のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

このあした着たる単衣の袖かろし裏山ゆけば木苺熟れをり(三ケ島葭子)

2008年06月30日 | ネイチャースケッチ
木苺をみると
見つけては競って口に頬張った子ども時代を思い出します。
周りの林が子どもたちの遊び場でした。

そろそろ山百合も咲き出すころ。
あのむせ返るような匂いが漂う
ちょっと露にぬれた下草の間を歩くのも
悪くなかったように思います。

きっとカブトムシを探しに歩き回っていたから
に違いありません。
いまでは刈り払い機を背負って林の中に入るくらいですが。

梅雨やむも降るも面白けふの事(高浜虚子)

2008年06月29日 | 農のあれこれ
一日、雨が強くなったり弱くなったり降っていました。
特別、面白いこともなかったからではないのですが、
ナシの元肥用のぼかし肥料をつくっていました。

原材料とおおよその混合割合は次の通り。

米ぬか        30kg(攪拌機 左)
くず大豆       20kg(攪拌機 右上)
卵殻          6kg(攪拌機 左上)
ナシ剪定枝の消炭    5kg(攪拌機 下)
カニガラ        2kg(攪拌機 右下)
くず米         1kg(攪拌機 中央)

ナシ剪定枝の消炭はこの前の冬に剪定枝を焼却した際に
作り置きしたものです。
くず大豆は昨年末、野田の生産者から譲ってもらったもの。
卵殻は友人の口利きでほとんどタダ同然で手に入れたもの。
米ぬかは近くの精米業者から分けてもらったもの。
店頭で購入したものはカニガラぐらい。

先日、「化成肥料大幅値上げ」というニュースが報道されました。
近くの大型ホームセンターの肥料売り場が
即日、空っぽになったなんてことも伝わってきました。

値上げ情報は、事前にJAより入手していました。
わが家では化成肥料は使わないのですが、
当然、有機質も値上げされるだろうということで、
ネズミの食害や湿気吸収による品質劣化を覚悟のうえで
魚粉だけ2年分ぐらい手当ておきました。

事実、魚粉はここ2年で価格が1.5倍になっています。
国際的に流通している魚粉の多くは
南米エクアドルあたりからの輸出だそうですが、
食糧同様、肥料原料も需給関係が逼迫しているといいます。

これからは減農薬と同じように減肥料で栽培する方法を
試みなければならないかもしれません。

ナシは数年前より有機質肥料を中心にし、
自作のぼかし肥料の割合を少しずつ増やしています。
実は今年、コメでも無肥料栽培を試しているところがあります。

有機質を元肥に田植え後の米ぬか散布による抑草を
5年間試みてきた田んぼで
昨年の秋はしっかりと倒伏させてしまいました。
こりゃいかんということで、今年は無肥料。

思ったとおり初期成育はイマイチ。
田植え後ひと月以上たってもまだ条間に空間がみられます。
はてさて、どうなりますやら。
収量はともかく食味はきっと良いと期待しています。

石の上に落つるがごとくとまりたりたはやすくして捕へし兜虫(三ケ島葭子)

2008年06月28日 | ネイチャースケッチ
ナラの木の下にトラックを停めておきましたら
荷台にクワガタムシのカップルが転がっていました。

カブトムシはまだ見られません。
昨年は7月7日だったようです。
一昨年は11日、その前の年は10日という記録があります。

先日、気象の3ヶ月予報がだされました。
この夏は平年並みあるいは平年以上の気温になり、
梅雨明けも早いかもということだったように思います。

夏野菜の生育もこの日照不足で遅れ気味という話も
伝わってきます。
ナシの生育も遅れがちです。
早くカブトムシの出てくるような
蒸し暑い夏になってもらいたいものです。

花のかげ巣を立(たつ)雉子(きじ)の舞かへり(沾圃)

2008年06月27日 | 夏の梨畑
梨畑の木の株元の草を刈っていましたら
すぐ足元からキジのメスが飛び立っていきました。
びっくりしたのはこちらの方です。

潜んでいたあたりを探ってみましたら
卵が一つ残っていました。
人が近づくぎりぎりまで卵を守っていたのでしょう。

鳥の巣というと
もう少し枯れ草などが敷き詰められている印象がありますが、
この巣は殺風景なものです。
株元に籾殻を撒いていましたので
それが自然のベッドになっていたのでしょう。

こうやって人に見つかってしまって
親鳥は再び卵を温めるだろうかと鳥に詳しい方にうかがったら
キジはそれほど神経質でないから大丈夫だろうとのこと。

この卵を見つけたのは15日。
それから十日あまり、この畑にはいっていないのですが、
もう孵っているでしょうか。

結果を確認していない現場リポートでした。

夕影や色落とすしその露おもみ(杉風)

2008年06月25日 | ネイチャースケッチ
シソ科のハーブの花です。庭先に咲いています。
葉をちぎって臭いをかぐといい香りがします。

10数年前に亡くなった曽祖父は園芸花卉が好きで
種苗会社のカタログを見ては珍しい花の種苗を購入していました。
その後を祖母が手入れをして
今、名も知らぬ花が咲き競っています。
















一筋の夕日に蝉の飛んで行(正岡子規)

2008年06月24日 | ネイチャースケッチ
今日、初蜩(はつひぐらし)を聞きました。
昨年は7月1日、一昨年は7月9日。
去年よりも一週間、一昨年よりも2週間早くなっています。

今年はこれまで特別暖かかったわけではありません。
蝉も調子くるっちゃった?

いやいや、きちんと夏至を過ぎてから鳴きだしていますので、
基本は守れています。

澄む月や髭をたてたるきりぎりす(其角)

2008年06月23日 | 梨の虫
この虫がキリギリスかどうかはわかりません。

キリギリスとしても秋の虫ですから
梅雨時の話題に適当とは思われません。

でも、これまでに、今頃、
こんなふうにこんな虫を見たことがあっただろうか
と思ったものですから。

何が欲しくて木の上にまで跳んできたのか。
まさか青い実をかじっているのではありますまい。

物いはぬ夫婦なりけり田草取(蓼太)

2008年06月22日 | 今年の米づくり
夫婦ならぬ親子二人で
パワーカルチという動力除草機を田んぼの中で走らせました。

除草剤を撒いた田んぼです。
それでも雑草を生やさせてしまい、お恥ずかしい限りです。
ホタルイという雑草です。
近年、農薬抵抗性がついたといわれている雑草です。



去年は簡単に散布できる除草剤を使ったことで
薬害がでたかと思わせる箇所があったために
今年は3kg粒剤を使って万全を期したつもりでした。

ところが3kg剤のあるのは昔からの農薬。
抵抗性のついた雑草に対応するために新開発された農薬は
1kg剤。
まんまと弱点を付かれたということのようです。

来年こそは農薬の選択にミスしないようにしないと。

世の人の見付けぬ花や軒の栗(芭蕉)

2008年06月21日 | ネイチャースケッチ
タイトルの句は『奥の細道』の中の一句。
4月22日から29日に滞在した
福島県須賀川あたりで詠んだようです。

上の写真を撮ったのが6月18日、旧暦5月15日。
半月も前の福島ですから
まだ咲き始めだったかもしれません。
でも、独特の臭いで気がついたんでしょうねえ。

低い曇天の下、あの臭いが漂うと
よりいっそう湿度が高まってきます。

落ち着いてお手前みせし末の子は泣き虫なりき我によく似て

2008年06月20日 | わが家の時時
14日は妹娘の通う学園祭でした。
彼女は数少ない茶道部の一員で
お点前披露の際にお呼ばれ。

去年までは親の前だからかなんとなくおどおどしていましたが、
今年は堂々としたもの。
少女からお年頃へ脱皮したかと喜ばせてくれました。

それにしても姉と妹です。
姉はロックバンド、妹は茶道部。
動と静、足して割ればちょうどよいものを…


ところで、タイトルは
昨夜開かれた「なんちゃって短歌会」へ投歌した自由詠を
修正したもの。
なぜ「なんちゃって短歌会」かというと
きちんとした短歌結社ではなく
誰でも興味ある人が参加できるような場とは主宰者の弁。

題詠「涙」で投歌した
「万が一涙流れるレンズありや惨劇囲うのっぺらぼうの群れ」
は高得点をいただきました。


衣更(ころもがえ)そこつに帯をときにけり(嵐蘭)

2008年06月19日 | ネイチャースケッチ
玄関前の梅の木に
そこつにとかれた帯がかけられていました。
しかも蛇柄の帯が…っていうか、蛇の抜け殻でした。

優に1.5m以上はありそうです。
わが家の守り神青大将様のものかも知れません。

梅雨時とはいいながらここ一週間、雨が降らず、
今日など風に土埃が舞っていました。

手賀沼の干拓田では小麦の取り入れが急ピッチで進められています。
その出来はわかりませんが
収穫時期の天候には恵まれたということのようです。

夏草を盗びとのごと憎めどもその主人より丈高くなる(与謝野晶子)

2008年06月18日 | 今年の納得米づくり
田草が稲よりも背丈が大きくなっては困ります。
納得米プロジェクトでは田草の手取り作業に入りました。

田植え後に二回、機械除草(あめんぼ号)を試み、
様子を見ていたのですが、
ちょっと覗いただけでは雑草の姿が見えないものの
田の中に入ってみると株間に少し伸びた草がみえていました。

これは機械除草の限界だろうということで
あまり大きくならないうちに手取りしてしまおう
という判断をしました。
今年はメンバーも増え、
分担すれば作業も楽だろうという期待もあります。

小さい頃に草取り作業をさせられたようなリタイア組は
さすがに根気良く作業に取り組んでいます。
現役組もがんばって

梅の実の落て黄なるあり青きあり(正岡子規)

2008年06月15日 | 夏の梨畑
今日は七十二候のうちの
「梅子黄 うめのみきなり」だそうで。

道の駅直売所でも加工用の梅の実が並んでいるのですが、
あまり動いていないようです。
わが家でも少し出荷しているのですが、
以前はもっと売れたような気がします。

各家庭でそれだけ加工する時間がないということでしょう。
そのうちに加工技術も失われていくのかもしれません。

写真は梅ではありません。
定点観測しているはずの13日の「豊水」です。
久しぶりの登場です。
生長がいまひとつなので記録する気力もいまひとつです。

これまでの日照不足やら降雨の影響で
玉伸びは芳しくないようです。
果樹組合研究部の生育調査の結果をみても
去年の同じ日と比べると一割も小さい値となっています。

「幸水」ならあと45日くらいで出荷ですが、
「豊水はさらにもうひと月ほど時間がありますので
なんとかなるでしょう。