のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

陽の春を一芯に集め色香立つ

2011年02月28日 | 農のあれこれ
2005年の2月21日に伊豆・河津で購入してきた河津桜の苗木

6年にもなると高さ5mぐらいにまで伸びて花もたくさんつけ
数日前から咲きだしています

08年2月29日にはまだ咲いていませんから
今年は開花が早まっているようです

去年の4月に福島市の「花見山」に行ってきてから
あたり一帯が花に埋まるようなことはできないかなあと考えています
6年で5mも育つのですからその気になればなんとかできそうです

わが家の屋敷の東側はちょっと低くなっている谷津のはじまりで
水がわき出しているようなところがあります
昔は水の湧く上側の部分は斜面林の影になりながらも
畑として利用していましたが
今では半分の畑は耕作放棄されいつの間にか竹林に
ウメを植えたところも管理されずに枝も伸び放題のブッシュ状態

ウメの枝が剪定されていた時には
近くの学校の子供たちが花見遊びをしていたこともあるくらい
花が咲きそろったこともあります
実をとらず花を見るだけなら問題ない土地のようです

先日 ウメ畑の地主の一人の方とお話しした際
もしウメ畑として管理するなら地代がなくとも貸してもらえるかと
打診したところ快諾
あとは管理してくれる人です
近くの霊園には作業スタッフがいます
霊園のお客様や寺院への参拝客にウメ畑を開放するということなら
ウメ畑の管理をしてもらえないだろうか……

そうしたらわが家もウメの花に囲まれて桃源郷ならぬ「梅源郷」
4月になれば「梨源郷」
6月になれば「栗源郷」

まだまだやりたいことがいっぱいです

春一番いつかここまでなりました

2011年02月25日 | 春の梨畑
先日は大霜だったと思ったら今日は4月並の20℃の気温
春一番まで記録して
ナシ畑のライムギもたっぷりの水分にも恵まれ
気温に関係なく昼間の時間が伸びているのに比例して
日に日に大きくなっているようで
いつものことながら気分的にも剪定作業に追われつつ
あれもこれもという欲だけはなくならず
そんな性格はいつの間にか子らにも引き継がれ
ひとりの子は欲にまみれた日々のはてに風邪でダウン
三寒四温だけが体調を狂わすのではないらしい

春浅し色とりどりの鳥供養

2011年02月22日 | わが家の時時
2月22日は当地区が唯一注目を集める「鳥オビシャ」の祭礼日
今年は40年に一度?ともいわれる祭礼の世話役にわが家が当たり
昨日から祭りの準備をしていました

オビシャ(お備射)というのは弓矢で的を射ることによって
その年の吉凶や農作物の豊凶作を占う祭りのこと
新年に行われる場合には
邪気を祓い五穀豊穣や無病息災等を祈念する祭
にもなっているといわれます

そういう「箭弓の儀」をとり行う祭礼は各地でも行われているようですが
当地区のオビシャ行事のユニークな点はそれに合わせて
新粉もちで鳥を形どったものを飾って祭るということ
この鳥をもちでつくるという祭礼をしているのは周辺では三地区しかなく
「箭弓の儀」と鳥を飾るのを組み合わせて氏子全体で行っているのは
当地区だけということです

             

その縁起は不明ですが
もちで鳥を作り祭るということは鳥供養の意味合いがあるのでは
という仮説もあるようです
利根川や手賀沼に近い当地は古くから冬の間のカモ猟などが盛んで
農作業のできない冬の間は
水鳥を獲って売ったり食べたりしていたのでしょう
その霊を慰め冥福を祈る
またこれからも豊漁?が続くことを祈願してきたという仮説です

粘土細工のようなもちの鳥があるということは
祭りとしてわかりやすいし
映像的にも効果的ということでしょうか
昨年はNHKテレビで紹介されましたが
今年は千葉テレビが取材に来てくれました

外部の人たちがこれだけ注目してくれるのですから
地元の人間ももっと当地区の伝統文化として若い人たちに伝承していけるよう
なんらかの手を打つことが必要かもしれません


さて 実際のもち鳥づくりです

以前はどこの家でももち鳥をつくり
品評会のようなものもやっていたようですが
今年の当番5軒の中で現在ももち鳥を作っている家は皆無

当地で生まれ育ったわが家の父
7年前に亡くなった曾祖母から子どもの頃に教えられ作っていました
もうブランクが40年以上たちますが
昔とった杵柄でしょうか見よう見まねでつくってみると
あら不思議 なんとか格好になっています

             

             

もしかしたら器用なのかもしれません
調子に乗ったついでにわが家でもこれから毎年作ろうかしらん

もちでつくる鳥にはいろいろな色や形があって
それが作る人らしさがでて面白いもの
他の人の作品もいくつか紹介

            

            

            

            

            

雷鳴に突かれひらく紅椿

2011年02月18日 | ネイチャースケッチ
大きな雨でした
どこかでは2月の降水量の記録を出したとか出さなかったとか

朝7時半ごろでした
外が一瞬明るくなったような気がしたので
雷かと身構えていたのですが
なかなか音がなりません

勘違いかと思いだしたころにドロドローって天地雷同
これはこれは春雷さまのお出ましです

春雷といえばほら立松和平の小説で
永島敏行と石田えり の映画が印象的で…
って あれは『遠雷』でしたね
どうも勘違いしてしまいます

もっとも『春雷』という小説も『遠雷』の続編であるようですけど

『遠雷』は都市化の中で農家を続けようとする若者を描いた物語でした
さて今の農村を舞台にしたらどんな物語ができるのでしょうか

猫の恋雪降る街に声消され

2011年02月15日 | 冬の梨畑
15日の朝は思いのほかの積雪に見舞われました
当地で5cmほどはあったでしょうか
それも午後には陽が出てどんどん溶けて行きました
ありがたいことです

1月は乾燥していましたので
このままだとナシ畑に芽出しの潅水でもしようかと思っていました
これだけの降水量があればなんとかなるかなとひと安心

チョコレートがいちごに変わる余寒かな

2011年02月14日 | 散歩漫歩
みかん並みに大きなイチゴです
あきひめ(章姫)という品種といいます

バレンタインデー向けの商品として
ひとつづつパックに入れて直売所に知人が出荷していました
大きくするために特別なことはしていないという話でした
でも大きいというだけで話題にはなります

売れ行きがよければ
いろんな商品企画が次々と出てくるでしょう
だからそんな心意気に応えないわけにはいかず
買ってきてしまいました

新しい時代の前の浮かれ猫

2011年02月13日 | 農のあれこれ
ちょっと話題になっている本のようです

主題を一言でいえば
問題なのは成長戦略がないということではない
成長しなくてもやっていけるための戦略がないことが問題なのだ
百年単位で時代を考えよう
でしょうか

労働観や家族・共同体を指標に
高度経済成長期 一億総中流幻想の時代 グローバリズムの時代と
日本の近年を読み解き
民主主義が発展する過程では差異性や自分らしさが求められ
社会での格差や経済成長が生み出され人口も急増
ひとりひとりが権利を拡大し
個人のレベルまで社会が解体される完成期になると
出生率が低下し経済成長が鈍るのは歴史の必然

人口減少の時代をどのように考えるべきかには答えがなく
どのように考えてはならないかがあるのみ
歴史過程的な人口調整が終わり
定常状態に近い経済均衡がもたされるまで移行期的混乱が続く
といいます

この時代を乗り越えるポイントとして
著者は労働倫理の復活を指摘しています

かつて労働は何ものにも還元できない生き方そのもので
金銭には還元し得ない価値があるもの
返礼を期待して行う行為ではない「贈与」のようなもの
という倫理観があった
ところが「労働とは時間であり時間とは貨幣である」
というアメリカ流の労働観が流布し
金銭一元的な価値感では抜け出せないといっているようです

まさに農業という生業は「時は金なり」という倫理観では成り立たず
これまでの経済成長の時代には見捨てられてきました
いま改めて農業が見直されているということは
もしかしたら経済成長に頼らない社会が見えてきているのかもしれません

如月や暦通りに梅に雪

2011年02月09日 | ネイチャースケッチ
中国では庭の梅を愛でるのが「観梅」
野に咲く梅の花を探すのが「探梅」というようですが
俳句の季語では「探梅」は冬の季語
春になると「観梅」になるとか

まあとにかく立春が過ぎ暦の上の季節が変わったとたんに
天候も冬型から早春型に変わったようで
昨夜からみぞれ交じりの冷たい雨
大雪に泣かされている地方の方には申し訳ないのですが
当方ではひと月ぶりの恵みの雨というわけです

でもそうも言っていられないようで
明日一日おいたこの週末には今度は積雪も予想されるとか
このまま周期的に雨模様となるとナシの剪定作業も一気にスローダウン

前にも予言しましたが雨の多い2月、暖かい3月になったら
一気に春本番がやってきて
気持ちのゆとりも一気にしぼんでしまうことに

毎年のことながら天候に一喜一憂する日々が始まります

花も実も先へ先へと栗の枝

2011年02月04日 | 散歩漫歩
春間近の先日
栗の剪定講習会が開かれるというので出かけてきました

ナシ農家ならクリの剪定ぐらいわかるだろうと思われるかもしれません
陽の光が大事なことぐらいはわかります

庭先にも畑の端にもクリは植えてあります
家族で食べるくらいの実は採れますし
ナシのお客様にクリ拾いのまねごとのようなこともしていただいております
でもその程度のことです

日向に苗木を植えて3年もすれば
交配なんかしなくともそれなりに生り出します
どんどん大きくなり15年もすると幹も虫でぼろぼろになって
そろそろ新しい苗木でも買ってこようか
てなくらいな扱いしかしてきませんでした

庭先果樹の本なども買って読んではいるのですが
一度 実際に剪定の仕方を見せてもらいたいと思っていました

講師は成田のクリ農家の方
クリの実はどこに生るか知っていますかと問われ
まずガツン
15年が経済寿命なんて言われているようですがなんて伺うと
きちんと管理していれば半永久的に実を生らせてくれますという答えに
またガツン

陽を受け止める樹形ができてしまえば毎年の剪定も簡単という言葉に刺激され
今年はクリも剪定してみましようか

ブログ発 紙メディア行き これがネット

2011年02月02日 | わが家の時時
宣伝です

『gendai農業』3月号が近々発売されます
そこにはわが家の父母それぞれの名による記事がW掲載されています

特集「軽トラ活用術」の中で
「軽ダンプ ダンプの力と荷台の高さで選んだ」p110という記事と
「「日本のパン」が焼きたい」というテーマの中で
「お手軽お米パン 話題のGOPANを買ってみました」p322という記事

実は軽ダンプの原稿の方が早く依頼されていて
もっと先の号に掲載される予定でしたが
特集を編集する都合で3月号に
GOPANはタイムリーな企画で3月号に
という偶然です

裏話をしましょう

ふたつの原稿ともきっかけはこのブログです
軽ダンプは一年前のブログ
GOPANは昨年11月のブログ

たまたま雑誌の編集者の方がブログを見ていてチェックされたようです

でも
なんだ雑誌も民放テレビの朝のニュースワイドが
他人の書いた新聞記事を並べているのと同じか
というのは適切ではないでしょう

この雑誌を発行しているnou文協は
いまでも若いスタッフがバイクのスーパーカブで走り回って現場に出向き
農家と直接話して情報を集めたり広めたり
いまどき超アナログな営業している珍しい会社です

農家が発信するホームページやブログを検索するのも
ネット社会ならではの情報処理手法
ツイッターで独裁国家権力が倒れる時代です
何万人もの農家がフォロアーになっているような「つぶやき」ができたら
もしかしたら農業もさらに変わる?