のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

白肌にユズの香たちて心地溶け

2011年01月30日 | アグリママ
先週二日にわたってNHK「今日の料理」で柏のカブが取り上げられ
知人のYさんが自慢のカブ料理を披露してくれました

それがカブのユズ味噌あえ
わが家でもニンジンの千切りをアレンジしてさっそく食卓に

子どもの頃はカブは自己主張しない味なものですから
どちらかといえば苦手な方でした
それがいつのころからか
味噌汁の具などにして口に入れると溶けてしまうカブなどは大好物に

そういえば書店ではカブをテーマにしたムックもあって
カブってそんなにメジャーな野菜でしたっけ

柏産カブは柏のカブでイーオン

2011年01月26日 | 農のあれこれ
企業による農業参入事例として知られる
AEオン柏農場を見学する機会がありました

谷津田を盛り土して造成された畑地の中央で
同じ形をしたビニールトンネルが2.5haにわたって並んでいる様は
高原野菜地帯か北海道にでも来たかのような光景です

トンネルの中はすべてカブ

カブ生産者の方に聞くと悪い土目ではないといいますが
まだ土ができていない新地の畑なら葉物あたりから
たとえば今の季節ならコマツナあたりから
作付けていくのかなと思っていたのですが

なぜカブなのかと聞くと「柏だから」という意外な答え

AEオンという一流企業が
地元の生産者が長年かけて築き上げてきた
カブの生産量日本一「柏のカブ」というブランドに
はじめから乗っかろうというのか…

地元のカブ出荷組合になんの断りもなくとは言いますまい

ただまだ地元では何が始まるのかと戦々恐々と様子をうかがっている段階
生き馬の目を抜くような世界にいるというのもわかりますが
もう少し地元への配慮がほしいような
でもこれが自由化の波にのまれるこれからの農業の現実なのかもしれません

モグラ街かげをつくりて工事中

2011年01月25日 | ネイチャースケッチ
ひと月ぶりに出向いたナシ畑
ライムギを蒔いた後はきれいに整地してあったのですが
御覧の通りの凸凹 (というほどもありませんが)

かたやスカイツリーとかいう高層タワーが
柏駅前のデパートからも見えたと挨拶代わりになる昨今
地中に作る街もまた勢い余って地表に飛び出し
影までつくる始末でして

餅花の我先に跳ねポンと咲く

2011年01月23日 | アグリママ
米粉からつくった「油で揚げないおかき」なんだそうです
となりまちの農家がつくっています
油で揚げてないので人気なんだそうです
出入りの肥料屋さんから教えてもらいました

右上の白いのは『プレーン』
茶色は『醤油味』
黒っぽいのは『古代米の塩味』

揚げていないってどういうことだろうって
よくみると梅の花が咲いたような形をしています
食べてみるとサクサクと軽い感じ
そうそう お菓子の『カール』のようです

ということは梅の花のように見えたのは破裂した形?
米粉を練って圧力をかけて跳ねさせたポン菓子?
製造方法は推測ですがそんな感じです

              

「油で揚げないおかき」というキャッチコピーといい
「お米のワルツ」という商品名といい
結構商品開発まで苦労しているようですが
これまでにない食感で新鮮です

農家が考えたのかメーカーの受け売りなのか
新たな米需要を産んでいるなら拍手です

影黒く寒は風のみ土温む

2011年01月21日 | 冬の梨畑
連日寒い寒いといわれています
たしかに朝晩は低温になるし風が吹くと身が縮むのですが
ありがたいことに陽だまりではそんなに感じない

冬至から立春にむかっているせいか
むしろ日増しに日差しが強くなっているようにも思います

もうひと月ちかくも寒波が居座っていて
乾燥注意報が出されています
長雨でも日照りでもおろおろする野の民とすれば
このままこの天気が続くはずがないなんて考えてしまいます

2月になったら雨や雪が多くなるんじゃないか
3月になれば暖かくなって花も早いんじゃないか

そんな話をしていたらウェザーマップ社から
『平年並みか少し早く咲く』というサクラの開花予報

野の民の感もまんざら外れてもいないようで

望月の白く凍える寒玉子

2011年01月20日 | 農のあれこれ
「寒卵」という季語があるそうです

ぬく飯に落として円か寒玉子 ≪高浜虚子≫

鶏が寒中に産んだ卵は栄養価が高く
風水的には寒中や大寒に産まれた卵を食すと
健康運・金運アップになるともいわれるようです

大寒の時期の七十二候に、
鶏始乳(にわとり はじめて にゅうす)というのがあって
鶏が卵を産み始める頃という意味のようです

なるほど一年で一番寒い頃に生まれる卵には
生命力がありそうです
当然 物語性のある卵です
大寒卵は特に珍重され
たまご屋さんはこの時期大忙し

卵がそうなら寒中のハクサイやホウレンソウも甘くておいしいぞ
滋養がつくぞって寒菜セールでもやりますか


写真は20日の朝6時30分の月の入り
今年はじめての満月でした

寒いのか暖かいのか誰に聞く

2011年01月17日 | ネイチャースケッチ
連日 豪雪や低温のニュースが流れています

たしかに寒いのですが
去年は携帯カイロをしながら作業をしていたけど
今年はまだ買っていないとか
平年より何度低いとかいっても
その「平均気温」というのが問題じゃないの
昔はもっと寒かったよとか
寒さ自慢話も出ていまして本当に寒いのかわからなくなっています

欧州では年末 雪で交通不能になったとか
オーストラリアでは水害で都市機能がマヒしているとか
ブラジルでも水害で被害者がでているとか
世界のあちこちで極端な気象現象があらわれているようです

日本でも昨年夏の猛暑といい
ちょっと間違えばこれまで経験したことのない気象条件となり
安心して作物を育てる環境に異変が起こっているのは確かのようです

こんな状況なのに米国のいうがままに
本当に関税自由化してしまっていいのかね なおと君
もっとも農家は食べる分については心配していないけど
食糧安全保障は政策の基本中の基本じゃないの

雪でしたあなたのことを思い出す

2011年01月16日 | 冬の梨畑
突然の雪の朝でした
配られた新聞がビニールの袋に包まれていませんでしたから
朝方から降り出したものでしょう

でも東京発のテレビ・ラジオでは話題にもなりません
どうやら山脈を通り抜けた雪雲の下だけで降ったようで
9時ごろには冷たい西風の吹く青空が広がっていました

と 白い雪面をみるとつんと伸びた幼い葉

ひと月前に播種したライムギがようやく芽を出してきたようです
この間 寒い日が続き 雨もほとんど降らなかったものですから
発芽する条件としては厳しいものがあったはずです
それでも健気に背伸びをしていたのに昨日まで気が付きませんでした

あんな子に育てた覚えばかりあり

2011年01月14日 | 冬の梨畑
実を収穫するときに「こんなはずじゃなかった」なんて
つぶやいても後の祭り
結果には原因があるわけでして
秋の収穫直後
いやその前から来期の収穫がある程度決まっています
それをいくらかでもましな方へ誘導していくのが日々の作業

今はナシの剪定作業の毎日
ようやく調子に乗ってきたといいたいところですが
出歩くことも多く
まあ毎年のことで終いにはなんとか辻褄があってしまいますので
まだそんなあわててはいません。

今年の剪定は 花芽が例年以上に多い 更新する枝が多い だから手間がかかる
あちこちから聞こえてくる声も似たようなものです
昨年夏の猛暑の影響で樹体が疲れているのでしょうね
特に花芽が多いというのは

そこで今年はいつもよりも念入りに花芽整理をしなければなりません

上の写真には一か所に三つの花芽がついています
着果させるかどうかは別問題として
少なくとも開花させるのは つまり着果させる候補にするのは
ひとつの花芽でいいわけです
そこで実をならせたときの位置などを考慮して
左上と右下の芽を掻きとっています

            

花をみんな咲かせた方が花見としてはきれいなのですが
そうはいきません


タイトル元句;あんな子に育てた覚え少しあり(作者不明)

らちもない話はやめて飯食いね

2011年01月09日 | 農のあれこれ
新聞に『農業参入なお窮屈』という記事がありました
(朝ひ新聞1月8日5面)

市場開放へ向けた地ならし記事ぐらいならそのまま読み進むのですが
「農地転用は農家の既得権益化していて
許可権限は農業委員会が持っている」という部分がありまして
現場にいるものとしては一言申さねばなりますまい
というわけでして…

企業が農業に参入しても所有には制限があって「本腰入れにくい」ことや
農家が農地を転用できる家の資産とみていることも確かです

企業の農地所有を認めると不当に転売される危険があるけれど
じゃあ農家がもっていれば農地が産廃処理場にならないかというと
そういうこともありません

農家は代々農地を所有し農業を営むという前提のもとで
様々な政策が立案されてきたのですが
まず農業という生業が成り立たんなくなってきた
すると代々農地を所有することも必要なくなり
売れるものなら売ってしまえとなります
都市近郊農家の遺産相続の際に骨肉の争いになるという話もよくあります

もし家族農業で食べていけるなら
家の血をつなげていくことと豊かな農地を維持していくことがリンクして
自作農がもっとも安定した形態であろうと思います
ところが前提となる家族農業がたいへん厳しい時代に入っているようで
新しい政策が必要といえます

政策は農業をまもるのか農家をまもるのか
それとも農地をまもるのか
どれも大事ですが何を優先すべきかを考える必要があります

現在の論争は農業をまもるか農家をまもるかで対立しているようで
どうもらちが明きません
だったら農地をまもる政策から考えてみてはどうでしょうか
農地がなかったら農業だって農家だってありえないのですから

あっ 野菜工場があったか…

大根の色が少しずつ天昇る

2011年01月06日 | ネイチャースケッチ
大雪の山陰地方の方には申し訳ないのですが
連日乾燥した日が続いて
庭先で切干ダイコンができています

暦が寒に入りました
もっとも今年はクリスマス寒波からずーっと冬型の天候で
それまで暖かったものですから
ようやく寒さにも慣れてきたといったところでしょうか

冬至から二週間余り
日の入りも遅くなったような気がします。
夕方5時近くまで畑で仕事ができるようになりました

気象データをみると
12月22日の日の入り時刻が16時32分
1月6日の日の入り時刻は16時43分
たった11分ですけど
冬の仕事の滞っている身の上には
随分と春に近付いたように感じられます

枯野あり赤の輝く冬がある

2011年01月05日 | 散歩漫歩
今年は卯年
跳ねる年なんだそうです

でもジャンプするにはその前に膝を曲げ力を溜めて
タイミングをはかって飛び出す必要があるわけでして
いつもぎりぎりまで走らされていたら
大きなジャンプはできないものです

年初めに跳ねる跳ねるといわれるものですから
あの本を再読しています

『ぼんやりの時間』辰野和男 岩波新書1238

動があって静がある 働きがあって休みがあるというけれど
本当はいい静があるからこそいい動が生まれるのではないか
という一節があります

暮らしの中心にあるのはむしろ静であり休みである
たのしい休みや幸せな静があるからこそ創造的な動や働が生まれる

6日間働いたら一日休みがあると思うから
どうしても働くことが中心な考えになるのだけれど
一日休んだら6日間働けると思えば
どう休むか どうエネルギーを溜めるかが大事になってきます

今年は首長やら議員やらの身近な街づくりにかかわる選挙があるようです
跳ねることばかりが議論にならないよう願いたいものです

この年もいつものように始まりて

2011年01月03日 | わが家の時時
今年もまた知人の方から干支の手作り人形をいただきました

きれいな赤いべべ着たウサギの女の子がどうぞよろしくとご挨拶しています
ワタを育ててワタの実から綿をとるほどの方です
年々手の込んだ作品を作られていて敬服します

さて この3が日も正月気分のままに
屋敷畑のナシの剪定をぽつりぽつりとはじめています

これを助走にして一気に剪定の本気モードに移ろうという魂胆ですが
お天道様に生かされている農家たるもの
本当は暦を大事にしなければならないのかもしれません

来し方の浮かびて消ゆる除夜の鐘

2011年01月02日 | 散歩漫歩
穏やかな元旦でした(写真は6時57分)

ここ数年は大晦日のお祭り騒ぎにも付き合わず
夜遊びもせず早めに床につき
日の出に間に合うよう起きだして
午前中に地元の産土神社と檀那寺にお参りし
先祖の墓に線香をあげ
そして隣むらながら「隣家(間に家が一軒もないという意味で)」の弘誓院に
お参りするというのが元日の過ごし方にしております

今年から弘誓院ではたき火を焚いて参拝客を迎えていました
鐘つき堂も残っていますので
前の晩も除夜の鐘を突く人たちが集まっていたのでしょう
年越しの護摩焚きから朝5時までおつとめ?をしていたという住職にお願いして
わざわざ個人的に家内安全・商売繁盛を祈祷していただきました

弘誓院はもともと祈祷寺で
かつては参拝客を大勢集めていたようですが
現在の住職がまたにぎわいを取り戻そうといろいろと工夫を重ねています

わが家も一緒に環境作りに取り組みましょうと約束して
本尊の霊験の宿るお札をいただいてきました
良い年になりますよ きっと