のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

山や川人影湧いて田水沸く

2007年04月30日 | 今年の米づくり
行楽日和とはいえ、夏日となってはいただけません。昨日、プールにした苗床の水もどんどん蒸発し、もう注ぎ足す羽目に。お湯になって煮えてしまいそうです。

写真は昨日、話題にした被覆マットの新旧により成育に差が出てしまった様子。同じ日に同じ種籾を播いたのですが、手前側、緑色の濃い方がより成長しています。古い、つまり汚れていたマットを被覆しました。

種籾はどういうことをしてもだいたい発芽しますので、こんなものかなあなんてちょっと手を抜くと、こんな風にしっぺ返しをされて初心に返させられます。

見上げても田を見ても春の夕焼け

2007年04月29日 | 今年の米づくり
昨日の嵐が間違いだったような穏やかな行楽日和でした。田んぼもグリーンウィーク。代かき、田植えも進みました。明日は今日以上の上天気になるといっていました。

あまりに上天気なものですから、急きょ、わが家の苗も水を張ったプールにしました。

ところが、育苗マットを開いてみると、マットの新旧の違いで成長に差が出てしまいました。去年も同様の傾向がみられましたが、今年はさらにはっきりしました。古い方が伸びています。汚れているので温度が高くなるのか、光が入らないで徒長するのか、これでは困ります。来年は別の被覆資材に変えましょう。成長の遅い分はもう少し、被覆しておきましょう。

春惜しむ疾風迅雷すくめたる

2007年04月28日 | 春の梨畑
今日は朝からカミナリに注意といわれていました。夕方ごろに雨が降るだろうという予報でした。でも14時ごろには雷鳴が聞こえてきて、ラジオでは埼玉でパチンコ玉大の雹が降っているという情報が流れました。15時半ごろ、冷たい突風が吹いてきたときには覚悟を決めましたが、さいわい雨風だけで済みました。

2000年5月24日、昼時に畑から家に戻るとき、北西方向の空が真っ黒になっていました。それから1時間もたたないうちにあたりの光景が一転しました。強風でちぎられたあおい葉が吹き寄せられ、北側に向いた窓ガラスは割れ、雨とともに氷塊が建物の中にたまっていました。

わが家で被害を受けた一番新しい降雹は7年前でした。1983年7月にはピンポン玉大の円板形の雹が降ってきました。その際には外にあった車のボンネットから屋根までボコボコになりました。

このあたりでは「15年おきに降雹被害が起こる」というようなことがいわれます。もちろんナシには多目的防災網をかぶせるなどの対策をして、天をうらむことなく首をすくめて行き過ぎるのを待つしかありません。

でも、今日はまだ一枚の畑で防災網を広げてなかったんですよ。

杉菜の子接いで接げれば大松に

2007年04月27日 | 春の梨畑
土筆(別名 接ぎ松)の話ではありません。

果樹組合主催で接ぎ木の講習会が行われました。適期としては遅いのかもしれませんが、交配等の作業の関係でこの時期に設定しました。

品種の更新や必要な場所での枝の育成など、接ぎ木はナシ栽培でも基本的な技術です。わざわざ講習会を開かなくとも皆経験はあるのですが、通常行われている表皮を剥いて穂木を接ぐ「剥ぎ接ぎ」という方法ではなく、主幹にのみでくさびを入れて穂木を刺し込むという方法を主に若い人向けに講習しました。

のみを使う方法はある程度の年配以上の組合員なら経験はあるのですが、ここ30年近く、若い人たちには伝承される機会がありませんでした。粗皮のある主幹部にも、また表皮を剥ぎにくい時期でも接ぎ木ができるのが特徴で、接ぎ木の場所と時期の選択を広げることができます。

主幹部が枯れこみ「萎縮症」という症状のでた老木の若返り対策として、改植とともに、この「のみ接ぎ」が有効ではないかと期待しています。

平成19年ナシの収穫初め予測

2007年04月26日 | 春の梨畑
午後3時ごろ、雷雨とともに猛烈な雨が降ってきました(という話です)。雨量記録をみると、南下してきた寒気が大宮と野田をむすんだあたりから急激に雷雲を発達させたらしく、千葉県北西部から東京東部あたりに雨を降らせたようです。

雹を伴ってなくよかったのですが、予報ではこの連休前半は良い天気が続くといっていたのに、今日の雷雨は山沿いといっていたのに、油断もすきもありません。交配後も風が吹いたり、雨が降ったりで多目的防災網をすべての畑で広げていませんので、空をみてひやひやするのがまだ続きそうです。

実は午後は千葉での県果樹連の役員会に行っていました。そこで今年の開花状況から見た収穫開始時期の予測が公表されました。

4月に入ってから25日までの間、県農業総合研究所での観測によると、雨の降った日が12日、肌寒い日が9日、風の強かった日が5日あったそうです。ちょうどナシの開花・交配時期にあたります。いずれも花の交配にとっては悪条件です。

各地の産地の話を聞くと「単植(一品種だけの畑)の新高は実がついてないよ」という声もありましたが、混植(多品種を混ぜて植えた畑)ではこんな悪条件でもおおむね着果は問題ないようです。

今年のように開花期が長い場合にはむしろ着果し過ぎる傾向があるそうです。ただ、早く交配できた実と遅く交配交配できた実があるので、いっぺんに摘果作業ができないという問題もありそうです。また、一品種の収穫期も当然長くなる傾向が予想され、たとえば幸水と豊水の両方を収穫しなければならない事態も想定しなければならないかもしれません。消費者の方には両方一度に食べられるので、それの方が楽しみですね。

収穫時期の予測は、幸水は満開(花の70~80%が開花したとき)から115日で判断します。それによると、当地のある東葛飾地区で幸水が8月5日から10日ごろ。例年と変わらないようです。

今年の特徴的なことは、県内でもっとも早く出荷する長生・夷隅地域の産地での収穫時期が他地域と変わらない、むしろ遅れるかもしれないということでした。サクラの開花でも話題になりましたが、冬に寒くならず、しっかりと休眠打破ができなかった。それで開花もだらだらと続いているのではという話でした。

白酒の菌飲み稲飲み人飲む

2007年04月25日 | 今年の納得米づくり
一昨日、代掻きした田んぼの水。ちょっと赤みがあるように濁っています。二日もたつと、普通はもう少し透き通るかと思うのですが。

除草剤を使わない、有機質肥料のみ使用の5年目の田んぼです。代掻きしているときからなんか変だなあと感じていました。一回かき回しただけですぐにドロドロしたように思えました。

なかなか濁りが引かない水というのは、微生物が活発に動いている証拠?もしかして今年はトロトロ層ができて、イトミミズもたくさん出てきて、藻も繁茂して、雑草、特にコナギを抑えることができる?そんな期待を持たせる濁り水です。

あとひと月近く、田植え前まで水を張っておきアミミドロなどの藻が広がれば、抑雑草の可能性が高まるようです。はたしてどうなりますか。

網の中入って気がつく鳥の恋

2007年04月24日 | 春の梨畑
曇りながら無風の穏やかな一日でした。ナシ畑の防災網を開帳するにはこれほど好条件な天候はありません。作業が進みました。60a以上の面積を広げたでしょうか。

棚の上に乗って作業をしていると、ナシの枝振りが俯瞰できます。実をつける枝が均等に配置されているか、混んでいるところはないか、下から見上げるよりもよく見えます。あの辺りはうまくいっている、こっちは枝が足りない、などよくわかります。写真ではよくわからないですが。

いつものように餌を探しに畑にやってきた野鳥が広げた網の中に閉じ込められていました。もしかしたら恋人を追ってきた?

戻り冷え春嵐しのぎ芽生えり

2007年04月23日 | 今年の納得米づくり
14日に播種した籾が発芽してきました。

この間、連日雨が降り、寒い日が続きました。その後は強い南風が続き、上がけしたシートが何度も剥がされました。なんとまあ間の悪い日に種まきをしたものだと愚痴がこぼれたものです。

納得米プロジェクト水田では20日に、わが家の無除草剤水田(予定)では今日、一回目の代掻きをしました。田植え直前に2回目の代掻きをします。田植えは、できれば5月下旬にしたいと考えています。

ところが、今日当たりからこちらでも田植えが始まっています。冷たい北風がハウス育ちの苗を萎縮させないか、心配になる天候でしたが、年々、早く田植えをする農家が増えてきたように思えます。

田植え時の天候不順が心配なうえに、今年は夏が猛暑になるといわれています。稲が穂をつける時期に気温が高いと白い米が多くなり品質が低下するといわれ、コシヒカリなどの遅植えを推奨されています。しかし、そんな不安よりも早く収穫、出荷して有利に販売したいという方針なのでしょう。米価低迷がこんなところにも影響しているのかもしれません。

青嵐何するものぞ萌えいずる

2007年04月22日 | ネイチャースケッチ
青嵐というには時期として早いかもしれません。夕方まで強い南風が吹いていました。

そんな中、クヌギの老木はいつものように若葉を広げています。今回はいつもと違うアングルで撮ってみました。いつものアングルは下の写真。

          

若葉だけでなく、クリのような花も咲かせています。秋にドングリになる最初の姿です。
          

山吹のにほひ分かちたき野辺一人

2007年04月21日 | ネイチャースケッチ
ナシ畑に続く道端に毎年ヤマブキが花を咲かせるところがあります。その一角だけが明るく輝いています。運がよければ、夏に実も楽しめます。

         


ナシの交配が終わり、農薬散布、多目的防災網の開帳、摘果と作業が立て込んでいるのですが、昨日の午後から強い南風が吹き続けています。こんな風では農薬散布も防災網の開帳もできません。雨が続いたかと思えば、今度は風です。

こんな気まぐれで気性が荒い気象を「現代気象」と造語した農家がいましたが、彼は「異常気象とは呼べない気がする。地球温暖化による「二十一世紀気象」とでも呼ぶべきであろう」ともいいます。これからの農業はこういう天候を前提に取り組まねばならいのでしょうねえ。

春風に遊ぶ御子らの背比べ

2007年04月20日 | 春の梨畑
幸水ナシの定点観測その4。十日前に咲いていた花が交配されたようです。実がつくことを「着果」といいます。

この時期の幼果は花びらやおしべを王冠のように頭の上に乗せています。これからひと月足らずの間に細胞分裂が行われ、それから一つ一つの細胞が成長するといわれています。大玉にするには、いかに細胞の数を増やすか。養分が分散、浪費しないよう、できるだけ早くに適正な実の数にまで摘果しなければなりません。

雨四日伸びた髭面山笑う

2007年04月19日 | ネイチャースケッチ
寒気と低気圧が四日間も居座っています。今日も寒い日でした。冬の身支度をしていました。

午後には一時、陽も差しましたが、ナシの交配用に借用したミツバチも早々と店じまいしていたようで、養蜂業者への返却時間も前倒しで回収されてきました。今年は5日に入ってきて、撤去が今日19日。例年十日ぐらいの期間、これまで長くても十二日間でしたので、ミツバチ借用日数十四日間というのは記録のようです。

養蜂業者のミツバチは東北へ帰っていきましたが、幸水の遅い花はまだ蕾のものもあります。明日は穀雨。よい天気になるそうで、残しておいた豊水の花粉を使い切りましょう。

三月朔日降り地緑覆う

2007年04月18日 | 春の梨畑
ついたち-ぶり〈朔日降り〉という言葉があるそうです。月の第一日目に雨が降ることで、その月は雨が多いという迷信があるとか。昨日が旧暦3月朔日。どおりで雨が多いものです。

今日も一日寒い日でした。峠は雪になったようです。また薪ストーブに火を入れています。暖かくなったので木小屋に戻さなければと思っていた薪もとうとうすべて炊きつけてしまいました。

ナシ畑の土は麦の布団を被って暖かいでしょうか。

花と散る兎と雉の麦畑

2007年04月17日 | 春の梨畑
土曜日の初夏はどこにいったのか、暦をひと月もふた月も振り返ったような一日でした。予報では昨日から4日間も小雨模様。幸水の最後の交配をしようとの目論みも花と散りました。せめて寒くて次の晴れ間まで蕾が開かないことを祈るのみ。

ナシ畑のライムギをフレールモアという機械で粉砕しました。「倒す」でも「刈る」でもなく「砕く」です。腰丈まで伸びていた麦畑はけものたちの憩いの場、散策の場だったらしく、粉砕できる最速で作業をしているとノウサギやキジが飛び出してきます。

屋敷の隣の畑からノウサギが飛び出して来たときは驚きました。目で追うのもやっと。あっという間に林の中に消えていきました。キジは姿が見えなければ安全と思うのか、これから砕こうという麦の中へ潜って行きます。しばらく追いかけっこをしているともう隠れるところもなくなり、丸裸になって立ちすくんでいました。

こうして身近にけものたちを見られるというのも楽しみの一つです。

御法度の旧家もあると聞く囲碁が相手思いやる対話ツールとは

2007年04月16日 | わが家の時時
「へぼ将棋」とはいいます。「へぼ囲碁」というのかどうか、とにかくその程度の囲碁しか知らないのですが、一気に形勢逆転の場面に出くわし、思わず熱くなったことは経験しています。人を刺すこともあるかもしれないから囲碁は御法度の旧家があるという話には妙に納得させられていたものです。

ところが、囲碁が対話ツールとして社会づくり、地域づくりに生かせるというのです。「ふれあい囲碁」と呼ぶ非言語コミュニケーション・プログラムとして開発されていると伺いました。

ふれあい囲碁の実践と人材育成を目的とする団体の代表を務めるYさんによると、コミュニティセンターで8年ほど実践を積み上げてきたある地区の犯罪被害が、周辺地区が比較的高い数値になっている中で、突出して少ない数になっているそうです。1600あまりの世帯数の地区で火の用心の夜回りに100人も参加してくるとも。ふれあい囲碁の効果ではないかというのです。

その場に集まった人たちが、同時に、「石取りゲーム」に参加できることにより、‘居心地の良い距離感’、‘安心できる距離感’が生まれ、問題の対症療法ではない、問題の起きにくい社会の“体質改善”をめざすといいます。

全国のあちこちで実践が重ねられているようです。なんとなく居心地の悪い地域社会が少しでも明るくできたら。Yさんたちの活動に期待したいものです。