のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

みな人の迷いの海は深くとも法(のり)の船にて渡す岸寺

2011年06月30日 | わが家の時時
2011年夏の滋賀・福井紀行その3

長浜から宿泊地の越前海岸へ向かう途中で寄り道
旧高月町向源寺(渡岸寺観音堂)の十一面観世音菩薩を拝観します

平安初期の作といわれ
均整のとれた体と胸部や大腿部の豊かな肉取り
腰を捻り片脚を遊ばせた体勢など
数ある十一面観音のなかでももっとも美しい観音様といわれています

十年前の2001年に一度拝観しているのですが
お堂が新しくなっていて
観音様のイメージが少し違ったような気がしていました

たまたま居合わせたご夫婦はもう十回以上も訪れているといい
やはり新しいお堂の照明が気になるらしく
管理人に照明の明るさや向きに注文をつけていました
二人は正面で正座ししばらく観音様と対話しているようでした

戦国期 浅井氏と織田氏の戦場になった時には
住民が観音像を地中に埋めて難を免れたともいいます
旧高月町や旧木之本町を中心とする湖北一帯は「観音の里」とも呼ばれ
この地域だけでも50体を超す観音が安置されているそうです

そんな歴史があるからか周辺の町並みは落ち着いた雰囲気が醸し出され
ゴミひとつ落ちていません
家々の屋根の色も壁の色も調和され電信柱の広告も見あたりません

             

湖岸を車で走っても落ち着いた自然景観が続いていました
たしか滋賀県では景観条例が早くから制定されいましたので
その成果が現実の姿として定着しているのかもしれません

手賀沼を囲む柏・我孫子地域のひとつのお手本が
ここにあるような気がします


タイトルは渡岸寺のご詠歌
写真は宿泊地の越前海岸から対岸の丹後半島を見たときの夕景

波枕今日は今津か長浜か

2011年06月29日 | わが家の時時
2011年夏の滋賀・福井紀行その2

長浜は豊臣秀吉が初めて一国一城の大名となったところ
今年の大河ドラマでも舞台となっていて
街中は“お江”ブーム真っ盛り
「江・浅井三姉妹博覧会」と銘打って
まわりの史跡周辺にもパビリオン会場を設けて
シャトルバスまで用意してお客様を迎えていました

商売上手 さすが長浜です

長浜といえば
秀吉由来の神社仏閣のほか北国街道や豪商民家といった歴史的資産を
黒壁スクエアという観光資源にした町並みで有名ですが
あまのじゃくなものですからそういうところはパスして
旧長浜駅鉄道資料館前のちょっと地味な?「慶雲館」という国指定名勝へ

この建物の由来がすごい

明治天皇が京都行幸の帰路に船を利用し長浜に上陸される
との報が入ってから3ヶ月余りで
地元の豪商が私財を投じて作ってしまったといいます

           

本館2階の照明器具は梅の花を形どっていて
明治とは思えないハイカラなデザイン

            

庭園も近代日本庭園の先覚者と呼ばれる造園家の手によるもので
枯山水のある日本庭園でありながら芝生を使った斬新な設計

            

当時 長浜は地場産業である浜縮緬製造業で栄えていたようですが
近年のバブル期の各地のあり様と比べると
当時の長浜の人たちの心意気が一層感じられます


タイトルは琵琶湖周航の歌の第三番歌詞より引用

雨煙る瑠璃の花園竹生島

2011年06月28日 | わが家の時時
20日 21日の両日 滋賀県湖北地方と福井県を旅してきました
目的は福井市の農産加工所を見せてもらうこと
ついでに行く先々でふらふらと寄り道する気楽な夫婦旅

まずは西国観音めぐりで訪れた方から噂を聞き
前々から気になっていた竹生島へ渡ります

琵琶湖北部に浮かび古くから信仰の対象となっている島
島内には日本三大弁財天のひとつに数えられる宝厳寺と
都久夫須麻神社が舟廊下と呼ばれる屋根付き通路で結ばれています

             

ガイドブックでも島に渡る船内で流れていたビデオでも
竹生島は「神を斎く島」と紹介されています
神を敬い大事に扱うくらいの意味であろうと想像はできるのですが
“斎く”はどう読むのか
調べてみると“斎く”は“いつく”と読み
“心身を清めて神に仕える”という意味とか

長浜市のHPによれば
島の名前は「神の斎く(いつく)住居(すまい)」を意味し
その中の「つくすまい」が「つくぶすま」と変じ「竹生島」になったとのこと
なるほど

島の船着き場の正面には「琵琶湖周航の歌」の歌碑がありました
京大で若き日を過ごした川きた二郎先生を送る会で
参列者皆でこの歌をうたったことを思い出しました


名指しされスポット浴びたる浮き小島

2011年06月24日 | 農のあれこれ
連日のようにマスコミでは
KASHIWAがほっとスポットとして取り上げられています
とうとう海外の主要雑誌にも
FUKUSHIMAと並んで紹介されているという話も聞きました

小さなお子さんをお持ちのお母さん方の心配はわかりますし
行政の対応も後手後手にまわって不信感を募らせていることもわかります
ただそのような状況に便乗して集中的に情報を流し
風評を作り上げているかのようなマスコミにも不信感を持たざるをえません

先日の週刊A誌でも市内主要か所の詳しい測定値を公表していただき
工学博士の「移転支援を」というコメントまで載せていただいています
市内周辺の書店ではすぐに売り切れて買えなかったとも聞きます

たしかに高い数値は計測されたのでしょう
でももしわたしが雑誌の担当記者なら何回か計測した中から最も高い値を載せます
読者の気を引くことができますから

以前 FUKUSHIMAから移転してきた子供たちがまわりからいじめられている
というニュースが流れました
それを聞いた長崎の友人の娘さんが
「だったら長崎にくればいいのに」と話していたそうです
まったく気にせずに長崎出身の彼と付き合っていたのですが
ある年齢以上の世代や地元では差別してみる眼があったのかと気付かされました

われわれもそういう視線と長い間戦っていかねばならないようです

そこでまず勉強会です

柏市民大学開校記念公開講座と銘打って
「子どもと安心して過ごすための放射線基礎講座」
が開催されます
日時は7月12日火曜日 10時から12時 アミュゼ柏クリスタルホール
入場無料 定員先着300名

講師は武田 志乃 さん
(放射線医学総合研究所
放射線防護研究センター発達期被ばく影響研究プログラム
発がんリスク研究チーム 主任研究員)
子育て中のお母さん方に向けたお話しが中心とのこと


じつはこれから大きな問題になりつつあるのは
空気中の放射性物質による直接被ばくでなく
むしろ食べ物などによる間接被ばく

以前は 市内の農家の中には
黙ってじっとしていれば災いは頭の上を過ぎて行くという
雰囲気があったことも否定できません

しかし
学校給食には市内産農産物は使わないでくれという声もでているとも聞きます
すでに一部の小売店に直接卸している市内の農家は
検査証明の提出が義務付けられているといいます
小売事業者としては当然の措置でしょう

千葉県では県内各地の農産物を順番に抽出し
放射能モニタリング検査をしていますが
サンプル数が少なく
それで安全ですよと主張するのは
かえって不信感を呼び起こすものになる可能性も考えられます

静岡県のお茶が基準値を上回ったと
輸出されたフランスで指摘されたというニュースもありました
サンプル検査して大丈夫として輸出したのでしょうが
中途半端な対応でかえって信頼を失ったという声もあります
もっと検査数を増やしていれば事前にチェックできたかもしれません

ほっとスポットとして注目されているKASHIWAでは
なおさら慎重に対応しなければなりません
行政側でも対応を現在検討中のようですが
本日の市農業委員会において
市独自で市内農産物の放射能モニタリング検査を推進するよう
農業者の代表として行政に対して要望することになりました

お騒がせなメディアにかき回される前に
きちんと市内農業者としての姿勢を明らかにしておくことが
とても大切なことと考えています

写真は琵琶湖湖畔に浮かぶ小島
柏市農業が大海で漂流しないようにするための正念場かもしれません

透き通る色と酸味が涼を呼ぶ

2011年06月23日 | アグリママ
わが家の夏の新商品「トマトゼリー」です

原材料のトマトは市内の農家さんから分けてもらいました
ちょっと甘みを加えた酸味とツルっとした食感は
生食するトマトとは別のもの
市内でトマトが出荷されている間の期間限定商品です
(だいたい7月中?)

24,25,26日の三日間は
新商品お目見え記念としてお試し価格で販売します

道の駅しょうなん農産物直売所でお求めになれます

知ってるかい科学と技術と芸術の間

2011年06月19日 | 散歩漫歩
「科学と技術は全くべつのものであり、一緒にしてはいけない」とは
朝永振一郎博士の言葉だそうです

たとえば「科学技術は日本を救うか」というような使われ方をして
科学と技術を混同してしまう傾向があって
今回の原発事故も技術的欠陥を科学的にも誤りだったと
短絡的に判断するのはいかがなものか
と原子炉設計に関わったこともあるという友人から聞きました

原子力は科学による発見の産物であり
原発は技術による開発の産物である
自然を観察する「科学」と人間の作り出す「技術」は異なる概念である と

技術者はモノを作るのが役割で自分が作ったモノを危険だと否定しない
自然の中で安全性を客観的に評価するのは科学者の役割だ
あらゆる事物の安全性評価が技術者に委ねられていることが問題だ と

自然の中で人間が生存するために多くの科学者の知見が必要で
そのためには工学部から理学部に大学の比重を移して
諸外国のようにモノ言う科学者を養成することが緊急の課題だと
彼は主張します


そんなモノ言う科学者のお一人に将来なっていただきたいと思っている
T大学大学院のO先生から講演会の案内がありましたので
この場でも紹介させていただきます

テーマは「芸術と技術の出会いによる新領域の創成」

音楽家と先端技術者のコラボレーションによる
電子楽器の発明、発展を題材にして新領域が
いかにして形成され得るかをひも解くのだそうです

期日は7月2日 入場無料
当日は最新の電子音楽の演奏もあって
インターネットでライブ配信もするそうです


もともとメダカ博士のO先生がなぜ電子音楽なのかと伺うと
長い話になるのだけれどとことわられたうえでの話

先生のお子さんが熱帯魚を飼い始めた時に音に敏感に反応して
そういえば研究室で実験用に飼っているメダカも
水中の音響(振動)の変化で体調を壊すようなことを経験的に感じていたそうです

そこでまずは
人間がなぜ「よい音楽」を聴くと気持ちよくなるのか勉強しようと
ある会合に出掛けていって音大関係者と出会ったそうです

その方にお土産としてメダカのDVD
http://www.documentary-ch.com/dvd/dvd-medaka2010.htmlを差し上げたところいたく気にっていただけて
大学におられる電子音楽の大家にこのDVDにあった音楽をつけてもらおうと
とんとん拍子に話が進んでメダカが電子音楽につながったとのこと

この話を伺うと今回の講演会も興味が増してきます


実はO先生の研究室の専門はメダカを使って
放射線の生物への影響を研究すること
報道で放射線の生物影響についてのいい加減な解説や
不必要に不安をあおるだけの解説が
専門家によってなされているのをみて歯がゆい想いをされているとか

放射線の危険性を正確に理解していただき
社会の皆様に安心していただけるよう
今こそ放射線生物学者の出番と思っているといいます

近いうちに今もっともホットな話題について
ぜひO先生からお話をうかがう機会を作りたいものです

あの日から君と歩いた30年

2011年06月17日 | わが家の時時
             

ネイチャー&アウトドアライフマガジンと称する『びーPAL』誌が
30周年を迎えたのだそうです
そういえば創刊号以来しばらく“ほぼ”定期購読し
まさにわが青春のライフスタイル誌となっていたものです

そういうこともそのうちに“卒業”したのですが
今回30周年記念特集として「自然と友だちになる250の方法」というテーマのなかで
持続可能な社会をテーマにしたフリーペーパーのひとつに
わが家の娘が編集長をしていた『susteco』を紹介していただいた
ということで一冊送られてきました

電話取材で記事もほんの一行でしたが
父も15年ぐらいまえに取材を受けた時もそうだったなあ
そういう姿勢は変わっていないんだなあと感心

封筒には雑誌だけでなくプライヤーとかドライバーとか
ひとつの工具でいろいろな使い方のできるマルチツールも入っていて
取材御礼の品のひとつかと思い
こりゃ昔より待遇がいいやとあらためて感心

ところが雑誌を広げるとマルチツールは30周年記念付録だとか
最近とくに女性雑誌で過剰な付録競争が起きているということは聞いていたのですが
これもそのひとつ?
さすが小学かん

若き日の白髪のごとく色ざめる

2011年06月16日 | 今年の米づくり
雨の多い梅雨に稲は喜ぶと書いたばかりですが
今年の田んぼは異変です

本来は青々とした若稲が日々成長している時期ですが
今年はあちこちで白茶けた田んぼが目につきます
(写真はわが家の隣の田んぼ)

             

近づいてみると葉に黒いかたまり ドロオイムシのようです
その下の黒い点のようなものはイネミズゾウムシか

わが家の田んぼは田植え時に殺虫剤を使っていませんので
一枚の田んぼでイネミズゾウムシの害がでていたのはしょうがないのですが
それが落ち着いたと思ったら今度は周りの田んぼから
ドロオイムシが広がってきてダブルパンチです

まわりでは殺虫剤を使っている田んぼ方が多いのではと思っていました
それでも被害が出てしまったというのはどういうことでしょう

麦弱り米の喜ぶ梅雨らしき

2011年06月14日 | 夏の梨畑
水田転作の麦作が収穫期を迎えています
が このところの連日の雨模様で刈り入れ適期が少なくて大弱り

こんな天気でナシはどうですか なんてよく聞かれます
以前にも書きましたが
梅雨の時期は温度もさることながら雨の量が大事だから
雨の多いのは歓迎ですよって答えていたのですが
四六時中 露が切れないような雨模様ですとそれは行き過ぎ

ここにきてナシづくりの大敵「黒星病」が目につくようになりました
農薬が枝葉の隅々に行き渡るためにも
余分な枝葉を切除(ピンチ)しなければならないのですが
その作業時間も足りないくらいです

政所置き去りにして時進む

2011年06月12日 | ネイチャースケッチ
辞めるの辞めないの野合するの野合しないのと
なにかとぐたぐたしている大政所を除いて
世の中の時の進み方はいつもより早いようです

沖縄の梅雨はさっさと明けちゃうし
九州では梅雨末期のような集中豪雨になっているようだし
そんなに蒸す天候でもないのに
ナシ畑にはクワガタムシが姿を現すし

津波被害からの復興は遅々として進まないようだし
原発問題の今後はまったく予想がつかないし
そのうえ
ドイツを中心に致命的な腸管出血性大腸菌(EHEC)の感染が拡大しているは
アイスランドやチリでは火山の噴火で交通マヒに陥っているは と
つぎつぎと地球規模の難題も迫ってくるのですから
ひとつひとつ仕事をしていってもらいたいものです

人間の寿命が短くなるから時の進み方が早まるのか
時の進み方が早まるから人間の寿命が短くてなるのか
わかりませんが
これからは早めに世代交代していくよう自衛しなければならないのかも

ちなみに「野合」って
「正式の手続きによらず夫婦になること」らしいですから

もうひとつの想定内は想定外

2011年06月09日 | 農のあれこれ
写真はブラシの木の花に潜り込んで採蜜しているマルハナアブ?


またまたネット仲間からの紹介動画です

新聞やテレビでは報じられない「もうひとつの情報」は
ネットやごく一部のマスコミから得るしかなく
そこから何が大事でどうするかを自分で判断するために


http://www.youtube.com/watch?v=QpjoGC1JgEI&NR=1
内部被曝の危険性について分かりやすく説明しています

http://www.youtube.com/watch?v=L7JdtGLfYWk&feature=related
崎山比早子氏の科学技術特別委員会での講演です


邪気払いなるかならぬか五月晴れ

2011年06月07日 | 農のあれこれ
複数の農家のネット仲間から同じ情報が回ってきましたので
ここでも再掲します

地震や津波で痛めつけられ
さらに放射性物質汚染で打ちひしがれているそんななか
モンサント社およびシンジェンタ社とダウケミカル社が
遺伝子組換え作物の菜種、とうもろこし、綿の
第1種使用(=開放圃場での商業栽培など)を農水省に申請しています

まさに火事場泥棒!

放射能で遺伝子がいじられそうなのに
わざわざいじることもないでしょうが

6月21日まで農水省で パブリックコメント募集中ですので
ご意見を

https://www.contact.maff.go.jp/maff/form/b3da.html



写真は昨日6日の夕焼け
昨日は旧暦の5月5日の端午の節句でまさに五月晴れ…
だったような…

遺伝子をいじりいじられるような邪気を
あの五月晴れで払ってくれればいいのですが



あしはらはどこもかしこもマコモタケ

2011年06月06日 | 農のあれこれ
先日の幕張メッセで行われた食品関係の展示会では
米粉以外にも純黒糖や体を温めるという機能性に注目を集めるショウガなど
新しい食材や素材・調味料などが提案されていました

そんな中で三重県のある町の商工会がマコモタケを展示していました

マコモといえば沼や水路の水辺に自生していて
田んぼの畦なんかに芽を出されたものなら毎年何回も抜いてやらないと
どんどん田んぼの中まで広まってしまうような
よく見慣れた野生植物です

出展されていた三重県菰野町の関係者の方にあんなものがたべられるのかと伺うと
マコモのどれでもが食べられるのではなく
茎に黒穂菌が寄生しているものだけが地際の茎が奇形肥大化して
「マコモタケ」と呼ばれる柔らかい乳白色の肉質茎ができるとかで
中華料理の高級野菜として知られているのだそうです

そういえば台湾などの水田地帯を走ると
マコモタケ田んぼがよく見られると聞いたことがあります

菰野町では町名の由来にかけて
「おかえりなさい 夕焼けぞらに赤とんぼ舞う」をキャッチフレーズに
マコモの里プロジェクトが進行中
町内の耕作放棄水田でマコモタケを栽培し
町内中のレストランや菓子店がマコモタケを素材とした様々な商品を
提案しているのだそうです

なぜ菰野町のコーナーで足を止めたのかというと
実は柏市でもある大学の研究室の実証試験のなかでマコモタケを栽培し
あわよくば特産品にしようという取り組みが今年から始まっています

ネットでみると石川県津幡町でも
耕作放棄水田を解消しながら特産品を創ろうと
13年も前から取り組まれています

新しい食材を提案する場合
どこまで食生活の中に根付いているのかが流通上の課題です
さもないといかに情報発信が首尾よくうまくいってブームをつくっても
一過性に終わってしまうリスクがあります

ちょっと前にナタデココが一大ブームになった時に
フィリピンなどで栽培面積を増やしたら日本ではすぐに飽きられて
大量のナタデココの行き場がなくなってしまった
というような話を聞いたことがあります

新しい作物に取り組む場合は
栽培上どんな課題があるのかも気になります

津幡町の紹介をみると苗の植え付けも収穫も手作業
収穫は9月から11月の寒くなってからで湛水状態の中を長靴をはいて行い
しかも適期に収穫しないといけないようです
さらに夏には雑草対策がたいへんとのこと
マコモはマコモです
茎根が田んぼに残ってしまったら
再び稲を作ろうとした時には雑草化する危険もあります

機械化が進んだ稲作のかわりにあれやこれやの手間がかかるのでは
特産化の道は厳しいなあ

職業は食業ですと胸張れる?

2011年06月04日 | 農のあれこれ
福島の原発問題はいまだ解決の見通しもたっていませんが
最近の話題は放射性物質による外部被ばくよりも
食べ物による内部被ばくに関心が移ってきているようです

農水省が農地土壌からセシウム137の農作物への移行係数を公表したこともあり
週刊誌に取り上げられたり(たとえば週刊あさ日6月10日号)
テレビで取り上げられたりしています(たとえばCSニュースの深層5月31日

幸いわが家の主要産物の果物やコメの係数は低いようですが
影響がないとはいえません


先日の幕張メッセのイベントでも食品の放射能測定に関する出展があって
財団法人日本穀物検定協会が公正なる第三者検査機関として
放射性物質の測定を行うとPRしていました

当然 県や市が地域としての安全性を確認して
流通させるということになるでしょうが
この財団法人の場合
一検体あたり25000円前後(未定)ということですので
直売農家の責任として個人的にきちんと検査を受けた結果をもって
ご注文をいただくことにしなければならないと考えています


もうひとつ メッセのイベントで気になる情報
ホタテの貝殻粉末が残留農薬を剥離するという出展がありました

粉末を溶かした水の中に野菜や果物を数分間浸けておくと
付着している農薬やワックスを剥離・除去できるというのです
どういう仕組みなのか
会場のデモンストレーションでは
処理後の水の表面に油膜のようなものは浮いていました

さらに貝殻由来の焼成カルシウム(CaO)は
多孔体の孔(穴)に放射性物質を吸着するので
汚染農地の土壌改良ができるともいいます
価格も安価で現在6000t程度確保しているので安定供給できますとのこと

天然成分だから環境に悪くはないでしょうが
はたしてそこまで効果があるのかは試してみないと

職業は食業ですと胸を張り

2011年06月02日 | 農のあれこれ
6月1日から3日まで千葉の幕張メッセで
デザート・スイーツ&ドリンク展が開かれていましたので
雨の降った2日に急きょ出かけてきました

この展覧会は惣菜・中食関係の産業展と合わせて
例年4月に開催されていましたが
大震災の影響でこの時期に延期され
今年から「米粉産業展」と合わせた3つの展覧会が合同で開催されていました

もちろんメーカーや業者の商談が中心のイベントですが
惣菜アイデアメニューコンテストや
有名パティシエよるプレゼンテーション
コンサルタントによる講演などもあって
業界のNEWとTRENDを垣間見ることができました

わが家の食品加工部門の可能性からみて米粉の活用への展開があるかなと
興味を持って回ってみると
やはり加工に向くのは超微細粉末とのこと
わが家の米を超微細粉に加工受託する業者はないかと聞いたのですが
現段階ではメーカーが提供するのを利用するのが現実的のようです

米粉は国内で自給できる唯一の穀物原料になるビジネスチャンスとみてか
一粒400mで知られるお菓子メーカーG社も米粉に参入
ドーナツからロールケーキ シュークリーム プリンまで
米粉お菓子を提案していました

まずは米粉パン・ケーキの料理教室にでも通って技術習得といきますか