のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

モグラは元気です

2005年12月31日 | 今年の梨づくり
ナシ畑をきれいして一月近くなりますが、あちこちにもっこりもっこりと土が持ち上げられています。モグラの仕業です。

モグラがいるということは、エサとなるミミズがいるということ。ミミズがいるということは、ミミズのエサとなる有機質がたくさん土中に含まれていること。そんな肥料成分的なことだけでなく、モグラが土の中をずんずん掘り進んで穴だらけにしてくれ、土を柔らかくしてくれるという物理的効果も期待できます。ということでモグラは歓迎ですが、あまりに多いとどうなんだろうという声も聞いたことがあります。

モグラの持ち上げた土山以外に畑はきれいなままです。ライムギの種子を播いてあるのですが・・・。寒いし、なにしろ播種後雨がぜんぜん降らない。去年も同時期に播種して大晦日の雪の中から芽を覗かせていたのですが。

剪定作業は年末までに考えていたところまで終わりませんでした。三が日もぼちぼち始めるしかないようです。2日は雨の予想ですので、その日がわが家の正月ですね。

冬至も過ぎて

2005年12月30日 | わが家の時時
冬至も過ぎて1週間。それ以前からすでに日没時間は遅くなっていたようで、冷たい西風が吹いていながら、数日前から陽の光も強くなった気もしますし、日も伸びた気がします。

「春の予感」というと詩的ですが、農家、特にナシ農家にとっては「剪定を急げ」といわれている様で気持ちが焦りを感じる言葉です。

12月はじめには夕方5時というとすっかり暗くなっていましたが、今日あたり、まだトワイライト。宵の明星が光っていました。このところ西風が吹いて空気中のごみを吹き飛ばしていますので、星がきれいに見えます。

一分搗き玄米ごはん

2005年12月29日 | わが家の時時
わが家の一分搗き玄米ごはんはこんな感じ。

圧力鍋とかいろいろ試してみましたが、結局、一番慣れている普通の炊飯器を使って、水は通常より一割増し+αで違和感なく食べられます。かみ締めるとほんのり甘みが感じられ、先日の佐藤.k氏のコメントにあったように快便生活になるようです。

玄米で食べるからには、できれば農薬は使いたくない。来年、50aの田んぼでの無農薬稲作を本気で検討しようかと考えています。

くず大豆、ゲット!

2005年12月27日 | わが家の時時
今日は野田の農業生産組合から来年の肥料用として「くず大豆」約1500kgを譲ってもらってきました(写真:棚下段の3つのパレット、一袋約10kg×150袋)。

昨年は収穫期の秋に台風が何度もやってきたため大豆の品質も悪かったそうで、くず大豆も大量に出ました。250袋くらい運び込みましたでしょうか。それに引き換え、今年の秋は穏やかな日が続いて豊作だったと組合関係者は喜んでいました。同じ農家として不謹慎ですが、肥料にする方としては今年分が少量になってしまいました。できあいの肥料を購入するわけではなく、身近にある有機質を肥料として利用しようというのですから、このくらいの不確実さというのは当然のこと。あるという時にはしっかりと確保しておかねばななりません。

そういう資材置き場の棚がこの写真。棚の中段には、この秋冬に散布した有機配合、マグネシウム肥料の残りやらくず米。上段左側には米ぬか。上段右側の大きな袋には籾摺り時にでてきた籾殻。白いビニール袋は水田元肥用の購入肥料です。くず米、米ぬか、籾殻、それにくず大豆は有機肥料田んぼ用にぼかし肥をつくる際の材料となります。さらに、これから1月、2月の間に米ぬかを梨用、米用に合わせて4tくらいは確保する予定です。

ちょっとこだわった資材を肥料にしたいとか、肥料代を安くあげたいとか考えると、こんな感じに材料を集めなければならず面倒ですが、まあ面白いからやっているわけです。

玄米はおいしいかもしれない

2005年12月23日 | 今年の米づくり
つい数日前から玄米ご飯を食べています。玄米といっても、メモリを最低にした精米機を通した「一分搗き」。玄米の表面をちょっと傷つけ熱が通るようにして炊き上がりしやすいようにしています。玄米についたごみを取り除くという意味もあります。

玄米は完全食で、体に良いというのは知識としては知っているのですが、農家でありながら日常食ではありませんでした。多世代家族ゆえ、どうしても高齢者には「噛み締める?」というのは苦手。年寄りたちの賛同が得られませんでした。ところが今回は、玄米を食べ続けている知人から体の調子がいいと聞いてきたわが家の祖父からの提案。それに今年は飯米用に除草剤をつかわないでつくった米があります。

玄米にして変わったことはおなかがすくこと。何回も噛むことで量的に食べなくなっているのでしょうか。玄米自体が甘みがあるので、おかずも少なく済んでいるかもしれません。問題は、炊く前に水に浸す時間が長くなることか。

来年は我孫子市域の水田では農薬の空中散布はしないようです。50aの田んぼがありますので、そこなら無農薬有機肥料栽培も可能。いよいよというか、やっとというか、玄米食べようキャンペーンでも始めますか。でも50aの無除草剤稲作となると、今年試した除草機も必要だろうなあ。また過剰投資だあ。

空を見上げていると

2005年12月22日 | 今年の梨づくり
冷たい西風が土ぼこりを巻き上げる中、ナシの剪定作業を続けています。ここ数年、暖冬だったものですから、薄手のヤッケだけの身軽な格好で剪定をやれていたのですが、今日久しぶりにスノーボード用のヤッケを着込みました。背中にはホッカイロをくっつけて。寒さを感じるのは年のせいかもしれません。

棚上の枝を剪定するのですから、いつも空を見上げています。太陽が出ていなくとも紫外線対策されたUVカットのサングラスは必携です。今日は青空を黒い雪雲が時々強い風に流されていました。関東以外の各地では記録的な降雪のようで、青空を見上げているというのは申し訳ない気もします。

ちょっと風が穏やかになった午前11時ごろには、南から上空西側を通って北へ向かう飛行機をいつもよりたくさん見ました。羽田発札幌行きの飛行機でしょうか。ちょうど流山付近から柏市北部上空を通ります。飛んでいったかと思うと、すぐにまた後から飛んできます。ラッシュ時の山手線並みの数分間隔といった感じです。悪天候で飛べなかった飛行機が次々と飛び立ったのでしょう。でも帰りは羽田に戻れたのでしょうか。

東から上空北側を通って西に向かう飛行機も見えます。これは成田からアジア方面にでも向かう飛行機でしょう。ここも時間帯によっては次から次へと飛んできます。低い上空を旋回しているのは海上自衛隊の哨戒機。プロペラ機ですが、上空を飛ばれると、会話をしていても一時中断です。

夕方5時ごろになると、夕日の中を西からまっすぐ東へ向かう飛行機雲をたびたび見かけます。ずいぶん高い上空を飛ぶ定期便のようです。関西か中部国際空港から米国へ向かう便でしょうか。それともソウル発か・・・。国内便、国際便、自衛隊機、それに時々東電の高圧電線の監視のためのヘリコプターと、こんなに多くの飛行物体を見られる所というのも少ないでしょう。

今年の冬はまだ寒さが続きそうです。マスクにもなるスキー用のネックウォーマーを買ってくることにします。

オリジナル減農薬防除暦

2005年12月20日 | 今年の梨づくり
ナシの12月の仕事といえば、もちろん剪定作業がありますが、事業費の決算もしなければなりません。簿記ソフトを入れているのですが、入力はどうしてもこの時期になってしまいます。もうひとつ、来年の防除計画もこの時期に検討します。農協への農薬注文期限もありますが、今年の防除の反省を忘れないうちにしておくという意義もあります。

先日、果樹組合研究部の会合があって、今年の防除結果を出し合い、来年の目標となる防除計画を協議しました。ここ数年、沼南果樹組合では県や全農の防除暦とは別に減農薬を目指した独自の防除暦を作っています。

防除暦とは、「この時期にこういう病気や害虫が出るのでこういう農薬をこれくらい散布してください」という、主に農薬散布の目安を暦にしたものです。参考資料として使えばたいへん役に立つものですが、その通りに農薬散布すればほとんどミスがない代わりに防除の面白さを失わせ、農家の考える力を衰えさせる「悪魔の書」にもなりうるものです。

組合の減農薬防除暦を参考に、さらにわが家オリジナル防除暦を検討し、農薬の必要量を算出し、農協へ必要数を注文するという段取りです。今年は病気も害虫も大きな問題にはなりませんでした。ですので、さらに減農薬化を進めたいところですが、来年は幸水の芯ぐされ症対策とカイガラムシ対策を重視した防除体系を考えてみました。はたして来年も計画通りにうまくいくでしょうか。

大粒コシヒカリは食味がいいらしい

2005年12月18日 | 今年の米づくり
土曜日の夜、NHKでETV特集「里山はうまい米を育む」という番組が放映されていました。山形県高畠町の遠藤さんという農家が米の全国食味コンテストで2年連続1位を獲得したので、その有機米作りの様子を記録したという内容です。

12月2日のブログで紹介したETV特集「うまい米を食べたい」は昨年11月の放送であり、NHKはこのところ毎年、米作りをテーマにしたドキュメンタリーを作っているようです。食味というテーマであり、焦点を当てる農家も違うのですが、また高畠町か、また星寛治さんかという感じもないわけではありません。

遠藤さんは48歳。20年ほど前、星さんたちから減農薬米、有機米栽培に取り組むよう誘われたそうです。若い遠藤さんは星さんに有機米づくりとは何だと聞いたところ、星さんは明確には答えなかったが、今自分がこれから有機米づくりに取り組もうとする若い人から同じ質問をされても答えるのに困ってしまうだろうといいます。

それまでは農薬を使い「多収」を目指した米作りをしていたが、満足感はなかった。土の力、自然の力、自分の技術を組み合わせた有機米づくりは、たとえ仕事がきつくても収量が少なくとも毎年チャレンジしようという気にさせてくれる・・・。

この部分は、ナシも米も減農薬栽培しているわが家としても大いに共感しました。有利に販売できるからという側面もないとはいえませんが、基本的には面白いからやっているんです。その面白さはやってみないとわからない。農業の楽しさは自分で体を動かしてみないとわからない。そういうことかもしれません。

遠藤さんの米作りは、種籾を温湯に短い時間漬けて殺菌し、冷水に浸して発芽させることから始まり、苗箱へは種籾を薄く蒔き、田んぼの除草には最近開発された機械除草機を使用と、ここまではわが家の米作りと変わりません。違いは用水に里山から流れ出る沢水を使っていることと、天日乾し(杭がけ)していること。沢水用水はわが家では真似をできませんが、天日乾しについては、無除草剤稲作のメール仲間のあいだでもきちんとした技術が伝承されていないとかえって品質を落とすという意見もあります。ちょうどこの12月の前半にいろいろと議論されていました。遠藤さんのコシヒカリは魚沼コシヒカリに比べて大粒とか。わが家の米も比較的粒が大きい。より美味しくするために研究の余地はまだまだありそうです。

自然条件に恵まれ、人的資源、技術的蓄積がある高畠町でも後継者の確保は課題のようです。「希望はお金より大事な価値を発見した人たちの新規就農」と星さんはいいます。「安全な食べ物だけでなく、環境を守る農家とそれを支える消費者の共同戦線」というシステムの確立は、形態の違いこそあれ、地方でも都市近郊でも早急に拡充していかねばならないようです。

剪定始まる

2005年12月17日 | 今年の梨づくり
昨年の12月とは打って変わって冬らしい寒い日が続いています。

ナシの落葉処理を終え、ライムギの種を蒔き、友人の米農家から譲られたモミガラをナシの根元に盛り上げ、トラクターなどの機械にこびりついた土を洗い落とし、格納し、ようやく1週間ほど前から剪定作業を始めています。

この時期、日の落ちる時間が早いこともあって、剪定の勘が戻るまでは一日に何本も剪定できません。1本の樹に2時間以上かかることもあります。全体で400本あるとすると800時間。一日8時間仕事をしても100日、3ヶ月以上かかる計算です。

この調子では剪定が終わるのは来年4月になってしまいそう・・・と、毎年剪定仕事始めにはちょっとあせるのですが、そのうち剪定の勘も戻って、2月になれば日中の時間も延びて少しは暖かくなるし、なんとかなるというか、なんとかしてしまわなければなりません。

先に小さな実をつけた枝を時々見かけます。夏になって花が咲いてなぜか実にまでなったものですが、鳥にとってはデザートになっているようです。

冬のはなさかじいさん

2005年12月16日 | 今年の梨づくり
ナシ畑の表面が白くなっているのは霜ではなく、灰です。

連日寒い日が続き、わが家では薪ストーブが朝晩大活躍。ナシの幹や枝の薪を燃せば出てくるのは灰。一日で1Lほどの灰がでます。それをナシ畑に撒いています。

灰といって思い出すのが「灰を枯れ木にまいたら花が咲いた」という民話「はなさかじいさん」ですが、生命の究極の終わりである灰が新しい命を生み出すさまを描いているという解釈ができるといいます。他にも火の鳥伝説。不死鳥とも呼ばれますが、永遠に死なないのではなく数百年に一度、香木を積み重ねて火をつけ、その中に飛び込んで焼死するけれど、その灰の中からまた幼鳥となって現れる・・・。「灰かぶり姫」シンデレラも、どん底から幸せへの転換の物語・・・

ミネラルをたくさん含み、土壌改良効果(アルカリ化)、土壌微生物活性化(ミネラル類)、根張り向上、病原菌抑制、害虫忌避作用とさまざまな効果が期待できる究極のミネラルであると、『現代農業』2006年1月号が灰の利活用を特集しています。

ミネラルとは、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄など栄養素として生理作用に必要な無機物のこと。ここ数年、ミネラルが土作りの現場でも注目されていて、わが家のナシでも積極的にマグネシウム、カルシウムを投入しています。それに加えて冬の間は、霜の降りた畑で毎朝「はなさかじいさん」になっています。

ちなみに、昔話にはさまざまな教えが隠されていて、知らず知らずのうちに生活の知恵が伝承されています。「かぐや姫」は竹が薬であること。「因幡のしろうさぎ」では海水に止血・消炎作用があって、ガマの花粉は空気を遮断して皮膚を保護できること。「こぶとり爺さん」では山フジのこぶが腫瘍に効果があるが、その効果は不果実であることなどを教え伝える話だそうです。

「元気だそう!消費者と歩む農業と食育」のつどい

2005年12月14日 | 農のあれこれ
先の話ですが・・・

来年2月3日(金)14:30~17:00
柏市中央公民館 講堂(5階)において
柏市農業者のつどい主催による標記のイベントが開催されます。

内容は体験発表(2名程度)と講演会が予定され、
講演者は京北スーパー相談役の石戸孝行氏。
参集範囲は、市内の農業者、消費者、学校関係者、関係機関等とされています。
詳しくは柏市役所農政課へ。

地域で独自のスーパーマーケット展開をされている
石戸氏が地域農業に対してどのような示唆を与えてくれるか
楽しみです。

実は、公民館のイベントの後で意見交換会(懇親会)も予定されていて、
柏市の農業者の実情を理解するには
そこに参加するのが良いのかもしれませんが、
参加費が男性で1万円!
(公民館での講演会参加だけなら無料です)


農産物価格低迷のいまどき、農業者を勧誘してもなかなか、ねえ。

レイソルはまだ「ブランド」になれない

2005年12月12日 | 柏レイソル
先週の土曜日、サッカーJ1だった柏レイソルのJ2落ちが決まりました。仲間内で親会社が悪いの、フロントが悪いの、いや、地元の柏がなにかレイソルのためにしたか、など熱く議論していました

たまたま読んでいたマーケティングの本の中で、「何代にも渡って情報(物語)を提供して、ようやくブランドになる」という一文があって、ああなるほどレイソルにはこれが足りなかったのではないかと行き着いたことがあります。

ブランドというのは生産者する側(ここではレイソル)と消費する側(ここでは地元柏という地域やサポーター)が同じ価値観を共有することが基本になるといいます。

『ブランドを確立してゆくためには、目先の利益に走ることは決して許されない。現在の顧客がいかに満足できるかを徹底的に追求しなくてはいけない。顧客には、何度も何度も何代にも渡ってその製品を選んでもらわなくてはいけない。製品の情報を徹底的に公開するだけでなく、どんな人が何を考えて、何を苦しんで、何を喜びとして、その製品作りに取り組んでいるのかを徹底的に公開し、伝えなければならない。そして何より良い顧客を選ばなくてはいけない。』(冨田きよむ『農家のマーケティング入門』農文協2004、p44)

生産者には生産者の物語があります。豊富で正確で、かつ、すばやい情報の伝達によってのみ、消費者の信用を担保できるはずです。

土曜日の試合直後のヴァンフォーレのHPには「J1決定」の文字が躍っていましたが、残念ながらレイソルのオフィシャルページは数日前のまま更新されてなく、陥落についてのコメントは一言もありませんでした。残留にしろ、陥落にしろ、試合結果によって決定するのですから、両方のコメントを用意し、直後にはどちらかのコメントを即座に発信することぐらいできたでしょうに。

試合後、競技場にサポーターが居残るという事件?があったようですが、当然、監督なり責任者が何らかの挨拶があるだろうと考えていたのに、いつまでたっても何もなかったから、結果的に居残ってしまったということのようです。サポーター(消費者)が今何を一番欲しているのか、興味がないようです。サポーターは選手や関係者と悲しみを共感したかったのではないでしょうか。

レイソルのJ2陥落はレイソルのひとつの歴史です。そこに信頼や共感があればサポーターをやめることはないでしょう。もし、去っていくものがあれば、それは良い顧客ではないのです。信頼や共感を共有できる顧客とともに新たな物語をつむいで行くことができるはずです。レイソルが「ブランド」になりたいならば、そこで起きたさまざまなことをきちんと速やかにかつ継続的に広く伝えていく必要があります。

わが身に置き換えてみると、今回のレイソルの失敗は他人事ではありません。このブログはなんとか発信していますが、HPの方がなかなかリニューアルできていません。さまざまなことをきちんと速やかにかつ継続的に広く伝えていく必要があるのはわが家の方かもしれません。

凍天の星の潤める

2005年12月09日 | 今年の梨づくり
凍天の星の潤める午前四時 エンジン全開野のひととなる

時田則雄さんという方の歌です。時田さんは北海道十勝で農業に従事している歌人。「長芋の畑を覆える霜柱 妻が握りし飯あたたかし」という歌も新聞に紹介されていました(朝日新聞021101「折々のうた」)。

「農家ってたいへんだよね、朝4時には畑に出ているんだもの」という感想をお持ちの方もいるかもしれません。もちろん眠いところを起きて一日の最低気温を記録する時間帯に仕事をしているのですから、たいへんといえばたいへんですが、「自分にはしなければならない仕事がある。さあやるぞー」というような農家としての心意気を感じる歌と思います。なにしろ「エンジン全開野のひととなる」ですから、オレもがんばるぞうというに気にさせてくれます。

千葉でも今日は「凍天の星の潤める」朝になりました。氷も張りました。昨日、ようやくナシ畑でライ麦の播種を終えました。ここ数年、暖かい12月でしたので、今頃の播種でも結構どうにか年内に発芽していましたが、今年は珍しく霜の降りる日が続いています。発芽が遅れるかもしれません。

歓迎、植物病院構想

2005年12月08日 | 農のあれこれ
朝日新聞夕刊(2005年12月8日)によると、植物の病気を診断、治療や予防を指導する「植物病院」の創設を東大農学部が構想しているそうです。記事によれば、農家に病害対策を指導する農業改良普及センターは縮小傾向で、一方、大学の研究は基礎研究に特化され、現場を知らない研究者も増えているといいます。その通りです。

わが家で減農薬化を進めてきた過程で問題となったのが、殺菌剤をどう減らしていくかということでした。経験上、害虫については被害が見えてきてから殺虫剤を散布してもそれほど大きな問題にはなりません。むしろ、対症療法的に対処するのが殺虫剤を減らすポイントと言えるかもしれません。それに対し、病菌の方は後手後手に回ると被害を大きくし、取り返しのつかない事態をまねいてしまう恐れがあります。植物の病気はウイルスや細菌、カビなどで起こるミクロな世界です。素人で観察しろといっても限度があります。

わが家のナシについては、県の農業試験場で行われていた実験データがあって、その現地試験園として取り組んだことで、殺菌剤を減らす心理的な支援をいただきました。専門知識や具体的な実験データのフォローがないと、つい臆病になってしまうものです。

現在、農薬に頼らない農業が望まれていますが、体系的に指導支援する体制は整っていなく、もっぱら農家個人の技量やリスク負担を頼りに模索している状況かと思います。今回の「病院構想」がその追い風になることを期待します。

残念なことに、一民間企業からの寄付金1億8千万円が資金であって、5年間だけの設置とのこと。税金はこういうことに使ってほしいものです。

のらやま生活向上委員会、認知された・・・らしい

2005年12月06日 | わが家の時時
我が家の屋号は「すぎのファーム」あるいは「すぎの梨園」。商品によって使い分けているのですが、実はもうひとつ、「のらやま生活向上委員会」と名乗ることもあります。このブログのアドレスが「norayamafarm」となっているのはそこからきてます。

「すぎのファーム」と名乗りだしたのは道の駅しょうなんの農産物直売所ができてからと最近ですが、「のらやま生活向上委員会」というのはもう20年以上になるかもしれません。「委員会」といいながら構成メンバーは我が家だけ。以前、高圧線鉄塔の建て替えの際に東電に「委員会」名のファクスを送りましたら、即日、渉外担当の課長自ら来訪いただいたことがありました。どうもどこかの圧力団体と勘違いされたようです。

と、お騒がせの屋号ですが、最近、兄弟というか分家というか、仲間ができました。「まちなか生活向上委員会」と「柏生活向上委員会」の二つ。どちらも政治的圧力団体ではありません。本当に気の優しいメンバーばかりで構成されています。

二つの生向委の活動の紹介はそれぞれのHPをご覧いただくとして、そもそも「生活向上委員会(生向委)」とはなんぞやです。むかしだったら左翼過激派か政治関係の団体あたりが名乗りそうな名前です。東電の課長さんがあわてて飛んできたのもさもありなんです。最近はどこかの会社の広告でも見られるようですが、最初にしゃれで名付けたのは、今から30年ほど前、サックス奏者の梅津和時さんが率いたバンドではなかったかと思います。

学生時代に彼のライブを見てからその音楽とバンド名が忘れられなくなり、ついには我が家の屋号にまで勝手に使っていたというわけです。

ところが先日、まちなか生活向上委員会のSK氏が梅津氏のライブに出かけ、ひょんなことから3つの生向委の存在が本家の旦那、梅津氏に知られてしまったといいます。しかも、名前を消さないでくれてありがとうというお墨付きまでもらってしまったというから感激です。

これまで名前をコソドロしたみたいでなんとなく肩身の狭い思いをしていたのですが、これからは堂々と「のらやま生活向上委員会」を名乗れます。が、屋号が3つもあって、益々正体不明の農家になってしまいそう。