のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

沈黙の秋から冬へ暦開く

2014年11月30日 | ネイチャースケッチ
もう師走というのに暖かい日が続いています
葉もの野菜など供給過剰で半分は捨てられている
なんてことも聞こえてきます
雨も多く梨農家もあがったりです
骨休み骨休みなんていつまでも言っていられません

今年は朝もや、夕霧が多いような気がします
今朝も静かな朝でした
鳥のさえずりも聞こえていませんでした
そう言えば熟した柿の実がまだあちこちの庭先に残っています
ついばむ鳥も数を減らしているのでしょうか

数日して大音量のスピーカーから声が流されると
一層「今じゃない」と冷めるのでしょうねえ



わがまちにポートランドの風吹かせたら

2014年11月29日 | 農のあれこれ
先日、TVを見ていましたら
まちづくり視察がブームになっている
オレゴン州ポートランドの様子を紹介していました。

ファーマーズマーケットが毎日
市内のどこかで開かれています
郊外へ無秩序な開発を防ぐために「都市成長限界線」を設け
比較的都心部に近いところで農場が続けられることで
食卓との距離を縮めているのだそうです

全米で、とくに35歳以下の人にとって
最も暮らしやすさNo.1と評価され
クリエイティブでコミュニティ意識を持った街
として知られています
若い起業家にとってビジネスをスタートするには
格好の場所になっているとも
市内人口は58万人
柏市と我孫子市を合わせた規模です

ポートランド市のスタッフに日本人がいて
柏市の再開発事業にアドバイスしているという話でした
どんどん興味がそそられます

タイトル写真は旅のガイドブック
巻末にはポートランドに48時間しかいられない友人に
過ごし方を勧めるとしたらという前提で
4組のポートランダーが旅程を提案されています
面白い試みです
もし、柏市で同じことをしたらどこへ案内しましょうか

黄葉のなんと饒舌な雨上がり

2014年11月28日 | ネイチャースケッチ
暖かい日が続いています
毎年、定点観測しているクヌギの葉も例年以上に残っている気がします
ちなみに一昨年はこんな感じでした   →こちら



ナシの葉もあと一週間ぐらいは枝にしがみついていそうです
落葉処理の前に株本の除草や元肥散布などやることはいっぱいありますが
どこから手をつけましょうか

たかが五年されど五年敬うべきは野の営みか人の生業か

2014年11月24日 | 農のあれこれ
なにやら異様な世界をトラクターが進むという図です
地面には葉が落ち重なり
頭上には弦が絡んだような線が張り巡らされていますし
前方には雑木のような細い幹が見られます
頭上に張られた線の上に頭を出すと



さらに視界は細かな枝や葉で遮られ
その先の上空には白い布のようなものがまとめられ伸びています



5年ほど放置されたナシ畑のなかを“探検している”様子です
実は、わが家のナシ畑に隣接したところで担い手のいなくなったナシ畑があり
そこを借用しようかという話が進んでいます
ナシ畑50a、周囲に普通畑30aあります
正式な貸借契約を結ぶ前に一度中を見てみようと
半日、トラクターにつけたハンマーモアで除草してみました

ナシ畑の外側はこんな感じ



3mにも届くセイタカアワダチソウが生い茂り
直径1mものススキの株があり
なにより幹の太さが10cmもありそうな名の知らぬ雑木が
トラクターの行く手をはばんでいます
それでも数時間後には雑木を残し“退治”してやりました





放置されたナシ畑が隣接してあるというのは
わが家のナシ栽培にも悪い影響を与えますし
棚はまだ十分使えそうです
井戸もあります
活用してやらないのはいかにももったいない

ここまで放置されていなければ
既存のナシの樹を手入れすることもできたでしょうが
こうなると中には枯れ死した樹もあって
いっそリセットしましょうということになります

しかし、
苗木を植えてまともに収穫ができるまでに10年
投資を回収するまでには20年
ナシの樹の寿命は30年
何年借用できるのか
長期間でなければ借用する意味はありません
地主さんといろいろ取り決めをしなければなりません

もし30年借りられたとすると、お返しするのは次の世代でしょうが
60歳からの挑戦の始まりです


小春日の過ぎ行くままに陽溜まりて

2014年11月22日 | ネイチャースケッチ
もう小雪というのに日中は暖かくなりました
こうなると秋野菜の出来具合も進み、スーパーの野菜価格も下がると
価格変動の少ない野菜直売所への人出も少なくなって
市場出荷の農家も直売の農家も上がったりです

そんな時に世の中じゃ何百億円もの税金を三週間で使うのだそうな
有効に使われるなら税金も払ってもいいと考える人も多いと思いますよ
それが成熟した社会というものでしょう

収入以上に税金はかからないといわれますが
事業者から国庫に納めるのは一年過ぎてからのこと
もうどこかに行ってしまいました



こんな日は陽だまりで虫が動いているのを目で追いながら
ミカンでもほうばりながら昔話でも
いえいえ、まだそんな悠長なことは言っておられません
大汗かいてナシの苗木の植え替えです

仲間あり田の人となる午前6時

2014年11月19日 | 今年の米づくり
「凍天の星の潤める午前四時エンジン全開野の人となる」

北海道の農業者の歌で
12年前の新聞で紹介されていたものを切りぬいてあります
カッコいいなあと憧れていました
数年前に中古のキャビン付きトラクタを購入したものですから
快適にできそうです
梨の仕事もたまってきましたので
歌の主人公になってみようと二日ばかり早起きしてみました

6時、作業開始



6時25分頃、日の出



仕事しているなあと自分を誉めたいと考えていたのですが
田んぼに向かう道すがら
トラクタを積んだ運搬車が追い抜いて行きました
辺りが明るくなる6時から作業をしようという仲間でした

朝飯前の朝活、考えることは皆同じようです

枯野が土色に潤う一年を新ためる音響き

2014年11月18日 | 今年の米づくり
この秋は稲刈り最中から雨が続き
その後も大雨を降らせた台風が二度も来たりして
まだこんな田んぼもあるような状態です

ここに来て良い天候が続いていて
再び田んぼに活気が見られてきました
大雨で片隅に寄せられた排藁を持ち出したり
暗渠排水パイプを設置したり
田起こしされたり

幸いわが家の田んぼはトラクタが入れる状態になり
この機を逃すまじとばかりに機械総出の作業です

まずはブロードキャスタで土壌改良材の米ぬかと貝化石を散布
ハンマーモアで霜で葉先の白けたひつじ株を粉砕
それからロータリーで田起こし



モアで叩くことで藁の分解が早まりますので
ロータリーがけを一回から二回省くことができます
農業機械のありがたさを思い知らされる晩秋です

あれもこれも冬が来る前に

2014年11月16日 | 晩秋の梨畑
今朝、初霜があったようです
一昨日も白くなったかなと見えたのですが
今朝ははっきりしていました

残暑がなくて秋が早まったものですから
冬も早まるかと思えたのですが
さにあらず、暖冬になるという予報も
冬野菜の成長が早く市場の価格がでないと野菜農家が嘆いていました

わが家にとってはナシの落葉が遅くなっているので
なんとなくのんびりと過ごしてきてしまった気がします
でも、雨がたびたび降っていたので
まだ田んぼのあら起こしはできていません
ナシの苗木の植え替えもこれからです
梨園の草を刈って落葉を処理して
元肥を散布してロータリーでかき回してライムギを播種して…

加工の方もおかげさまで受託作業を切れ目なくいただいていて
わが家のナシの加工もまだ残っているし
早生のキウイフルーツもコンテナに入ったままです
あっそうだ
晩生のキウイフルーツをこれから収穫しなくちゃ


growerなら新種を作る血が騒ぐ

2014年11月12日 | 農のあれこれ
出掛けたついでに東京ビッグサイトで行われていた
アグロイノベーションというイベントに寄って来ました

農業の新しい潮流を概観するにはこういう展示会は最適です
せっかく近くで開かれているのですから
その利点を生かさない手はありません
同種のイベントはいくつもあって
先月の幕張メッセのイベントはどちらかというと商談会
今回のは新技術の発表会

今年のメインテーマは植物工場とITを使った栽培管理システム
Farmproducerとしては
作業中のものも含めて栽培履歴をクラウドデータで公開し
JGAPを取得することを求められるだろうから
そのうちに栽培管理システムを本格的に取り組まねばと
再認識させられたのですが
Growerとしては新技術や新種の方が気になります

梨の新しい栽培技術として
神奈川県から樹体ジョイント仕立て法と
栃木県から根圏制限栽培法が発表されていました
どちらも数年前から公表されていて
ジョイント仕立てはわが家でもこの冬の苗木から
少し試みるつもりです

普通なら現地に出向いて担当者に聞かなければならないのに
今回は向こうから同じ所に来てくれて
しかも二ヶ所の現場責任者の話を聞けるのですから
本当にありがたいことです
技術の内容は
前者は幹と幹をつなげていって(ジョイントして)
いちじくの一本仕立てのような樹形にする技術
後者は果樹のポット栽培のようなもの
どちらも栽培管理の容易化、早期成園化、
安定生産などを目的とする技術です
借地で梨を栽培するようになると
不可欠な技術になるかもしれません

梨の新種では
農研機構(国の果樹試験場)から「甘太」「凜夏」
神奈川県から「香麗」「なつみず」
いずれも新情報ではありませんが
やはり現場担当者から直接話を聞けるのはありがたいことです
「甘太」は「新高」に代わる品種
「凜夏」は気候温暖化に対応した品種
「香麗」は「幸水」より早く収穫できる品種
「なつみず」も「幸水」より少し早く大きくなる品種
新しく登録される品種はどれもこれまでの品種にない特性があるもので
わが家としては「幸水」より早い品種を思案中
農研機構からも近いうちに早生品種がでるとかで楽しみです

他の新品種をみるとこちらが興味があるからでしょうが
キウイフルーツが複数の研究機関から発表されていました
香川大学は国内でも自生しているシマサルナシと
キウイフルーツを交雑させ新品種を開発
小型でありながら糖度が高く
果皮に毛がなく皮を剥かずにそのまま食べられるというものでした
果皮は栄養価も高く、
本場でもそういう食べ方をしていると聞いたことがあります
これは将来有望と苗木を手に入れることはできるかと聞くと
当面は香川県内に限るとか
香川県はキウイフルーツを特産にしようとしていて
この品種についても県のお金も投入されているとか
それでは仕方ありません

他でも神奈川県と東京都の研究機関からキウイフルーツの新品種
どちらも市街地のなかでも栽培しやすいという
性質に着目しているということでしょうが
キウイフルーツの需要そのものが期待できる
ということもあるのかもしれません

ちなみに神奈川県は県の開発品種の栽培を
県内に限るとはしていないそうです
キウイフルーツについては確認しませんでしたが
ナシはT県との比較で伺いました
神奈川県のナシは直売が多く
品種の知名度を高めるために
むしろ早く拡散するのを歓迎するとのことでした
なるほど地域それぞれの性格で戦略が違うようです

加工用として注目したい品種もありました
オリーブの生産者が地域を越えて連携し
商品を開発、売り込みをしていました
国の農研機構でスモモとウメを掛け合わせて育成した「露茜」
その赤い色素に注目した和歌山県が加工品を開発
島根大学は地元で自生するダイコンを品種改良
辛味の薬味に使う「出雲おろち大根」と命名
登録品種名は「スサノオ」
相当辛そうです
三重県鳥羽商工会議所は古来から自生する「タチバナ」に着目
永遠に香るといわれるその香りを生かしたオリジナル商品を
特産品にしようとしていました
北海道からは海から陸に最初に上がったといわれる「シーベリー」を商品化
油成分は高級化粧品や皮膚疾患の薬に
ビタミンEと強い酸性は抗酸化作用のある加工品に
黄色い色素はお菓子業界にと応用範囲が広がります

わが家でもどれか作ってみたくなりました

11月9日13時から15時カシワタカシマヤ

2014年11月06日 | かしわかあさん
ナシのシーズンが終わったというのに
わが家に始めて本格的なパンフレットができました
A4版三つ折り
後継者君がデザインしてくれました
未経験者がデザインしたパンフとしては上出来です





さっそく今度の日曜日9日
カシワタカシマヤ企画の“ちばマルシェ”でデビューします

“ちばマルシェ”は千葉県の「食」をPRするイベント
このイベントに、わが家の、ナシ(王秋)のほか
梨ジャム、梨ドレッシング、万能ナシ醤といったナシ加工品
だんごに米粉シフォンケーキを出品させていただきます

わが家の商品がデパート店頭でどれだけ通用するのか
わくわくどきどきです

柏駅西口からの連絡通路、 T館3階 エントランス特設会場で行われます
13時から15時までという短い時間ですが
よろしかったらにぎやかしにお出でください

I have a dream キウイにはビタミンCがある

2014年11月01日 | 農のあれこれ
わが家には梨棚を利用してキウイフルーツがあります
これまではおまけぐらいの感じでしたが
梨の農薬散布が難しくなっている畑があることから
少しづつ本格的に栽培してみようかと考えています

キウイの代名詞のような果肉の緑色した「ヘイワード」は
日本に入ってきた頃から庭先果樹として親しんでいました
五年前頃に果肉の黄色い品種を購入
あまり世話もせずに放ってあっても
小さいながらも実を着けてくれます
ところが、いつも収穫する頃には過熟気味で
半分は捨てていました

なんだかなあと調べてみると
黄色い果肉のキウイは早生品種で樹上で完熟するものもあるとか
11月中下旬に収穫し追熟させる「ヘイワード」と同じ
扱いをしていました
これはひとつ勉強になりました

だけど、この品種
何て言う品種か、忘れてしまいました
だからゴールドキウイということで

キウイに含まれるビタミンCはミカン3個分
さらにビタミンEが含まれるキウイは
理想的な活性酸素を抑える坑酸化フルーツだそうです
他にも、カリウムやボリフェノール、クエン酸、食物繊維も多く
甘味と酸味のバランスのよい爽やかな風味のキウイフルーツ
一日のスタートにおひとつどうぞ