のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

愛(うつく)しと思ふ吾妹(わぎも)を夢に見て起きて探るに無きがさぶしさ(万葉集)

2013年02月15日 | みのわプロジェクト
地ビールの色比べではありませぬ
昨年手をつけたものの後始末をつけなければなりませぬ
恥を忍んで申し上げます
ヒマワリ油の失敗の後始末です

               

右側が正常なヒマワリ油の色で
左側が昨年仲間たちと取り組んだプロジェクトでできたヒマワリ油の色
搾油してくれたNPOの方も経験のないことで原因はわからないとのこと
指にとって舐めてみるとカビ臭いような青臭いような

推測するに収穫時の種の扱いが悪かったのでないかと思います
つまり、収穫後、すぐに種を取りださずに放置しておいて
カビが生えたり種の品質を劣化させてしまい
しかも油の量を多く獲りたいということで
種の選別が甘くなってしまったのかもしれません

種の収穫期が稲刈り時と重なり作業時間がとれなかったうえに
初めての経験なのに適切なアドバイスもうけなかったのがそもそもの原因です
何事も手抜きをしてはいけないことの必然の報いです

食用にするわけですから
原因のはっきりしないものは口にするわけにはいきませぬ
ということで化粧瓶ではなくペットボトルと一斗缶に詰めて納品してもらいました

50リットル以上の油にはなったのですが、はてさてどうしましょ
ディーゼル燃料として使いましょうか
バイオ燃料です
転んでもただでは起きないというのか失敗は成功のもとというのか


“僕たちの失敗”といえばこんなこともありまして

                

材料の配分を間違えたシフォンケーキです
空気が入ってしまいました

欲だけで取組まぬよう自らを戒めるためにここに記録しておきます

粟稗にまづしくもなし草の庵(芭蕉)

2013年02月06日 | みのわプロジェクト
遊休農地を活用する方策を試みた昨年の箕輪プロジェクトでは
3aぐらいの土地でヒエを栽培しました

種を播き、株間を除草し、
収穫後は脱穀、風選別まで仲間たちがやってくれました
が、われわれができたのはここまで
手持ちの機械では脱ぷ(殻をとること/米でいうところの“脱穀”)ができません
もしそれができたとしても雑穀ご飯にするくらいが関の山
もっと幅広いヒエの利用方法はないものか…

いえ、実は話は逆でして、昨年春に食品関係の展示会で
雑穀を使った半調理加工品を作っている業者の方と知り合いました
しかも加工原料となる雑穀は休耕田で栽培しているというではありませんか
食品卸売業の方と農家の異業種協働プロジェクトといいます
さらに
もし雑穀を栽培してくれるなら国産原料として仕入れますよ
と声をかけてもらっていました
面白いじゃない
箕輪畑でヒエを作ってみようかということになったわけです

われわれができることはここまで、後は助けて
もし加工の原材料として使えそうなら
それに見合うだけの商品でかえしてください
というわけで殻付きヒエ54kgを木更津へ持ち込んできました主

その異業種協働プロジェクトは“木更津雑穀村”といいます

              

新聞の紹介記事があったのですが
すでにweb上では見られなくなっていますので以下に転載します

参考;朝日新聞記事(2011年10月17日)より抜粋
http://www.asahi.com/food/news/TKY201110170287.html
 雑穀の魅力に注目したのは、同市の食品卸業「グッチートレーディング」(川口吉彦社長)。ヒエやタカキビなどの雑穀は、栄養価が高く健康に良いと注目されているが、調理方法が限られ、一般家庭への普及にはまだ課題が多い、という。「雑穀をもっと普及させたい」と、考えていた時に出会ったのが、同市茅野の農家、小川均さん(48)。小川さんは、後継者がいないために増えていく休耕田を見ながら、何かできないか、と考えていた。「雑穀は体にいいし、面白そう。新しいものを作り、人が集まるようになれば、地域に活気も出る」
 小川さんは仲間の農家と、昨年からタカキビやアマランサスなど雑穀作りを始めた。初年度は約3千平方メートル、2年目の今年は約4千平方メートルの休耕田で試行錯誤しながら挑戦したが、台風やイノシシの被害もあり、初年度の収量は20キロにとどまった。今年はそれでも200キロは超えそうだという。
 一方、グッチートレーディングは、雑穀を半調理品に加工して、食卓に届ける方法を考案。雑穀を炊きあげた状態でパック詰めし、家庭ですぐに調理できるようにしたものや、雑穀を使ったパスタソースを開発。今後もスープやデザートなど、シリーズを増やしていくという。
 小川さんや川口社長らは「木更津雑穀村」として活動、消費者を招いた収穫祭も9日、現地の休耕田で開催した。川口社長は「『雑穀のおかずはこんなにおいしい』と知ってもらうことで、需要が自然に増え、それで生産量も増えればうれしい。そして木更津の生産現場で消費者と交流できれば、地域も活性化する」と期待する。(本田大次郎)


ヒエ持ち込み時に対応していただいたのは食品卸売業G社のHさん
本業は酒類卸のようですが
お酒を美味しく飲むには健康でなくてはならいないという考えから
雑穀の加工に取り組んでいるそうです

これまでに雑穀を使ったパスタソースなどを商品化していますが
最近商品化されたのが雑穀を練り込んだ『パティ』
さっそくバンズに挟んだハンバーガーをご馳走してくれました
白身魚のような食感でした

農商工連携事業に認定された加工場が年末にできあがり
これから本格的に生産販売したいという
その加工場スタッフの関わり方が興味深いものでした
一言でいえばパートさんですが
パート賃金の一部は雑穀商品購入のための割引で支払われる仕組み
従業時間に応じて割引率は3段階になっているんだとか
賃金の一部を現物支給にするという意味もあるのでしょうが
雑穀消費の拡大がねらいだとか

雑穀の商品化にあたって日常的に消費する食習慣がないことが最大の課題
国産の無化学肥料無化学農薬栽培による雑穀ということで
商品が高価になることもあるのでしょうが、
体に良いからと一度は手に取ってもらえても続かないといいます
割引券は日常的に雑穀を食べてもらえる呼び水になればという考え
雑穀料理教室もたびたび催しているようですが
消費拡大はまず身内からというわけです

遊休農地を活用しかつ健康的な食材を提供するという仕組みを構築しても
それを支えてくれる消費行動が伴わないという話
他でも聞いたことがありました
ナタネ油・ヒマワリ油を搾油しているNPOでも同じことを話していました

プロジェクト仲間の農家Oさんも紹介していただきました

Oさんはいわゆる中山間地の専業農家
周辺の耕作放棄水田は気になるだけでなく
獣害の温床になるという実害もあるといいます

雑穀の脱ぷは専門の脱ぷ機と循環式精米機の二つを使いこなすんだとか
米の十分の一にもならない大きさですからたいへんです
ある程度の面積をこなすとなると機械は不可欠ですから

Oさんは餅加工もされていて
加工部門の先生とわが家の加工のアドバイザーが同一人物だったことがわかり
Oさんとわが家はいわば兄弟弟子
これはこれは兄(あに)さんですか
世間は狭いですなぁ

雑穀の他に遊休地を使って搾油もやってみませんかと逆にお誘いしました
そのうち雑穀村と搾油NPOとわが家の協働プロジェクトが始ったりして
期待が広がる木更津行きでした

天は晴れ地は潤ふや鍬始(正岡子規)

2013年01月27日 | みのわプロジェクト
本来ならタイトルのような“鍬始め”なんでしょうが
現実は“鍬収め”になってしまいました

昨年春から仮開園していた「体験農園手賀の杜農園」
地主さんの意向により、このたび閉園することになりました
せめて3年は続けたいと考えていましたのに
会員の皆さまにもご迷惑をおかけしました

体験農園自体は少し離れたところにあるスタッフの所有する農地で
継続することになりましたが
市街地に隣接した農地の有効利用という目的は果たせなくなりました
もし将来、まだ活用されていないようなら
ぜひ再び家庭菜園・市民農園として再生されるよう願っております

綿の実はいつまでも綿に包まれ

2012年11月28日 | みのわプロジェクト
農業体験農園「手賀の杜農園」スタッフが敷地の周囲に種をまいていた
和綿が少しずつ採り入れられています

9月初めに花を咲かせていたのが今はこんな感じ

                  

右側の袋のようなものがはじけると左側のように綿が出てきます

この綿の中には綿の実(種子)が入っていて
綿花と綿実を分けるのが一苦労

綿花をむしって綿実を取り出してもまだ綿花がついています
親の愛というべきか甘えん坊というべきか

いずれにせよ
人形の座布団にするにもそれまでの道のりは長い

黄色はね夏のお日様集めたの

2012年11月18日 | みのわプロジェクト
手賀の杜農園で夏に咲き誇っていたヒマワリ
種子の調整を終えてようやく先日取手のNPOに搾油依頼をしてきました

10a弱の畑から150kgぐらいの種子が採れたのですが
うまくいけば40リットルくらいの油ができるとか

                

この商品は昨年産のもの
道の駅しょうなんブランドで現在販売しています
品種は『春りん蔵』
今年 手賀の杜農園で栽培したのは『ハイオレイック』種で
オレイン酸を多く含みトランス脂肪酸はゼロ
ビタミンEが多く含まれていることから
食用のほかに手作り化粧品の材料ともされているようです
たとえばこちら

天ぷらに使うには高価な油になりますが
酸化安定性に優れていますので何度利用しても油が劣化しないともいいます
バターの代わりにパンにつけてもいいし
ドレッシングを手作りしてもいいですね

納品されましたなら またご案内します

断層の上に暮らす我々が「活動していない」と誤魔化す哀れ

2012年11月08日 | みのわプロジェクト
杜撰な仕事はいつかは芋づる式に誤魔化しが明るみになるものなんだよなあ…
なんて サツマイモ掘りをしながらそんなことを連想してました
いえサツマイモのことでなく3.11前後のことです

体験農園の隣の畑でいも掘り体験用に用意したサツマイモが残ってしまい
霜が降りる前に急いで収穫です

今年のベニアズマはどこでも巨大なイモになっているという話を聞きます
この畑でもときどき大きなイモがでてきますが
新地のせいかわりあいときれいなイモも多いような

さて大量なこのイモ どうしましょう

作るのはいいけどできたものをどこに流すか
どうお金に換えていくか
イモに限らず現在の経済状況ではどこにでもあるような話ですが
活用方法を気がついた方がいればご連絡を


ところで イモを掘り出している耕運機は40年以上前のもの
もしかしたら50年にもなるかもしれません

乗用トラクターが入ってくる前のわが家のメイン農耕車です 
エンジンは載せ換えていますがほとんどの部品は当時のまま
一年間放りっぱなしでも一発でエンジンが動き出します
“発動機”という単語の意味がわからない人には無理かもしれませんが

もちろんわが家の祖父の時代のものですから
父もよろよろとなんとか動かしている状態
昔の人はこれで田起こしから運搬まですべてやっていたのですから
えらいものです

もっと昔は掘ったイモを馬に食べさせながら犂を引いていたのかも
馬肥ゆる秋ですから

あ そうそう 
写真の左側が曇っているのは耕運機の姿を隠しているわけではありません
携帯電話のカメラレンズが傷ついてしまったため
そろそろ替え時でしょうかねえ

根のはることの気持ち良さ伝えたき父母あれば我種播こう

2012年10月28日 | みのわプロジェクト
この10月の土日
『手賀の杜農園』ではサツマイモ掘り体験をお受けしていました
準備不足の中でも大勢の方々にお出でいただきました

特に小さなお子さん連れで参加してくださった皆さんには感謝

だって
農業の楽しさを子どもたちに伝えたいという方々ですから

将来の農業の応援団を育んでいただいているのですから

色香愛で無理して食わぬ秋になり

2012年10月23日 | みのわプロジェクト
もうひとつ「みのわプロジェクト」で試みていたのは
ミドリ米の栽培

田んぼの角に20㎡ほど植え付けていました
出入り口付近に最後に植えたものですから
コシヒカリの刈り取りの際には大騒ぎ
なぜってミドリ米の取り入れは11月初めとか

今朝雨が降ってくる前に大汗かいて刈り取ってきました
でもたったこれだけのミドリ米どうしましょう
脱穀機通しても機械の隙間に入ってしまい
出口からは一粒も出て来ないなんて事態もありそうです

やはりこういう色つき米はドライフラワーにして販売するというのがいいみたいです

ヒエ播いてその出来栄えにあわ食らう

2012年10月22日 | みのわプロジェクト
ヒマワリの種から食用油をとろうという「みのわプロジェクト」の一環で
5aばかりの土地でヒエを播いていました

稲刈りときにちょうどこちらも刈り取り時期となり
スタッフの皆さんも大忙し
それでも種を播いたからにはという意地半分で
刈り取り・乾燥・脱穀まで作業を終えていました

40kgあまり コメの紙袋3袋

さて これをどうしたものか
はっきりした目的を決めないままに種を播いたことにその時気付きました
といいますか
初めての試みだし うまくできないかもしれない
内心はそんな思いもあったかもしれません

雑穀の搗精(とうせい、米でいうところの「精米」)をしてくれるところがありますのでそこに依頼してそのヒエを販売する または会員で分配する
これがA案

しかし費用を出して搗精してもはたして売れるのか
これだけの量を自家消費できるのか
ちょっと不安です

次にB案
木更津にグッチートレーディング社という食品卸売の会社がありまして
雑穀を半調理品に加工してた商品を販売しています
以前、雑穀を栽培したら買い取るという話を聞いておりますので
そちらに買い取ってもらい現金化する
または半調理製品と“交換”してもらっては」どうか

しかし今回収穫できたヒエを買い取ってもらえるかどうかの判断は
相手方の判断によります

この会社は地元農家といっしょに耕作放棄された農地で雑穀を作る
“木更津雑穀村”という活動もしているようです

ネット上で公開されているものから推察しますと
足踏み脱穀機と唐箕で脱穀調整をしているようですので
われわれと大きな違いはないかもしれませんが
ヒエの確認、持ち込みを兼ねて
一度様子を見に行くというのも面白いかもしれません

まだ決められないのですがB案に傾いています

ちなみにヒマワリの種は150kgあまり(コメの紙袋で10袋)とれました
これは費用をかけて油にする予定です


種取りの翁は夜なべにバチをとる油取るため世を変えるため

2012年09月24日 | みのわプロジェクト
「世を変える」とは大きく出たものですが
そのくらいの気構えがないとくじけそうなヒマワリの種のかきとり作業です

8月初めに満開を迎えていました
             

8月中旬にはこうなりました

             

さらに9月半ばにはこんなふう

             

採取の適期はもう少し前でしたが
稲刈りがありましたし天候も雨の日もあって今になってしまいました
稲刈りとかち合わないようもっと遅く種をまきますか
いや そうするとたまたま今年は見舞われなかっただけで
収穫期に台風のリスクが高まる

機械で脱穀ということもできるのでしょうが
中途半端な機械ではごみが混じったり種が傷ついて劣化したりと
油の品質を考えると手作業で種だけをかきとることが大事だと
仲間たちが9月初めにお師匠役のNPOのイベントで体験してきました

厚手のゴム手袋でこするといいと教えられてきましたが
手袋がすぐに破けてしまいますし手も痛い
道具は何かないかと厚さ5mmぐらいの硬質ゴムの切れ端を
三味線のバチのように整形してみました

手袋と効率は変わらないかもしれませんが
手袋は破れませんし手も痛くありません

いくら健康に良い良質の食用油が絞れても
この作業がもっと効率良くなければ事業化は難しい
そもそもF1の種子を使っているわけですから
世の中変えるなんてもっと難しい
なかなか前途多難です

ヒマワリも野に咲く花と首垂れ

2012年08月26日 | みのわプロジェクト
8月上旬 さんさんと輝いていたヒマワリ畑ですが
2週間もするとすっかり様変わり
落ち武者がこうべを垂れて行列しているかのようです

ONが太陽に輝くヒマワリなら日陰にそっと咲く月見草が似合う
と往年の野球名選手がインタビューに答えたそうですが
ヒマワリも時がたてば野に咲く花と同じ種を作るのみ

             

9月中旬までこのまま種を熟させ
その種から油を絞ります

涼み兼ね子らと体験農園へ夕餉彩るナストマト摘む

2012年07月31日 | みのわプロジェクト
この春からプレオープン中の農作業体験農園「手賀の杜農園」

8月から利用できる「秋コース会員」を募ったところ
新たに4家族の会員が加わっていただけました
もう少し区画に余裕がありますので
興味をお持ちでしたらご連絡ください

            

宴もたけなわ中締めの風の鳴る葉千切り飛ばしトマト這わせる

2012年06月20日 | みのわプロジェクト
タイトル写真は落とされたクリの花
盛りを過ぎてやや衰えかけた時でした まさに「たけなわ」

体験農園手賀の杜農園も夏野菜の最盛期がさあこれからという時に台風襲来


台風4号襲来前 6月19日
              

襲来後 6月20日