいことが多くなるからばかりではないのです。

老籾摺機復活

2005年10月20日 | 今年の米づくり
手賀沼周辺の農地、林地を市民の手で保全、創造しようという手賀沼トラストでは、今年も体験水田で赤米、黒米と呼ばれる古代米を栽培しました。野生種に近い米ですから栽培そのものは比較的楽なんですが、問題は調製です。

特に籾摺り工程がネックでした。古代米の色づいた玄米が機械に残ってしまうと、主品種のコシヒカリに混じってしまう危険がありますので、現役の籾摺機は使えませんでした。それでこれまではあちこちのお世話になっていたのですが、手間がかかるし肩身が狭い。ならばということで、わが家で眠っていた旧式の籾摺機でうまくいくか試してみることにしました。

プロ用の機械ですので、少量の古代米を処理するのに適しているか心配されましたが、思った以上に上手くいきました。これまで一日以上かかっていた作業が半日で終了。これなら古代米の籾摺り作業を請負えるのではなんて冗談がでるほど。

処分されるのを待つだけだった老籾摺機がよみがえった記念すべき日でした。

ぎんなん拾い

2005年10月18日 | ネイチャースケッチ
わが家から近い観音様の鎮座する庭いっぱいに銀杏が落ちています。以前は行商にいく近所の人たちが競って拾い集めていたそうですが、最近は拾う人も少なく、住職も高齢になって世話ができないということでしたので、雨の中、掃除を兼ねて銀杏拾いをしました。拾ってはきたものの、大量の銀杏です。さてどう効率的に調製しましょうか。

バケツ稲の切り株

2005年10月17日 | 今年の米づくり
穂を刈り取りバケツに残った稲株(写真は10月2日撮影)は今年はそのままにして年を越そうと考えています。ぬかを撒き水を溜めて冬を越す。つまり冬期堪水田んぼをバケツで再現できるか試験してみようというわけです。

冬期堪水田んぼはここ数年、有機稲作で注目されている技術で、微生物が働き有機物を分解し野鳥を呼び込むことで雑草を抑制するといわれています。そういう効果がでるような土づくりができるには数年かかるでしょうが、来年春には不耕起で苗をまた移植してみたいと計画しています。

しかし、世の中にはいろいろな学説というか考え方があるもので、ミミズと育土を研究している愛媛大学教授中村好男さんは「冬期に水が入るとせっかく活躍しようとしているミミズたちががんばれなくなってしまう。むしろ土にとっては二毛作にする方がよい」と日本有機農業研究会の全国大会で講演しています(機関誌『土と健康』no.370 2005.4,5月号)。どっちが正しいかではなく、適地適作と考えたいと思います。冬期堪水できないわが家の田んぼは中村さんの説でいきましょ。

バケツ稲の収量

2005年10月16日 | 今年の米づくり
バケツ稲は刈り取ったまま乾燥させていましたが、ようやく収量結果を確かめてみました(写真は右から1本苗、2本苗、3本苗の籾全量)。

今年は4つのバケツを用意し、1本、2本、3本、4本の苗を移植しました。土の量、肥料等は同じ条件にしました。皆順調に成育しましたが、9月上旬、4本苗のバケツを干涸びさせてしまい、うまく登熟できませんでしたので収量は参考値です。穂の数と籾の重さ(不稔の籾を含む)を計測しました。それぞれ1事例ずつの値ですので、苗の固体差も考慮してください。

1本苗の穂の数74本、全籾の重さ146g。2本苗の穂の数97本、全籾の重さ158g。3本苗の穂の数111本、全籾の重さ202g。4本苗の穂の数90本、全籾の重さ148g。

一本には大きな穂で充実した籾が150粒以上、不稔籾の多い穂で5、6粒。平均して100粒とすれば1本苗で7400粒。まさに一粒万倍。

この結果から苗の本数を増やしても必ずしも収量は上がらないという仮説をある程度裏付けられたとは思いますが、逆に予想外だったのは2本苗の結果が比較的悪かったこと。最後まで葉がしっかりしていた稲の姿からはもっとも良い結果を得られるのでは思っていました。

収量の最大化を目指すと、苗の本数や株数を増やすことになり、農薬に頼らざるをえなくなります。病害虫に負けないか、食味はどうかなどを考慮すれば、現在取り組んでいる2、3本の苗を粗植する米づくりで間違いないと思っているのですが。