のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

恋も冷め背負うものなく秋の雨

2007年09月30日 | ネイチャースケッチ
冷たい雨が降り続いて一気に11月並の気温になりました。フリースを着込んでナシの収穫に出かけ帰ってくると、コンテナボックスにバッタが一匹、固まっていました。

よく見かけるオンブバッタはメスが小さなオスを背中におんぶしているのですが、交尾の季節は過ぎ、オスは用がなくなったのでしょう。メスだけでした。

ご飯なら熱熱粒粒一文字

2007年09月29日 | 今年の米づくり
先日のラジオで美味しいご飯の食べ方を紹介していました。

ゲストの料理評論家?曰く
「炊き上がったご飯をかき混ぜ、保温ジャーに入れるのはご飯をまずくするだけ。だからご飯を食べなくなってしまう」

ではどうするかといえば
「炊き上がったごはんはかき混ぜずにそのまま、できれば熱いうちに冷凍して、食べるときに電子レンジで暖める。いつも炊きたてご飯になります」

熱いものを冷凍したり、冷めたものを暖めたりとずいぶんとエネルギーを使う食べ方だと思いましたが、食間ずーっと保温していてもエネルギーを使っているわけです。保温ジャーに長く入れておいたご飯は黄ばんだり独特な匂いがついたりで、おいしいご飯ではなくります。エネルギーを使ってまずくしているのはまさに浪費です。

評論家氏は茶懐石の「一文字ご飯」を根拠のひとつにしていました。無粋なもので詳しくはわからないのですが、炊きあがったばかりのご飯をそっくりとしゃもじですくい取ったものをいただくようです。椀によそわれた形が漢字の一の字に似ているからそう呼ばれているのでしょうか。

要するに、かき混ぜないことで米粒をつぶさず水分や風味も逃がさないということのようです。「おいしいご飯の炊き方」などでネット検索すると、多くの場合にはかき混ぜるとあり、この点では見解が異なるのですが、米粒をつぶさないことと冷凍保存して食べるときに暖めるという点では共通していました。

さっそくわが家でも保温ジャーを使わない方法で試してみたところ、たしかに美味しい。つぶつぶがしっかり残っています。子供のころ、祖母がおひつの中のご飯を丸めて味噌でくるんで作ってくれたおむすびを思い出しました。

保温ジャーはいつも暖かいご飯が食べたいという欲求に応えていたと思います。でも電子レンジが普及した今も惰性で使っていないでしょうか。一度、保温ジャーを使わない方法で試してみてください。

けふの日もなんの月花翌(あす)も又

2007年09月28日 | 梨の出荷
元句 けふの日も棒ふり虫よ翌(あす)も又   一茶

毎日、新高梨の出荷に追われています。一日に扱う量は幸水、豊水ほどではないのですが、夏からの農繁期の体力的・精神的疲労も蓄積しておりまして、「明日もまた」という日々です。

実は8月上旬に発行された『現代農業』07年9月号という雑誌に、寄稿した記事が掲載されています。題して「わが家の新高ナシの完熟見立て公開します」

寄稿したといいましたが、内容は05年9月25日のブログに書いたそのものです。雑誌の編集者がブログを見ていただいたようで、小特集「完熟栽培はこうやる」の中のひとつの話題として取り上げたいとのことでした。

要約しますと、新高ナシは一般に袋をかけて栽培しますが、わが家は無袋栽培。果皮が日焼けしやすい新高は、肉質が出来上がる前に色づいてしまう。以前はそういうナシを収穫していたが、完熟した実の形状があるのではないかという仮説で収穫したらサクサクした歯ざわりで風味も出てくるようだ。形状で判断して収穫するようになってから、お客様の支持も増えてきた…

と、えらそうにこういうことを書いておきながら、今年の収穫には苦労しています。残暑も厳しく、理想的とする形状に完熟するまえに日焼けしてしまう果実が続出しています。記事の中で「まだ未熟と思われる」と指摘した形状のものも収穫しているのが現状です。

しかし、記事にも書きましたが、そういう日焼けした新高も肉質がもうひとつでありながら糖度は十分以上。お客様の評判もよく、すこし安堵しています。これもまた新高ナシのひとつの姿なのかもしれません。

彼の岸に選ばれし花一つ暑さ寒さも葉も此の岸に

2007年09月25日 | 梨の出荷
残暑が続いているのでどうかと思っていましたら、きちんと時期に合わせて彼岸花が鮮やかにあたりを彩っています。当たり前に季節を感じさせてくれるものにはほっとさせてくれます。

でも、季節に合わない暑さに喜んでいるのはナシ屋です。

「新高」梨が最盛期を迎えています。普段なら秋風とともにナシの購買欲も落ちていくのですが、今年は甘味も十分なこともあって、お客様が続いています。やっぱり美味しくなくてはと思わせる事象です。

最盛期を迎えているといっても、熟し方がいつもと違っています。肉質ができる前に果皮が日焼けしてしまうものが多くなっています。また、一気に熟すというのではなく、だらだらといった感じです。これもいつまでも暑いためでしょう。糖度は上がるし熟期も伸びるので悪いことではないのですが、発送予約されたお客様にはお待たせしております。

今日からは新しき香りの朝餉かな

2007年09月23日 | 今年の米づくり
今年の米作りもようやく最終章。籾摺りを終え、直売所向けの玄米の検査も受け、穀入れ・保冷庫へ納めました。

一部の田んぼで有機質肥料だけをつかった米作りを5年試みてきましたが、今年は倒伏させてしまい、ちょっと「苦い」新米となりました。来年は無肥料にしましょうか。

穂波翔け虫追うサギの眼光よ

2007年09月19日 | 今年の米づくり
ようやく本日、稲刈りが終了しました。倒伏していなかったところを残しておいて、良いイメージで今年の稲刈りを終えることができました。

まわりの田んぼでもほとんど刈り取られていますが、最後でなかったということもなんとなく気分の良いものです。

サギがいつの間に学習したのか、稲刈りを始めると集まってきます。穂波から飛び立ってくるイナゴやカエルをついばんでいます。

コンバインのまわりをサギが取り巻いている様子は被写体になるようです。カメラを向けている方がいますし、しばらく眺めていく方も大勢います。人と野生生物が共生しているというイメージだよねえと共感してサギをよく観察してみると、どうしてどうして。当然ですが、なかなかの鋭い眼光でした。

棚の梨落ちてしまえば他人哉

2007年09月18日 | 今年の梨づくり
先ごろ話題となりました農業共済組合の役員に今年からなっておりまして、「新高」梨被害の現地調査に入りました。

担当する地区は市川市の半分。市川といえば「新高」。「新高」といえば市川ブランドです。この時期に他産地の園地に入って見せていただくというのはめったにできるものではありません。自分の仕事を放ってでかけるのですが、視察と考えればよい機会となりました。

         

大町地区のある園など、間口50m以上、奥行き200m以上の園地いっぱいに新高が栽培されていました。こういう農家と競争しなければならないのかと思うと、愕然とします。

先日の台風襲来の際に、TVがたくさんの実が落下してしまった市川の農家を紹介していましたが、風害よりもこの夏の猛暑や乾燥が原因と思われる日焼け玉や裂果が大量に発生しているようでした。

確認してみると、たしかに相当ひどい割合で発生している園もありました。わが家でも多少の被害果はありますが、都心に近い市川ではそれだけ強い熱波が押し寄せたということでしょうか。わが家としては、忙しい思いをしてかん水しましたので、その効果があったと思いたいのですが。


タイトル元句  へちまづる切て仕舞ば他人哉(一茶)

落穂にもひつじばえにも七日月

2007年09月17日 | 今年の納得米づくり
一昨日、土曜日に納得米プロジェクトの稲刈りを行いました。台風などの影響もあるのでしょうが、今年の天候には有機質肥料が効きすぎたのか、全面倒伏してしまい、36aの稲刈りがまる一日かかってしまいました。

わが家のもう一枚の有機質肥料使用水田も倒伏してしまいましたので、倒伏は肥効が原因ということはいえるでしょう。過去4年、それほどの問題なくできていましので、こんなもんだろうと甘く見ていました。成分的に計算しにくい有機質の使い方の難しさを実感させられました。

そんな悪条件の中、今年初めて参加したメンバーもコンバイン操作に挑戦。初心者講習もあったものではありません。はじめから応用問題です。

        

        

        

倒伏していますから、当然、落穂も多いのですが、乾燥機に入った籾はけっこうな収量になりました。さすが有機質肥料、やはり倒伏するだけのことはある、穂が重くて倒れたのだと納得させたのもつかの間でした。

今日、籾摺りをしました。選別機で落とされる小米も多く、玄米として計算すると10aあたり8俵。去年より悪い数字ですが、周辺の収量も良い数字は聞きません。田んぼに忘れてきた籾を加えればもっと採れたはずと、捕らぬタヌキの計算をしながら穀入れに納めて終了。

肥料作りから耕うん、育苗、代掻き、田植え、草取り、畦の草刈と半年かかわってきた米作りのあんなことこんなことを思い出しながらの新米の香りはいかがでしょうか。

露々に流れさうなる柱哉(一茶)

2007年09月16日 | 今年の米づくり
秋雨前線が北上し、安定した晴天が続いています。今日で稲刈りも3日目となりました。結果的にはあせらず天候の回復を待っていたことで、順調に稲刈りが進められています。


祝 レイソル逆転勝利。J1リーグ最小失点も継続中です。現在5位です。でも驕りません。去年のことがありますから。今年は露といっしょに流れてしまうことはないようです。

ぬぎ捨てし笠にいっぱいいなご哉(一茶)

2007年09月14日 | わが家の時時
天気が良いほうに予報が外れてくれましたので、午後から急きょ稲刈りをしました。

一部稲が倒伏しているけれど地盤の固い田んぼ20a、地盤が柔らかいけれど稲が立っている田んぼ50aのうち10aぐらい。なるほど、これぐらいの柔らかさでもコンバインは仕事ができるのだと、改めて経験する機会となりました。

今日は南風も少し吹きはじめ、昨日よりも好条件となりました。結果的には「待てば稲刈りの日和あり」でした。

写真は知人が作ってくれた草のバッタです。なかなかの芸術品です。

夕やけに染まるでもなし南信なし

2007年09月13日 | 梨の品種
今日も鮮やかな夕焼けでした。このまま長雨も終わってほしいのですが、また雨のようです。

果物好きの方がごひいきの「豊水」梨の収穫が終了しました。例年より5日ぐらいは早いでしょうか。その分、早くから収穫していましたが。

この時期、県内の産地では「あきづき」梨という新品種を売り出そうとしていますが、あまのじゃくのわが家が注目しているのは「南水なんすい」梨。

         

長野県南信濃農業試験場で越後という梨に新水という梨を交配してできたということで、南信の水、「南水」。扁円形で、果皮は黄赤褐色の赤梨。糖度は15%前後で酸味の少ない甘い梨。貯蔵性にも優れていて、普通貯蔵で2週間、冷蔵で2ヶ月以上とカタログにあります。黒班病に弱いという弱点もあるようです。

あちこちのサイトで探してみると、

「絶妙のシャリ感と抜群の甘さを誇る長野県オリジナルブランド梨」

とか、

「大玉で 高糖度・果汁たっぷり・酸味が少ないです。梨のおいしさのツボを、全て押さえている“みんなにおいしい”品種です」

とか、

「洋ナシのような香りとブドウのような甘さ」「甘味の強さ、フルーティな香り、歯ごたえの良さの3拍子そろった梨」というような表現もされています。

「豊水」とは違う種類の美味しさです。「豊水」の前半は「秋麗」との組み合わせ、後半は「南水」との組み合わせという品種構成も魅力的です。

でもこれ以上、面積を増やせ、もっと働けといわれても…


タイトルの元句 ; 朝やけに染まるでもなし露の玉(一茶)

秋の雨小さき嵐呼びにけり

2007年09月12日 | 今年の米づくり
今朝も大きな雨でした。バケツ稲のバケツの中にも水がたっぷりと溜まりました。

田んぼも当然こんな感じでしょうから、もし雨が止んでも当分稲刈りはできないでしょうねえ。秋雨前線の上に熱帯低気圧が乗っかってきて、大雨を降らせたようです。

胸の中にもざわざわと小嵐が…


元句 秋の雨小さき角力(すまふ)通りけり (一茶)

八朔を競い彩るかおり梨

2007年09月11日 | 梨の品種
今日は陰暦八月朔日(ついたち)。

八朔には農家で新穀の贈答や豊作祈願・予祝などの行事が行われ、のちに一般化して、贈答の慣習を生んだといわれます。八朔の行事の現代版のひとつが梨の宅配となってわが家を支えているわけでして、なにかお祝いをしなければなりません。

そこで、今年も大きくなっったでしょう梨コンクールーっ!!。

大きい梨というと「新高梨」ですが、作り方によっては「幻の梨」と呼ばれ広く知られるようになった「かおり梨」も大きくなります。

わが家の今年の最大記録はこの実かなと計ってみたところ1400gを超えていました(写真左)。ちなみに「豊水梨」の記録は1228g(写真右)。

こんなに大きくしなくともよいのですが、大きくなってしまったというのが本当のところでして…。大きな実を大勢のみんなと分け合いながら食べるというのも一層美味しくしてくれます。

豊水梨もあと数日で終了です。異常な夏の暑さだったせいか、実質十日間ぐらいのあっという間に収穫を終えてしまいました。次の品種「新高梨」も待ったなしの状態です。今年は前倒しで収穫が進みそうです。

鉄塔を柄にせん入道草露白

2007年09月09日 | 今年の米づくり
晴天に入道雲が盛り上がっていました。台風で大雨をもたらされたと思ったら、これから一週間、傘マークが出ずっぱりの予報です。

いつになったら稲刈りができるのか。有機質肥料を使った田んぼでは稲が倒伏しているので、これからの天気が気になります。

豊水ナシの収穫はいよいよ大詰めです。予想より早めに終了しそうです。

禾登る嵐の後の茜空

2007年09月07日 | 雲図鑑
台風9号はわが家の西側、最悪のコースを通っていきました。でも伝わってくる各地の被害に比べれば、多少のナシの実の落下や防災網の破られるなどのわが家の被害などは問題にならないものです。

         

目だったナシの実の落下といえば、このくらい。

         

「かおり」です。もともと自然落下する性格を持っている品種です。だから「かおり」は嫌いです。


ご心配をおかけしました。我が家のナシも米も無事です。

台風一過の夕焼けは嵐に耐えたご褒美でしたが、瞬く間に夕闇へと変わっていきました。