のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

あの人は仲人産婆コミュニケーター

2013年09月30日 | アグリママ
最近、柏市の農業はどことなく活気があります
市内に二つの農産物直売所があって
農家自身が生産だけでなく商いに関わっているからという理由もありますが
農家以外の自薦他薦の農業応援団の方々の存在が大きいでしょう
3.11以後、途方に暮れていた農家を精神的にも支えてくれました

そんな応援団のお一人が“フードコミュニケーター”で
笑顔がチャーミングなMさん
手賀沼と周りの農村風景に魅了されて都内から移ってきたのが5年前
持ち前の人柄と行動力で瞬く間に柏市農業のキーパーソンに
現在、柏市民大学の講師のかたわら市のホームページでブログも連載中

ひと月ぐらい前に新聞の地方版で紹介されたことから
NHK千葉のディレクターの目にとまり
近々テレビの地方ネット番組で取り上げられることになりました
テーマは地元産果物を使ったソフトクリームの開発
これまでイチゴ、ブルーベリーとやってきて
今度はナシという時期に取材が入ったために
わが家の母やナシ畑、加工所も取材対象に

先日、収録が行われまして、放送は10月2日の午前11時からの番組の中
どれだけ取り上げられているかは見てのお楽しみ

テレビで紹介される商品は10月5日から
道の駅しょうなんのレストランヴィアッチォで
“梨のソフトクリーム”として販売されます
ナシジャムを混ぜ合わせたソフトクリームに
セミドライのナシを添えたもの
350円で期間限定販売されます

ナシの果肉のつぶつぶ感と風味の感じられるソフトクリームは
きっと初めての味わい
特にセミドライナシは“ナニコレ”的余韻の残る後味
ドライナシ単体でも欲しいとなっても
まだ製品化の体勢が整っていませんのでごめんなさい

聞きたいのこんな私の迷い道

2013年09月27日 | わが家の時時
わが家の母が25日から
農文協という出版社主催の農産加工講座に参加しました

全国で取り組む自慢の加工品を持ちより互いに批評をしながら
最後は師とも神様とも仰ぐK先生より講評をいただく
とても刺激的で実用的な講習会です
今年で3回目の参加
これがあったからわが家の加工部門がここまで来たというもの

初めての年はイチゴジャムを持参したところ、批評の対象外
2年目は加工所工事中で持参できず
今年こそという思いで
人参玉ねぎドレッシングとドライナシをテーブルの上に
ドキドキしながら先生の顔を覗き込むと
これはいいと想定外のお褒めの言葉
舞い上がった気分のまま帰って来ました

昨年の加工所建設でも先生のアドバイスをいただいていたこともあって
他の人達の参考になるからその経験を発表しなさいとのお達しで
わが家の加工部門の歩みと加工所建設の苦労話をちょちょっと

他人の失敗話は蜜の味ですから
なんとか与えられた時間は勤めてきました

24時間食べてもらいたいおらがナシ

2013年09月24日 | 梨の出荷
先日から柏市内のコンビニろうそん10店舗の店頭で
市内で生産されたナシが販売されています
わが家も成り行き上
柏駅西口店、柏泉町店の2店へ定期的に搬送しています

コンビニ業界では、最近、
スーパーマーケットより身近なヨロズ屋を目指し
生鮮野菜や果物も扱うようになっています
一方、農家は直売依存が高まることで
より多くの販売所が必要という事情があります
常設の直売所に配達するついでにコンビニにも納品というわけです

配達帰りにコンビニコーヒーで一息ということもあるでしょう
お金落とす代わりに納品というのもそれほど面倒でもありません
売り上げより使う方が高くなったら問題ですが
それにコンビニの営業は24時間
深夜でも早朝でもいつでも納品できる可能性はあります

消費者の方からみれば
離れた直売所まで出向かなければ買えなかった新鮮な野菜果物が
すぐ近くでいつでも買えるというのは魅力でしょう

…が、常設の直売所の売り上げと比べたら問題になりません
配達する手間と気遣いを換算したら一層無駄な努力に見えます
それでもコンビニ販売を試みるのは
その情報発信力に期待してのこと
より多くの人達の身近なところでわが家のナシを知ってもらい
美味しかったからもう一度食べたいと思っていただけたら

さらに
贈り物からお取り寄せに関心が移り変わっている気がします
「上等なものを義理のある方に」という気持ちがある一方
「ちょっと良いものを自分へのご褒美にしたい」という
消費行動が増えているのも確か

たとえばコンビニスイート
ケーキ屋さんでチーズケーキをたった1つ買うのは気が引けます
コンビニならちょっと高価でもおいしければ
自分用のチーズケーキを気軽に買えます
同じようにわが家のナシを手に取ってもらえたら

飲み会帰り
喉が乾いたので駅前のコンビニで缶コーヒーでも飲むか
ん?ナシがあるじゃない
ナシも一個買って家で食べよう…なんてね
それには一個売りもさせてもらうといいんですけど

おとぎでは犬も歩けば熊を喰う

2013年09月18日 | 今年の米づくり
千葉県では「ふなっしー」の予想外の健闘に刺激されてか
「ちーばくん」を本格的に売り出すことにしたようてす
もともと千葉県を象徴するキャラクターでしたが
今年から千葉県産米袋の真ん中にドーンと登場
これは目立ちます

でも犬って辞書を調べると
“無駄で役に立たないもの”なんて意味があって
これで「熊もん」にいどもうというわけですから
果たして猟犬になれるかどうか



これはわが家のナシの発送箱のデザインの一部
千葉県の形状と柏市の位置を落としただけのものですが
そういえば「ちーばくん」そっくり
たまたま柏市の位置が目の位置になっているのであって
わが家の箱のデザインの方が「ちーばくん」発表より早かったと思いますが

雨風の傷痕隠す照柿空

2013年09月16日 | 雲図鑑
各地に風水害を残して台風18号が駆け抜けて行きました

初め、わが家周辺が予想進路上に当たっていましたので
ある程度の覚悟はしていたのですが
幸い、進路がそれたこともあってか大した被害もなく、
安堵しています

今回は進路の東側よりも西側に雨雲が長く伸びて
あちこちで水害を引き起こしています
固有の事情があってのことでしょうが
これまでの常識に固執しているようでは
生き残れない時代に入っているのかもしれません

今年も何かと自然災害が多発していて
米は大丈夫かという声が聞こえてきますが
業界ではすでに春のうちに昨年産米をかき集めてあるそうで
新米は値下がり傾向とか

わが家周辺ではむしろ例年になく豊作で
余分を卸業者に買い取ってもらおうとしたら
予約分しか買い取らないと断られたといいます

この台風で生鮮野菜が値上がりすると
生産者が頭をかかえていました
逆じゃないのかと聞けば
今の消費者は高いと野菜を買わないので
かえって売れないのだそうです

ふつう茜空というのは
一日が無事終えた安らぎの象徴のような印象がありますが
今夕の空は鮮やか過ぎて何となく不安を掻き立てられました

召すままに湧いた流れた降った晴れた

2013年09月15日 | 雲図鑑
台風が近づいています
昨日までに稲刈りは終わりました
イネはぎりぎりセーフでしたが、今度はナシが心配の種です

わが家周辺は現在のところ進路の右側にあたり
左側より風が強い“危険半円”というのだそうです
むしろ台風の眼が通過するような直撃の場合の方が被害が少ない
という経験もしています

                  

5日前にはこんな秋の雲だったのに
全く心変わりの早い空ですこと

嫁っこが母ちゃんからおっかあに化け

2013年09月14日 | 今年の納得米づくり
12年目を数える消費者参加型の米づくり「納得米プロジェクト」が
今年も無事に稲刈りをすることができました
セミプロ会員がいることもあって途中の管理はお任せですが
田植え機とコンバインは大型農機で共同作業時には危ないこともあるので
できるだけ立ち会うようにしています

今年から加わったMさんご夫婦
奥さまの方がコンバイン操作に興味津津の様子でしたので
さっそく挑戦
数回、大きな声で注意した他は飲み込みがはやく
あっという間に先輩男性会員を凌ぐスムーズな運転

久松達央『キレイゴトぬきの農業論』新潮新書2013.9の最終章に
「相対的に非力な女性が機械操作に回って
体力を使う仕事に男性を当てた方が効率的だと思う」と
農業界の既成概念がいかにアテにならないかの事例として紹介されています
久松農園の農場長は小柄な女性なのだそうです

農家に嫁いだ女性が
結婚したての頃は“嫁っこ”と呼ばれてお客様扱いされていたのが
子供が生まれると家の中での存在感が増して“母ちゃん”になり
そのうち実力をつけて父ちゃんを操る“おっかあ”になれば本物
そういう農家は間違いなく家の中も経営もうまくいっている
なんて話をよく聞きます
たしかに現実的なことをこつこつと積み上げていくような仕事の多い農業は
女性の方こそむいているのかもしれません

                

今年の米作りの新装備は懐かしいバインダー
イネを刈り取り束ねてくれる機械です

知人がいらなくなったとわざわざ持って来てくれました
パンクしていたタイヤを新調したほかは絶好調
これで会員のおもちゃがまた一つ増えました

わが家流の「仕事が遊び、遊びが仕事」を
理解してくれている知人に感謝、感謝

育てても拾えぬ栗は美味かろう

2013年09月11日 | ネイチャースケッチ
少し離れた畑を栗畑にしようと苗を植えて3年
今年あたりから実をつけているはずですが
拾いにいく時間がありません
ナシ屋が米を作っていたらとても栗まで気が回らないということです

写真は「ぽろたん」という渋皮が剥きやすい品種
さらに新しい「美玖里みくり」という新しい苗木も植えています
「ほくほくした肉質で甘味と香りが強い」というカタログの記述を
確かめたいのですが

酷暑でも日照りでも満作なりけり

2013年09月09日 | 梨の出荷
現在、「豊水」と「あきづき」を収穫しています
「豊水」は後半に入った感じ、「あきづき」はこれから盛りを迎えるところ

わが家にお出でになったお客様に「今年は大変だったでしょ」と
よく声をかけていただきます
確かに暑さで体はきつかったし、ナシもあの乾燥状態はこたえているはず
でも実のできをみると厳しい天候など関係なかったような豊作

幸水も肥大がよかったのですが
豊水も御覧のとおり、700g、800g級がごろごろ
大きいナシで名高い新高並です

                 

かたや「あきづき」
まん丸なきれいな形に細かな果肉でシャキシャキ感100%
果汁は多く酸味はほとんどない、いわば「9月の幸水」
先祖をたどると(新高×豊水)×幸水
いいとこどりの新品種です

よく色づいたものを糖度計で計ってみると、15.2度
糖度が十分のっているのもお天道様のおかげ

                


稲株が泥にまみえる雨休み

2013年09月08日 | 今年の米づくり
もう少しで稲刈りと引き締めた気持ちも萎える3日続いたゲリラ豪雨
気の急く農家は翌日から稲刈りを始めていました
それを見たわが家も一枚だけでもやれるところだけでも
ということで遅れること一日、稲刈りを強行

週明けから雨の降らない日が続くという予報もあったのですが
予報は予報
結果論でいろいろと論評はできるのですが
懐も気持ちも余裕のない貧乏性の農家は
目の前の茶漬け飯がご馳走に見えるわけでして

そのしっぺ返しがこの轍
コンバインはクローラーで走行しますので
水がたまっていても人が歩ければ泥にはまることなく走ります
でも方向変換はいけません
ぐりぐりと泥を掻き揚げ、大きな泥の山と谷
来昨のための整地が苦労します

こちらは6条刈りの大型コンバインでも作業を断念した近くの田んぼ
こうなったら待つしかありません

                 

稲刈り強行のもうひとつのしっぺ返しは乾燥機エラーの連続

この田んぼ一枚でわが家の乾燥機の容量で入るか入らないかの収穫量
いつもは少し刈り残して翌日回しにするのですが
翌日は雨の予報
ここまで地面を荒してしまったらもう一度コンバインを入れたら
今度は動けなくなってしまうかもという不安
収量も少ないようなので何とかなるだろうと
天気予報には悲観的なのにこういうところは楽観的

なんとか無事に刈り終え
時間も早めに終えられたので乾燥機のスイッチを入れたらおしまい
今日も仕事をしたなと自己満足に浸ろうとする寸前
もう少しで乾燥機に籾の張り込みが終わるという時
突然の警報ブザー

エラーコードと操作マニュアルを見比べると
なになに籾量が満杯だと!?
地上5m近い高さの乾燥機のてっぺんに登ってなかを覗くと
確かに取り入れ口まで籾が山になっています

あとでわかったことですが
籾が湿気ていたので山になってしまっていたのであって
乾燥していたならまだ収容できたようです

満杯ブザーがなっても入っている籾を少し乾燥させると容積が減るので
少量なら残った籾を乾燥機にいれることができると聞いたことがあります
そこでボイラー焚かない通風乾燥をとスイッチをいれると
今度は昇降機部分で籾づまり
ここらあたりかと思える部分から籾を掻きだし
やっぱり籾量が多いのだと少し籾を排出

もう外は暗くなっています
早く仕事を上がれるなんてとんでもない

通風乾燥を2時間ほどやって恐る恐る入りきれなかった籾を入れました
しばらく動かしてブザーもなりませんのでなんとか一安心

水分24%の満杯の籾です
食味優先乾燥では出来上がりは午後3時
もう少しで乾燥も無事終了という時にまたまたブザー
今度は集塵機のゴミづまり……

普段はスイッチ一つで後は機械にお任せですが
こんなふうにあちこちエラーになると構造を理解する機会にもなって
機械が妙に愛しく思えるのでした

東に青空西から日が差す雷戦線

2013年09月05日 | 雲図鑑
写真は3日の夕方の様子
積乱雲が線上に並び、しかもその線上方向へ雲が流れていくという様子
さらにその積乱雲の幅は数キロ程度か
あるところで断続的に豪雨、雷雨があっても
少し離れたところでは路上は乾き、日が差している不合理

今日も朝から雷鳴とどろき、そのうち予想もできないほどのスコール
雨雲レーダーで切れ間を確認してナシの収穫にいくと
予想通り、30分後には雨が降り出し
もう少しもう少しと収穫を続けていると突然、ピカドン
一キロも離れていない高圧線鉄塔に落雷した模様
あわてて逃げかえってきました

鉄塔近くのガソリンスタンドでは一時機器が動かなかったそうです

この夏は異常気象と公式にされたようですが
高温とスコールを前提にした作物栽培にしないとならないようです

雷神に首垂れ捧ぐおあずけ米

2013年09月03日 | 今年の米づくり
今年のイネはきれいな明るい黄金色に仕上がってきました
中山間地の田んぼで観られるような色に近くなりました
もう少しで稲刈りができそうです
が、刈れそうで刈れない状況になりそうです

昨日は越谷と野田で雷雨とともに竜巻が起こり被害が出ました
知人の野田のビニールハウスが飛ばされたそうです
幸い作業をしていた人は襲来直前に逃げることができたそうです

そして今日は11時ごろから断続的に3回ほど雷雨に見舞われました
それも集中豪雨並の強い雨
あわてて稲刈りを中止した人もいたようです
稲穂が乾かねば機械で刈り取ることはできません
雨水が切れないうちに次の雷雨が来るようでは
田んぼの地盤はどんどん緩んできます
大量の大粒の雨は稲穂の首をさらにたらしていきます

大気の不安定な状況はしばらく続きそうです
新米もおあずけです