のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

ローラーをかけてもかけなくとも2.5葉

2009年04月30日 | 今年の米づくり
4月11日に播種、22日にプールにして1週間が過ぎ、
1.5葉から2.5葉程度まで成長してきました。

こちらは1週間前の様子



今年は温暖で成長が早く苗が徒長しても困ると思い、
連日、軽くローラーをかけてストレスを与えてきました。
徒長は止まっているようですが、
今度は背丈が延びないのではと心配になってきました。

まあ、しっかりした苗ができれば
多少、背が短くともその方が倒伏しない稲になることが期待できます。

田植えまであと二週間。
4.5葉ぐらいまで成長させます。

右手に摘果鋏、左手にトラクターのハンドル

2009年04月29日 | 春の梨畑
昭和の日だからというわけではないのですが、
「右手にジャーナル、左手にマガジン」とは
昭和のある時代の学生たちのひとつの象徴でした。
創刊50年を記念して単発で復刊したというので
手にとってみました。

懐かしいのひとこと。

ところで、左手に持つのはマガジン?
平凡パンチだったような気もするのですが。

今、わが家では、
ナシ畑では日ごとに大きくなる小さな実が
摘果されるのを待っています。
いっぱい実のついている枝の展葉の勢いが出ないこと。
困ったことです。

一方で、イネ苗も順調に成長し、
周りではもう田植えが始まっています。
やはり、例年より前倒しに進んでいるようです。
右手に摘果鋏を持ちながら、
左手でトラクターを運転して耕うん、代掻きしなければなりません。

かつては、知的虚栄心を満たすためにジャーナルを読んでいたものです。
今だって、虚栄心を満たすためにナシとイネを
栽培していたっていいじゃないか、なんてね。
そう思うことでもしないと、やっていられないほどの作業が……

防災網の広げられたナシ畑。
野田の生産者にわけてもらったくず大豆を散布しました。
網を広げる前に散布すると、
豆の大好きなハトが集まってしまうので、
いままで待っていました。
こんなことしているから忙しいのですが。

網を広げたからといっても入口は開いていますから、
数羽のハトはいつも豆をついばんでいます。



そんなナシ畑の中で大捕り物があったようです。
ハトの羽が散乱していました。
何者の仕業か。
雑食のカラスか、猛禽類のサシバか、それともネコ?

カラスは網の中に入らないように思います。
入ったら出られないのを知っているのかもしれません。
以前、サシバが悠々と入口から出て行ったのを見かけました。

ところで、キジバトは野生種で、
ドバトは伝書鳩が野生化したものだそうです。
羽の色から犠牲バトはドバトのようです。

食の自己責任の時代がやってきた

2009年04月25日 | 農のあれこれ
先日のBSフジ『プライムニュース』(23日木曜日19:00~21:00)は
「食糧自給率40%に警鐘 日本の食卓を守る秘策」が特集。
日本の食糧自給の問題点、世界の食糧事情などを
網羅的にかつ端的に紹介されていたようで
好印象を持ちました。

特筆は、食糧自給問題の解決策はあるかという問いに
コメンテーターの一人、元農水事務次官氏が
冗談のような話に聞こえるかもしれないがという前置きをして、
大型連休を5月から6月中旬に移すことだと話していました。

労働力不足と早期米ほど付加価値があるという現状から
5月連休に田植えが行われているが、
それを6月に移せば田んぼで麦を作ってから田植えができる。
そうなれば田んぼを一年に二回使うことになって
米も麦も自給できる。農家も収入が増す。
自給率が低いのが問題ではなく、
「自給力(たしかこういう表現だったような)」が問題。
日本の環境に適した豊かな田んぼを使いこなすことが最善の策。

こんな話だったと思います。
なるほど。納得してしまいました。

たまたま、当日の日本農業新聞(2009年4月23日)に
「かんがい、排水を両立させる地下水位制御装置が開発。
省力で田畑輪換が可能に。
水田での麦、大豆栽培の安定収量を確保」
という記事が載っていました。
必要条件は整いつつあります。

同じ質問に、もう一人のコメンテーターの農水の課長氏は
やはり、どうしても生産者の立場で考えてしまうのだが
という前置きをして、消費者にはできたものを食べてほしいと。
条件にもよるが、
国民全員がご飯をもう一口ずつ余計に食べてくれれば
自給率が1%上昇する、とも。

これに対して、政治部記者?のキャスターが
取れすぎた農産物を保存する技術があればいいのかと受けて、
話があらぬ方向にいってしまったのが残念。
課長氏は、旬なものを食べることが
大事ということをいいたかったと思うのですが。

鶏が先か卵が先かの話になってしまうのですが、
一番の課題は「食べ方の技術の衰退」ではないでしょうか。
より簡単においしいものを食べることが
豊かだと思わされてきたのではないでしょうか。


海外から肉やエサ、オレンジなどのくだものがどっと入ってきて、
食習慣が和風から洋風へ、
ヘルシーなものからカロリーが高いものへ、
手作りからインスタントへ移り変わってきた。
料理も農産物も工業化され、
スーパーやチェーン店で
いつでもどこでも同じ味を安く簡単に手に入るようになった…

(金丸弘美『フードクライシス』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2006.5 1200円+税)


本当に豊かな食とは何か。
消費者に問いただすだけでなく、
生産者自身も考え直さねばなりません。
工業的流通にのって経営を成り立たせている面も
少なからず持ち合わせていますから。

秋の欲まるごと包む大風呂敷

2009年04月24日 | 春の梨畑
畑を白く覆っていたナシの花も散ってしまい、
一面、緑色に。
そうなると多目的防災網を広げなくてはなりません。

雹を降らせるような寒気も来そうもないので
のんびりしていてもいいようですが、
当事者はそうもいっていられません。

これからひと月、時間と競争しながら摘果作業が続きます。


<折る人に秋の欲なし梨子の花> 也有

気が急く苗の言わんとするところ

2009年04月22日 | 今年の納得米づくり
11日に播種した稲籾でしたが、
早々に発芽し、順調に生育。
十日で1.5葉ほどに。
本日22日、苗床に入水してプール化しました。



去年は12日に播種して、26日プール入水でした

今年はどうも苗の生育が早いようです。
わが家だけでなく、まわりからもそういう声を聞きます。
もうあちこちで代掻きが始まっています。
単純に暖かい晩春なのか。それとも天候が荒れる兆し?


<苗代に水をやる二葉割れたり> 河東碧梧桐

<掘り返す塊光る穀雨かな>西山泊雲

2009年04月21日 | 農のあれこれ
4月12日に積み込んだ籾殻堆肥
順調に、というか予想以上に熱が上がり、
予定よりも早く本日、一回目の切り返し。

数日後から70℃前後まで温度があがっていました。
もう1,2回切り返せば、
土の中に戻しても大丈夫な状態のようです。

次回の切り返しの際には浴衣、水着を用意して、
発酵熱浴で人の体もリフレッシュしましょうという話が…

ガシャモク・ササバモ・ヤナギモ

2009年04月20日 | 近隣スケッチ
久しぶりに谷津の道を通ったら
こんな看板が立っていました。

水生植物の移植実験をしているのだそうです。
沼底の土中に残された水生植物の種子(埋土種子)を芽生えさせ、
沼に注ぐ流れに移植。
それによって、かつて水草の繁茂していた手賀沼を取り戻そう
という実験とのこと。

「手賀沼水環境保全協議会」とあります。
水草を育てたのは付近の小中学生だとか。
大事にしてくださいと書いてあります。

たしかにこの谷津は上流に集落や工場もなく、
今もあるのかどうか、水源には湧水がありました。
冬でもそれなりの流量のある流れです。
もしかしたら手賀沼流域では最も自然度の高い流れかもしれません。

以前、ここで貴重な水草が見つかったという話は聞いていましたが、
そこに移植までしていたのですね。

今は田んぼ用水が上がっていて、
日中は流量が増し、夜間になると元の流れになるという
排水路状態になっていますが、
こういう流れが地元にあるということを周辺の方々に広まれば、
地域に自信をより持てるようになるのでしょうが。


〈水そよくよ池の水草生ひそめぬ〉内藤鳴雪

若さゆえ背丈以上の夢がある

2009年04月18日 | 梨の虫
この春は交配用ミツバチが足りないことが社会ニュースになっていますが、
開花中、上天気だった割にはハエや小さな甲虫も
例年より少なかったように思えます。

そういう益虫だけでなく害虫もまたここにきて
ようやく姿が見えるようになってきました。

生まれたて?のシャクトリムシはまだ1cmほど。
これから何回、脱皮すれば5cmクラスになるのかしらん。
でもシャクトリムシは蛾の仲間。
ちょうちょにはなれません。

東風吹かば雷(いかずち)ありや家守に問う

2009年04月17日 | 春の梨畑
初夏の気温から一気に寒くなりました。
昨夜は宇都宮で降雹があったとか。

10日に姿を現していた家守が
風が変わることを教えていたのでしょうか。
赤壁の戦いの際の諸葛孔明のように。

ナシの花が終わったとたんにこれです。
ぎりぎり交配には間に合ったようですが、
今度は降雹の心配です。

けふもまた花摘む野暮を重ねつつ

2009年04月15日 | 春の梨畑
元歌は〈けふもまた花見るあはれ重ねつつ〉山口青邨

交配をする一方で余分な花を摘まねばならないのが果樹農家。
ぼたっ、ぼたっと花台ごと切り落とすこともあるので、
足元には「花ござ」ならぬ「花布団」ができることも。

写真はわが家のナシの品種で最後に咲き出した「秋麗」。
花だけ見ると「幸水」とまったく変わりません。
朝のうちはまだ半開きだったつぼみが
一時間もしないうちに満開状態に。

今年は開花期間中、初夏のような日が続いたために
開花してから満開になるまでの時間があっという間でした。
「新高」の開花日は去年より一日遅い4月4日でした。
「豊水」は去年と同じ4月7日。
三日後の10日には満開に。
去年の「幸水」は4月12日に開花したのに
今年は三日早い4月9日に開花して
四日後の4月13日には満開状態。



4月10日、「豊水」が満開だった畑ですが、


4月14日には幼葉が増えてきました。


15日、昨夜の大雨のせいもあって
花びらがほとんど散ってしまいました。


去年は「新高」から「幸水」が開花するまでに
十日かかったのに今年は五日。
あっという間に花粉が飛びだし、
花びらを散らしています。
交配作業が間に合いませんが、
開花前の思惑通り、風と虫たちのおかげで
けっこう着果していそうです。
むしろ着きすぎているのが心配になるくらいです。

〈麦はえてよき隠家や畠村〉 芭蕉

2009年04月13日 | 農のあれこれ
彼岸過ぎまでちょぼちょぼだった小麦が
連日の好天気もあって
ここにきて一気に伸び出してきました。

これは近くのライスセンターが耕作している小麦畑ですが、
わが家のライ麦は、今年、失敗しています。

播種期の差は10日ほどだったと思いますが、
冷気と乾燥、
その10日間の遅れが大きいのでしょうね。

〈鉛筆を落とせば立ちぬ春の土〉 高浜虚子

2009年04月12日 | わが家の時時
もみ殻、剪定枝といえば
時には産業廃棄物扱いされる身近な有機物ですが、
堆肥として使えれば結構なこと。
そんな思いで発酵資材を利用した堆肥づくりを試みました

本来、堆肥というのは特別な資材を使わなくとも
条件を用意すれば自然界の発酵菌がとりついて、
有機物が分解されていきます。
問題はその過程に要する時間です。
もみ殻、剪定枝というのは分解しにくい性格があるものですから
邪魔者扱いされるわけです。
そこに発酵資材の必要性があります。

どんな資材を利用してもよいのですが、
たまたまVS科工のOiさんと縁があって
堆肥づくりに助言をいただくことになりました。

用意したのは、もみ殻約6㎥、
主に一年生の剪定枝のチップ約5㎥、
それに米ぬか200kg、油粕200kg、VS34 100kg。

今回の堆肥づくりは
手賀沼トラスト農教室2年次生以上の堆肥づくり実習も
兼ねていましたので、
積み込みは大勢でわいわいとやってしまいました。

やはりポイントは水分の調整のようです。
2週間後ぐらいに最初の切り返しをやる予定です。
みなさん、お疲れ様でした。