のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

見上げれば緋色に足りぬもみぢかな

2006年10月31日 | 今年の梨づくり
ナシ畑に隣接した山林の下草を刈っていました。多くはスギ・ヒノキですが、中には雑木もあって、ものによっては紅葉最後の輝きを発していました。

         

ヤマブドウ?の葉も深い赤ワイン色に染まり、彩を添えていました。

この山林を開墾し、新たなナシ畑を作ろうと考えています。

イタチタケおそるおそると顔を出し

2006年10月29日 | ネイチャースケッチ
ナシの剪定枝を焼却する畑で出ていました。確信はないのですが、イタチタケでしょうか。

図鑑をみると「傘の色がイタチの毛皮に似ていることから。身近なきのこで広葉樹の切り株などから出る。乾燥すると傘は白っぽくなる。」とあります。色もそうなんですが、群生の仕方が親イタチの下から子イタチが頭を出しているように見えます。

気をつけてみていると、畑には色々なきのこが生えていることがわかります。名前がわかればもっと楽しいのでしょうが。

路傍人競り合う中のススキ折る

2006年10月28日 | ネイチャースケッチ
ススキがセイタカアワダチソウとつばぜり合いをしているような場所でした。

帰化植物セイカタワダチソウが土着のススキを駆逐して勢力を広げているという話題も上らなくなり、いつからか黄色いキク科の花が秋の風景の一つになっています。でも、やはり秋の風情には枯れ尾花が似合うように思います。ススキを応援する気持ちがあるからか、セイタカアワダチソウの領域を若いススキの群生が奪い返しているようにみえました。

匂はずは心半ばの果樹倒す

2006年10月27日 | 今年の梨づくり
この夏の間に具合を悪くしたり枯れてしまったナシの樹を切り倒していました。十分に働き天寿を全うしたものなら、切り倒す作業も苦にならないのですが、ようやく10年を過ぎ、さあこれから働いてくれと期待していた樹を切り倒すというのは、やはり気が重いものです。

具合を悪くしたり枯れてしまった原因にはいろいろあるのですが、ほとんどの場合は天災というよりは人災。もう少し面倒を見てやれば、まだまだ働いてくれたかと思えるものです。チェーンソウを幹に入れる時に本当に切っていいのかと躊躇し、なぜ切らなければならないのかと思い巡らすことで、せめてもの自らへの戒めにしたいものです。

華やかな柔らかきもの秋一つ

2006年10月26日 | 今年の米づくり
これも秋耕前の田んぼです。チョウジタデという田んぼの雑草が花を咲かせていました。ヤナギタデという似たような葉の雑草もありますが、花がまったく異なります。ヤナギタデはタデ科で、チョウジタデはタデという名前でありながらアカバナ科。

切り藁の生成り色と稲株から出たひこばえの緑色に覆われた田んぼで、黄色い花がぽつんと咲いていましたので、トラクターを止め写真に撮っていました。

チョウやムシは見当たりません。つい、交配できるのだろうかと考えたのですが、いやいや、交配されては来年また芽を出されると考え直し、そのまま耕してしまいました。

除草剤を使ってきちんと管理していた以前は、田んぼの雑草をほとんど見ることはなく、名前も知りませんでした。でも除草剤を使わない米作りを一部でもやっていると、必要に迫られて雑草図鑑を引っ張り出すことになります。こういうことも減農薬栽培の成果の一つかもしれません。


プロ野球日本シリーズは日本ハムが優勝し、今年で引退することを表明していた日本ハムの新庄は決まる前から涙が止まらないようでした。中日が勝てなかったのは、こういう華のある選手がいなかったということのように思えてきました。

華やかな柔らかきもの秋一つ

露濡るを知らぬはミッキーひとりかな

2006年10月25日 | 今年の米づくり
秋耕前の早朝のことでした。風のないうちに米ぬかを散布しようと田んぼに行くと、朝霧の中に何か黒い影が揺れています。こんな早いうちに田んぼに誰か人でもいるのかと近づくと、ミッキーマウスの風船でした。

一晩かけて浦安のTDLから漂ってきたのでしょう。誰が手を離してしまったのか、知る由もないけれど、夢の国とわが家の田んぼを結びつけてくれたのは確かのようです。

北おろしみず田は黙ってわら喰らう

2006年10月24日 | 今年の米づくり
「除草剤を使わない米つくり」仲間から今年の稲作の報告が次々に届いています。失敗、成功あるのですが、米糠で抑草するにしても機械で除草するにしても田んぼの土がトロトロ層にできるかどうかがポイントのようです。

では、どのようにトロトロ層を形成するか。除草剤を使わない稲作の切り札として冬季田んぼに水を溜める冬季湛水稲作が注目されていますが、その田んぼではトロトロ層ができるといわれています。しかし、どこの田んぼでもできるという方法ではありません。各地からの報告の中で、その代替案として現在提案されている方法は、秋に有機質を散布し、冬季に田んぼを乾燥させないこと。つまり、冬の間も微生物にエサを与えて活動していてもらうこと。

冬の間、筑波おろしやら赤城おろしと呼ばれる北西の季節風の吹く関東平野で田んぼを乾燥させないためには、積極的に水を入れることができないならば秋に耕起しないことでしょうか。秋冬に何回か耕すことが、地中に酸素を入れ、藁の分解を促すための常識とされていますので、ちょっと勇気がいります。特に藁が分解されずに来春まで残るようだと、代掻き作業にも差しさわりが出てきます。

不耕起でも藁を分解させる方法はと考え、まず、稲刈り時に切り刻んだ藁と稲株をハンマーモアという機械で砕き、細かくします。

         

そこに米ぬかなどの有機質を散布し、次にカルチウィーダーという土表面を削る機械で地表表面の土と藁などの有機質を混ぜ合わします。

         

耕起は来春、水を入れたときに何回か代掻きをすればなんとかなるでしょう。この方法ではたしてトロトロ層ができるか。我が家の田んぼで一番近いところにある一枚の田んぼで試してみることにしました。

早速昨日からの雨で田んぼには水が溜まりました。微生物がうまく働いてくれますように。

実は仲間達の意見交換の中でも話題となったのですが、除草剤無しの米づくりの一番のネックは、栽培技術的な課題でも周辺の田んぼとの協調といった社会的な課題でもなく、もしかしたら田草の手取り作業をしなければならないというリスクを共有する家族の協力であろうと。わが家も似たような課題は抱えており、来年、除草剤無しで米をつくるか微妙な状況です(納得米プロジェクトは別です)が、これも現実です。

茶をふくみ霜降渡る蜘蛛男

2006年10月23日 | 晩秋の梨畑
昨日、ナシ畑の多目的防災網をまとめる作業をしていると、隣接した高圧電線鉄塔の下へ数台の車に分乗した男達がやってきました。

彼らは速やかに作業安全標語の書かれたシートを掲げ、ベンチを設置し、これからの作業の基地を作ったようでした。何が始まるのかと網をまとめる作業をしながら横目で伺うのですが、しばらくペットボトルを手にしながら談笑しているようでした。

15分ぐらいたった頃でしょうか。男達の半分ぐらいのメンバーが一人ずつ鉄塔へ上っていきました。それからは見上げるだけでも目がくらむような光景が展開されていきました。基地に残った現場監督者に「怖くないんですかね」と声をかけると、「そうですよね」とかえってきました。もしかしたら彼も鉄塔には上ったことはないのかもしれません。

電線の点検をしているそうで、日曜日なのに作業をしているのは良い天候を選んで作業するからでなく、送電を止めている期間中に終了させなければならないという事情からのようでした。

鉄塔に上がる前の15分程度の穏やかな時間は、作業員達の心を静める猶予時間だったようです。雨が降る前に作業をしてしまおうという農家の仕事よりも、もっと厳しい仕事の現場に立ち会いました。

本日、23日は霜降。霜が降り、秋のもの寂しさを感じる頃。

鈴生りで役目を終えしスズメウリ

2006年10月22日 | 今年の梨づくり
 
スズメウリ;
ウリ科のつる草。果実は径1cmほどの球形で白く熟して吊り下がります。カラスウリに対して小さいのでこの名になったとか。

         
 
ヘクソカズラ;
アカネ科のつる草。全体に悪臭があることから屁(へ)くそ蔓(かずら)と呼ばれているそうです。

          

ガガイモ;
ガガイモ科のつる草。果実を乾燥したものは蘿摩子(らまし)という生薬で、漢方では強精剤となるようです。この実の中には扁平楕円形の種子が入っていて、種子には長い白い毛がついていて風で運ばれるとか。くわしくはこちら

          

こちらは名前の分からないつる草。ほこ形の葉と青い実がついています。

このほかにもムカゴのついたヤマノイモ(ジネンジョウ)なども見られました。ナシ畑を囲む防風網にはいろいろなつる草がからんでいて、それぞれ秋の充実の時を迎えていました。それにしても、一言でつる草といっても「科」が皆違うとは…

飛びたくば風寄せ跳ねろ老いなご

2006年10月21日 | 今年の米づくり
 
         

稲刈りを終えた田んぼは広大なオープンスペースに見えるようです。特に干拓地の真ん中は電柱や他の障害物もなく、模型飛行機やモーターパラグライダーなどの空を舞台にした趣味の絶好な遊び場になっています。

風の穏やかだった昨日もあちこちでそんな人たちを見ました。荒起しをしていた田んぼの二つ隣の田んぼは、吹流しも立てたモーターパラグライダーの本格的な発着基地になっていました。入念にロープを整え背中に背負ったエンジン付きプロペラで風を起こし、一気に飛び立っていきます。

身一つで自由に空を飛べるというのは魅力的ですが、轟音と共に不安定に揺られながらすっ飛んでいく姿は、どこまで飛べるかわからずにばたばたと音を立てて逃げ飛ぶイナゴの姿と重なります。

稲子には稲子の悩み曇り空

2006年10月20日 | 今年の米づくり
雨の降る前にと、一日、田んぼの荒起しをするのにトラクターに乗っていました。ひこばえの中から虫のイナゴやカエルが飛び出してきます。それをシラサギが狙って、トラクターの後をついてきます。イナゴは表情も変えずに飛び交っていますが、イナゴなりの悩みもあるのだろうなあ…

って、これ、キノコじゃない!?そう、イナゴは写真に撮れなかったから。

じゃなくて、森の中の菌類が木の子(キノコ)なら田んぼの中の菌類は稲の子(イネコ)じゃないの? あっ、イネコじゃ女優の有馬稲子になってしまう。それならやっぱりイナコ?イネノコ?

腹膨るかまきり次は何を食む

2006年10月19日 | ネイチャースケッチ
今頃の梨畑のもう一方の主役はカマキリ。畑を包む防災網にも何匹ものカマキリを見ることができます。来春まで網をまとめる作業をしていると、何度も網の中に巻き込んでしまいそうになります。気がつけば助け出してやるのですが…

メスは交尾を終えると相手のオスを食べてしまうと聞きます。種を残すためとはいえ、人間のオスとすれば寂しい気にもなりますが、それでこの世に生を受けた役割をしっかりと果たすことができるというのは、考え方によっては幸せかもしれません。

秋の陽を混ぜ込む朝餉静かなり

2006年10月18日 | 今年の梨づくり
食堂の奥、炊き上がったご飯の釜にまで陽が差し込むようになってきました。

でも、ここでのご飯はナシあるいは土壌中の菌類たちのごはんです。ナシの元肥用に身近な資材でぼかし肥料をつくりました。市販の肥料の代わりの経費節減のためとぼかし肥料づくりの経験を積むために取り組んでみました。施肥までひと月。十分ぼかすことができるか不安ですが、失敗しても身元の知れた材料ですからそうそう悪さはしないでしょう。

材料は米ぬか、魚粕、オカラ、籾殻、ナシ剪定枝の焼却炭、カニガラを体積比で4:2:1.5:1:0.5:少々の割合で混合し、米袋に詰めて保管します。成分比は検討していません。手元にあった材料を使い、水分量だけを気にした結果としての混合比です。

本来なら積み込み、熱が上がったところで切り返し、徐々に熱の下がるのを待ちますが、通気性のある袋に詰め込むのは簡易法。手抜きのぼかし肥料、はたしてうまくいきますか。

秋の日にたちまち佛手千成に

2006年10月17日 | アグリママ
 
         

はやとうり(隼人瓜)です。鹿児島の薩摩隼人にちなんで命名された野菜だそうです。雌花(写真下)はかわいいのですが、一本から数百個の実を生らせるほどの生命力のある野菜で、10月から霜の降りる頃まで出回ります。中国では佛手瓜と呼ばれ、縁起物とし使われるとか。

きゅうりに似た味ではあるもののクセがなく、粕漬・みそ漬・酢の物・煮物・炒め物・きんぴら・みそ汁など、調理の用途は広いといわれます。 

道の駅直売所に出荷しているのですが、先日テレビでカレーにジャガイモの代わりに使うと紹介されてから少しずつ売れ出したようです。ネット上でみてみると、調理法としては「はやとうりのオイスター炒め」・「はやとうりの中華炒め」・「はやとうりとベーコンの炒め物」・「はやとうりのチャンプルー」・「はやとうりと高菜の中華炒め」・はやとうりと肉団子のスープ煮」・「はやとうりと砂肝の中華風酢の物」・「はやとうりのみそ漬け・即席漬け」「はやとうりとツナの卵とじ」のレシピがありました。

日陰になってしまってナシを抜いたところの棚をつかっています。これもナシ屋ならではの副業でしょう。

蜘蛛さえも喜怒哀驚の顔を持ち

2006年10月16日 | ネイチャースケッチ

         

         

         

収穫を終え人の入らなくなったナシ畑は、今、ジョロウグモに占領されています。いたるところに網が張られ、獲物を待ち受けています。気性の荒いジョロウグモは落ち葉がかかっただけでも確かめに行き、ぶつぶつ言いながら戻っていくかのようです。