のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

とげのあるあおきまま落つ夏の栗ゆめゆめ見よやこの天然の

2009年06月29日 | ネイチャースケッチ
毛針でも新種の花でもありません。
大きくなれなかった栗の幼果です。

虫だとか病とか、風で落とされたというよりも
自然落下、生理落下というやつでしょうか。

残った実がおいしい秋を運んできてくれるはずです。

スィートアクション道の駅

2009年06月27日 | アグリママ
わが家の「手作りお菓子商品」。
「草だんご」、「おはぎ」に続く、第三段、第四段が
「きな粉あめ」と「おからドーナツ」。

おはぎは好評でしたが、
高温多湿での品質の保持が心配で梅雨入り前からお休みに。
そのかわりに、まずは「きな粉あめ」。
こういう類の商品が道の駅直売所にないことと、
他の直売所で堅調な売れ行きという噂を聞いて商品化。

こだわりは原材料に
道の駅直売所に出荷していて定評のあるK商店さんの
国産大豆を二度煎りしたきな粉を使用していること。
割高ですが、おいしいことの方が大事。
一段と暑くなったここにきて売れ行きは以前ほどではありませんが、
定番商品として根付けば品揃えとしても合格。



続いて、本日、初めて出荷したのが「おからドーナツ」。
これも原材料は道の駅直売所への出品者からの調達。
O豆腐店のおからにMポートリーの卵を使用しています。
それに国産小麦粉で一口大のドーナツを作ります。
甘味は砂糖と黒糖の二種類を用意して、
お客様の声を聞いてこれからどうするか判断します。

「農商工連携で地域活性化を」などとよくいわれます。
そんなかしこまらなくとも身近に商売の種はあるもの。
ほんの小さなわが家の試みですが、
道の駅直売所の中のコラボレーションで情報発信です。

フード・アクション・ニッポンという
国産農産物の消費拡大を図ることで食糧自給率を上げようという
国民運動をまねるなら「スィートアクション道の駅」ということで。

虫も出て飲めや歌えや梅雨半ば

2009年06月26日 | ネイチャースケッチ
この夏、この黒い甲虫が異常繁殖?しています。
ゴミムシの仲間と思うのですが、確認していません。
ナシ畑の地面を動き回っているだけでなく、
庭から建物の中までうろうろ。

身近にぬかやオカラのようなエサを
置いておくのがいけないのでしょうが、
ちょっと気になる数です。
雨天が多く、湿気が多いのも
彼らの好きな状況なんでしょうか。

オカラを土にくれるなら食べてくれ空耳を聞く豆腐屋の前

2009年06月25日 | 梨の土づくり
先月28日に積み込んだ発酵有機質
60℃近くの熱が上がったところで切り返すこと3回。
表面全体に白い菌糸が広がり、
少し熱が下がってきたかなというところで、
米の紙袋に入れて熟成?を待つことに。

全ナシ園に入れる秋の元肥の量にはまだ足りません。
切り返し作業もやっぱり面倒かなということで、
今回はコンテナ内発酵を試みます。
材料は前回と同じものに
残っていたくず大豆と発酵資材のVS菌を加えました。



コンテナの数、およそ100ケース。
積み重ねておけますし、邪魔ならパレットごと移動も可能。
さすがに発酵資材の力か、翌日にはもう熱が上がっています。
問題は、上がった熱でコンテナがやわらかくなって
重さで変形しないかが気がかり。

あなたのまなざしを待っている田んぼの世界

2009年06月24日 | 今年の米づくり
上の写真は
『田んぼのめぐみ 150 生きもの調査・初級編2008』という冊子。
(2008年5月発行)
NPO生物多様性農業支援センターが発足するにあたり
NPO農と自然の研究所とNPO田んぼの協力をえて作成されたといいます。

5月下旬、佐渡のトキ交流会館に立ち寄った時に
たまたま「生きもの調査アシスタント講習会」が開かれていて、
その場で手に入れました。

このガイドブックには
全国の田んぼであたりまえのように見られるであろう
150種の生きものたち、オタマジャクシからアメンボ、クモ、白サギまで
その特徴・性格と観察調査のポイントが整理されています。
「ポケット図鑑」も刊行されていて、
中級編、上級編、さらに植物編も出版されるそうです。
いつか生きもの調査が百姓仕事になるかもしれません。

もう一冊、手に入れたのが『田んぼの草花指標』。
NPO農と自然の研究所 2009年2月)



こちらもなかなかの力作です。
「草花図鑑」としていなところがミソで、
田んぼで見られるであろう223種の植物について
写真のほか、花や葉の特徴だけでなく
観察のポイント、指標に挙げた理由、生態的な特徴、
生活史、農業との関係、最近の動向、つきあい方、
食用部位と調理法、薬用部位と効用、
しまいには、季語と句にいたるまで整理されています。

たとえば、難防除雑草クログワイを見てみると…

<指標に挙げた理由>水田の最強害草
<生態的な特徴>除草剤がよく効いている田んぼでは本種のみ生える
<農業との関係>15株/㎡以下であれば許容範囲。
<つきあい方>塊茎の寿命は5年。気の長い手取り除草が必要。
<食用部位>塊茎は生でも。空揚げにすればなお良し


なるほど。「クワイ」だから食べられるんですね。

オモダカのいらぬ里でもヤゴ育つ

2009年06月22日 | 今年の米づくり
まわりの田んぼでは
ウサギの耳のようなオモダカの葉が
稲の葉の間からちらちら見えていますので、
わが家の田んぼはどうかと一回り。

このところの雷雨や降雨でたぷたぷの水の中、
アマガエルや写真のようなヤゴ、
ヒメゲンゴロウのような甲虫が泳ぎまわっています。
さすがに
納得米プロジェクトの無除草剤田んぼでは見られる
背中に卵を背負っているコオイムシは見られないようでです。
(コオイムシは準絶滅危惧種)

実はここ、去年までは草に悩まされた田んぼ
今年は除草剤を2回散布しています。
オモダカはなんとか拾い集められる程度でしたが、
クログワイが繁茂してお手上げ状態でした。

新薬のおかげで今年はきれいに見えません。
怖いといえば怖いといえるのかもしれませんが、
それでもヤゴなんかも育てている田んぼです。

ただ、ここは減農薬(ちばエコ認証登録)水田のために
薬剤の成分数に制限があって、
一回目の除草剤に成分数の少ない液状のフロアブル剤を使用。
すると、やっぱり成分が少なかったようで
オモダカが少し発芽していました。
今回、2回目の除草剤散布後に見回ったところ、
発芽していたオモダカも元気がない状態。
薬剤の効果があったようです。

恐るべし。でも助かりました。
ヤゴは育てているのでお許しを。


田の子らも伸びて開いて日差し受く

2009年06月20日 | 今年の米づくり
田植え後、三十日余り。
ひょろっとした苗が心細く並んでいただけの田面も
濃い緑が一面を覆うようになってきました。

一株の苗を見てみると、
田植え時には2,3本の苗だったものが
相当、しっかりしてきました。
5倍以上の本数に分けつしています。

当地では中干しの期間に入っています。
でも、それは五月の連休中に植えられた田んぼの話。
わが家の田んぼはもう少し水を溜めて
一株の本数を確保したいところです。



他の田んぼの苗はもっと茂っています。
上から見ると水面も隠れています。
(だから中干しに入ったのですが)
わが家の田んぼはまだ水面が覗けます。
そして、この苗姿が他と違うところ。

人呼んで「ゴリラのガッツポーズ」。
なるほど、稲の太い茎が四方に広がり、
がっちりと日差しを受け止める形です。

梅雨晴れや三光鳥鳴くと書くブログ

2009年06月19日 | 梨の病気
サンコウチョウ(と思われる鳥)が今年も渡ってきたようです。

去年は6月9日のブログでサンコウチョウを話題にしています。
「ツキヒイホシ ホイホイホイ」と鳴く渡り鳥です。
静岡県の県鳥、Jリーグ・ジュビロ磐田のシンボルです。

この時期、ナシ畑にいるとホトトギスが渡り鳴いたり、
ウグイスが遠くから聞こえたり、
サシバの鳴き声がが上空から聞こえてきたりと
結構にぎやかなんですが、
今年はちょっと気が重いナシ畑です。

先日、害虫のカイガラムシを話題にしましたが、
病害の黒星病についても取り上げなければなりますまい。

黒星病はナシ最大の病害。
10年以上、減農薬栽培に取り組んできて、
それなりに抑えてきた病害ですが、
今年はこれまでにないほど広まってしまいました。

写真は果実に伝染し、
一応、殺菌剤で抑えられている?状態。

水不足でたいへんな西日本とは逆に
こちらでは春から雨天が多く、
5月半ばからは梅雨の走りのような天気です。
ようやく今日、寒気が去って、
連日の雷の心配がなくなったと思っていたら、
もう明後日から梅雨らしいお天気とか。

今年は月の動きに合わせて農薬散布をしてきまして、
来週火曜日が新月なんですが、
その前に散布しないとタイミングを失ってしまうかも。



タイトル元句 <梅雨晴や蜩鳴くと書く日記> 正岡子規

見たくない見せたくもない腹の虫

2009年06月16日 | 夏の梨畑
表面がガサガサと荒れていて
割れ目まで入っているナシの実。

こういう実の姿をこういうところで発信するというのも
どうかと思うのですが、
カイガラムシによると思われる被害果です。
ここまでひどいのを見たのは初めてだったものですから
まあ、恥を忍んで、しかし、やっぱり恥ずかしいものですから
携帯の粗い画像で失礼します。

ここ数年、
ナシマルカイガラムシという害虫の被害が広がっていて、
とうとうここまできたという感じです。

この害虫を薬剤で抑えようとするには
単純にいえば、殺虫剤の散布回数を増やすことかもしれませんが、
できない相談です。
次善の策とすれば、冬季にマシン油やボンドで塗り固め、
窒息させるという物理的防除が必要なんですが、
それを怠った結果がこれです。

次の冬にはきちんと対応すよう
この恥ずかしい気持ちを忘れないように画像公開です。

なればいいというものじゃないブレーキとナシ

2009年06月14日 | 夏の梨畑
ときには前を歩く人の注意をひくという
ベルの代わりになることもあるのですが、
自転車や車のブレーキ音が大きく鳴っても
止まってくれないと意味はないのですが、
ナシもまた、いっぱい生ればいいというものではありません。

いまナシ園では摘果の見直しと新梢の管理作業をしていまして
ときどき写真のように摘果し忘れた実を見つけます。

みんなそっくり大きくなっているのですが、
これはびっくり。
九つの実が生っています。

普通、一つの芽からは8つの花が出てきて
それがみんな交配されたとしても8つの実が生るのですが、
これは九つ。
子花が交配されているのではありません。

まあ、生き物ですからこういうこともあるのでしょうが、
初めてみました。

麦秋や特許許可局渡り来る

2009年06月12日 | 今年の納得米づくり
「梅雨に入ったばかりなのに」なんて
無粋なことはいいますまい。
水田転作の麦の刈り取りが始まりました。

秋の稲刈り時も天候次第のところがありますが、
麦は稲以上に天候に左右されるのかもしれません。
安易に稲の裏作に麦をなんて言えません。

4月下旬に田植えされた田んぼでは
中干しが始まりました。
わが家の田んぼはこれから分けつです。

納得米プロジェクトの無除草剤田んぼでは
動力除草機を入れました。

クサリ除草を試したのですが
相応の効果はみられたものの完全ではなく、
その後、株間除草機(あめんぼ号)を一度走らせましたが、
結局、パワーカルチで強制撤去の力技。
あとは手取りのシルバーパワーに敬服です。

そのパワーカルチも30年近くも前の機械ですので
調子が悪かったようで、
主宰者としては更新しなければならないか試案の一日でした。
空では今年もホトトギスが渡ってきてくれ、
盛んに鳴いていましたのに。

能あれば畑は後からついてくる

2009年06月10日 | 農のあれこれ
先日、千葉市で行われた「就農相談会」には
今回も多くの就農希望者が集まったそうです。

単純な農業ブームだけでなく
雇用の受け皿としても農業が注目されている証というわけですが、
生産基盤の整っている農家でさえ
後継者が躊躇してしまうような農業の現場ですから
新規参入しようということがとてもたいへんであることは
疑いようもありません。

そんな修羅場に女性二人組が船を漕ぎ出しています。

知り合いから紹介され、相談を受けたのですが、
どうも危なっかしくて、見ていられない。
生来のイッチョカミ心がうずいて
少しだけお二人を応援しています。


お二人は千葉大園芸学部別科の同級生で
農業で生活したいと意気投合して、
この春から「就農」したといいます。

土地はどうにか借りられたようですが、
盛り土して造成された土地で
苗を植えても満足に生育しない様子です。
ならば、まずは土づくりだろうということで
材料と攪拌機を用立ててやり、ぼかしづくりから研修です。

今回は切り返し不要のぼかしづくりに挑戦。
有機農家だった我孫子のNさんに教えてもらった方法で
材料を混ぜ合わせてコンテナに入れて熱の下がるのを待ちます。
彼が健在なら、すぐさま弟子入りをさせたのですが、
残念ながら素人判断で試行錯誤しなければなりません。


今年、県の新規就農促進対策が体系化され、
それを支援する資金面での支援も以前よりは充実。
先だっての国の補正予算では
「新規就農定着促進事業」ということで
総額55億円の助成制度も成立しました。

補正予算は選挙目当てのばらまきという指摘もありますが、
夜明けと同時に
朝4時半ごろから草取りに励んでいる彼らのような
新規就農者が上手に支援制度を活用して、
無事、経営が軌道に乗ってもらえるなら
まあ、よしとしましょうか。


新規参入者の多くは
農地が余っているのに土地を借りられないと嘆いています。
たしかに自らの農業技術を磨くためにも
現場となる土地が必要ですが、
貸してもどうなるかわからないような人に
土地を貸せないのも地主としての当然の判断。

しかし、ほんとうに農地を生かせる人なら
貸してもいいと思ってくれるかもしれません。
きちんとお金を生み出すことのできる人なら
ぜひ使ってくれと言ってくるかもしれません。

彼らには、まず技を磨いて周りの信頼を得ること
と、言っています。
周りの人たちはあなた方をよく見ていますよ。

陰に入りまぶしさを知る梅雨入り前

2009年06月07日 | ネイチャースケッチ
今日が梅雨まえの最後の晴天ですと
ラジオから盛んにアナウンスされていました。

九州の方では梅雨入りが遅れているようですが、
当地でも
実はもう前から梅雨に入っているかのような
感じです。
特に昨年あたりから、その感じが強く、
季節が一月近く前進していないでしょうか。

集中豪雨に強風、西風の吹かない冬、はっきりしない梅雨時、
異常高温の夏、……

これまでの典型的な「四季のある日本の気候」というのは
しばらくおあずけかもしれません。

添い寝せん餌あり暖あり堆肥床

2009年06月06日 | 梨の土づくり
4月11日に発酵資材(VS菌)を使って
もみ殻とナシの剪定枝チップを積み込んだ、その後。

もみ殻はすでに40日目ぐらいで畑に入れています。
少し残してあるものをみてみると
飴色に染め上げられています。
短期間にここまでなるのは資材のおかげ?

もしかしたら混合資材の組み合わせで
発酵菌は使わなくとも似たようなものは
できるのかもしれませんが、
いずれにせよ、微生物の力で
目の前のものが劇的に変身するというのは
興味深いものです。



もう一方の剪定枝チップははじめての切り返しです。
堆肥床表面からよく見られるキノコが出ています。
こちらも順調のようです。



切り返し作業でチップを動かしていると、
下の方から鳴き声が聞こえてきます。
湯気の上がる堆肥の底からネズミの乳児たちがでてきました。
蒸し風呂のような居心地ですが、
彼らはのぼせないのでしょうか。


ドイツで学び、地元で農業

2009年06月05日 | わが家の時時
わが家のco→skが『自休自足』という雑誌で紹介されています。
自給自足でなく自休自足です。
(『自休自足』no.26 2009年夏号 980円 第一プログレス)

記事で取り上げられたというよりも
一昨年のドイツ農業研修でお世話になった
社団法人 国際農業者交流協会 の広告記事のようです。

「自分を見つめ、まわりを見つめ、そして農家になった」
「幼いころから農園をよく手伝っていた」
「青年海外協力隊になりたいと望んだ青年」
 ……
こそばゆい言葉が並んでいます。
家族からみれば
ほんとかよって突っ込みを入れたい気分です。



この雑誌の前身は「自然の中の物件情報」という
田舎移住情報だったのでしょうが、
「身近に農のある暮らし」や
「自家製野菜とれたてレシピ」という特集で
農的ライフスタイルを提案し、
一方で「失敗しない生ゴミ堆肥のつくり方」というような
ちょっとしたノウハウも組み込んでいて、
今の流行りにうまく乗った盛りだくさんの内容。

「自分の畑の見つけ方」とか
「兼業農家のスケジュール帳」というテーマで
コラムが散りばめられているのも
購買者の気持ちをくすぐるかもしれません。