のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

麹好く八目散らして秋を待つ

2009年05月28日 | 梨の土づくり
数日雨というので、秋へ向けてぼかし肥料づくり。
今年の原料は手当たりしだい全八種の盛りだくさん。

写真右上から

天然苦土(2kg)
くず米(少々)
グアノ(3kg)
カニガラ(4kg)
2:1粘土(ソフトシリカ10kg)
卵かく(4kg)
米ぬか(50kg)
オカラ(10kg)

成分的に重複しているものもありますが、
昨年の残った有機質も利用しようということで
こんなことに。
粘土を加えたことも今年の特徴。
土が入ったところで
これでようやく“ぼかし肥料”づくりです。

懐かしさ覚まさし香る小豆餡

2009年05月26日 | アグリママ
単純でも作るには面倒なもので、
手作りのよさが伝わるものは何か。

それは小豆餡だろうと。

子供のころ実家の母がお彼岸に
餡子いっぱいのおはぎを作ってくれました。
初めての出産から3日後、
地元の風習といって「三つ目のぼたもち」を
義母が作ってくれたのも思い出します。

餡子は食物繊維たっぷりの良質たんぱくの完全食品です。
スイーツ流行りで様々なお菓子が出回っていますが、
餡子の需要は根強くあるようです。

春の連休までは草だんご。
それから5月いっぱいは「おはぎ」を作って、
地元の道の駅しょうなん農産物直売所へ出品しています。

おはぎの作り方は、しごく単純。
もち米のごはんを炊いて半搗きして
小さなだんごを握りあんこでくるむ。
それでもレシピの決定とパッケージの選定には
しばらく時間がかかりました。

もち米にうるちをまぜると口当たりがよいとか、
小豆同様ごはんを炊く時にも塩を少々入れた方が
甘みが引き立つことを知りました。
料理本以外にもクックパッドというインターネットの
お料理サイトのお世話になりました。
水加減や米のつぶし加減、
そして何よりあんこの煮方など様々を模索しました。

材料の米は地元産。小豆も国産の一級品です。
とはいえ買っていただけなければお話にならず。

初日、完売です!
まずお客様の目をとまり、手に取られ、かごに入れられ、
そして購入という4つのステップをクリアーしたわけです。
まずは合格というところでしょうか。
もっとうれしかったのはその後、予約注文が入ったということ。
リピーターさんって作り手の自信になりますね。

夜、餡子を煮て、米をといでおく。
翌日ごはんをたいて餡をくるんでパック詰め。
9時の開店に間に合うように搬入。
自分を忙しくしてはいます。
それでも一連を自分の責任で自己完結している作業。
充実していることこの上なし!

矢尽きれば玉を投げろや鉄砲草

2009年05月25日 | ネイチャースケッチ
1m以上にもなるこんな花が地面から突き出していたら
知らない人はみな驚くことでしょう。



5月29日はこの花の日だそうです。
さて、なにの花でしょうか。

答えはコンニャク。
別名鉄砲草とも呼ばれるそうで、
たしかに火縄銃を地面に突き刺したような形です。

玉を埋めたまま、2年ぐらい置いたままにしています。
どのくらい大きくなったのか。
でも食べられるまでにするには、あと何手間も必要です。


草を引く鎖で開く稲の道

2009年05月23日 | 今年の納得米づくり
昨年来、話題となっている「チェーン除草」を
これまで公開されている情報をもとにわが家でもやってみました。
金属チェーン(鎖)を田植え後の田んぼ中を引きずることで
発芽したての雑草を引き抜こうという仕組み。

株間除草機「あめんぼ号」の動力部を利用して
チェーン除草具を考えてみました。

①エンジン動力でチェーンを引くとしても、
一輪車なのでチェーンを持ち上げながら歩かなければならないことから、
できるだけ軽量につくらなければならない。

②5mmぐらいの太さのチェーン20cm
+細めのチェーン10cm合計30cmのチェーンを
3cm間隔で引きずるためには
チェーンを取り付ける「軸」もそれなりの強度が必要になる。

③「軸」はチェーンの取り付け易さも必要

ということで、2cm幅のアルミの角パイプと
3cm幅のアルミ平板を組み合わせて「軸」にしてみました(写真下)

一輪管理機への取り付けは金具を加工し、
角パイプにねじ止めしています。

田んぼ中での取り回しを考慮して「軸」の長さは2m。
だいたい10kgの重量になりました。




実際に田んぼの中を走ってみると…(タイトル写真)

①チェーンの重量は半分になるので、気になりません。

②エンジンで引っ張られるので、推進力も十分。
むしろ、ついていくのが大変。

③足場が狭い条間しかないうえに、
チェーンをバランスをとりながら平衡状態に保つのが一苦労。

④Uターンをうまくやるには慣れが必要。
遅れると端のチェーンが畦に乗り上げてしまう。




主題の除草効果は…

①ポット苗でないために苗が引き抜かれないか心配されましたが、
田植え後4日でも問題ありませんでした。

②廃わらがチェーンにからんでしまうのは、
先輩諸氏がご指摘の通り。

③無除草剤5年目の田んぼ。
二回代掻きで代掻き後1週間たっていましたので、
無数に雑草が発芽していましたが、
結構な量の雑草が水面に浮かんできました。
相応の除草効果があると判断されます。




<1回目作業の結論>

面白いように草が抜けるというのが実感。
しかし、動力一輪車で引き歩くのはたいへん。
ならばということで、
次回は田植え機のフロート部分にチェーンをぶら下げて
田んぼの中を走り回ってみますか。
そうすれば、「軸」の長さを3mでも4mでもできて、
効率よく作業できるかも。

まだまだ試行錯誤が続きます。

ムシが少ない?

2009年05月21日 | 夏の梨畑
ナシの実の摘果作業も後半に入っています。

今年は交配用のミツバチが不足しているというニュースが
社会問題化するなど、交配前は心配されました。
しかし、
明けてみれば多品種がほぼ同時に開花し、
天気にも恵まれてこりゃ摘果がたいへんという事態に。
実際、わが家では交配用ミツバチも導入せず、
人工交配も最低限で済ませたのにもかかわらず、
ぞっくりと着果して摘果作業にアップアップしています。

ところが複数のナシ仲間から聞こえてくるのは
「交配がうまくいっていない」、
「実が少ないから摘果が楽だ」というような声。

天気に恵まれたのにもかかわらず
交配ができていないのは天気が良すぎて
雌しべが乾燥してしまったからではないかという仮説を
たてる人もいます。
手賀沼という水面に相対的に近いわが家の畑は
乾燥度合いが低かったのではないかというのです。

なるほどと思っていたのですが、
今日、わが家より水面に近い畑のナシ仲間からも
着果数が例年より少ないという話が聞かれました。
となると、過乾燥説は成り立ちません。

ならばと、次に考えられるのは、やはり「交配昆虫不足説」か。
ミツバチだけでなく他の交配昆虫が、
今年は少なかったようにも思います。
今でも、普通なら新梢にはアブラムシがいっぱいつく頃ですが、
それほどでもないような…

なぜ、わが家の交配は例年と変わらないかといえば
開花が終わるまで殺虫剤を散布しなかったため…

しかし、ムシがいなくたって
風でだって自然交配できるのだから…

と、議論は行ったり来たりで、結論は出ません。

とにかく今年のわが家の交配は例年と変わらザ、
周りの畑の交配はうまくいっていないようだということ。
もちろん、着果数が少ないといっても、
減収するようなレベルでなく、
摘果作業が楽か大変かというレベルの話です。

さて、写真です。 5月9日の幸水です。
一つの実だけ特に大きくなっています。

これは人工交配する際に花全体にパタパタと花粉を撒くのではなく、
ひとつの花だけにちょんと花粉を付けるという作業の結果。
主に幸水に対して行われる「一花交配」と呼ばれる技術?です。
摘果作業も一番大きな実を残して摘み落してしまえばよいという
判断が即座にでき、効率も上がります。

でも、「一花交配」の結果が目立つというのは
自然交配もしにくかったというわけですねー。
はてさて、自然界で、今、何が起こっている?

<蜘の子はみなちりぢりの身すぎ哉> 一茶

2009年05月20日 | 梨の虫
ナシの実を摘果していて久しぶりに違う畑に入ると、
たくさんの蜘蛛の網に引っ掛かります。
益虫ですから、良い現象です。

そして、時にはこんな場面に出くわすことも。
みんながんばって立派なハンターになっておくれ。

ところで、あの糸で編んだ網は専門家にいわせると、
「クモの巣」ではなく、本当は「クモの捕獲網」なのだそうで。

<下総の国原ひろき麦ばたけ五月まひるの風わたるなり>古泉千樫

2009年05月19日 | 農のあれこれ
今年の畑の麦は豊作、田んぼ転作の麦(下の写真)は不作のようです。
秋から初冬の長雨の影響による湿害であろうと思います。



おりしも今年の農業白書が発表され、
水田を活用し、不足する小麦、大豆を生産。
自給率を上げようというメッセージとか。

当然の主張ながら、
現場ではなかなかうまくいかないのが実情。
今年のような天候的な要因もありますが、
農地所有と利用集積の社会的な調整不足も大きな要因でしょう。

いくら田んぼでもブロック単位で集団転作されるなら
ある程度なら湿害は緩和できるもの。
それが隣の田んぼで稲を作るのに
水を引き入れているというのでは
どんな年でも湿害が出てしまいます。

国策として転作を本気で進めるなら
少なくとも国策で造成された干拓地の水田などでは
十ヘクタール規模のブロック単位で所有と利用を調整し、
米、小麦、大豆を2年3作する中核農家に再配分するくらいの
思い切った政策が必要だと思います。
これまで相当の国費が投入されてきているのですから。

もともと国から廉価で払い下げられた土地ですから
農家も土地への執着も多少は弱いと思うのですが、
誰がその土地はがしをするのかが問題。

クログワイはカヤツリグサ科

2009年05月18日 | 今年の米づくり
「クワイ」という名をもっていながら
オモダカ科の食用のクワイとは別の科の属する水田雑草。

難防除雑草のひとつで
わが家の半分の田んぼではここ数年、倍々ゲーム状態。

一回の除草剤だけで、あとは機械防除で抑えてきましたが、
これ以上は無理かなと
今年は、泣く泣く一部の田んぼでちばエコ認証取得は断念し、
クログワイに効果があるといわれる除草剤を2回使うことにしました。

クログワイは1回の除草剤の効果が切れたころ、
地中15cm下からも発芽してくるそうで、
どうしても初期、中期の防除が必要のようです。

<襟までも白粉ぬりて田植哉>一茶

2009年05月16日 | 今年の納得米づくり
今日は納得米プロジェクト7年目の田植え。
今年は8人で50aの田んぼで除草剤を使わないコメ作り。
この田んぼでは5年目の無除草剤稲作です。

一度代掻きして発芽させた雑草を
二回目の代掻きで雑草の密度を抑えようという
作り手側の勝手な思いも届かず、
もう次の雑草の芽がちらほら。
今年も雑草取りがたいへんそうです。

年中、水を溜めている「冬水田んぼ」が抑草作用がありますが、
この田んぼでは周りへの配慮から無理。
これまでの早めに株間除草機を走らせるという対応で
なんとか稲が負けない程度に抑草できればと考えています。
このほか、最近は
金属チェーンを田植え直後の草の姿が見えない田んぼの中を
引きずりまわすという技術も注目されており、
間に合えば試みたいと思います。

さて、写真は枕地で縦方向に補植をしている図ですが、
横方向に田植え機を走らせれば
こういう作業も最低限で済ませられます。
それをしないのは、
後で除草機や手取りした草を持ち出す田んぼスキーを走らせるため。



まだまだがこんなに大きく夏来る

2009年05月15日 | 今年の米づくり
今年の稲苗は成長が早く軟弱になっても困ると
育苗プールに水を張り始めたころ
連日、ローラー掛けをしていました。
そのおかげで
相対的にしっかりした苗になったと思っているのですが、
いかんせん、背丈が伸びない。
こりゃあ、ローラーのやり過ぎかと心配していましたら、
ここ数日、あれよあれよと徒長してきました。

よく考えれば、それまで横方向に葉を伸ばせていたものが、
目一杯になったものだから、上方向に伸びたということ。
結果的には、
育苗35日で4.5葉、平均すると15cmくらいで、
幾分、背丈が短い程度。
例年の生育とかわりません。
うまくできているものです。

苗の成長に合わせて田植えの準備を考えていたものですから、
大慌て。
3日間で150aの田んぼを代掻き、田植えをしてしまいました。
一日目、父と息子で遠距離にある70aの代掻き。
二日目、父と母で70aで田植え。同時に、息子ひとりで80aの代掻き。
三日目、父と息子で80aの田植え。
って具合。
こんなこと、初めてです。
働き手のいる力技ってやつですか。

本当は代掻きした翌日に田植えをするのは
土が落ち着いていなく条件が悪いのですが、
できなくはありません。
でも、やらない方が…


晴れ予報最後の最後に顔を出し

2009年05月13日 | 今年の米づくり
晴れという予報だったと思うのですが、
時折、雨粒の落ちる不安定な一日でした。

あたりの田んぼは大方、九割九分、
まだの田んぼを見つけるのが難しいくらい
田植えが終了しています。
が、わが家ではようやく代掻きです。

以前は田植え後の早い時期に田んぼ除草剤を撒くことが
多かったと思います。
田植え機に装置がついて同時散布をしているほどです。
ところが、稲苗の活着へ影響する薬害があるようだという
話が広まり、最近は随分と遅くなっているようです。

連休前に植えられたはずの隣の田んぼで
ちょうど粒剤の除草剤を散布していたのですが、
代掻き前の田んぼにもこぼれています。
まわりの作業に合わさないわが家が悪いのですが、
苗の生育に影響出なければいいのですが。

満月に薬散布で虫ぶらり

2009年05月12日 | 春の梨畑
ならさん。コメントありがとうございます。

おかげさまで写真のようにシャクトリムシたちが
あちらこちらで糸にぶらさがってしんなりしています。
腹を壊して徐々に体が弱っていくという感じがよくわかります。

でも、あちこちにぶら下がっているのをみると
こんなに虫がいたのかと思わされます。

ピックゥイー、ピックゥイー

2009年05月11日 | 夏の梨畑
ワシタカ科のサシバの鳴き声を文字にすると
「ピックゥイー」となるそうです。

網を張ったナシ畑のなかで
何者かに覆われたと思われるハトの羽が散乱しているのを
今年は4,5か所で見ています。
今度はノウサギです。
投稿写真からは外しましたが、
腹部・内蔵だけ食いちぎられていました。

以前も書きましたが、これもサシバでしょうか。
ハクビシンやアライブマも最近の流行りの害獣ですが。

サシバの個体数が増えたのか。
食物連鎖のピラミッドの頂点にあるものが生息していると
よろこぶべきなのか。
それとも生態系のバランスが崩れていくのか。

月のリズム防除

2009年05月10日 | 夏の梨畑
植物も害虫も月の満ち欠けのリズムに影響を受けて
生きているといわれます。
引力の変化に応じているというのです。
虫は満月に産卵するので
その数日後に殺虫剤を散布するのがもっとも効果的とも。
(『現代農業』09年6月号)

今回の殺虫剤は蛾の仲間の幼虫に効果のある微生物農薬。
葉などを食べると腹を壊して食べられなくなるという代物。
昨夜が満月でしたので、今日明日に散布します。

シャクトリよ。待ってろよ。
でも、これだけ大きいと効かないかな?