のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

旧暦3月5日

2009年03月31日 | ネイチャースケッチ
3月晦日とはいえ旧暦なら明日から夏なんでしょうが、
旧暦ならまだ3月5日。
春の終盤に入った色を集めてみました。

上の写真はアジサイの新芽。
枯れてしまったかのような枝先から
突如、鮮やかな新緑が噴き出します。



こちらはアケビの蕾?
こんな紫色、他では見られない?




こちらはナシの赤い葉。
「新興」というナシです。
赤い葉は春と晩秋に見られますが、
生命力を感じさせる春の葉は
葉脈が血管のように見えて力こぶのようです。


〈ふりあぐる鍬の光や春ののら〉 杉風

開花宣言十日

2009年03月30日 | 春の梨畑
東京で桜開花宣言がだされて十日。
まだ満開にはほど遠い状態とか。
当地の桜がようやく咲き初めてています。

ナシ(豊水)は写真ぐらいに
つぼみが大きくなってきました。
そろそろ摘蕾作業ができるかもしれません。
その前に棚や網の補修です。
開花がもたついていて助かっています。


〈春の山畠となってしまいけり〉 正岡子規

浸種始まる

2009年03月29日 | 今年の納得米づくり
このところの乾燥した天気が続いたおかげで
田んぼもようやく機械がはいれるようになり、
久しぶりの賑わいを見せていました。

わが家では種もみの温湯処理および浸種作業に
納得米プロジェクトメンバーのお手伝いをいただきした。
あっそうそう、苗箱の土入れ作業も並行して行いました。

実は種もみの塩水選も予定していたのですが、
計画通り比重1.17でやり始めたところ
種もみのほとんどが浮いてしまい(!)、
泣く泣く商品としての種モミのまま使用することに。
昨年の出来が悪かったのか、
たまたま充実の悪い種もみにあたってしまったのか。
種モミ生産農家も手を抜いているわけでもないでしょうに。


<野遊びや飛行機飛べば手を叩く>  長谷川かな女

春寒し余寒花冷え冴え返る

2009年03月26日 | 春の梨畑
暖冬傾向から勢いよく、例年より早く開花宣言がだされたとたん、
2月並みの冷気に覆われています。

花見のできる期間が延びたというのが大方の評判ですが、
ナシ農家としてはどうか。

桜同様に開花期間が長くなるので、
「一つの品種あたりの人工交配や摘蕾、摘果作業が十分できる」
と期待する声もあるでしょう。

しかし、冷気が陣取っているということは遅霜のリスクがあり、
低温が続くといくら人工交配であってもうまくありません。
しかも環境問題からミツバチが世界的に不足している昨今、
ミツバチや後輩昆虫に頼ることもできません。

我が家はミツバチを導入せず多品種を混植していて、
風まかせ、虫まかせ、お天気次第。
補助的に人工交配をしている程度ですから、
交配期間中のお天気は気になります。

わが家の理想とすれば、
ずーっと低温が続き、一気に春本番の気温になること。
そうすると多品種の花が一斉に咲きだして、
異品種の花粉が飛び回って難なく交配」完了。


気温が低くても強い日射に反応してか、
蕾の成長は止まりません。


〈かりそめの情けは仇よ春寒し〉高浜虚子

ベジスイート・イートイン

2009年03月25日 | アグリママ
上の写真。
食べかけのショートケーキのイチゴの代わりに
ミニトマトを乗せて遊んでいる図ではありません。
白いクリームの間に挟まれた赤いものもトマトです。


気分転換都内めぐりの続きです。

合羽橋の次は中目黒、最近話題のお菓子やさん
『パティスリー ポタジエ』へ。

ポタジエとはフランス語で家庭菜園とか。
野菜を使ったスイーツ、しかもオーガニックの野菜!
これがブームなのだそうです。

写真はグリーンショートトマトという商品。
色遣いがあざやかですから人気商品のようです。

お店はウィークデイの午後というのに
ひっきりなしのお客さん。
しかも大学生から20代前半と思われる女性ばかり。
中年夫婦にはちょっと場違いだったかもしれません。


だんご製造機業界を垣間見ると

2009年03月24日 | アグリママ
ナシの剪定作業もようやく終了し、さあこれから春の農繁期。
ちょっとその前に気分転換というわけで、
以前から気になっていた都内めぐり。

まずは、浅草の隣にある合羽橋道具街。
ご存じ調理場の道具のことならなんでもお任せの商店街。

今回はだんご製造機の下見。

わが家の農閑期の「草だんごづくり」ですが、
おかげさまで目下順調。
市場評価を高め、堅調路線に乗せるためには
より効率的な生産のできる、あるいは商品性をより高める
「だんご製造機」の導入も検討してみようかと。
(そんな大げさなものではありませんが)

最近の「だんご市場」は大手のY社の寡占状態のようで
個人経営のだんご屋さんが機械の更新に投資できることはまれとなり、
中古機械の流通も限られてしまいます。

個人のだんご屋さんはとことん機械を使いきり、
あるいは年齢的な限界等から廃業した場合の中古品となると
価格も安いですが程度もそれなりのもの。
必然的に、お店のお勧めは本格的な形式で
価格も予定していた価格とケタ違いのもの。

たしかに、ある基準以上のものであればメンテナンスも楽で、
耐久性もある。
初期投資は高くても順次稼いでくれる機械ですから
結果的には安くなるものでしょう。

老後の小遣い稼ぎ、「じじばばの団子屋」のために奮発しますか。

小松菜?

2009年03月23日 | ネイチャースケッチ
たしか小松菜のつぼみだと思います。
花を見ても食べてみても違いはあるのでしょうが
どうも品種を言い当てることができません。
みんな菜の花になってしまいます。

でも、違いがわかる人はいらっしゃるようで、
道の駅直売所へ出荷するのは
品種名を明記することになっています。


〈菜の花のにほひは甘くにがきかな>白雄

りん片脱落期

2009年03月21日 | 春の梨畑
上の写真は「豊水」の花芽。
芽の中にあるつぼみが頭を出しています。

花芽を覆っていた薄皮の部分を「りん片」と呼びます。
そろそろ「りん片脱落期」に入り、
今年も病害虫防除に気を使う時期になりました。


一番早く咲く「新高」もつぼみの頭が見えます。



「幸水」はまだ見えません。


やはり3月21日に東京で桜開花宣言された2006年、
十日後の31日に桜が満開となり、
「新高」が開花しています。

20日に開花宣言した2007年は
29日に「新高」が咲き始め、
4月1日には「豊水」が開花しています。

来週になるといくらか寒さがぶり返し、
桜の花持ちが良いのではという話もあるようですが、
はてさてナシの花の方はどうなりますか。


〈蝶々も袖ぬぎかけて彼岸哉〉支考

目立ちたがり屋の恥ずかしがり屋

2009年03月20日 | ネイチャースケッチ
桜の前に咲き出すような木々の花。
たとえば「ボケ」。
けっこう鮮やかな色をしているのに
低木のせいか、あまり目立ちません。


「コブシ」も遠くからみると
あたりを白く浮き立たせているけど、
真下から見上げると花より空が目に入ります。



甘美な匂いをあたり一帯に漂わせているのに
小さな花は色濃い緑の葉に紛れてしまうような沈丁花。

どれも相当自己主張しているのですが、
あとからくる華やかな桜に負けてしまう地味な存在。

でも案外、これらの花が好きという方も多いのでは


〈木瓜咲けりその色飛びし赤絵かも〉 水原秋桜子

米よりも炊飯器より水加減

2009年03月19日 | わが家の時時
健康クッキング教室が2月から毎月一回開かれています。
これは野菜ソムリエが、地域の生産者のご協力を得ながら、
健康にも環境にもよい料理をシリーズでご紹介することで、
健康な食生活をサポートしようというもの。

今月のテーマが「米」。
生産者として参加してきました。

まず、お米マイスターでもあるMさんから
目から鱗が落ちるご飯の炊き方講座。

たとえば、

電気炊飯器は熱電動で温度を感知しながら電子制御されるので、
米の油でお釜の表面に油膜ができているとうまくない。
きちんと洗剤で洗うこと。

米を先に入れたボールに水を注ぐのではなく
水を溜めたボールに米を入れ、
ゴミ等の浮いたうわ水は速やかに流してしまうこと。
そうしないと汚れた水をコメが吸ってしまうことになるので。

コシヒカリは表面がごく薄いので
ぎゅっぎゅっと押し研ぐ必要はない。
水の中でさらっと洗うような感じで
速やかに水揚げすること。

メーカーにより「一合」の容量が異なる。
カップやお釜の目盛りには頼らないこと。
水に浸したコメの分量と同じ分量の水で炊くのが大事。
これが標準的と思われるご飯の柔らかさなので、
もっと硬めが好き、もっと柔らかめが好きという方は
水加減で調整を。

等々


さっそく我が家の炊飯器で実験してみると、
もっともらしい炊きごこち。

いくら炊飯器の電子制御が進んでも
水加減をミスしたらまずいご飯に。
そこで「これは米が悪い」と責任転嫁されてしまうことに。
逆にいえば、
きちんとした方法で炊いていただけると
お米本来のおいしさが甦る……

そしたらご飯の食欲も増して、
日本のコメ作りも良い方向へ向かう?


〈家内そろひてけさは朝食(あさげ)すあさなさなわれすこやかに起き出でぬべし〉古泉千樫

春の曙 春の昼またよし 春の夕

2009年03月16日 | 梨の土づくり
穏やかな春の一日でした。

いよいよナシの芽が膨らんできました。
暖かさで動き出したダニや他の害虫を窒息させるために
剪定が終わるまえにマシーン油を散布しなければなりません。


この春、もうひとつ遊んでみようと思っていることがあります。

昨秋にも話題にした剪定枝の堆肥化の話。

上の写真。
左側がチップにしたばかりのもの。
右側が昨秋、チップにして玄米の紙袋に詰めておいただけのもの。

右側。枝の形状で残った物もありますが、
細かく裁断されたものはほぼ分解されているような感じです。
水分も加えず、切り返しもせずに、半年でこの状態ですから
ちょっと手を加えると使えそうです。

そこで最後に剪定している畑からでた細い枝だけを残してありまして
発酵資材を利用してたい肥にしてみようと考えています。

先日、少しチップにしたものを紙袋にいれておいたところ
すぐに熱を持ち始めました。
チップからでた熱で袋が濡れています。



こんな準備をしても遊んでいる暇があるかわかりませんが、
なんとなく心浮き立つ春の一日でした。


〈春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に出で立つ娘子〉 大伴家持

南風(はえ)北風(ならい)互い譲らず春時雨

2009年03月14日 | 梨の土づくり
日本海を低気圧が発達しながら北上。
前線通過にともない強風が吹き荒れ……
今日も一日、野良仕事ができませんでした。

週間予報をみると明日から穏やかな日が続くとか。
それはそれで作業の遅れが際立ち、困ったものなんですが。

まったくもって百姓というのは
雨が降っても風が吹いても晴れが続いても
困った困ったと愚痴ばかり。
でも、相手がお天道様だからこんな愚痴をこぼすのであって、
…はい。

さてさて、
あまりにも雨が多くて笑ってしまうくらいですので
ちょっと遊んでみようと、もみ殻堆肥を試作。

もみ殻とオカラと米ヌカを混ぜ合わせて二日。
すでに熱を持ち始めていましたが、
今日の雨が吹き込み、床が水浸し。
場所移しを兼ねて、早、切り返しです。


〈顔を出す長屋の窓や春の雨〉正岡子規

うらめしや種蒔く人に春北風(はるならい)

2009年03月12日 | 春の梨畑
ナシの剪定作業が終わったら
あれもしようこれもしようと考えていたのですが、
まだ剪定作業が残っていて
今年も花が早そうなので多くは先延ばしになりそうです。

それでも芽出しに勢いをつけるのに米ぬかを散布しようと
雨が止んでさあこれからと準備をしたところ、
強い西風がまるまる二日と半日。

明日は今度は南風が強くなるとかで
またまた作業が遅れそうです。


〈春風や種蒔く器叩く人〉 森鴎外

くず豆に等しく宿る菌の糸

2009年03月11日 | 今年の納得米づくり
先月11日に積み込んだぼかし肥。
だいぶ菌がまわってきましたが、まだ熱が下がりません。
50℃以上の熱を維持しています。

これまで2回、切り返してきました。
今年は例年より量が多く厚く積み込んでしまい、
奥の方の空気が足りていないのかもしれません。


2月22日 一回目の切り返し前の状態。



3月8日 2回目の切り返し前の状態



3月11日 空気の通りを良くしようと平積みにした状態


〈から山に春風ふけば日のもとの冬の半ばに似たる頃かな〉 正岡子規