のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

赤黒に朝紫に緑米

2010年06月30日 | 農のあれこれ
友人から古代米の苗があるから植えてみない?と連絡。
生来のいっちょかみ屋、4種類の色米がペットボトルでそろい踏み。
(後方のペットボトル稲はコシヒカリ)

左から「朝紫」という紫黒もち米、緑米、赤米、黒米。
緑、赤、黒については正式名称はわからず。

「朝紫」は平成10年に品種登録された色素米。

消費ニーズの多様化や他用途の利用への対応が求められ、
各種の調理・加工用に適した米や嗜好性、健康性、機能性等に
注目した新しい成分・形質をもつ米への要望が強くなっているとか。
それらの期待に応えて開発された新しいお米(新形質米という)の
一つが「朝紫」で、玄米の果皮が濃い紫色なのが特徴のようです。

うまく種がとれるかわかりませんが、
わが家の田んぼの一角の1/4坪ほどの空いていたところにも数株
植えてみました。

コンビニを手軽と読ますブームなれば

2010年06月29日 | 農のあれこれ
またまた『週刊ダイアモンド』が農業特集です(2010年6月26日号)。
今回は「コンビニ農業」がテーマ。

お手軽農業?
とうとうブームもここまで来たかとちょっと思えたのですが、
起業家精神に富んだ農業生産者がフランチャイズ化している動きや
貸し農園の人気の高まりにより身近で便利な農業が実現しつつある様子を
「コンビニ農業」と呼んでいるようです。

生産・加工・流通販売で年商40億円の千葉のW郷園や
450ha以上の農地を借りている超大規模な小作農の存在から
農業起業の可能性を論じ、
貸し農園を始めたいがノウハウと人手のない農家と
農地を借りたい人をマッチングして全国チェーン展開しているMファームから
自給力向上と農地保全への効果まで言及。
冬水田んぼのカリスマの始めた田んぼの市民農園や
米の低投入増収農法のSRI農法まで紹介と
さすがダイアモンド誌、
農業の現状をポイントを外していないようです。

でも居酒屋での話題提供にはなっても、
さて、どうする?農業生産者と問われて何ができるか…
まあ、雑誌というのはこんなものでしょうが。

自然から学ぶことから始めよう

2010年06月28日 | 農のあれこれ
「全ては自然が書いた偉大な書物を学ぶことから始まる。
人類が造るものは全てその偉大な書物の中に書かれている」

スペインの建築家アントニ・ガウデイの言葉だそうです。
バロセロナにいまだに建設中のサグラダ・ファミリアを見れば
彼らしい言葉と納得させられます。

農業という営みはこの言葉そのものであり、
それ以外にないとも思えます。

この言葉、TV朝日「奇跡の地球物語」6月6日日曜日夜6時30分放送で教えてもらいました。

当日のテーマは「六角形(ヘキサゴン)」。

たとえばミツバチの巣。
社会性を持つ昆虫ですから、営巣するためにはたくさんのスペースが必要。
空間をきちんと埋める形には正三角形、正四角形、正六角形があるが、
同じ面積なら外周の長さがもっとも短いもの、
つまり少ない材料でできるのが正六角形。
もっとも効率良い材料で、強度を確保でき、軽量化も図れる。
そんなハニカム(honeycomb)構造は人間社会の様々な場に見られるのは
ご存じの通り。

溶岩の形、亀の甲羅、麦の茎…
自然界には数多くの六角形が存在しています。
その一つが水草のアミミドロ。
細胞が六角形となって広がっているそうです。
そんなアミミドロの写真はあるけれど、
もう少し遠景の写真はないかと探したら
わが家のブログがヒットしたそうです。

というわけで、当日、この写真が電波にのり、
「協力 すぎのファーム」がエンドロールに登場…

こうして情報発信していることが良いことなのか怖いことなのか、
考えさせられる出来事でした。

シャリシャリをどこまでせまるガリガリ君

2010年06月26日 | 農のあれこれ
知人からの提供情報です。

あの氷菓では定番の「ガリガリ君」がナシ味を発売するそうです

6月29日に発売というものの「季節FLの中でも人気が高い」というのですから、
昨年も発売されていたのでしょうか。
知りませんでした。

ナシ味のジュースというのは
果汁入りというものも含めていくつか経験していましたが、
ただの砂糖水程度の印象でしたので、
ナシの消費向上よりもむしろ評判を落とすのではと思ったものでした。

ところが、このガリガリ君は
「シャリシャリとした食感とみずみずしさを表現しました」
というではありませんか。
たしかにナシの美味しさの半分はシャリシャリした食感。
それをうまくコピーできたなら
これまでのナシ関連商品とは別次元のステージに入るかもしれません。

果汁入りというわけではないようですので、
風味は化学合成するのでしょうから、売り上げが伸びたから直接、
ナシそのものの消費拡大にはつながるとはならないでしょうが、
やっぱり本物のナシが食べたいと思わせてくれるか、
皮をむかなくていいからこれでいいやとなるか。

その確率は半々でしょうか。

本物のナシの味には自信はあるのですが、
最近の若者たちの食習慣を垣間見ると
将来の食はどうなるんだろうという気にさせられています。

あれこれつべこべごたごたいうまえに

2010年06月24日 | 梨の土づくり
ここ数年、梅雨のこの時期に
11月に使うナシの元肥用のぼかし肥を積み込んでいます。

科学的農業?分析的農業?ですと、きちんと土壌分析して
足りない要素を加え余剰要素を控える施肥をするところですが…

あっ、もちろん、土壌分析は毎年行っています。
その結果は、毎年、問題のない数値が出てくるものですし、
ナシの木の生育をみても肥料分が原因の課題がありそうもないものですから
今のままでいいんだという判断をしているわけでして…

今年もやはり成分計算なんてせずに原材料を手当たり次第ぶち込んでいます。

もうひとつ言い訳させていただくと、
こんな乱暴な施肥設計でつじつまが合うのはナシ栽培だからで、
他の果樹や普通の野菜ですと、
こんなでたらめは許されませんよ、きっと。

さてその内訳はというと、

コメヌカ 20kg
大豆かす 10kg
オカラ  10kg
魚かす  10kg
カニガラ 10kg
シリカ  10kg
グアノ   5kg
く溶性苦土 7kg
モミガラ  3kg

これを撹拌機一回分の目安として混ぜ合わせて
10aあたり200kg入れるとすると
40回繰り返さねばなりません。
今回はその半分、四畳半の広さで1mぐらいの高さになりました。

グアノなどは在庫で残っていたもので
次回の積み込み時には使えませんが、それもよしとしています。

気温が高いので、数日経つと熱が上がってきて、
切り返してもすぐに50度ぐらいの温度になっています。
冬場の切り返しは温浴気分ですが、
梅雨時の切り返し作業は大汗ダラダラ。

兄弟よ今から他人幸あれと

2010年06月19日 | 梨の虫
ナシ畑での作業中にカマキリの旅たちに出会いました。
「蜘蛛の子を散らす」は
「カマキリの子を散らす」でもいいような場面でした。

カメラを取ってくる間にほとんどのカマキリは姿を消し、
数匹だけが残っているだけ。
二匹の兄弟はどこへ行けばいいのか思案しているかのようなポーズで
しばらく固まっていました。

一つの卵から旅立ったカマキリのうちどれだけが
秋、次の世代を産み付けるまで生き残れるのかわかりません。

             

こちらはナミテントウが卵を産みたてたばかり。
今年はこういう光景をあまり見られません。
農薬を散布しているからというより寒さのせいで、
餌となるアブラムシがあまり繁殖しなかったからと考えたい。

大粒の雨と放電でリセットし

2010年06月17日 | 今年の米づくり
昨日16日の夕焼け。

ナシ畑で新梢を整理していると雷鳴。
雲の流れからこっちには来ないだろうと見上げているうちに
だんだんと雲行きがおかしくなって、
大坪の雨が濁った空気を清々しくしてくれました。

二時間もすると雷雲は過ぎ去って、中途半端な夕飯前の時間。
田んぼの水があふれていないか、ひとっ走り田まわりです。
どの田んぼもたっぷりと水を蓄え、
排水口からオーバーフローしています。

            

実は、一枚の田んぼで
田植えの際に部分的に施肥をしないで植え付けた部分があります。
わが家の田植え機は液肥の側状施肥といって
田植えをしながら肥料を地中に流し込む方式ですが、
田植え前の調整時に施肥できないように設定して
それを忘れてそのまま植え始めてしまったところがあります。
二往復したところで液肥が減らないことに気付きました。
(写真左側が無肥料)

その二往復分は無肥料で生育を見守ってきました。
初めのうちは大差がなかったのですが、
ひと月もするとやはりはっきりしてきました。

無肥料で植え付け、出穂前55日から40日ごろに施肥をするのが
「への字型稲作」。
多収高品質のコメ作りの秘訣という話は知っていましたが、
この時期に施肥することを考えると二の足を踏んでいました。
でも今年は仕方ありません。

今朝、涼しいうちに残っていた液肥を二つのやかんに入れて、
それを両手でもって稲の間を歩きながら筋状に落としていきました。
粒剤を畔から飛ばせばもっと楽だったのでしょうが、
部分的に肥料が違ってしまうのも生産履歴で面倒だし、
液肥が残ってもいたしで、やってみました。
さてさて、どうなりますか。

日暮しに追い立てられて夏は来ぬ

2010年06月15日 | ネイチャースケッチ
昨日、梅雨入りしたかと思えば、今日はもう中休み。
30℃にもなろうという気温にも関わらず、
先日から風邪をひき、鼻水たらして咳をして厚着姿の不格好ながら
ヒグラシの初鳴きを聞きました。

去年は記録がないもののおととしは6月24日
その前は7月1日。さらにその前は7月9日。
年々早くなっています。

夏至が過ぎたら鳴きだすと聞いたことがあるのですが…

なぜ効かぬ昨日の薬虫に聞く

2010年06月13日 | 梨の病気
ナシ畑では摘果作業がひと通り終え、
その見直しと新梢・新芽を整理しています。

そこで気になるのがナシの主要病害、黒星病。
芽基部に罹患して越冬し、
春になって新葉や幼果に伝染し広がっていきます。

罹患した葉や実を見つけては摘みとり、
腰に下げたビニール袋で持ち出しています。
いつもなら副次的な作業ですが、今年は摘果作業中から大忙し。

親から防除作業を引き継いだ20年ほど前には
その姿はほとんど見たことはありませんでした。
そのかわり1週間間隔で農薬散布をしていたものです。

その後、組合研究部で減農薬化を進め、
ほぼ半減化した10年前でも姿を見るのはまれで、
減農薬化は誰でもできます。
実は、昔より新しい農薬が効くようになっているのではないでしょうか
なんて視察に来られたみなさんに話していたものです。

ところが、ここ数年、黒星病をよく見るようになり、
幸い、収穫期には消えて、
どうにか散布した農薬で抑えていた形でした。

病菌ですから温度と水分と罹患する対象がそろえば繁殖します。
条件のそろう梅雨入り前には例年、特効薬を用います。
今年も先日散布しました。
去年までならこの特効薬の散布後は罹患部も乾いたような姿になるのですが、
今年はどうもおかしい。
菌糸を盛んに出しているようなものも見られます。

特効薬が効かない?

ここ数年でネズミ算式に越冬菌が増え、
そろそろ対策が必要という段階かもと思っていましたが、
特効薬があるから大丈夫と構えていました。
もしかしてそれも怪しくなってきたとなると
減農薬なんて言っていられなくなります。

どうなんでしょう。
抵抗菌ができているのでしょうか。
病菌も新たなステージに入っているのでしょうか。

飽きもせず弦巻きつけるあけびかな

2010年06月12日 | ネイチャースケッチ
去年から実をつけ出した自生のあけび
家の前に移植できないままに
今年もナシ畑の隅で実をつけてくれました。

あけびは自家受粉はしないと聞いていたのですが、
どこからか花粉が飛んできたのでしょうか。
それとも、ある程度、大きな体になると
花を咲かせ、実をつけるのでしょうか。

そのうちにいつか必ず交わらんや

2010年06月10日 | 今年の米づくり
田植えから3週間が過ぎました(写真左側がわが家の田んぼ)。
梅雨入りが遅れ、良い天候が続いていますので
生育は順調のようです。

右側はわが家より2週間ほど早い田植えの田んぼ。
十分に本数が確保され、中干し期に入ったようです。
今の姿はこんなに違いますが、
夏になれば遜色ない景色になりますから。
いえ、なるはずですから。

周りの田んぼを眺めますと
うさぎの耳のようなオモダカの葉が稲株の間から覗ける田んぼもあり、
わが家はどうかと目を凝らしたら、ありゃありゃ。
数は少ないもののいくつか姿が見えます。

畔から見えるということは田んぼに入ったらけっこういっぱいあるわけで、
どうやら今年もオモダカ抜きをしなければならないようです。

蜜の香の届く限りはわが領地

2010年06月09日 | ネイチャースケッチ
ブラシノキ。別名、金宝樹が今年も玄関先で鮮やかな赤を見せています。

そこへ今日はコマルハナバチ?の団体さんがいらっしゃいました。





農薬でハチがいなくなったなんていわれますが、
どっこい、殺虫剤不可欠のナシ畑のある家にもお出でいただきました。

東京の銀座で養蜂を目的とした農業法人が設立されるなど
いまやちょっとしたミツバチブーム。
わが家でもミツバチが飼えないか試したくなりました。

いい薬あるとささやく悪魔おり

2010年06月05日 | 今年の納得米づくり
納得米プロジェクト、今年3回目の除草作業でした。

除草剤を使わない8年目の田んぼですが、
おととしからヒエの種が入ってしまいました。
年々加速度的に増えて早くもチェーンアメンボも効果なく、
手押し除草機の登場、手取り作業の開始です。

手押し除草機をあと2台ぐらい用意しないといけないかも。

まだこれから使える除草剤ありますよとは
彼らには悪魔のつぶやきだったかもしれません。

あこがれの農夫と同じ帽子乗せ

2010年06月04日 | わが家の時時
たびたびの家族自慢で恐縮です。

農業ブームのおかげでしょう。
またまたわが家の後継者君が雑誌に登場。
いきつけのお店の紹介でこんどはアウトドアファッション誌に
「究極のアウトドアを楽しむおしゃれ農業男子」だそうです。

『OF』 vol.2 2010 spring issue 2010年3月、学研パブリシッシング

冬の剪定作業中、モスグリーンの帽子をかぶっていたのですが、
ドイツ研修中に見かけた地元のおじいさんが格好良くみえて
帰ってくるときに探して買ってきたそうです。
「将来こんなすてきな帽子が似合うようなじいさんになろう」
というコメントが至極です。泣かせます。

こんなにあちこち露出させてもらっているんだから
そろそろパートナーも連れてきなさいよ。