のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

迎夏爽緑滋味団子

2014年06月29日 | かしわかあさん
夏に食べた記憶に残るもちというと
学生時代にフィールドワークでおじゃました
岩手の農家でいただいた“ずんだもち”

初夏の味のエダマメをすり潰した爽やかな色のあんこもち
あの青臭いような風味が忘れられず
店頭で見かけると食べてみるのですが
大量に作られたためが風味がいまひとつ

おいしいずんだもちをたべたいなあと
わが家でだんごづくりが始まってから言い続けてきたのですが
ようやく商品化できました

収穫したてのエダマメを茹で
一粒一粒、さやから豆をはずしてさらに薄皮も取り除いてと
すべて手作業
その手間に思いを馳せ、心していただきます

<かしわかあさん>と地域農家とのコラボ商品
トマトケチャップに続く第二弾です
本日、道の駅直売所に限定出荷しています



蜂は資材か隣人かそれとも迷惑か

2014年06月25日 | 農のあれこれ
先日、都内で友人に会う前の時間をつかって
ミツバチの置かれた現状を追った映画『みつばちの大地』を見てきました

20年ぐらい前だったか、ようやく国内でも
トマト交配用のマルハナバチの生産(!)ができるようになった
それまではオランダから輸入されていた
という話を聞いていましたので
虫けらとも思われない扱われ方をされていることは
ある程度は知っていましたが
幼虫をみんな女王蜂にするというブリーダーという仕事があったり
女王蜂との交尾は空中で行われるだとか
食料生産の一角を担っているはずのハチたちの知らなかった姿が
映し出されていました

別の機会に映画を見てきたハチ仲間が
上映後に行われた字幕監修の大学の先生の談話
「ミツバチ大量死問題に関する見解」を聞いて
レポートしてくれましたので紹介します

もっとも気になるネオニコチノイド系殺虫剤について
欧米と日本では殺虫剤の使われ方が異なるそうで
欧米では種子にネオニコが塗ってあり
問題は大量な(=雑な)種蒔きの際の摩擦で
種子表面から粉が落ちて悪さを働いている

日本ではカメムシ対策で水田で散布するのは液状で濃度が薄い
ミツバチに異常が出るのは稲の受粉後で
いもち病?対策に最後に散布する粉末状の農薬が
影響しているのではないか
それはネオニコ農薬とは限らない
EUではネオニコの使用が禁止されたが
欧米でもネオニコが主因と確定してない
ミツバチに体力あれば多少のネオニコがあっても生き延びれる

ミツバチの体力向上には
花の少ない時期の蜜源を確保すること
遺伝子の多様性を確保すること
野生種でも、ある一群を祖とする群ばかりでは
近親交配の恐れがある
積極的に外からオスを導入することが重要

これはひとつの見解ですが
映画の中でも、ミツバチの大量死の要因は一つではない
食料生産のひとつの“資材”という扱い方を改めることが必要と
問題提起されていましたが
わが家でできることは農薬の使用を減らすことに合わせて
蜜源植物を増やすことでしょうか

広大な田野を讃えよ、されど狭き田野を耕せよ

2014年06月24日 | 農のあれこれ
里山資本主義のブームにでも乗ったのかと
そのタイトルに惹かれてたまたま手に取った
玉村豊男『里山ビジネス』2008、集英社新書448

森と人の境界線である里山ならではの
恵みとともにある仕事をやりながら
暮らしを成り立たせる
それが農業的な価値観にもとづく里山ビジネス
拡大せずに持続しながら
生活の質を上げることができる
愚直で偽りのない生活とともにある仕事なら
どんなにグローバル化しても
それに影響されることのない生活を
確立できると主張します

玉村さんは旅や料理についての
エッセーイストとして活躍したのちに
長野の里山に移住
趣味のガーデニングから個人でワイナリーを立ち上げ
レストランに大勢のお客を呼び込んでいるそうです

そこでしかできないもの
そこへいかなければ食べられないもの
同じものでもそこで食べるからこそ美味しいもの
を提供し、
料理とともにそこからの景観
特に夕景は自慢のひとつ

観光とは、風光を観ることの意
人と自然がたがいにかかわりあいながら
つくりだした景色を見る、ということ
特別な仕掛けはいらない
なにもなくとも嘘のない生活があればいいといいます

「農業は続けることに意味がある
その土地を絶えず耕して
そこから恵みを受けながら人も植物も生き続ける
ワイナリーを中心に地域の人が集い
遠方から人が訪ねて来
そこで作られたワインや野菜を媒介にして
人間の輪ができあがる
それが来訪者を癒し、地域の人々を力づけ
双方の生活の質を高める」
という記述には思わず付箋をつけました

タイトルの<広大な田野を讃えよ、されど狭き田野を耕せよ>
(ヴェルギリウス『農耕詩より』)は
玉村さんから教えていただきました

この先百年幸せに暮らせるまち

2014年06月23日 | 農のあれこれ
晴耕雨読ではなく晴耕雨W杯の
6月を送っているのですが…
<百年幸せなまちをつくろう>
という帯のコピーに惹かれて手に取りました
(『実践!田舎力 小さくとも経済が回る5つの方法』
金丸弘美2013、NHK出版新書413)

金丸さんは食環境ジャーナリスト として
全国の地域活性化先進事例を取材しつつ
国・自治体の支援事業のアドバイザーとして活躍される中から
持続可能なふるさとづくりのための
5つのアプローチを提案されています

①農産物に付加価値をつけて売る方法
②素人を実業家に育てる事業の仕組みの立て方
③地元を売り出す広報ツールの開発
④観光やコンパクトシティを支える交流・連携の仕組みづくり
⑤持続可能なまちづくりのための環境エネルギー政策

農産物に付加価値をつけるのは<六次産業化>
短絡的な発想で失敗する事業が多い一方
成功事例にはいくつかの共通点があって
そのひとつが日常の生活のなかで
自分たち自身が欲しいと思うものをつくること
きちんとつくったものは
その良さを知っている地元の人たちが買いに来る

④は<着地型観光>
観光客を受け入れる側が
旅行商品やプログラムを企画・運営
都会と田舎が互いの価値を認め合う交流型の観光で
景観づくりや芸能文化、農業、自然環境などの
地域資源を生かすことが重要に

いずれにせよ
地域に暮らす住民自身が地域の価値を理解し
うまく売り出すことができれば
地域の経済は回りだし、雇用も生まれる
生活に根差した地域の価値を見出せることが
“田舎力”だといいます

従来通り同じ作物をたくさん栽培して
青果・加工原料として出荷して
出口の市場が縮小しているのだから売り上げは下がる
スーパーや量販店も生き残るために価格競争を始める
そうなるとさらに農作物価格は低迷するという
構造的な課題を農業・農村は抱えています
政治家や企業家はさらにナンバーワンを目指して
グローバル化へ向かっています
そんなグローバル化に正面から抗うことなく
むしろ都会と連携をすることで
田舎の価値を高めようといっています

小さくとも地に足のついた経済が回っている仕組みこそが
次世代に誇りを持って
引き継げるふるさとをつくるはずです
これから百年の間、幸せに暮らせるまちはできるのか
このぐらいの時間軸でまちづくりを考えたいものです

ヒマワリの落とした種の真っ先に咲き

2014年06月20日 | グリーンオイルプロジェクト
ヒマワリの種子から搾る地あぶらづくり
今年はあちこちに仕掛けて
三ヶ所でそれぞれ10aづつ播種しています

NPO手賀沼トラストでは我孫子市の手賀沼湖畔で
迷路遊びも合わせて準備中です
柏市あけぼの山公園では
市民を巻き込んだ地あぶらづくりにできないか試験的に栽培します
農業生産法人ちゃちゃちゃビレッジでは
障がい者の作業にできないかチャレンジです

残った種でわが家も時期をずらして播種する予定
ちょうど稲刈り時期に種採りになったらまた失敗しますから

ケチャップにピューレにジヤムにいかがしましょう

2014年06月18日 | かしわかあさん
連日、ケチャップづくりに汗流しています
納品した際に次の製造依頼をいただいて
原材料を持ち帰るといった感じです

委託してくださるお客さま(トマト農家)は
自家用の直売所を持っている方が多く
生食トマトの販売と相乗効果を上げているようです

そろそろトマトのシーズンは終わり
次はブルーベリージヤム加工へ突入です

生い繁る稲葉に水面細くなり

2014年06月11日 | 今年の米づくり
田植えからひと月
水面が目立っていた田んぼが緑一色に覆われてきました



品種はほとんどコシヒカリでしょうから
生育ステージや肥料の微妙な違いによって
色のグラデーションができているのが興味深く思えます



一面に広がる干拓地の一角では今年も麦秋を迎えていますが
以前より面積は減っているようです
補助金制度の関係か飼料米が増えているのかも知れません

わが家の田んぼでは、ここ数年
オモダカやクロクワイといった球根性の雑草対策に
中後期除草剤も散布していたのですが
今年は雑草の姿が見えないものですから
除草剤は一回だけの散布で済ませました
雑草の球根をほぼ根絶やしできたのかもしれません
他の田んぼで増えた球根が水路を通じて流れて来るのですから
油断は禁物ですが

家守りはヤモリに任せてケチャップづくり

2014年06月09日 | かしわかあさん
梅雨に入ったら入ったで連日の雨
しかもその降り方といったら尋常でない降り方
畑仕事も連日の開店休業状態

だからというわけではないのですが
<かしわかあさん>のケチャップづくりもありがたいことに
このところ順番待ちの様相
熱気の中での作業もあってケチャップづくりダイエットと
現場責任者は嬉しい悲鳴

ちょうどトマトの最後の盛りのようで
手作りケチャップの美味しさを広める絶好のチャンスです
といっても、どのケチャップも製造委託をされている
トマト農家さんのもの
<かしわかあさん>ブランドのケチャップもそのうちお目見えできれば
いいのですが

干しキュウリの醤油漬け

2014年06月07日 | かしわかあさん
乾燥野菜やドライフルーツが流行っているのだそうで
とうとうキュウリまで干してしまいました

料理法はどこからか聞いてきてのか、醤油漬けです
旬はキュウリの糠漬けですが
干しキュウリもそのパリパリした食感といい
干すのも一日でできてしまうという
何よりそのお手軽感



あくまでも自家用ですので
ご自分でお試しあれ

入梅お見舞い申し上げます

2014年06月05日 | 今年の梨づくり
暑いなあといっていたら、あっという間に梅雨に入りました
梨の管理作業も一段落しつつあったときなので
骨休めにはちょうどよいタイミングでした

梨畑ではいま、ひと月まえに散布したクズ大豆が芽をだし
勢い良く伸びてきました
根りゅう菌をたくさんつけて土を肥やしてください

って
成長期全般に渡って根りゅう菌をつけるんでしたっけ?
それとも実の生育期にのみ菌をつけるんでしたっけ?
というのも、今年はカメムシが大発生しているという
情報が入ってきました
もちろん、カメムシは 大豆が大好物
ついでに梨の実までいただきます
ってことにならないよう
早めに刈ったり抜いたりしてしまいましょう

向夏お見舞い申し上げます

2014年06月03日 | わが家の時時
長崎の友人から枇杷が早々と届けられました
箱を開けるとふわっと初夏の香りが漂ってきました
こうして毎年
季節を感じさせてくれるものを贈っていただけるのは
たいへんありがたいものです

連日、真夏になったかのような日が続いています
まさかこのまま夏にはならないでしょうけど

MORE THAN HONEY

2014年06月01日 | ネイチャースケッチ
神田神保町の岩波ホールで5月31日から7月11日まで
<ミツバチの大地>という世界中のミツバチ事情を追った
ドキュメンタリー映画が上映されています

たまたま本日のあさひ新聞別刷りの<Globe>紙上でも
映画批評が掲載されていました

この春の梨の交配時にはすこしはミツバチの姿を見ましたが
わんさわんさいるという感じではありませんでした



NPO手賀沼トラストの管理している養蜂場では
7基の巣箱にミツバチが盛んに出入りしていました

徹底的に殺虫剤を散布したことにより全くミツバチが見られなくなった
華の国のようにならないよう
ミツバチとの付き合い方をきちんと検討しなければなりません