のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

雨の日も雪の日も蕾膨らむ

2012年02月29日 | ネイチャースケッチ
今季3回目の雪です
定期的に雨が降るのは春が近い証拠とはいえ
寒中までの低温乾燥注意報の事態が一転
雨と曇天ばかり続くとナシ畑用の防寒靴もどろどろになるし
田んぼも水がはけず機械を入れることもできません

             

今年は梅の開花が遅れているようですが
(写真は2月28日の様子)
わが家ではようやく蕾が膨らんできたくらいでしょうか

去年は2月9日には梅が咲いていましたし
28日には河津桜が咲いていました

その件は個別対応の逃げばかり

2012年02月28日 | 農のあれこれ
柏市農政課主催で
東電による損害賠償に関する説明会が開かれました
渋っている東電をなんとか引っ張り出してきた形

東電側の挨拶は謝罪に始まり謝罪で終わり
質疑ではその件は個別にお応えしますの繰り返し
なんとか集団交渉をせずに
会社対個人の交渉に持ち込もうという魂胆が見え見え
いらついた出席者からの情報を共有化したいんだという発言には
善処を約束したのですがはたして…

請求書類をみると
何月の出荷予定が何kgで予定取引額はいくらで
何日に廃棄した費用はどれだけかというような項目が
60ページ余りの冊子にずらずらと並んでいます
これから毎年
事故以前の2010年実績と比較した差額が
補償対象になるという説明もありました

農業というのは
毎回同じだけ作付けても同じ量が収穫できるわけでもないし
売上だって当たることもあるしはずれることもあります
こんな下請け工場のように決まった量を生産して
定額の収入のあるようなデータを出せるわけがありません
だったら補償金目当てに作付けだけしようかというような
悪魔のささやきに目がくらむこともあるでしょう
農業の現場にはそぐわない仕組みに思えて仕方ありません

補償金の支払われた事例を伝え聞くに
労力と時間をかけて請求するだけの気力が萎えてしまうほどの
ああこれが噂の請求書ねというくらいの感想

それにしても用意された資料に散らばめられている
「農業者さま」とか「ご請求者さま」とか
「添付いただいておりますでしょうか」とかいうような丁寧語?に
かえって慇懃無礼さを感じてしまうのは
相当こころがいじけてしまっている証拠です

春匂いネズミも鳥も集いけり

2012年02月23日 | 梨の土づくり
「光の春」の次は雪が解けて滴る雨粒や
水が流れ始めることから連想される「音の春」が来るのだそうですが
今年のわが家はいわば「匂いの春」

二週間前に積み込んだぬかが醸し出されるいい臭いがしています
雨が降って外仕事ができないので初めての切り返しです

スコップで切り崩すともうもうと湯気があがり
作業中盤までにはヤッケを脱ぎフリースも脱ぎシャツ姿に

             

60cmくらいの高さに積んだのですが
上部の10cmくらいが白く
そこから20cmくらいが変色しています
その下は積み込んだ時と同じような感じです
もう1、2回切り返し作業が必要かもしれません

ふと眼を上にやると何やら黒影
尻尾まで入れると体長20cmくらいのドブネズミです
作業を始める前までは雀のえさ場になっていました
最近は雀を見なくなったといわれますが
身近に餌がなくなったということのように思えてきます

どちらさまとも様子見と賑やかし

2012年02月21日 | 農のあれこれ
市内のホテルを会場に「食メッセ・かしわ」が開催されました
市内の農産物と市内の飲食店等の縁を結ぼうという商談会です
今回はこれから継続的に行うための実証実験という位置づけ

個別展示スペースが用意され
出展農産物を利用した料理が試食できるという内容でした

今回は好奇心あふれる12戸の生産者が
トマト、ネギ、ホウレンソウ、イチゴ、米、大豆、卵などを出展
わが家からも40ミクロン前後に粉砕した米粉と
1.9mm目で選別したコシヒカリに
春までナシらしさを失わない「晩三吉」ナシの3点を出品しました

試供品も用意して資料も用意して
さあ どれだけお客さんが来てくれるか わくわくどきどきでした

12時から16時までの開催時間内に訪れていただいたお客様は40人くらい
少ないともいえますが
初めてとしてはそれなりの手ごたえともいえます

素通りされるとがっかりですが
熱心に話を聞いてもらえるとつい力が入ります
いまどきのナシがめずらしかったのか
米や米粉に人気がなくてかわいそうにみえたのか
ナシ発送の注文をいただきました

招く方も招かれる方もおっかなびっくり
様子見と賑やかしの手探りイベントでした

営みの甘き匂いと温さかな

2012年02月17日 | 梨の土づくり
立春を過ぎてからぼかしづくりを始めました

いつもの年は春肥えの代わりに
ナシの花の咲く前に生ぬかを表面散布しています
今年は昨年夏に仕入れた米ぬかが残っていて
当然のことながら固まってしまいそのまま散布することができません
もみがらくん炭もあるものですから
合わせてぼかすことで散布しやすくしようとひと手間かけました

ところが光の春のこの寒さです
5日たっても一週間過ぎても変化がありません
こりゃ米ぬかだけでは空気が抜けちゃって発酵しないのか
失敗かと思っていたのですが
10日目になにやらほのかな香りが…
積み込んだ米ぬかの中に手を差し込むと淡い温み
この寒さで発酵が遅れていたようです

でもこの匂い いつもと違います
いつもより甘いいい匂いです
例の納豆とヨーグルトとドライイーストと砂糖で作った
発酵液「えひめAI」で水分調整したからでしょうか

米粉ならもっちり粘らずお菓子向き

2012年02月16日 | アグリママ
ナシは剪定作業中
田んぼは休眠中ということで
話題が食品加工に偏ることにはご容赦を

先日粉砕してもらったわが家の米粉を使った100%米粉クッキーです
ショウガが風味付けとして入っています
いま道の駅しょうなん直売所で販売中です
小麦アレルギーの方にもお勧めです

さてこの米粉
わが家の加工用だけでは利用しきれません
できれば業務用の需要も呼び起こせたら
ということで「食メッセ・かしわ」に参戦します

といっても「食メッセ」って何?でしょうね
農産物の市内流通を目的に
農業者と飲食店等の出会いの場となる展示商談会です
今後の継続的な開催に向けた実証試験が21日(火)に行われます
残念ながら一般にはオープンになっていません
市内の飲食店等の700事業者の方にだけ案内が送られています

わが家からは
①最新式の製粉機製粉した25~45ミクロンの微細粒米粉
②ちばエコ認証の1.9mm以上の大粒でそろえたコシヒカリ
③春までナシらしさがのこる晩生ナシ「晩三吉」
の3点を展示します
試供品も用意してします

身近に案内の送られた事業者の方がおられましたなら
ぜひお出かけいただけるよう声をかけていただけたら幸いです

眠る土に風穴開けて春を呼ぶ

2012年02月13日 | みのわプロジェクト
無主物だTPPだ人口減少だと
いつまでもしょぼくれていても仕方がないので新しいことを始めます
仮称「みのわプロジェクト」としておきます

新興住宅地の隣接地に45aほどの優良農地が耕作放棄されていました
井戸設備もあることから
このまま遊ばせておくのはもったいない
仲間を募り体験農園などを試みる農地復興プロジェクトです

住宅地の隣接地です
農作業体験や収穫体験の需要はあるはずです
そのためにもきちんと“無主物”対策はできるだけのことはしようと
まずは心土粉砕プラウで深く掘り起こしました
このあとはできるだけロータリーがけをします
有機質のぼかし肥料を準備し
できるだけ農薬を使わない栽培を試みる予定です

市民農園のほかにはヒマワリを育て食用油を作ってみます
加工原材料用としてラッカセイも大量でなければいいかもしれません
先の話ですが直売所でも毎年供給が足りないようですから
たくあん大根も作れば売れると思います

スタッフは主にリタイアされた方々です
初めて日本に年金制度が導入された時
支給開始年齢は55歳だったそうですが
その時の平均寿命は50歳と今朝のラジオ
いまなら90歳にならないと年金はもらえないのですから
まだまだがんばってもらわねばなりません

収穫体験ゾーンは後継者世代に任せようと考えています
いろいろな体験や実践の場にもなるでしょうし
小遣い稼ぎにもなるでしょう

そんな老青・生消協業合作事業になればと夢見ています

未来なき終わりと始まり空染めて

2012年02月09日 | 農のあれこれ
写真は9日の夕焼けです
7日の夕刊新聞の記事に引き込まれました(あさ日新聞)

いけ澤夏樹さんの人口減少に関するエッセイです

生存と生殖
つまり 個体としての自分を生かすことと
子孫を残すことは生命の基本原理である
ところが人間は生殖と快楽を分離して生殖もせず
自分の安楽のため目前の利だけを追い求めている
たとえば核分裂連鎖反応とか遺伝子組み換えとか

核戦争がなくとも原発事故がなくとも食糧危機がなくとも
個々のわがままなふるまいによって未来を失った
やがて静かに地上最後の日本人がいなくなる日が来る

こんな内容でした

農業のこれからを考えても
食べる人がいなくなる未来なら何をしても仕方ありません

でもそんな絶望のなかでも春は巡ってきます


紙面のいけ澤さんのエッセイの隣に
ポーランドのノーベル文学賞詩人の追悼記事がありました

「またやってきたからといって春を恨んだりはしない」

「どんな生であっても不死の瞬間がほんのちょっとだけある。
死はいつだってその一瞬だけ遅れてやってくる。」


いけ澤さんのエッセイのタイトル『終わりと始まり』は
詩人の詩集の一つのタイトル『終わりと始まり』から
とったのかもしれません

夏楽し菌糸まみれる枝チップ

2012年02月08日 | 冬の梨畑
これまでわが家ではナシの剪定枝を畑から持ち出し焼却
消し炭にして畑に還元というリサイクルの流れで処分していました

ところが例の“無主物”です
剪定枝由来の焼却灰をわざわざ身近に集めなくともよいだろうと
今年はチップにして山林の一角に野積みにしています

先日来の雨雪で菌糸が回ってきました
こんな寒気の中でも熱がでてきました
まさか火災にまでなることはないと思いますが


先日 薪ストーブの灰からも“無主物”が検出され
自治体ないし国が処分するという方針が示されました
千葉県もその対象地域とされまていましたので
さっそく市の担当部署に確認したところ
市の焼却処分場で“無主物”を隔離することができるので
「燃えるごみ」といっしょに出してくれればよいとのこと

幸いわが家でいま燃やしている薪は数年前のもの
しかも屋根のある小屋に積んであったものですので
それほど心配することではないかもしれませんが
薪ストーブの灰がいいのならナシの剪定枝の灰もいいのでは

もちろん家庭ごみでなく産業系廃棄物ですが
農地からの除染事業の一部と考えれば
ナシの剪定枝を焼却場に受け入れてもらいたいものです
今度 市に掛け合ってみることにしましょう


ナシ枝のチップはこの夏までには相当分解され
カブトムシの格好の産卵場所になるかもしれません
そうしたら来年夏にはウハウハ採れますよ きっと

もしかしたら“無主物”の影響で巨大なカブトムシが出現したりして…

8点は今後に期待92点

2012年02月05日 | アグリママ
わが家の米が真っ白なライスパウダーになってもどってきました

お願いした業者さんの米粉製造設備は
スーパーパウダーミルとよぶ気流式微粉砕器
超高速回転により発生する気流により
米が内壁や米どうしが衝突することで微粉砕されるとか
粉へのダメージ(澱粉損傷)の少ない米粉ができるという最新型です

とてもきめ細かい粉になっていますので
小麦粉と同じように料理でもパンもお菓子だってなんでもできてしまいます
できあがりはとろーり、しっとり、もっちり、さっくり
小麦由来のグルテンを含みませんから小麦アレルギーの方も安心
もちろん原料は地元のお米です

米粉の出来栄えは100点満点にすると100点にしたいところですが
業者さんの今後の発展(8点)を期待して92点

春よ来い歩き始めた麦謳う

2012年02月02日 | 冬の梨畑
年末12月に播いたライムギがようやく芽を出してきました
本来は寒に入る前に出芽して
凍てつく環境でしっかりと根を張るのでしょうが
今年は乾燥が続いて芽を出せなかったようです

いろいろあって緑肥を播こうか迷っていました
種子代に補助金がでるかもという一言に押されて
いつもより余計播いてしまいました