のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

今年も温湯処理

2007年03月31日 | 今年の納得米づくり
稲の種子籾を60℃のお湯に5分入れてあげました。寒いので暖めてやったわけではなく、いわゆる種子消毒っていうやつです。これで殺菌剤を使わずに、育苗ができます。農薬を使わない稲作りの基本的な技術といえるかもしれません。

今年から消費者参加による納得米づくりに二人の新人が加入し、そのお二人が現役世代であることから、作業日を土日に合わせるようにしました。

作業に慣れて手抜きになることを反省し、基本に立ち戻り初心者とともに忠実に作業を進めるよいきっかけになっています。

07幸水定点観測その2

2007年03月30日 | 春の梨畑
「その1」を省いて突然「その2」です。

「その2」は3月30日現在の幸水です。花芽がほころんできました。定点観測することにした花芽はちょっと遅れ気味で、幸水の中でももっと開いてきているものもみられます。

「その1」は3月20日現在の幸水です。まだ固い花芽でした。

       

新高の花です。どちらかといえば地味な花のようですが、この花は葯から花粉がすでに飛び出しています。

       

新高は花びらが開ききるまえに花粉が飛ぶようです。ピンクのカプセル状になっている葯がみられるのは本当に短い期間だけなものですから、どうしても地味なイメージになってしまいます。

       

まっすぐに塗りあぐ重機はこうしたいああしたらどうかの思いの結実

2007年03月29日 | 今年の米づくり
明日から天候がぐずつくというので、急遽、田んぼの畦塗り作業をしました。

右側がよく手が入った慣行農法の田んぼ。冬の間に何度も深く耕され、稲わらも雑草も見えません。畦もきれいに塗られています。左側が収穫後に一回だけ浅く耕しただけのわが家の田んぼ。畦塗りもいまいち、土の湿り気が足りないようです。深く耕した方が雨などを土中に溜め込んでおけるからでしょうか。

3月としては記録的な高温となった今日、東京ではサクラが満開になったそうです。当地でも田んぼに向かう途中でサクラが一分から二分咲きになっていました。ナシの新高も気の早い花は開きだしました。

昨年の東京のサクラの開花が3月21日で、新高の開花が31日。今年は東京のサクラが20日で、新高が29日。昨年より少し早いようです。昨年は4月4日に豊水、9日に幸水が開花しています。来週後半には再び寒気が入ってくるようですが、ちょうどナシの開花の時期?

夜ざくらや美人天から下るとも(一茶)

2007年03月28日 | ネイチャースケッチ
どんな美人よりも夜ざくらの方が美しい。そんな意味のようです。

北関東からもサクラ開花の便りが届いていますが、家と畑の往復しているだけではまだ開花したサクラは見ていません。でも、ナシで一番早く開花する新高の蕾は白い花びらが見えるほど膨らんできました。

庭のシダレモモが見ごろを迎えています。どんな花にも夜ざくらに負けない盛りのいっときがあるように思うのですが。

世〔の〕中は是程よいを啼く蛙(一茶)

2007年03月27日 | 春の梨畑
ライムギがナシ畑を覆っています。一面の若草色には春を感じます。命の息吹を実感させてくれます。一茶の句の蛙のように「世の中はこれほど良い」と歌いたくなります。

でも、現実の世の中は問題が山積です。次々に問題が顕在化してきます。今年もああだこうだとぶつぶついいながら本格的な春の農繁期を迎えます。

春愁の身を粉にする堅木かな

2007年03月26日 | わが家の時時
丸太の上に積もった雪ではありません。いってみれば、のこぎりくずです。

今日は一日、山林を開墾した際に出た雑木を薪にするためにチェーンソウで丸太に切り刻んでいました。他の雑木はなんなく切れるのですが、樫の木は使い古したチェーンソウの刃が立たないのか、木屑が粉状になっていました。明日は新品のチェーンに替えることにします。

春雨や雀口明く膳の先(一茶)

2007年03月25日 | 春の梨畑
「春雨の日、お膳の茶わんに盛られたごはんを前に雀は大きな口を開けているよ」ぐらいの意味のようです。

これまで乾燥した日が続いていましたが、ナシもサクラも、ナシ畑のライ麦も今日の雨は芽吹きの恵みになりました。ライ麦(写真)も2,30cmぐらいにまで伸びてきました。今日の雨を受けて一気に伸び出すことと思います。

無いものを在るようにみて山拓き在るものが無くなる木間の風

2007年03月24日 | わが家の時時
物事の見方・考え方は4通りのパターンがあると、古代ギリシャの哲学者エピクトテスが著しているそうです(孫引きです)。

①在る物が在るように見える ②無い物が無いように見える ③在る物が無いように見える ④無い物が在るように見える

ひとつの見方だけで判断してはならない。柔軟な頭を持とうという教えのようです。

わが家に残された山林の開墾が終了しました。整地する際に思ったより土砂が動かすことができず、予定していたほどの面積にはなりませんでしたが、上の教えとは違った意味で無かったものが見えてきました。新たなナシづくりの始まりです。

なの花にうしろ下がりの住居哉(一茶)

2007年03月23日 | 春の梨畑
「暑さ寒さも彼岸まで」のことわざ通り、彼岸を迎えて本格的な春になりました。ようやくナシの剪定作業も終わり、なんとか開花までに間に合いました。

         

幸水はまだ花芽のままのものが多いのですが、新高、豊水の中には花芽がほころび蕾の頭が見えてきたものもあります(写真は豊水)。やはり、品種ごとに一斉に開花するのではなく、だらだらと開花していく気配です。気候が安定して暖かい日が続けばそれでもよいのですが…。

STOP!ぶらっくばす

2007年03月21日 | わが家の時時
昨夜は手賀沼トラストサロンが行われました。テーマは「手賀沼とぶらっくばす」。講師はトラスト会員でもあり、ぶらっくばす問題に関する文献のライターをされているHさんご夫妻。途中からは、野田で実際にぶらっくばす駆除活動をしているSさんにも出席していただきました。

ぶらっくばすというのはスポーツフィッシング用の淡水外来魚で、全国の湖沼河川での生態系を破壊するということから、一時、マスコミなども巻き込んで大きな議論を引き起こしました。しかし、これまで手賀沼ではあまりぶらっくばすなどの外来魚が話題にはなってこなかったように思います。話題提供者の説明では、手賀沼にとって、ここ数年がひとつのターニングポイントになると考えられるというのです。

というのは、…

都心からのアクセスの良い手賀沼には比較的早くにぶらっくばすが放流されていたはず。しかし、手賀沼の水質が汚濁していて、目で獲物を追うぶらっくばすは繁殖できなかったのではないか。ところが、最近、水質が良くなり、餌となる小魚も復活してきているという噂もある。実際、ぶらっくばすの稚魚の姿を確認したという報告もある。すぐに対策をとらないと、せっかく水質がよくなってもぶらっくばすだらけになってしまうかもしれないというのです。

ぶらっくばすが生息できなかった理由には、湖底がヘドロで覆われていて産卵できなかったことも考えられるということでしたが、水質汚濁が外来魚を防いでいたというのは、いかにも皮肉です。

宮城県伊豆沼でのぶらっくばす駆除活動を紹介したDVDも見せていただきました。たいへんな労力と資金を投じても、片方で釣り愛好家などによる「密放流」がされていてはとてもかなわないそうです。

元来、ここまで広く全国にぶらっくばすが広まったのには、ばす釣り愛好家だけでなく経済効果200億円?ともいわれるバス釣り情報誌や釣具などの関連業界団体の働きかけがあったからのようです。2005年に施行された「外来生物法」においてもばす放逐は規制されても、業界団体の圧力により駆除までは言及できなかったといわれます。

「駆除」だけでは釣り愛好家たちの理解も得にくい。「在来種の保護」と「外来種駆除」をセットにしたメッセージが必要であり、また、たとえば「ルアー釣り禁止」というようなルールによる社会的合意がなければ根本的な解決には結びつかないという提言には納得させられました。

Hさんたちのグループでは、4月22日に手賀沼でぶらっくばすの生態調査を計画しています。多くの人の参加を呼びかけたいといいます。具体的な内容がわかった段階で、再度発信します。

《追記》
この記事を発信してから不審なTBが数多くあります。この問題の根深さを実感しています。

起きよ起きよ雀はおどる蝶はまふ(一茶)

2007年03月20日 | 雲図鑑
西風が弱まると、ひつじ雲が流れてきました。モンシロチョウも漂うように飛んでいます。午後には、東京でサクラの開花宣言が出たようです。

剪定作業をしていると、土鳩がナシ棚の下を勢いよく飛んでいきます。畑のサイド網にぶつかり、また別の方向へ飛んでいきます。何事と目をやると、上空を銀色をした大きな鳥が追いかけていました。猛禽類のサシバです。

土鳩はあちこちにぶつかり、弱っているようです。仕舞いに畑の隅の草むらでうずくまってしまいました。そのとき、二羽のカラスがやってきて、サシバを追い始めました。サシバを追い払うと、カラスは土鳩のうずくまっている場所を見下ろす棚の上に止まり、様子を伺っています。

カラスの方が一枚上手。サシバに土鳩を追わせて弱らせたところで、獲物を横取りしようという算段です。でも、カラスのずる賢さを称えるよりも、サシバが営巣している環境に感謝したい一部始終でした。

日本は這入り口からさくらかな(一茶)

2007年03月19日 | ネイチャースケッチ
一茶の時代もサクラサクラですべてが始まっていたようですが、靖国神社の標準木が3輪だけ開花しているとマスコミでは騒いでいました。気象庁は5輪咲いた時点で、東京のサクラの開花宣言を出すのだそうです。

わが家の庭のプラムが昨日から咲き始めました。気温には鈍感で、光の強さに敏感な花芽もあるでしょうから。

そこに生えていたかのような姿で香り放ちて君待つ木株

2007年03月18日 | わが家の時時
山林を伐採していた人が伐採の記念だとヒノキのイスを作ってくれました。切り倒した株を荒削りしただけのものですが。

時間があれば自分で切り倒して、生えていた木の始末も考えながらできたのですが、ナシの剪定作業に追われていてはそうもいかず、伐採・処分・開墾を業者に委託していました。せめて樫の木だけは薪にしようと取りおいてもらいました。剪定が終わったら、薪づくりが待っています。

本年のナシの開花予測

2007年03月17日 | 春の梨畑
気象庁のソメイヨシノの開花予測があるように、ナシでも千葉県が開花予測を発表しています(3月16日付け)。

現在、発表されているのは「催芽期での予測」で、今後の気温等により前後するものです。「催芽期」というのは、短果枝の40~50%の花芽の鱗片が緩み始めた時。今年の場合、千葉市での幸水、豊水の催芽期は3月11日と8日。これを基準に開花期を予測してみると…。

幸水の開花始めは4月13日(前年4月8日、平年4月13日)、開花盛り4月17日(前年4月12日、平年4月17日)、豊水は開花始めが4月9日(前年4月3日、平年4月10日)、開花盛り4月13日(前年4月10日、平年4月15日)。

これまでの様子をみていると、こんなに遅くなる?という印象です。もう豊水の枝に潜んでいた芽が姿を現してもきています(写真)。今年は早いものも遅いものもあるということでしょう。次回の開花予測は4月1日ということですから、どう修正されるか、修正されないのか、注目です。