のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

悲観は気分 楽観は意思

2011年11月30日 | 農のあれこれ
とは どこかで見たか聞いたかのフレーズですが
この本は“あの日”以後の塞ぎがちな気分を一新させてくれます

土井里紗『内科医が教える放射能に負けない体の作り方』光文社新書534 2011.8

放射能汚染のリスクはあっても“住みなれた土地を離れられない”私たち
今後何十年という単位で戦っていかねばならない
そのための方法はあると著者はいいます
それは生活習慣病対策にも通じる食事法や栄養療法で
「抗酸化」「解毒」「免疫力アップ」がキーワード

なるほどと思ったのは2段階で起こる発がんのプロセス
第一段階は「イニシエーション」と呼ばれるがんの芽を生む段階
第二段階は「プロモーション」といわれるがんを育てる段階

がんの芽を生む発がん物質「イニシエーター」には
放射線 紫外線 電磁波 化学物質 食品添加物 酸化した脂 タバコなど
がんを育てる発がん物質「プロモーター」には
過度の脂肪 タンパク質 アルコール 塩分 糖分 人工甘味料 タバコなど

ここで注目したいのは「酸化した脂」
古い油で揚げたものとか焦げた肉や魚
揚げたスナックや加工食品 加工油脂などが含まれるそうです

身体を酸化させ生活習慣病や発がんリスクを高める“悪魔の脂”
トランス脂肪酸はお菓子類の原材料のショートニングやマーガリン
ドーナツ フライドポテト レトルトカレーなどに使われています
再加熱することでも脂の酸化がすすむそうですので
一晩置いて温めたカレーは美味しいのですが身体に良くなかったとは…

ひまわり油・コーン油など一般的によく使われる植物油には
非常に酸化しやすいリノール酸が含まれていて使い方には注意が必要とか

じゃあ 身体にいい油は何かというと たとえば
オレイン酸という不飽和脂肪酸を多く含んだオリーブオイル
最近は品種改良した高オレイン酸種のひまわり油もあるそうですから
今度は自分でヒマワリを育てて油を絞りますか

論壇に一石投じて波高し

2011年11月28日 | 農のあれこれ
この秋「最強の論壇誌」なんだそうです
(高ハシ源イチロウ あさ日新聞2011.11.24 13面)

「原発国民投票を」というメッセージの通販カタログです
この間までの首相が国民投票すべきと語っている22年前の誌面を引き合いに
発言を実行していたら名宰相として名を残せたのに…
という風刺は笑って済ますことはできませんでした

もちろん商品カタログです
「メイド・イン・東北」で売っているのは
“気の毒だから”でなく“品質で選んだ”新作17点
そんなクールな視点に好感が持てます

出版元の東京のお店では福島さん(産)の野菜も売っています
放射性セシウムは日本の暫定規制値だけでなく
ウクライナ規制値の両方をパスした野菜だけを取り扱い
しかも検出した値を表示して販売しているようです

ウクライナ規制値は事故から12年過ぎて実施している基準で
「この基準内の食品を標準的な量で摂取した合計が
年間1ミリシーベルトを超えない」を保証する規制値
何回も改定してでてきた結果といいます
たとえば野菜は40 果物70 パン20 肉200 魚150 牛乳100 幼児食品40
一律500よりも信頼できそうです

この号のテレビCMは民放から拒否されたといいます
だからここで宣伝したいと思います

「これほど充実した180円は見たことありません」

勝ち点1重ねて歩むVロード

2011年11月27日 | 柏レイソル
これまでの唯一のタイトル「ナビスコカップ」優勝は
クニタチで立ち会いました
去年のJ2優勝はヒタチで立ち会いました
もしかしたらJ1優勝も立ちえるかもという期待をもって
ヒタチに出かけてみました

この1週間はレイソるウィークの様相
オリンピック世代の国際試合では元レイソるのオーツが2試合連続得点し
ロンドンへまた一歩
またDFサカイはブラジルの名門チームからオファーというニュースも
有望な若手が育っているのもレイソル快進撃の要因の一つ
その二人が不在だった26日の試合でも
なんとかドローに持ち込むなんていうのはやはり好調の証

8日にはクラブワールドカップで相手はオークランドシティだ
来年のアジアチャンピオンズリーグ
韓国には行けるかな
カタールまではどうよ
なんて与太話ができるのはなんとも愉快です

写真はスタジアムから駅へ通じる通りにある新聞販売店さんが
ホーム試合開催日に独自に発行している号外
試合終了からサポーターが帰路に着くまでの短時間内で
印刷・配布してくれます
毎回ありがとうございます

お疲れ様来年もよろしくラブ注入

2011年11月23日 | 晩秋の梨畑
注入しているのは自家製ぼかし肥料です

ホールディガーで穴を掘り
スポット的に元肥を入れ始めて5年以上になりますか
肥料成分量としては基準より少なく
樹勢が気になりますが
ナシの実の評判はさらによくなったような気がします

今年はところどころ籾殻クン炭もスポット注入してみます

野良仕事365分の2は誤差の内

2011年11月22日 | ネイチャースケッチ
今朝は初霜でした
2008年は二日前の11月20日でした
ようやく小松菜も絞まった味になるでしょう

このところの暖かさで
正月用に蒔いたほうれん草もどんどん伸びてしまって
年内にみな出荷されてしまうのではなんて心配する声も
大根なんて市場価格が一本1円だったこともあるとか
要するに出荷するなということ
なんとも生産者を馬鹿にした価格です

いつまでも暖かいと暖房費がかからなくていいのですが

トマトならケチャップ・ジュースにジャムはいかが

2011年11月21日 | アグリママ
市の音頭とりではじめられた手賀沼アグリビジネス構想
加工部会に名を連ねてまずは食品加工の勉強会

市内農家からトマトをいただいてトマトジャムの試作です

上の写真のビンに入っているのが各地の既存商品
左下の皿に入っているのが今回の試作したトマトジャム
色は鮮やかなオレンジで美しい
合格です

食パンに乗せて試食してみても
滑らかな舌触りとまろやかな味に仕上がっていて
これも合格

初めての試作としては上出来です
でも既存商品のほうが酸味があってとんがった感じですが
トマトらしさが残った味です

よく見ると既存の流通しているものは
果肉か皮のようなものや種子の姿が見られます

              

それに対して試作したものはこんな感じ

              

裏ごししたために果肉の形状はなくなり練られた感じです
トマトらしい風味の点では既存のもののほうが勝っているかも
二つともそういうふうにできているのですから
世の流通するトマトジャムの定番は果肉の形状ありなのでしょうか

まだ研究開発は続きます


朽ちるより薪にならんか杉木立

2011年11月20日 | 晩秋の梨畑
ナシ畑のこのごろは普段できないことをする時期

園周囲で覆い被さってきた木々の枝を切り落としたり
緩んだ棚の補修をしたり

写真のこの大杉も畑よりずっと低いところから伸びていたのですが
夏でも日陰を作ってしまうくらいに大きくなってしまい
幹の途中に腐れが入ってしまっている模様

低い土地の杉は風に当たらずまっすぐに素直にのびて
かつてはこいのぼりの竿なんかもこういうところから探したといいますが
かといって
いまさら建材にするといってもかえって高くつくし
たとえ柱や板に製材しても
中途半端な量の建材では大工さんもいやな顔をするだろうし
いやそういう大工さんもいなくなってしまったようですし
薪に使ってくれるという知人がいたものですから
えいやあと

切り倒した幹の長さを測ったら23mありました
何年前に誰が植えてくれたのかわかりませんが
ありがとうございました

無駄にせず人の役には立たせますよ

今様は煙なくとも暖かく

2011年11月17日 | 農のあれこれ
雑誌『現代農業』12月号の特集は“薪”
今年もナシ畑から薪の材料ができました

燃料自給の切り札といわれても
薪は買うと高価だし安く手に入れることは難しい
何よりストーブの煙突から出る煙は近所迷惑だし……
とお考えの皆様

最近は煙の出にくいストーブが出回っています
たとえばこれ
もちろんそれ相応の手入れが必要ですがそれを楽しめることが条件
薪割りもまた楽しみの一つかもしれません
知り合いのところにきた研修生が
喜んで薪割りをしてくれるといっていました

ナシの薪 差し上げます(現場・現状渡し)

もし30cmぐらいに刻んでほしいということでしたら
その分の手間賃をいただきます

道拓く渡来十色の青菜あり

2011年11月14日 | 農のあれこれ
30年ほど前に初めて本格的に中国野菜の栽培を始めた
Nかわファームさんの畑をみる機会がありました

ときには種苗会社と当地の気候にあった種を共同開発しながら
5ha以上の畑で年間20種類以上の中国野菜を栽培
収穫した野菜は全国の中華料理店へ直送されているそうです

基本はえぐみの少ない食材の味にこだわること
試食させていただいた枝豆は
いくら食べても飽きることなく次から次へ手が出てしまう逸品
完熟たい肥を基本に肥料は厳選
いくつかの肥料を試しながら一番おいしい野菜ができた有機質肥料を使用
ポイントは過剰な施肥をしないこととか

新しい畑で栽培し始める際には表土を反転し土壌をリセット
少量づつ肥料を投入しながら土づくりをしていき
たとえば色の濃い青菜がほしい場合には
窒素成分を増やすのではなくそういう品種に改良する
そのために種苗会社とのお付き合いは大事だといいます

わが家とは栽培品目は異なりますが
土づくりの考え方は参考になりそうです

前向きに放水始め厄落とせ

2011年11月13日 | 晩秋の梨畑
11月とは思えない暖かな日になりました
高圧洗浄機によるナシの粗皮はぎ作業には最適でした

             

本来はハダニや害虫の越冬を防ぎ駆除したり
樹体の枯れ込みを確認して表皮を新陳代謝させるのが目的の作業ですが
今年は放射性物質除染の意味合いも含まれています

巨大装置が暴走し人の力ではどうしようもできない状況のもとでは
相手がお天道様と同じ
その状況を受け入れできる限りのことをするしかありません
その一つがこの粗皮はぎ作業

「どうしようもできない」といわれながら
ある種の微生物が放射性物質を除去する効果があるのではないかという
情報もあります

かつてはこんな研究も発表されています
土づくりの場面でも微生物の活躍が注目されています
人の体の中でも微生物が重要な役割をしています
原始地球の劣悪な環境の中で生命体を造り出したのは微生物たち
もしかしたら微生物が生き続けるために
たまたま人類という宿るための器を作りだしたのかもしれません

前向きで行きましょう

この一年大きくなれと念じれば

2011年11月07日 | 梨の出荷
今年最後のナシの収穫をしました
品種は「新雪」

以前は一度霜にあたってから収穫しないと美味しくない
なんていっていましたが
最近は冬の訪れが遅くなって
その分 積算温度が貯まるのか別の品種になったかのようです
今年は特に11月になっても霜なんて降りそうもなく暖か
葉もまだ青々しています

で 今年最大のナシかもということで記念写真
1200gを超えています
もっとも一昨年は1700gを超えた「晩三吉」が収穫されていますので
今年は小ぶりだった?

忍び寄るパステルカラーに染まる秋

2011年11月05日 | 農のあれこれ
晩秋というとススキや枯れ葉に言いかえられる光景が浮かびますが
いまこんな可憐なパステルカラーの花で田畑が彩られています
9月にも紹介した外来のアサガオです

春に種をまいて成長を見届けたアサガオは
9月以降に344個の種子をつけて寿命がつきてしまいました
(それまでにできた種子とあわせるとなんと1480個!)
11月になってもまだ咲いているこの花は
ナシ畑の中で遅れて芽を出したものと思われます

このごろセイタカアワダチソウは以前の勢いがなくなりましたが
この時期本来の野山の景観を壊した悪者のようにいわれていました

あの鮮やかな黄色やこんなパステル調のアサガオが
いつの間にか身近なところまで忍び寄っています

似たような話
遺伝子組み換え作物にもあるようです

納豆などの大豆製品で「遺伝子組み換えでない」という表示をよく見ます
きちんと表示されているから選択できて安心
でも実際は遺伝子組み換え作物は国内に入ってきているようで
ならばそれはどこに行ったのかといえば
植物油の原料や家畜の飼料になっているとか
つまり回りまわって知らず知らずのうちに口にしているようです


いま話題のTPPについて農家としてどう思うか
と問われることがあります

国内の農業が成り立たなくなって
遺伝子組み換え作物表示もされなくなって
食の安心・安全が脅かされるから反対だという意見があります
関税がなくなって日本の工業製品が売れるから
賛成だという意見もあります

どちらの主張も一理あるけどどっちもどっちかなあという印象です
開国か鎖国かというような
オールオアナッシングの話ではないでしょう

モノもヒトも情報も国境がなくなっている状況は変えられません
そういう意味では貿易自由化は止められないでしょう
でも現在の最大の貿易相手国は中国
その中国を抜きにして貿易の話をしていいのかという疑問が残ります
もし農産物を輸出するとしたらまず中国を想定するでしょう

自由化されたら日本の工業製品が売れるという論拠も怪しそうです
このところのタイやインドのニュースでもわかるように
日本企業の工場がどんどん海外へ流出しているといわれます
でもそれは安い労働力を求めたり税金逃れだけが原因ではないという話を
中国で仕事をしてきた友人から聞きました

一番のポイントは国内には技術者がいないのだそうです
どんどん世界に飛び出して向学心に燃える人材がいないといいます
技術の日本といいながら
理科離れや内向き志向を招いた教育の問題もありそうです

なぜか中国の工場で作った家電製品が
中国国内で買うより日本で買う方が安いのだとか
エコポイントもつけてあれだけ売れたTVも
国内メーカーはみな赤字とか
これでは企業が国外に出るのも当たり前です

“日本の企業”といいながらすでに企業は株主のもの
国内の失業率などは企業の責任ではありません

そんなこんなを考えると
「TPPに入らないと世界から取り残される」という主張も
色あせて見えます
もうすでに取り残されているのかもしれません


国内の農業を再編しなければという議論があります
土地を兼業農家から取り上げ大規模農家に集約するといいます
自由化することで国際競争力を持つ農業事業者も出てくるでしょう

しかしすべての農地をそういう事業者に委託するのはできません
効率のいい農地だけで世界と競ってもらわないと負けてしまうでしょう
残った効率の悪い農地は兼業農家のような安定した経営母体に
委ねるしかないと思います
「環境支払い」の仕組みを確立することも必要です

農業は食の安全保障だけでなく結果的に国土の保全に寄与しています
消費者のみなさんにはしっかりとした選別眼を持っていただき
国内の農業を支えていただきたい

発言は大人の事情もかんがみて

2011年11月03日 | わが家の時時
わが家の母の書いたうるち団子の紹介記事が
雑誌『現代農業』2011年12月号に掲載されています
このブログではこれまでも何度か紹介している内容です

うそ偽りはないのですが紹介できないこともありまして
“大人の事情”といいますか“企業秘密”といいますか
さあこれから団子の季節です