のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

来年も花の香りに包まれて

2013年12月31日 | わが家の時時
後継者くんの友人からバラが送られてきました
欧州研修の際の同志で国内でも屈指のバラ生産農家の後継者とか
毎月、オランダへ出張しているといいます

さあ、来年はわが家の後継者くんも独り立ちしてもらわないと

今年一年も多くの方々に支えられ、わが家の営みも成り立ってきました
ありがとうございました
来年もまた、穏やかで充実した日々が続きますようお祈りします

さわやかな味もなつかしふる里に語りつがれた水羊かん

2013年12月28日 | アグリママ
福井の知人から水羊かんが送られてきました
2年前に直売所へ伺ってからのお付き合いです
水羊かんといえば夏の風物詩というイメージですが
福井では冬に食べる習慣があるそうです
昔、商店の丁稚が里帰りの折に食べた和菓子が由来といわれています

熱湯で溶かした寒天に小豆餡と黒砂糖、ざらめ糖を
混ぜて冷やしたのが水羊かん
かの地で知人の作るおはぎが大評判なのは
実はこういう小豆餡文化が根付いていたからではないか
今回、水羊かんが届いて初めて気がつきました

というのはわが家周辺ではそれほどあんこが好まれていない気がして
それはどうしてだろうと思っていました

コンビニやスーパーで売られている団子のほとんどはみたらし
わが家でみたらしとあんこの団子を毎日販売していても
やはりみたらしの方が売れ行きがいい
もちろんあんこ好きの方はいて
粒あんがいいか、濾しあんがいいかなんて論争がおこるくらいですが
若い世代ほどあんこが苦手のように感じます

ひとつの仮説として
若い世代ほど手作りだったりする美味しいあんこを
食べていないのではないでしょうか
まずいあんこしか食べていなければあんこを食べたいとは思いません

おかげさまで食べていただいた方にはわが家のおはぎも草団子も好評価
北海道十勝産の小豆を知人の生産農家から分けてもらって
手作りしている偽装なしのあんこです
やはり小さい時から美味しいもの
本物のものを食べていただきたいものです

王さまを裸といえず息を飲む

2013年12月24日 | 散歩漫歩
20日、21日、22日の三日間、柏駅前のビル壁をスクリーンに
東京駅舎で話題となったプロジェクションマッピングが行われ
22日に観覧できる機会をいただきました

              

壁面の凹凸を活かした映像構成だったように思うのですが
実はそのあとで観た映画ゼログラビティの印象が強くて…

世の中が何も言えずに息苦しくなるような政治では困りますが
90分間、スクリーンから眼を離せなくなるような
こんな映画は歓迎です
観客みんな、主人公と一緒になって無酸素状態になっていました

ああすればこうすれば舞う枯れ野かな

2013年12月20日 | ネイチャースケッチ
各地で雹や初雪を記録した低気圧でしたが
幸い当地では雨だけで済みました
が、この季節としては珍しく二日以上も降雨が続き
田起こし以前の台風による大雨で寄ってしまった藁始末が
いよいよ面倒になってしまいました

田んぼの作業が始まってしまえば
わがままでそろえたトラクターや畔塗り機や代かき機の
中古機たちが活躍できるのですが
それまでやきもきする日がまだ続きそうです

年が改まるという時期になると
ああすれば良かったこうすれば良かったと思うことが多くなります
うまくいったということも実はいっぱいあったはずですが
それは当然のこととなってしまって
そこから更に欲張ってもっとうまくいけばという思いが募ります

まあこういう欲があるから
また来年、頑張ろうという気になるのでしょうが



人も草も光と熱と水滴と

2013年12月18日 | 農のあれこれ
人材派遣会社のパソナ東京本社ビルを案内してもらう機会を得ました

JR東京駅日本橋口よりすぐのところの立地ながら
ビル外壁の半分はバラや藤等の植栽に覆われていて
大手町のオフィス街で異彩を放っています


入り口のところには大きな実をつけたみかんの鉢植えが置かれ
中に入ると鯉が泳ぐ水槽のうえに張られた木製デッキでは
ちょっとした打合せができるようになっています
かつてはここで米を作っていたそうです
受付の部分の天井からはキュウリがぶら下がり
その横にはトウモロコシ畑になっています

会議室の天井にはトマトが赤い実をならせ
時には人知れず摘ままれてしまうこともあるとか
室内の植物工場ではレタス等が栽培され
一階の喫茶コーナーや社員食堂の食材になるといいます
屋上に作られた庭園はお昼休みや終業後の社員の憩いの場になっていて
周辺のオフィスビルから羨望の視線を感じることがあるとか

植物栽培用の光源が事務用の間接照明になり
室温は植物の成長に見合う一定温度
さらに植物に与える水分が適度な室内湿度をつくっていて室内はいつも快適
「社員の健康」「農業」「環境(エコ)」を考えた新しいオフィスになっています

こういった自然との共生をテーマにしたオフィスビルの企画・管理は
アーバンファームという事業部が行っており
無料で見学を受け入れています
より具体的な社内イメージはこちら

パソナグループにはパソナ農援隊という農業事業部があり
農業部門の人材育成、新しいビジネスモデルの構築に取り組んでいます
これまで農業部門の人材育成というと農政分野の仕事でしたが
こういう民間企業からのアプローチも始まっています

まだ話題性が先行し、具体的な実績はこれからかもしれません
しかし、民間の人材育成ノウハウと現場の受け入れ態勢が合致した時には
新たなイノベーションが巻き起こるかもしれません

タイトル写真は12月16日の朝焼けの様子

未来の扉閉ざされてううと泣く

2013年12月15日 | ネイチャースケッチ
毎年、定点観測しているクヌギの大樹もすっかり葉を散らしました

                  

2週間前は夕日にこんなに映えていたのですが

                  

また春になれば芽吹いてくれるでしょう
もしこの樹が枯れても秋に落としたどんぐりが芽を出してくれます

そんな当たり前のなりわいができなくなったふくしまの老人の
「父といっしょにつくってきたこの田んぼでもう米がつくれなくなった」という言葉に
同じ老境にある作家オオエ健三郎さんはうっうっと忍び泣いたそうです
家族に悟られないよう二階に上がる階段の踊り場で

オオエさんは生涯に二回、境目に出会ったといいます

一つ目は終戦の時
学校の先生が「もう生き直すことはできない」と話したことに対し
母親は「わたしは生き直すことはできないが
わたしらは生き直すことができる」と話してくれたそうです
あなたたち子供たちを含めたわたしらは生き直すことができると

二つ目は2年前のふくしまの事故
日本人全体が内部被ばくしていることに
わたしたちはやってしまったと感じたといいます

生きる上での本質的なモラルは何か
次の世代が生きていける世界・社会を壊さないこと
すべての努力を尽くして守らなければならない
いろいろな立場にある人たちも最低限、同志となれる立場だという
フランスの作家の言葉をオオエさんはラジオで紹介してくれました

オオエさんの話はYoutubeで再聴取することができます
文化放送 大竹まこと ゴールデンラジオ 12月13日放送

これが最後のラジオ出演だという言葉を残し部屋を出て行ったそうです

夏涼し冬温か葱眠る

2013年12月10日 | ちゃちゃちゃビレッジ
事業所向けに青果物を卸している
ピッキング作業現場を見学する機会がありました

市内に作業所を持つH青果は市場から野菜を仕入れ
病院や事業所の食堂などの注文に応じて届けるという仕事
30代?の若社長はせっかく柏で野菜が採れるのだから
直接、農家と取引したらどうかと考え畑を回っているときに
農業生産法人を一緒に立ち上げた友人と知り合いました

食堂等の需要はそれほど変動なく常時安定して野菜を供給したい
市場の価格変動に振り回されるのは経営を脅かす
できれば年間を通じて一定量を一定価格で契約できないか
それが若社長の思惑

生産者とすれば
市場は大手流通業の構造変革が進み価格崩壊状態
直売所で生産したすべての野菜を売り切るのは至難の技
オープンマーケットでは
輸入野菜や大手流通業者の直営農場で生産されるものと競わねばなりません
ならば競争せずに有利に買ってもらえる取引先はないか
そう考えるのは 当然の成り行き

互いの思惑が一致しての今回の顔合わせとなった次第

見学した野菜のピッキング作業現場は元ハムメーカーの倉庫だったところで
つねに10℃前後に室温が保たれているようです
仕分けされた野菜は保冷されたまま配達されるので衛生上も安全ですが
作業する人間にとってはすこし厳しい?

法人の取引先の一つの目処は立ちました
あとはこちら側できちんと野菜を生産できるか

堂々と銀杏黄葉の稚木かな

2013年12月06日 | ネイチャースケッチ

誰かが銀杏の実を落としたのでしょう

去年あたりに庭先の踏み石のすぐ脇に銀杏が芽を出し
ど根性銀杏だ、抜いてしまうのも忍びない、そのうち誰かが抜くだろうと
家族の皆が思って一年が過ぎるうちにあっという間に大きくなりました

このまま置いておくわけにはいきませんが
気持ちの上でも実際の作業でもいよいよ抜いてしまうのが億劫になってしまいました


響き合う鉦念仏に我忘れ

2013年12月04日 | わが家の時時

今日は明治大正期に活動された浄土宗僧侶べんねい上人のご命日
各地で上人忌と称する法要が営まれていますが
生家の地元の医王寺で行われた法要に参加してきました

縁者とはいえ、上人の教えを体現しているわけではなく
住職による法話の中から少しずつ理解しているありさまですが
教えの真髄は念仏三昧とのこと

普段、信仰とは縁遠い生活をしている身にとっては
お念仏は新鮮な体験
鉦、木魚を叩きながら南無阿弥陀仏と称え続けたあとは
妙に気分がすっきりしてきます
宗教家なら阿弥陀さまが目の前に来てくださったからだと
教えてくれるのでしょうが
自分なりに解釈するに一種の呼吸健康法ではないかと

南無阿弥陀仏と何回称えるかわからないほど称えるということは
肺の中の淀んだ気を吐き出し新鮮な気を取り入れているということ
深呼吸を何度もしている状態ですから
心の隅にあったモヤモヤは消え失せ、頭も爽快に
ご利益と思えばなおいっそうご利益というもの

こういう体験は宗旨とは関係なく
多くの人に広まることがよいことではないかと
座禅道場があるなら念仏道場もあったらどうだろうと
住職に提案してみました

気になって帰ってからネットで調べたらありました
べんねい上人と所縁のある宗教法人が
宗派や教義に関係なく念仏に接する機会を設けていました


美味しくて口福ごはん幸せです

2013年12月01日 | 今年の米づくり

わが家の今年の新米を食べた世田谷在住のKさんから絵手紙?をいただきました
ぶっかけご飯に混ぜご飯、きのこご飯、ぎんなんご飯、ぎんなんご飯にむかごご飯…
いろいろなご飯を食べていただいているようです

おいしいといっていだけるから毎年コメ作りに取り組んでいるようなものですが
今年は特に反響が多いような

いつもと違った栽培方法をしたわけではありません
わが家のような平均的な規模のコメ農家なら
適期に刈り取りなどができるという利点はあると思いますが
強いていえば海のミネラルを含んだ土壌改良剤を投入しました

知人からコメが美味しくなるからと勧められたのがきっかけです
ナシ畑にも散布しています
もう2,3年、コメの好評が続けばそのおいしさも本物でしょう