のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

泥遊び稲を植えれば米作り

2015年05月10日 | 今年の米づくり
今年もいろいろな方の手助けをいただいて
田植えを済ますことができました。
いくら機械化が進んでいるとはいえ、
田作りは要は泥遊び、水をいかに手なずけるかだと
今年も思い知らされました。



今年は久しぶりに極太の苗も育ててみました。
普通、苗箱一箱200gぐらいの籾を蒔くのに
これは40g。
下の写真で、左側が40g、右側がわが家のいつもの100g。
機械化できないのでこれも遊びの一つ。




ちょっとこいの声に寝覚める春霞

2015年04月25日 | 今年の米づくり
あっちでも「ちょっと来い」こっちでも「ちょっと来い」
今朝は「ちょっと来い」と呼ぶ声に寝覚めさせられました。
コジュケイの掛け合いでした。
こちら→https://www.facebook.com/video.php?v=1437972236515679&pnref=story

円ひろしの「夢想花」は“飛んで飛んで”と9回うたっているのですが、
コジュケイは一息で何回“ちょっと来い”と呼ぶのでしょうか。
恐るべし。

さて、稲の籾を播いてから2週間。
1.5葉、3cmぐらいに伸びてきました。
(1.5葉とは1枚と半分ぐらい展葉している様子)
これを苗箱ごと水に浸けてしまいます。

日中の光を受け止めて、水は温み、温泉状態。
もし、遅霜が心配されても、
暖められた水は夜間も冷えることはなく、苗も大丈夫。
これからどんどん伸びていきます。

苗は水たっぷりの土の中で根を伸ばしていきますから、
代掻きをした田んぼに植えた時もストレスなく根付きます。
これをプール育苗といいます。

中途半端な湿度、温度の状態に置かれることはありませんから、
病菌が繁茂することはなく、
この育苗方法にしてから、育苗期間中に殺菌剤を使っていません。
丈夫な苗を作るにも適しています。

こちらが、ひと箱に90gぐらい播いた様子。


こちらが、ひと箱に40gしか播いていない苗。


これらの苗の生末は如何に。

また今年お天道様頼みの米づくり

2015年04月12日 | 今年の米づくり
刈り取った籾の乾燥まではお天道様頼みではありませんが、
今年もまたできるだけお天道様の恵みをいただいて
コメ作りをしようと考えています。
なにせ、自家用とおすそ分け程度の作付規模だからできることですが…

そのひとつが育苗期間中のプール化。

播種した苗箱をビニールシートの上に並べます。
そのうえに白い保温シートを被せ、発芽を待ちます。
ビニールハウスの中でなく露地育苗というのも変わっているかもしれません。
二週間ぐらいして苗が3㎝ほどに伸びたら
下に敷いたビニールシートの裾を立ち上げて、その中に水を貯めます。

田んぼに移植する前から水中環境に慣れさせることで
温度変化に耐えられたり、病菌の繁茂を抑えます。
これで、育苗期間中も無農薬です。

実りまでちょっと待ったなしの種をまく

2015年04月11日 | 今年の米づくり
わが家の種まき機はちょっと変わっていて筋まき仕様
一箱に蒔く籾量を少なくすることができます
普通は200g程度のところ、これで100g前後か

少ない籾量だと何がいいのか
苗一本当たりの占有面積が広くなって
丈夫な苗ができる
ナシ栽培と両立させなければならないわが家では
成育期間が長くなるというのも利点

少し籾が残ったので納屋の奥の方から
別の播種機を持ち出してきました

板に学校の音楽室の吸音壁のような穴が空いています



この穴に籾を一粒づついれます


穴の底が開いて苗箱のうえに落ちます
これで40gだったか


外観はこんな感じ
15年くらい前に購入したものです
できる苗は極太がっちりタイプ
手植えの時など最適


午前7時今日も元気だ日本のおじさん

2015年03月26日 | 今年の米づくり
天候も安定してきて田んぼも乾燥してきました
機械中心の田んぼ仕事はさっさと済まし
ナシ剪定の後片付け(薪つくり)
稲苗づくりの準備をしなければなりません
冷たい西風も何のそのまり
日本のおじさんは朝早くからお仕事に出掛けました



お隣ではやはり早朝から
稲作大規模経営のライスセンターさんが
レーザーレベラーで田んぼの均平作業をしています
うちの田んぼもやってもらおうかしらん

冷暖房、音響設備付きのトラクターキャビン
朝早くても風が吹いても雨が降ってきても
快適快適
そんなに快適だと当然、うつらうつらと
はっとして目を覚ますも
その事故の軌跡ははっきりと残ってしまいます



霜のち霧 寒気入るのち一時雨

2015年03月23日 | 今年の米づくり
東京でソメイヨシノの開花宣言が出された今日
ようやくナシの剪定作業が終わりました
桜に遅れること一週間でナシも咲き始めます
花が咲いたら交配やら防災網の開帳やら
摘果やら防除やらで気の抜けない日々が続きます

ですから、剪定が終わって花が咲くまでの間に
余裕があれば温泉にでも行って
気分もリセットしたいところですが
稲作との複合経営のわが家ですから
(農産加工もしている立体経営?)
田んぼの準備もしなければなりません

昨年秋の稲刈り後
田んぼの耕起だけはしてあります
畦塗りをして
代かきまで草が育たないよう砕土を
数回しなければなりません
種まき、育苗の準備もしなければなりません

田んぼの中にトラクターが入れるか
様子を見に行った早朝
霜が降りるほどの寒さから
沼から水蒸気が上り
それが干拓地に流れて霧となっていました

午前中は穏やかな日もさしていましたが
午後になると雲が多くなり一時雨も降りだし
寒くもなりました
寒気が入ると雹も心配です

さあ、晴れても雨が降っても風が吹いても
心配事の絶えない百姓の季節がやって来ます

仲間あり田の人となる午前6時

2014年11月19日 | 今年の米づくり
「凍天の星の潤める午前四時エンジン全開野の人となる」

北海道の農業者の歌で
12年前の新聞で紹介されていたものを切りぬいてあります
カッコいいなあと憧れていました
数年前に中古のキャビン付きトラクタを購入したものですから
快適にできそうです
梨の仕事もたまってきましたので
歌の主人公になってみようと二日ばかり早起きしてみました

6時、作業開始



6時25分頃、日の出



仕事しているなあと自分を誉めたいと考えていたのですが
田んぼに向かう道すがら
トラクタを積んだ運搬車が追い抜いて行きました
辺りが明るくなる6時から作業をしようという仲間でした

朝飯前の朝活、考えることは皆同じようです

枯野が土色に潤う一年を新ためる音響き

2014年11月18日 | 今年の米づくり
この秋は稲刈り最中から雨が続き
その後も大雨を降らせた台風が二度も来たりして
まだこんな田んぼもあるような状態です

ここに来て良い天候が続いていて
再び田んぼに活気が見られてきました
大雨で片隅に寄せられた排藁を持ち出したり
暗渠排水パイプを設置したり
田起こしされたり

幸いわが家の田んぼはトラクタが入れる状態になり
この機を逃すまじとばかりに機械総出の作業です

まずはブロードキャスタで土壌改良材の米ぬかと貝化石を散布
ハンマーモアで霜で葉先の白けたひつじ株を粉砕
それからロータリーで田起こし



モアで叩くことで藁の分解が早まりますので
ロータリーがけを一回から二回省くことができます
農業機械のありがたさを思い知らされる晩秋です

稲穂見て空と足下、鳥を見て

2014年09月11日 | 今年の米づくり
当地でも稲刈りシーズンが始まっておよそ二週間
例年ならほぼ終わりかけているころですが
今年はまだ半分ほどでしょうか

まだ葉が青くても乾燥度合いは20%ぐらいまで進んでいて
いつでも刈り入れられる
むしろはやく刈らなければという状態ですが

その理由は地盤が柔らかく
ぬかるんで機械が動けないために
稲刈りが遅れているようです

8月20日ごろまでは暑い夏でした
西日本の長雨が申し訳なく思うくらい
だから田んぼにはたっぷりと水を溜めていました
用水も20日まであって
最後まで入水をしていた田んぼが多かったのではないでしょうか
いつもならそれで正解だったはずです

ところが、今年は8月下旬から雨模様が続き
水を切っても一向に田んぼが乾きません
さらに悪いことに今年は稲の成育が進んでいて
例年より一週間から十日早い
刈り入れ適期に田んぼの乾きが間に合いません

わが家はそれでもこれまでに3/4終わりました
旧盆のころ、知人と西日本の長雨をみて
このまま終わる訳がない
交代に今度はこっちで雨が続くんじゃない?
なんて話していました
成育が進んでいることもわかっていましたので
早めに水を切っておいたほうがいいとも話していました
そのため比較的地盤は固まっていたものですから
天気を見ながらやれるところから稲刈りをしていました

明日からよい天気が続くという予報です
でも今日のゲリラ豪雨です
当地も一時的には大粒の雨でした
これまで良かった田んぼの地盤も心配です

まだ稲の残っている農家は
さぞかし焦っているのではと聞いてみると
それほどでもなさそう
だって稲刈りはライスセンターに頼んであるからさあ
って、焦っているのはライスセンターという名の作業請け負い農家だけ?




秋早し季節も人も世の中も

2014年08月02日 | 今年の米づくり
今年の田んぼはすこしおかしな具合です
いつもなら8月初めに出穂するのですが
五日ぐらい早い7月のうちに穂がではじめました
5月初めに植えた田んぼでは8月のうちに
稲刈りが始まりそうという情報も出回っています

ナシも開花期が平年並みでしたから
収穫期も平年並みの8月5日から10日の間に始まるかと
予想していたのですが
やはり五日ぐらいは収穫期が前進しそうです

いつまでも元気な夏であってほしいという気持ちが
あるからでしょうか
季節も人もあっという間に秋がやって来て
あっという間に過ぎていく気がします
世の中もそうなんでしょうか

生い繁る稲葉に水面細くなり

2014年06月11日 | 今年の米づくり
田植えからひと月
水面が目立っていた田んぼが緑一色に覆われてきました



品種はほとんどコシヒカリでしょうから
生育ステージや肥料の微妙な違いによって
色のグラデーションができているのが興味深く思えます



一面に広がる干拓地の一角では今年も麦秋を迎えていますが
以前より面積は減っているようです
補助金制度の関係か飼料米が増えているのかも知れません

わが家の田んぼでは、ここ数年
オモダカやクロクワイといった球根性の雑草対策に
中後期除草剤も散布していたのですが
今年は雑草の姿が見えないものですから
除草剤は一回だけの散布で済ませました
雑草の球根をほぼ根絶やしできたのかもしれません
他の田んぼで増えた球根が水路を通じて流れて来るのですから
油断は禁物ですが

親思う心に勝る親心

2014年05月11日 | 今年の米づくり


さて、上の二つの写真はどちらが朝日でどちらが夕日でしょうか

田植え時期は朝5時前から夕方7時ごろまで野良をうろうろ
まさに日の出から日の入りまでということに
今年は好天に恵まれ毎日、日の出日の入りを拝顔することができました
田植えも予定通り終了することができました

タイトルは母の日を迎えて聞こえてきた川柳ですが
親心を稲苗は秋に応えてくれるでしょうか

先程の質問の答
上が日の出、後が日の入り
何が違うのか、よく説明ができませんが
大体の方々も何となくお分かりになるのてはないでしょうか

今日の日も去年と同じ日が暮れて

2014年05月07日 | 今年の米づくり






何だかんだといいながら稲苗も伸びてきました
今年の反省はやはりプールづくりでは
手を抜いてはいけないということ
結局、追々、手を煩わせる事態になってしまいます

来週、週明けから田植えをと考えていたのですが
どうも天気予報では傘マークが…
雨降る中での田植えは気分的にも落ち込みます
ということで、急遽、代かきをすることに

周辺の田植えは半分くらい終えています
以前なら連休明けには七割かた終わっていたのですが
田植えを遅くするような傾向があるようです
夏の高温期に稲が開花して米の品質が悪くなるから
田植えを遅くしなさいという研究機関からの指導もありますが
そういう前向きな現象というよりも
稲作が集約化して大規模農家が計画的に田植えをしているから
とも考えられます
この傾向は担い手不足や米価低下によってさらに進みそうです

日の出から日の入りまで
去年までと同じ日を送れたことをありがたく
感謝しなければなりません