「農産加工所かしわかあさん」はわがやの母の“お城”。加工所の営業者となって4年、加工場を立ち上げ、各種機械の取扱いを覚え、商品を開発、製造して、今年は売ることにチャレンジします。
梨の加工品も8種類になりました。ジャムが2種類に、ドレッシング、焼肉のたれ、梨入りパウンドケーキ、蒸しパン、ソフトクリーム用ジャム、パン用ダイスカット。これらの原材料として利用している梨は、宅配の箱にも直売の袋にも入れられないC品、キズついたり、落下したりしたもの。傷ついていても家族が日々汗を流して育てた梨はかわいい子どもたちです。さらに手をかけて目をかけて作った加工品は目に入れても痛くないかわいい孫たちです。
「朝市で買ったのだけど…」「S百貨店で買ったのだけれど…」どこのお店で売っているのですかって、ときどき直接お客様からお問い合わせがあります。商品のラベルに記載された連絡先を見てわざわざ連絡をいただいたことをうれしく思う一方、柏駅近くで月1回開かれている朝市もS百貨店もたまたまの販売です。より広い販売先を考えなければいけないなあ、と。
現在、道の駅しょうなん農産物直売所と農産物直売所かしわでの2箇所が常設の販売店です。次の一手(一店)を考えて営業をかけるのでしょうが、むやみに動いても…。そこでまずは「知ってもらう!」ということで『ちばの食の逸品2016』コンテストへチャレンジしました。
『ちばの逸品』は千葉県産農林水産物の加工品で埋もれた逸品を発掘し、これに光をあて、商品力の向上や販路拡大を支援することを目的としたもの。商品を特徴づける原材料は100%千葉県産であることが条件です。梨加工品は大いに参加に値すると思い、応募を思い立ちました。
昨年秋から予備審査(書類審査)、1次審査(一般審査員による食味審査)を経て、わが家の“かわいい孫たち”も幸い1月20日の最終審査に残りました。
食のプロの面々にどう評価されるか、審査員のかたがたとのやり取りの中で今後へのヒントが得られるのではないか、そんな期待を持って出かけました。
審査のポイントは①千葉県らしさがあるか、②原材料・栽培・加工の方法等に特徴があるか、③パッケージデザインは優れているか、④販売ターゲットの設定と商品は合っているか、⑤食味が優れているか。千葉県の梨は、栽培面積、収穫量、産出額ともに日本一ですからポイントの①と②については問題なし。⑤の食味についても、一般審査員の試食では一定の基準はクリアーしています。あとは審査員の皆さんのおこころのまま…。
今年の最終審査に残ったのは、(1)たまご農家の作ったプリンと卵焼き、(2)九十九里の海水から作った塩、 (3)養豚農家の作ったソーセージ、(4)無農薬のコシヒカリの米粉で作ったケーキ、(5)わが家の梨で作ったジャムの5点。いずれも生産者がこだわりを持って作った原材料を自ら加工した商品。商品への思い入れはみんな同じです。パッケージデザインと販売ターゲットの設定、これが課題だぞとまず思いました。
審査員の方々からは次のようなアドバイスをいただきました。「千葉県の梨は日本一でこの商品ならどこへも営業できる。とびこみ営業でがんばれ。」「販路を広げるとき価格をどうするかよく考えたほうがよい。地元の直売所での販売価格とはちがいます。」
やるっきゃないですね。
審査結果は1週間内外で届くとのこと。上位入賞した商品については、入賞後1年間以下のような支援がされます。1.PR機会の提供(マスメディア等への商品情報提供、千葉県の県産品PRサイトでの紹介、千葉県PRイベントへの優先参加)、2.販売機会の提供(イベント等への優先出展)、3.商品力向上のための助言等の支援。これがあれば営業しやすくなります。
良い知らせがくるにせよこないにせよ、自分でハードルを選んでチャレンジしたことに無駄はないはずです。(by sa)
(2016年1月)